二次創作小説(紙ほか)
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- ONE PIECE マリモ剣士の妹君
- 日時: 2016/06/22 00:05
- 名前: PP (ID: n/BgqmGu)
はじめましてPPと申します。
初投稿のため不備がたくさん生じると思います
どうかあたたかい目で見守ってくださいませ(苦笑)
さて、設定は原作沿い2年後です。オリキャラ結構出す予定…というか出したいなぁ…
時間枠は本家を飛び越えて、ワノ国とか色々終わったあたりです。
タイトル通り、ゾロが妹と接触するお話し(一味も出るよ!)にしていきたいと思います。
ゾロ大好きに目覚めた投稿者が
ゾロの出生って謎だなぁ…とか、妹いたら面白いんじゃないかしら…など
色々妄想した結果、暴走が止まらなくなりました
ぶっ飛んだお話&亀更新になるかと思いますがよろしくお願いします
設定
>>1
お話
>>2
- Re: ONE PIECE マリモ剣士の妹君 ( No.19 )
- 日時: 2017/04/10 05:31
- 名前: pp (ID: n/BgqmGu)
濛々と湯気のような白い煙が立ち込める中、うつぶせに倒れ完全に気を失っている緑髪の剣士。
「……参ったもんだ」
瞼は閉じられ、思ったよりも長い睫毛が存在感を増している…
近づけばより一層はっきりと見える薄い唇に鼻筋の通った横顔。
「確信はなかったんだがな…」
また一歩近付き、くしゃくしゃと髪を触ってみる。
芝生色のその髪は、予想に反して、柔らかい。
(そっくりだ…)
どこか少し泥臭くも…凛とした立ち振る舞い。
歯に衣着せぬ物の言い様。
興奮に影響され開かれた瞳孔、そして自信に満ちた表情。
「そうか…男か…」
傷のある隻眼の剣士…。
魔獣と謳われるほどに鋭い殺気。
かと思えば、眠っている表情はこんなにも穏やかで…
年寄りとも言える自分から見れば、まだまだ幼さが残っているようにも見えてくる。
「さて…どうしたもんか」
やっと見つけた。
「オレは今度こそ、後悔したくないんだよ…」
……………。
この獣が、欲しい。
果たしてグレパルトの奴はどこまで辿り着けているのか…。
—どぉぉぉん!
「ん?」
「ひ、ひ人殺しだああああ!」
アズリアが眠る剣士の傍らにしゃがみ込み、その姿を見つめ歪んだ笑顔を浮かべ思考にふけっていたその時…
突風とともに耳をつんざくほどの大きな声がつきぬけてきた。
—どぉん どぉぉぉん!
「う、うわぁぁぁぁぁあああ!火事にもなっちまってるぞぉぉお!おーい誰か来てくれぇぇえ!」
立て続けに、二発バズーカ砲も飛んできた。
弾は壁に当たりガラガラと音をたてて両脇が崩れていく。
丁度キッチンがあった場所にでも当たったのだろう。崩れた片方の家からメラメラと炎が燃え、焦げ臭いにおいも漂ってくる。
わらわらと人の集まってくる気配もする…
「いまだ!」
「おう!」
—ビュン!
「?」
今度は真横をピンクの何かが通り過ぎたように見えた。
「おいおい…。こりゃあなんとも」
「兄ぃ!おっけーだ!」
「よっし!んじゃくらえ、このヤロウ!」
—モクモクモクモク…
とどめとばかりに投げ込まれた煙玉が弾け、再びあたりを白いもやが包み込む。
やれやれとため息をつきながら、剣士が転がっていた足元をみやれば案の定…その姿はどこにもない。
「はぁ、あの二匹。素早さだけは一級品だわな」
今ごろ…歯を食いしばって猛ダッシュを決め込んでいるであろう小僧達の姿が目に浮かぶ。
気配も分かるし、本気を出せば追い付くのも容易いが、正直面倒くさい。
(まぁ、獲物は逃げんだろうさ…)
目を細めて天をあおぐ。
何ごとかと野次馬が増えてきたのだろう。大通りの様子もますます騒がしくなってきた。
煙幕でこの路地の様子は全く見えていないだろうが、それも時間の問題だ。
「計画を何だと思ってるんだ?」
「お、グレパルトか。
いや〜、あの小僧共すばしっこくってな。まいったまいった」
「………。
ま、最初から貴様に期待はしていなかったがな。
だが偶然とは言えロロノアを狙う連中が他にも居る事が判明した。あんたにしては上出来だ」
「ほー、そりゃ褒め言葉か。嬉しいねぇ」
予想通り背後から漆黒の男がスッと現れた。
おそらくこの男にしては珍しく走りとおしでたった今到着しただろうに、息ひとつ乱した様子を見せないとはなかなかやるものだ。
相変わらず、なに一つ腹を悟らせないようにしている。……それすらも、コチラには見え見えなのだが。
「ははは、どっちにしろオレには怪力しかない。逃がした事は悪かった。すまんすまん」
「……はぁ。」
グレパルトは実のところとても扱いやすい。
こうして粗野な振る舞いを見せ、知恵のない者のように振舞っていれば、この男は安心する。
内心見下げているだろうにその素振りすら見せないとは…逆に見直してしまう程に、だ。
「ま、そうカリカリしなさんな。獲物は逃げんと思うぞ。オレは」
— 大将だって分かってくださるはずさ。 ハハハハハハ!
「…だろうな。我らがボスはお前に甘すぎる…」
背を向け大声で笑うアズリアの背後で、
グレパルトはニヤリと口元を吊り上げた。
- Re: ONE PIECE マリモ剣士の妹君 ( No.20 )
- 日時: 2017/04/10 05:32
- 名前: pp (ID: n/BgqmGu)
「おいおい、さすがにマズくねぇか?」
「んーーーー」
「いや、だってもうすぐ一週間経っちまうんだぞ!?」
「んーーー」
気の抜けた返事が木霊する。
「何だよルフィ!その気の抜けた返事はよぉ!」
「んーー。はぁ、冒険してぇ…」
— ルフィーーーー!
— ぐへっ!
ウソップのツッコミの効いたチョップが炸裂する。
「たしかに、迷子にしたって長すぎるわね…」
「だよな!だよな!こんな島で見つからないなんておかしいだろ!?
もう絶対ぇこの諸島のどっか別の島に行っちまったとしか思えねぇよ!」
「うっかり釣舟間違えて別の島…ありえる。頭が痛くなってきた」
「まさか…いや、でもアイツだな」
船番を任された四人と、海図が描きたいと言って残った航海士が一人。
「よし、決めた!ゾロを探すぞー!オレは!」
「ウソつけ!お前は冒険したいだけだろうがー!!」
「はぁ、さすがにウチの船長も限界か…」
「むしろ一週間持ったのが奇跡だわ…」
ありがと、サンジくん。
いつものようにティーカップを受け取りながらナミは呆れたようにルフィを見つめている。
芝生の上ではトンカンとハンマーを使って何かを作っているフランキーと息巻く船長に見事なツッコミを決めているウソップの姿。
二人はギャーギャーと何か言い合っているようだが、ナミはあえて聞こうとは思わず視線を空へと移した。
「アホか…」
「だってぼぼぼ亡霊だぞ?」
「なんだよー!あの飯屋のおっさんだって言ってたじゃねぇか!」
— ゾロなら大丈夫だ!だからオレは行きてぇ!冒険してぇ!
手すりの上に立ちフンと鼻息を鳴らす船長。
すかさず呆れたようにサンジは返事を返すが、逆にウソップはその姿にのまれたかのようにゴクリと生唾を飲み込んていた。
もちろん……オバケ怖い、幽霊コワイという趣旨を伝える事は忘れなかったが。
「おいルフィ、サブマージ3号のメンテナンスなら丁度今終わったところだ。行くんなら使ったらどうだ?」
「本当か!?フランキー」
「アーウ!俺さまにかかればちょいちょいよ!」
「フ、フランキ〜〜〜!」
「ま、あきらめろ…ウソップ」
話の流れを聞いていたのだろう。
スーパーなポーズを決め込み助言をするフランキーにルフィはキラキラと目を輝かせて喜んでいる。
その後ろではガタガタと震えるウソップにポンと肩をおくサンジの姿…。
「おいナミ!行くって決めたからなオレは!」
船長命令だ!
ルフィは話はまとまったと言う様子でにナミへと顔を向けた。
あまりこれまでの内容を聞いていなかったナミは ん?と首をかしげながらも彼の顔を見つめ、
やがて全てを理解したのか…ため息をつき諦めたように声を出した。
「分かったわよ、船長。 でもね、ロビンたちがまだ島にいるんだからサニー号をベルザ島に移すことはできないわよ?」
ちょっと遠いけど、行くんなら簡単な指示出すからサンジくんとウソップ連れて行きなさい。
そう言うと彼女はニコリと笑って、飲んでいたティーカップをソーサーに戻した。
- Re: ONE PIECE マリモ剣士の妹君 ( No.21 )
- 日時: 2017/04/10 05:32
- 名前: pp (ID: n/BgqmGu)
「チョッパー、匂いはどう?」
「駄目だ…あの後すぐ雨が降ったせいで、何にも分からねぇ」
鉄の匂いなんてそこら辺全部から匂ってくるし……オレ、だめなトナカイだ…。
そう言ってしゅんとするチョッパー。
確かにこの辺りは鍛冶屋や武器屋だらけで、鉄という鉄が日々量産されている。
分からないのも無理はない。
励ます意味も込めてロビンはチョッパーに飴玉を渡しつつ、じっくりと周囲を見回した。
(妙ね…。あの日あった喧嘩や騒動は一通り聞きまわってみたけれど、誰もゾロらしい人物が戦っていたと証言していない。
それに最後の姿はそこの酒屋でお酒を買ったという証言のみ…。姿を消して一週間ともなれば…)
「ロビン?」
「チョッパー、そこの本屋さんに少し寄ってもいいかしら?」
「え?、うん。分かった」
久々に過去の勘が自分に何かを訴えかけてきている…。
こういう時、自分の行動は決まっている。
「ちょうど、今日が発売日だったわね…」
そう言ってロビンは雑誌コーナーから何かを探し始めた。
「あったわ」
「え!? アレ!? どういうこと!?」
「まさかこんなに簡単に見つかるとは思ってなかったけれど…」
ロビンが手にした一冊の雑誌、もとい…ゴシップ誌"ピンク・クー"。
店に入ってからしばらく、意図が分からず彼女の様子を見ていたチョッパーだったが…
彼女が手に取った雑誌の表紙、複数ある見出し内の一つを見つけ思わず声を上げた。
"お騒がせリリー熱愛発覚!? お目当てはあの海賊狩りだった!?"
その記事は、まだ年若いトナカイが腰を抜かすのには…十分すぎる内容だった。
- Re: ONE PIECE マリモ剣士の妹君 ( No.22 )
- 日時: 2017/04/10 05:33
- 名前: pp (ID: n/BgqmGu)
海風が柔らかく身体を包み込む…
空はカラリと晴れていて相変わらず気持ちがいい。
「ん〜んんん〜ん〜」
海沿いの倉庫周辺を歩きながら、ブルックは鼻歌を歌いつつしっかりと……そう、至極・ま・じ・め・にゾロ捜索を行っていた。
「一体どこに行ってしまったんでしょうか…?」
誰に聞かれるでもない言葉をポツリとつぶやき海を眺める…
彼が"無断"で船長の元から居なくなるなんてことは、まず"あり得ない"。
彼は船長の右腕であり相棒。
もちろん自分にとっても掛け替えのない二度目の仲間だが、あの二人にはそれ以上の言葉にできない絆がある…そしてそこへは自分たちも入っていけない。…時折そういう風に思えるのだ。
「まぁ、ワタシにもワタシにしかできない役割があるんですけどね…」
料理長は彼の左腕であり、狙撃手は彼の背中を支える。
考古学者と航海士は彼の頭脳で…そして船医は彼の心を支える。
船大工は進むべき道を支える足…と言ったところだろうか。
「あ…となるとワタシ…何だろう?…内臓でしょうか…?」
内臓無いんですけど…ヨホホホホホ〜!!! ゲフッげぇふ!!
持参していた水筒特製アフタヌーンティーを飲みこぼし、…むせた。
「なな、ななななな!?」
むせた原因は決して自分のせいじゃない。
そう、目の前に予想もしなかったものが現れたせいだ。 絶対に。
「ちょ、ちょっとアナタ! 大丈夫ですか!?」
い、医者ぁぁぁああ〜!!
この真夏の気候の中で、全身フードに身を包んだいかにも怪しい男が桟橋の小舟からぬっっと姿を現したかと思えば、
彼は陸地に上がる前にうめき声をあげドサリと倒れた。
慌てて駆け寄ってみれば、骨の手にべったりとこびり付いた血…。
とんでもない重症患者だ…。
(これはいけない。チョッパーさんに診てもらわなくては…)
「あ、アナタ聞こえてますか? 今、医者を呼んできますから。ここでもう少しだけ待っててくださいね?」
「うぅぅ…!」
骨の腕をがっしりと掴まれる。
フードの奥から何か言いたげな瞳がこちらをジロリと睨んでいるが、このボロボロの身体では呻き声にしかならないのだろう…。
だが意識はまだはっきりとあるようだ。
「大丈夫です!ここはお尋ね者の集う島。事情は分かりませんが…、アナタが危惧するような事は起こらないかと」
ワタシを信じてください!
空っぽの…目玉のない目を相手に向けキッと眉あたりを吊り上げ視線を厳しくし、誠意を伝える。
しっかりと伝わったのかどうか定かではないが、男はフッと笑うと目を閉じて気を失っていた…。
- Re: ONE PIECE マリモ剣士の妹君 ( No.23 )
- 日時: 2017/04/10 05:40
- 名前: pp (ID: n/BgqmGu)
書きためてた分を一気に10記事くらい投下…(どぅーん)
次は何か月後になるのか…、うーん。
もし読まれてる方がいらっしゃったら…、突然一気に増えてく方式で申し訳ございません(苦笑)
どうか温かく見守っていただけたら幸いです。