二次創作小説(紙ほか)

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【文豪ストレイドッグス】ー夜ノ街二聳エル貴方ヲ想フー
日時: 2017/06/21 21:10
名前: トースト (ID: jxbxTUdV)

どうも、トーストと申します!
このスレを立てた経緯は最近スレ主が文スト沼にはまってしまいまして小説を書こうということになって今に至るという次第でございます。
このスレはスレ主が自己満足の為だけに貸していただいた場ですのでそれを皆様にも観覧していただけたらなと思い投稿しております。
スレ主は普段観覧者ですが、今回初めて小説を投稿する故いろいろと至らないところもあると思いますが暖かい目で見ていただければなと思っております。
普段は長編の小説を連載していこうと思いますがたまに番外編という形で短編、長編小説を連載しようと思いますので本編についてのことが分かりにくくなる時があると思いますがご了承ください。
短編集へのリクエストがある方はなるべくお答えしようと思います。

注意!
・この作品にはスレ主が現役作家、有名作家から引用したオリジナルキャラという本編には出てこないキャラクターが登場します。
・この作品はあくまでスレ主の自己満足小説ですので不快に感じた方は見ないことをお勧めします。
・この作品について意見、要望、アドバイス、感想を書きたい方は他の観覧者、またはスレ主が不快にならないような文面でお願いいたします。


上記のことをご理解いただけた方はどうぞ楽しんでいってくださいませ。



この作品はフィクションです。実際の人物への関わりは一切ありません。

Re: 【文豪ストレイドックス】ー夜ノ街二聳エル貴方ヲ想フー ( No.5 )
日時: 2017/05/28 19:51
名前: トースト (ID: jxbxTUdV)

#3

「えっと…この子は太宰さん達の知り合いなんですか?」

依頼書に書かれていた今日の事件は特に難事件と云う訳でもなさそうで何時も通り何事もなく事件現場に到着したあとは直ぐに乱歩さんが事件を解決し、犯人を警察に引き渡し、探偵事務所に帰還するだけだったのに今のこの状況はどういうことだろうか?
僕は少し頭の中で整理をした。太宰さんと乱歩さんと無事事件現場に到着したはいいが、その事件現場と云うのは今にも崩れそうな廃屋で前には数名の警察と鑑識が居て既に死体を調べている最中だった。廃屋の隣には取り壊し予定と書かれた立て看板が立てられていてその看板の前には赤いジャージを着た少女と黒いパーカーを着た青年が何やら話し込んでいた。この人達も事件関係者なのだろうか?そう僕が思ったその時だった、乱歩さんが声を上げたのは。警察の皆さんは急に現れた青年に侮辱された訳であって殺気のようなものを発していた。しかしそれも束の間、声が聞こえた。とても、とても弱く、折れてしまいそうなほど弱々しい声。声の主はどうやら少女のようで、少女は目を見開き乍に此方を見ている。内容が内容な為奇跡の再会と云った処だろうか?僕には全然記憶にないし、複数形と云うことは太宰さんと乱歩さんに関係があると云うことになる。え、と小さく声を漏らしたのは恐らく隣にいる青年だろう。そうな意味不明なやりとりをこの短い時間で体験した僕は頭がオーバーヒートしそうになっていたが、今こうして整理が出来た御陰で状況は何と無く理解出来た。

「いやぁ?このような可愛らしい少女と知り合いなんて私は全く覚えに無いよ」

「太宰に同じだ。と云うよりそんなこと興味すらないね!」

そう何時もの調子で返す太宰さんと乱歩さん。乱歩さんに至っては少し酷いなとも思えてくるがこれがこの人の性格なので仕方が無い。少女の方を見ると青年が少女に話掛けているところだった。

「かなえさん、大丈夫ですか?」

「あ、ああ…大丈夫だ。安心し給え小林君」

青年の問いに対して少女はそう安心させようと云っているが、声は震えている。

「小林君、今日はもう帰って大丈夫だ。事件は…あの人達に任せよう。少し、一人にさせてはくれないか?」

かなえさんと呼ばれた少女は小林君と呼んだ青年にそう云うと振り返らずに去っていった。青年はと云うと少女を追い掛けるわけでもなく少女が去っていった真逆の方向へ足を進め、去っていった。

「………敦君、私は少し野暮用を思い出した。事件が解決したら乱歩さんを探偵事務所に送ってくれ、いいね?」

そう云った太宰さんは何故か何時もより真面目そうで、僕が返事をすると太宰さんは満足そうに笑い、少女が去っていった方向へ足早に歩いて行った。

「一体、誰なんだろう…あの少女」

僕が独り言のようにそう呟けば、隣にいる乱歩さんが太宰さんの去った方を見乍ーー

「さぁね、でも太宰があんな反応を示すとはねぇ…僕も少し興味が湧いて来たよ」

そう云った乱歩さんは薄く目を開き、ニヤリと笑っていた。


‾‾‾‾‾‾‾‾‾
‾‾‾‾‾‾
‾‾‾‾

路地裏を歩く男女がいた。一人は少女で、もう一人は男性だった。空気は張り詰めており、頭が痺れてきそうな程たっぷりと沈黙していた。しかし、そんな沈黙を先に破ったのは少女からであった。

「久方ぶりですね、太宰さん。私のことを覚えて無いと聞いた時は真逆と思いましたが、矢張り覚えていたようですね。昔に比べて善い人になった様ですが、真逆あの人と一緒に居るなんて…正直驚きましたよ?」

少女ーー湊かなえはそう云うと肩を竦めて笑った。

「いやいや私も最初は真逆君だとは思わなかったよ。それを云うなら君も昔に比べて感情的になったし随分と雄弁になったものだねぇ?」

男性ーー太宰治はそう云った後鼻でかなえを笑った。

「……あの人…ねぇ…乱歩さんに君の想い人の面影を重ねるのはやめた方がいい。最も乱歩さんはもう忘れて仕舞ったみたいだけどねぇ…」

太宰はそう何時もの悪ふざけではなく、真剣に云い瞳を細めかなえを見やった。

「関係…ありません。私に生きる意味を教え、導いてくれたのは紛れもなくあの人です。そして太宰さん、私をあの檻から解放し、この世界に連れてきてくれたのは貴方です。 」

かなえはそう云うと少し太宰に微笑んで見せた。

「………此処で立ち話もなんだし、どうだろう?…いい喫茶店を知っているのだけどねぇ」

そう云った太宰の顔が一瞬でも意地悪くなったのを、かなえは気付くことが出来なかった。





Re: 【文豪ストレイドックス】ー夜ノ街二聳エル貴方ヲ想フー ( No.6 )
日時: 2017/05/31 22:17
名前: トースト (ID: jxbxTUdV)

#4

太宰からの誘いを断りきれず結局かなえは太宰の云ういい喫茶店に行くことになった。

「…太宰さん、その“いい喫茶店”と云うところは何処にあるんですか?確かこっちの方面は太宰さんの…」

そう太宰の後ろを歩いていたかなえは不満気な声を挙げる。確かこっちの方面は太宰の今の職場、武装探偵社があるはずだ。しかしそう云おうとしたかなえの言葉を太宰が制した。

「ん?だから其処だよ。いい喫茶店のある処は…ほら、着いたよかなえちゃん」

太宰が急に止まったことにより、身長のせいで前が見えなかったかなえは太宰の背中に顔面をぶつけると軽く額を摩り乍太宰が云う喫茶店を見た。
ヨコハマには何処にでもありそうな洒落ている建物。その一階には〈うずまき〉と書いてある喫茶店があった。そしてこの建物の四階はーー

「太宰さんの職場じゃないですか!?じゃ、じゃあ私はこれで失礼させて頂きます」

「えー?かなえちゃんも寄って行きなよぉー!最高だよ?此処のマスターが淹れる珈琲」

「いや、私珈琲無理なので。それでは」

建物を見たかなえは一瞬にして顔が青ざめ、直ぐ様その場を立ち去ろうとする。しかし太宰が逃がす訳もなくかなえの肩をがっしりと掴んでニコニコ此方を見て笑っている。それでも強引に理由を付け逃げようとしたかなえを太宰は今度こそ逃がさぬぞと云うようにうずまきの中へ嫌がるかなえを強引に引きずって行ったのであった。


‾‾‾‾

「さぁて、かなえちゃんは何頼む?今日は私の奢りだよ!」

太宰は店内のカウンター席に腰を下ろしその隣にかなえを座らせこれもまた笑顔でかなえに問う。

「いえ、私は何も…と云うか帰りたいです」

「だぁーめっ!お姐さん!ココアと珈琲頂戴っ!」

帰してくれと頼んだかなえの意見を即答で却下し、頼んでもいない飲み物を高らかに店内で云う。はぁーい、とカウンターの奥から少しだけ赤毛を三つ編みにした少女ーールーシー・モード・モンゴメリの姿が見えた。

「あら、太宰サンその方は誰ですの?」

その方とは恐らくかなえの事だろう。普段一人か国木田達と来る太宰がルーシーも見知らぬ少女を連れてこの喫茶店に来ることはまず無かった。

「ああ!この少女は私の親戚の子でね、今ヨコハマに遊びに来てるんだ」

は?

「あらそうでしたの、ココアと珈琲ですね。失礼しますわ」

いやいやちょっと待ってくれよ、親戚の子?私が?誰の?かなえは太宰がルーシーとの会話を終わらせ、ルーシーがまたカウンターの奥へ消えて行くのを確認すると太宰を睨み乍に云った。

「太宰さん、誰が誰の親戚の子ですって?」

「いやいや咄嗟に思いついたにしては善い設定だと思うんだけどなぁ」

太宰は意地が悪そうに笑っている。

「本当に貴方って人は…!」


その後うずまきの店内には全然善くありませんっ!と云うかなえのソプラノが響き渡った。

Re: 【文豪ストレイドックス】ー夜ノ街二聳エル貴方ヲ想フー ( No.7 )
日時: 2017/06/07 18:04
名前: トースト (ID: jxbxTUdV)

#5

「乱歩さん、今うずまきから何か聞こえてきたような…」

「どうせ変なお客が来てマスター達が騒がしくなってるんだろう。それより僕は腹が減った。敦君、何か食べて行かないか?奢るよ」

乱歩さんが事件を解決し、犯人を警察に引き渡し、帰路を歩き探偵事務所の建物が目前になってきた処で今の状況は作られた。
事件を解決した後、乱歩さんが面倒臭いと云ったので警察署までは行かなかったが最後犯人が「俺はもうあいつらの仲間じゃないんだ…!」と云う印象的且つ意味不明な言葉を残して去って行ったのは懸命に覚えている。印象的と云えば先程まで事件現場に居た少女と青年、その少女を追い掛けるようにして去って行った太宰さんはどうなっただろうか?他にも此処に来るまでの間、不思議な人達とすれ違った。犯人を引き渡して直ぐだったか僕達と入れ替わるようにして事件現場に入って行く人形を抱え、キセルを咥えた男性を見た。その後ろからは浅葱色の髪を揺らし乍スーツを着た女性が何やら「先生…!勝手に私の前からいなくならないでくださいっ!」と怒声混じりに男性を追いかけて行くのが伺えた。そんな人達を眺めていると前を歩く乱歩さんに大きめな声で呼ばれたので反射的に足早になりその人達は見えなくなって仕舞ったが僕の職業柄、あの人達も探偵に関わりがある職業ならば次会える日はそう遠く無いだろう。
まぁ、そのようなことがあったが無事見慣れた建物に着いたや否やこの建物の一階にあるうずまきと云う喫茶店から聞きなれない声が聞こえた。とっさに乱歩さんに話しかけ、確認するがどうやら乱歩さん曰く“変なお客”らしい。僕もまだあまりよく知らないことがあるのでこの探偵社設立時からいる乱歩さんなら何か思い当たる節があると思い聞いたがどうやらそう云うわけでも無いらしい。乱歩さんに食事に誘われた。丁度僕もお腹が減っていたし、奢りと聞いてはご馳走にならない訳には行かないので僕としては都合が善い。

「はい、中で何が起こっているかも気になりますし」

そう云って僕はうずまきの扉を開けた。

絶句したーー

「だ、だだだ太宰さん!!?そ、その子って!?って云うより何で居るんですか!?」

扉を開け、待っていたのは太宰さんと太宰さんの隣に座るあの少女だった。驚き過ぎだと自分でも思ったが、あの太宰さんが真逆こんな少女にも手を出すとは…正直ショックだ。

「私が居ちゃ不都合かい?と云うより落ち着き給え敦君。順を折って説明しようじゃないか。まずはこの少女だ、この子は私の親戚の子だよ。名前はかなえちゃん。決して危ない関係では無いし、私は其方に目覚めてはいない。そして何故此処にいるかと云うとそれはこの子に私の職場を紹介しようと思ったからだ。敦君、これで分かってくれたかな?」

そう太宰さんは弁解するように云った。一瞬太宰さんの親戚の子だと云う少女ーーかなえちゃんが此方を見乍戸惑い、太宰さんに目を移し、一瞬でも太宰さんを睨みつけたのはどう云うことだろうか?

「へぇー太宰の親戚の子、ねぇー…僕の名前は江戸川乱歩、日本の宝にして最高級の異能を持つ名探偵だよ。よろしくね、かなえちゃん」

そんな中乱歩さんがかなえちゃんに自己紹介をし乍手を差し伸べる。こんな小さい子に異能の話は着いていけないだろう。

「え、えっと…僕の名前は中島敦です。よろしく?で善いのかな…あはは」

僕も一応自己紹介をする。かなえちゃんは一瞬乱歩さんの差し出した手に困惑の色を顔に浮かべたが直ぐに微笑みその手を取った。しかしその可愛らしい口から出た言葉はーー

「お初にお目に掛かる、湊かなえだ。よろしくな乱歩さん、中島君」

実に落ち着いた雰囲気でその顔に合っていない口調でそう云い、湊かなえはニヒルに笑ったのだった。太宰さんがその後かなえちゃんの耳元で何かを囁き、かなえちゃんが腰に携えられた日本刀を少しでも鞘から出そうとした理由を本人にはきっと聞かない方がいいだろう。







‾‾‾‾‾‾‾‾‾


同時刻、警察署特務課にて云い争い合う男女があった。

「なんで君はそうやって何時も何時もトラブルを起こすのさ!?僕の苦労も考えてよぉ」

男はそう云うと書類を机中に撒き散らした。

「はぁ、どうせならもっと静かに怒ってくれ、ーーー君。君は毎度乍に五月蝿いな。僕だって君には悪いと思っているよ、すまないね」

女は冷静にそう云っているが反省はしていない様子だ。

「反省の色が見えないんだよ名探偵っ!」

机を叩き乍突っ伏して仕舞った男。

「おや、時間だ。行くぞーーー君、仕事だ」

女は懐中時計を見るとそう云い立ち上がった。

「分かってるよーーーー、今日は交通整備じゃ無いよねぇ?」

男が肩を竦め乍そう云う。

「いや、今日は武装探偵社に直々で依頼をしに行くようだ。我々の力があれば武装探偵社に依頼せずとも解決出来ると思うが僕の異能は今上からの命令で使用禁止だ」

女は呆れたように云った。

「解決って、使うのは君の異能じゃなくて君の頭脳でしょ?名探偵、君の異能は危険だからねぇ」

男は恐がる素振りをして震えて見せた。

「分かっているよ、だから僕は異能を使うことをやめたんだ。まぁ自分でも制御出来無いのだけれどね…じゃあ…行こうか、フランツ・カフカ君…」

「分かったよ、呉々も武装探偵社では変な事をしでかさないでよねアーサー・コナン・ドイル」

そう男に云われた女は心なしか笑っていた。





Re: 【文豪ストレイドックス】ー夜ノ街二聳エル貴方ヲ想フー ( No.8 )
日時: 2017/06/11 10:40
名前: トースト (ID: jxbxTUdV)

#6

「おおっ!そうだった忘れていたよ、かなえちゃんは我が武装探偵社を見学するんだったね!じゃあおいでかなえちゃん、案内しよう。探偵社はこの建物の四階にあるんだ」

少しの雑談をした後、唐突に太宰さんが思い立った様にそう云い席から勢い良く立ち上がった。かなえちゃんはというと頭を押さえもう駄目だと云う様な顔をしている。そんなかなえちゃんを太宰さんは強引に手を引きうずまきの勘定を払い勢い良く飛び出したかと思えば騒がしく階段を駆け上って行った。
僕と乱歩さんも追い掛ける様に勘定を済ませて階段を駆け上って行った。まぁ正確に言えば乱歩さんは二階の半ばで体力が尽きたらしく僕が四階に着いた頃には後ろに居た筈の乱歩さんは息を切らし乍走って来ていた。元々戦闘要員じゃ無い乱歩さんに四階まで一気にダッシュするのはキツイだろうけど途中で倒れていなくて安心した。そうして僕は乱歩さんが追いついたのを確認すると何時もの見慣れた扉を、武装探偵社の扉を開けた。
まぁ其処に広がる光景も意外と安易に想像がつくものでーー

「太宰っ!此奴は誰だ!何で武装探偵社に探偵社員以外の子供が居るんだっ!」

「国木田君落ち着き給えよーこの子は私の親戚の子で、湊かなえちゃんだ。今現在ヨコハマに遊びに来ているからどうせならと思い私の職場に連れて来た訳さ」

扉を開けると矢張り想像していた通り其処には太宰さんを説教する国木田さんの姿と急に来たかなえちゃんに戸惑っている谷崎さんと妹のナオミちゃん、与謝野さんと賢治君と鏡花ちゃんの姿があった。太宰さんはこうなることを予想していた様に国木田さんに弁解した。それを聞いた国木田さんはそう云うことなら、と眼鏡のグリップを押し上げ一つ息を吐き落ち着きを取り戻した様子だった。

「探偵社で騒がしくするなよ、とだけ伝えておけ」

そう国木田さんは太宰さんに云い捨て仕事に戻って行ったのであった。どうせ目の前に居てかなえちゃんに態々聞こえる声でそう云ったんなら直接云えば善いのに素直じゃないなぁ、と失礼乍僕は心の中でそう思い、心なしか微笑んだのであった。
その後直ぐにナオミちゃん達がかなえちゃんに駆け寄って行き、興味津々にかなえちゃんを眺め、その後はかなえちゃんで着せ替えをすることも安易に想像が出来るものであった。こうして、結局国木田さんの騒がしくするな、という言動はかなえちゃんでは無く探偵社員によって簡単に破られてしまうのだった。



‾‾‾‾‾‾‾‾‾




そんな探偵社に向かっている男女があった。

「ねぇアーサー、さっきはあえて名前出さなかったけどさ…ーーーって何処行ったのさ」

「あぁ、確か三日前虹色の蝶を探しに行くって行ってから帰って来てないな」

そう男に問われたアーサーと呼ばれた女はそう淡々とし乍答えた。

「……そ、れ、で…僕はその場に居なかったわけだけどぉ…アーサー、何てーーーに答えたの?」

男は怒りを爆発させる一歩手前でそう女に問うた。

「勿論、行ってらっしゃいって答えたぞ」

「なんでーーーに行ってらっしゃいなんて云っちゃうんだよっ!あー!帰ってこなかったらどうするんだよっ!」

男は頭を押さえ、女にそう強い口調で云った。
その時だったーー

「アーサー!カフカ!ヤッホーッ!ーーーちゃんが今帰ったよぉ!」

何処からか聞こえた少女の声。しかし、その発生源は少女では無く女性だった。

「あーっ!ーーーっ!今まで何処に居たんだよっ!」

女を見るなり男は女に説教を始める。

「えへへぇ〜いやぁー真逆虹色の蝶々が実在するとはねぇー私自身驚きだよぉ!」

女は質問に答える気は無さそうで虹色の蝶について熱く語っている。

「もう蝶の話はいいぞーーー、今は仕事中だ。武装探偵社に行かねば」

其処でアーサーがカフカとの間に割って入り話を変える。

「まぁそのことについてはしっかり反省しといてね、ルイス・キャロル」

男はそうルイス・キャロルと呼んだ女に云い聞かせる様に云った。

「分かった反省する!ねぇアーサー、今日の仕事って武装探偵社なの?依頼しに行くの?……やったぁっ!私武装探偵社行くの初めて!」

ルイスが嬉しさの余りアーサーに抱きつく。

「そんなの僕も初めてだよ」

「僕も初めてだ」

ルイスの発言にカフカとアーサーが返す。

「じゃあみんな初めて!?いいよねぇ初めてってなんだかワクワクするよねぇっ!」

ルイスがそう云って飛び跳ねる。

「おーいルイス、置いてくぞぉ!」

カフカのその声にルイスは慌てて走り出す。
そんなことも警察署特務課の日常であった。

Re: 【文豪ストレイドックス】ー夜ノ街二聳エル貴方ヲ想フー ( No.9 )
日時: 2017/06/17 13:22
名前: トースト (ID: jxbxTUdV)

オリジナルキャラ

キャラシ

名前【アーサー・コナン・ドイル】
性格【少し口調に難があり何時も冷静で居て、仲間意識が強い性格。喜怒哀楽の感情が欠如している訳では無く感情を表に出す事が人よりも劣っているだけ。推理の才能はピカイチで謎が大好きだが謎無しの仕事には余り気乗りしない。人間観察を趣味として洞察力、観察力も優れている。自分の異能を使いこなせないのを第一に悔しがっている。カフカにはよく説教をされるが余り反省はしていない様子。一人称は僕。性別としては女だが本人は男と女の差ががまるでこの世に存在しない様に過ごしている。実は負けず嫌いで勝負などには熱くなり易い。終わり良ければすべて良しタイプのマキャベリスト。】
容姿【髪色は色素の薄い茶色で胸にかかる程度に長く、サラサラなので態々括る様な真似もせず伸ばしている。女用のスーツを着用し、髪色と同じ茶色のロングコートを羽織っている。ズボンは暑いそうなのでスーツと同じ素材の黒いスカートを履いているがその下は黒のタイツを履いているので暑さは矢張りどうでも善い様だ。瞳は綺麗なエメラルドグリーンで肌は白く、身長は155センチと低めだが胸はでかい。歳は21。】
職業【警察署特務課(推理担当)】
好きなもの【人間観察、謎、誰も居ない空間、正論】
嫌いなもの【感情、敗北、説教、人で溢れた空間】
異能力【《緋色の研究》・故意で対象を事故死、又は他殺に見せかけて殺すことの出来る世の理から外れた能力。使用時には瞳が緋色に変化する。最もアーサーはこの異能を使いこなせないので何時異能が発動するかは本人にも解らない。】
詳細【普段は警察署特務課と云う処で推理担当をやっている。本業は探偵でルイスにスカウトされ入った。自分の異能を恐れて居て何時発動するかも解らないので寝不足の日が多い。この異能の所為でアーサーの行く処は誰か人一人が必ず死ぬ事からアーサーは「死神」と呼ばれていて、警察署内でも忌み嫌われ上からは異能使用禁止令が出ている。なのでなるべく異能が発動しない様に人を避け一人で居る様にしている。一時期引きこもりをして居たそうだがその所為もあり体力は探偵社の江戸川乱歩と張る位無い。】
サンボ「アーサー・コナン・ドイルだ。宜しく頼む」「僕に推理で勝つ者が現れるとは前代未聞だな」「僕は、自分の異能も満足に扱えない負け犬なんだ」


名前【フランツ・カフカ】
性格【少々怒りっぽい性格で何時も苛々している様に思えるが実はただ単に過保護と心配性がいき過ぎて居るだけなので其処に関してはアーサー達は何も言わないが説教をする声のボリュームをもう少し下げて欲しいとのこと。アドリブとトラブル、ハプニングが第の苦手で一度に来られるとカフカでも対処が出来ない。アーサーとルイスの事はなんだかんだ云って大切な仲間でアーサーの事は尊敬して居る処もある。異能の所為でよくルイスにこき使われるが其れに関してはカフカ自体余り悪い気分じゃ無い様子。一人称は僕。ネガティブ思考のリアリスト。】
容姿【髪色はグレーで耳に掛かる程度には長く、整えられて居る。普段は白いシャツに黒いネクタイを締め黒いスーツの素材で出来たズボンを履いている。本人曰く潔癖性なので服装は何時も清潔でありたいだとか。瞳は太陽の様なレモンイエローで身長は178で中途半端な高さである。顔立ちは整って居て世間で云う美少年年齢は20歳。】
職業【警察署特務課(サポート担当)】
好きなもの【器械、小説、静かな空間、集中して居る自分】
嫌いなもの【ホラー系、アドリブ、トラブル、ハプニング】
異能力【《変身》・自分が一度目にしたものなら生き物だろうとそうでなかろうと好きな時に好きに変身出来る能力。】
詳細【警察署特務課のサポート担当をして居る。体力は軍隊並みにはある方なのでカフカ一人でも充分戦闘要員にはなっているが異能との相性が悪い為サポート担当になった。この異能の所為で過去にいじめられて居た過去を持ち「化物」と呼ばれていた。人間不信な時も度々あるが、アーサーとルイスは信頼して居る。元々は医師を目指して居たがアーサーにスカウトされ警察署特務課に入った。】
「あ、どうもフランツ・カフカです。宜しくお願いします」「お、おおおおお化けじゃ無いよね?」「君達しっかりしてよぉ!」


名前【ルイス・キャロル】
性格【好奇心旺盛で天真爛漫な性格。この世に溢れて居るもの全てに興味津々で明るく元気でマイペース。カフカとは正反対でポジティブ思考のロマンチスト。奇々怪々で不思議でへんてこりんなものが大好き。奇想天外なことを七つ思いつくのは朝飯前。元気でマイペースな反面、時と場合により礼儀正しく振る舞うことも出来る。カフカ曰くルイスは僕達とは違う世界を見ている、だとか。少し変わっているが誰もを惹きつける魅力の持ち主で誰とでも直ぐに打ち解け合う。一人称は私かルイスでこんな子供っぽい性格をして居る割に年齢は22歳。アーサーとカフカはとても大切な仲間。自分からスカウトした事もあり、先輩としてアーサーとカフカを可愛がって居る。】
容姿【パーマがかったふわふわの金髪で、長さは腰辺りまであり黒いうさ耳の様なリボンカチューシャを頭に着けている。服装はトランプのマークがあしなわれた水色のエプロンドレスでフリルやレースなどが飾られている。白黒のボーダータイツを履き黒いパンプスを履いている。瞳は宝石をはめ込んだ様なサファイアブルーで肌は色白。身長は160センチとアーサーよりも高いが、胸はアーサーよりも慎ましい。】
職業【警察署特務課(攻撃担当)】
好きなもの【この世に存在しないもの、夢、お茶会、チェス】
嫌いなもの【現実、過去、誕生日、時間】
異能力【《不思議の国のアリス》・触れたものや、触れたものに対してルイスが念じたものの性質をあべこべにする能力。ただし、一度あべこべにするとルイスが異能を解くまであべこべのまま。】
詳細【警察署特務課の攻撃担当をして居る。当時自身の異能に苦しんでいたアーサーを救うべくこの特務課にアーサーを誘った張本人。戦闘要員としては余り力がある方では無いがすばしっこさと異能の御蔭で戦闘をこなして居る。周りからは昔から変わった子として見られ異能の所為で孤立していた過去を持ち、今でもなお「魔女」と呼ぶ者が居るらしい。本人は気にして居ないがアーサーとカフカは心配して居る。毎日の様に夢を見るらしいがどの様な夢を見ているかは内容までは教えてくれない。時々誰かと話しているがアーサーとカフカには見えていない。本人曰く不思議の世界のお友達らしい。】
「ヤッホー!ルイス・キャロルだよっ!宜しくねっ!」「今日こそ金色に輝く鳥を捕まえるんだからっ!」「ごめん、よくわかんないやっ!あはははぁー!」


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