二次創作小説(紙ほか)
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- 進撃の巨人 もう一人の人物
- 日時: 2018/06/02 21:44
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12230
※ネタバレ・グロあり
ザビニ・ブレーズというオリキャラが登場します
ほぼ原作と同じです
完全に自己満足です
進撃の巨人が好きなかたも、はたまた見たことも読んだこともないかたも、ぜひ読んでいってください
第1章・序章
>>01
第1章〜トロスト区死守命令850〜
>>03-04 >>06 >>08-13 >>15-17 >>19-28 >>30-31 >>33-未定
雑談回
>>02 >>05 >>07 >>14 >>18 >>29 >>32
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.21 )
- 日時: 2018/05/05 09:19
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12230
市街地に、小山のような大岩がある。掘り出し工事をしているようだが、かなりの大きさの岩だ。周囲を掘っても、動かすのは難しいだろう。道行く人が話をしている声がする。
「壁が壊れたときに、それを塞ぐために兵団が掘り出しているんだとさ」
「たとえ掘り出せたとして、どうやって壁まで運ぶんだ?まったく兵団もムダ飯食いだな」
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.22 )
- 日時: 2018/05/05 09:43
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12230
市街地にある兵団本部の建物だ。街のなかでもひときわ高く、ほかの建築物とはまるで違う、石造りの堅固な建物だ。ちょっとした城塞のような外観だった。
外から窓の数を数えると7階建てだが、1階から4階は天井も高く、そのぶんだけ建物が大きい。特に1階に当たるフロアは、馬車がそのまま出入りできるほどだ。各種の物質、立体起動装置用のガスタンクや、交換用部品などの補給物資が集積されている。
トロスト区守備隊の司令部であり、補給基地である拠点である拠点だ。
ここには大勢の兵士が出入りしている。
「訓練兵か」と声をかけてきた年上の兵士がいた。胸の記章は”二輪の薔薇”。駐屯兵団だ。
敬礼すると、彼女も敬礼を返した。太い眉毛で鋭い目。眼鏡の女性だ。
ザビニが建物を見ていたのを知ったのか、彼女もそれを見上げ、こう言った。
「兵団本部は頑丈に出来ている。たとえ巨人が押し寄せても耐えきれるほどにな。……もっとも、巨人がここまで来るような状況になったら、もうおしまいなんだが」
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.23 )
- 日時: 2018/05/06 16:13
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12230
通りの石畳の上で、子どもたちが遊んでいた。
ザビニが訓練兵だとわかると、寄ってきた子たちがいた。
元気な男の子、おとなしそうな男の子、女の子の3人だ。10歳ぐらいだろうか。
「ねえねえ。あんたも兵士だろっ」と、元気な男の子が顔を紅潮させている。
「今朝、『門』から出発していった調査兵団はかっこよかったなあ。オレも大きくなったら、調査兵団に入るんだ!『リヴァイへいちょう』みたいにかつやくするぜ!」
女の子もザビニに寄ってくる。彼らにとっては兵団は憧れなのだろう。
ザビニもちょっと嬉しくなる。
「おにいちゃんや、おねえちゃんたちが……巨人を倒してくれるんだよね!」
ふたりの友達らしい、おとなしそうな男の子は、おずおずしながら、ザビニに話しかけた。
「巨人はこわいけど、壁の外には行ってみたいなあ」そんなことを言った。
「壁の外って、この街のなかの何倍も広いんでしょ?鳥みたいに空を飛ぶ乗り物とかあれば、巨人に会わずに、壁の外に行けるかなあ」
空を飛ぶ乗り物? ……面白いことを考える子どもがいるもんだ。そんなものがあったら、巨人との戦いや壁外調査もずいぶんと便利になるだろう。
(「へいちょう」と、ひらがなにしたのはわざとです)
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.24 )
- 日時: 2018/05/08 19:03
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12230
街の大通りだ。石畳の、舗装された広い街路がある。この通りは馬車や荷車が多い。通りに面して、荷下ろし場があちこちにあった。並ぶ建物も、商店やその倉庫が多いようだ。
ザビニと同じ訓練兵のジャンとマルコ、そして小柄で坊主頭のコニーの姿があった。
3人は、配属希望の兵団の話をしていたようだ。
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.25 )
- 日時: 2018/05/09 18:11
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12230
ジャンが聞こえよがしに「そりゃ憲兵団に決まっているぜ」と言った。
そういえば、ここにいる3人はみんな成績上位だ。希望すれば、王都のエリート部隊である憲兵団に行くことができるだろう。
「わざわざ調査兵団なんか希望するやつの気がしれねぇ」ジャンはニヤニヤしながら、続けた。
「お前らもそうだろ?」
コニーは「ちっ」と舌打ちした。ジャンの態度を、少々腹立たしく思っているようだ。
たしかにジャンは訓練所でもあまり好かれてはいなかった。こんな言い方をするヤツだし。特にエレンとウマがあわないようで、いつも口ゲンカして、殴りあいも珍しくなかった。
「うん、そうだね」マルコのほうは穏やかな口調で答えた。
「僕も、憲兵団に入るのは、ずっと憧れだったからね」
ちょっと気まずそうな言い方だった。彼は気配りのきく少年で、ジャンとは正反対の温厚な性格もみんなから好かれていた。そんな性格の彼だから、気をつかっているのかもしれない。憲兵団は、成績が優秀な者しか入ることができないからだ。
しかし、優秀な兵士ほど、実戦から遠い憲兵団に配属されるとは、なんとも矛盾を感じる話だ。
マルコのような人格者こそ、実戦で指揮官になってほしいものだが……。