二次創作小説(紙ほか)
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- この夢の続きは(おそ松さん創作)
- 日時: 2021/03/22 14:43
- 名前: たくマノ (ID: GKQL9A2A)
昨日見た夢が忘れられない
だって、あんな素敵な夢、見たことがなかったから。
…もっと、もっと見ていたかった。
そうだ、もっと見ていたいなら目覚めなければいい。
朝が、来なければいい・・・。
どうも皆さん、初めまして。たくマノです。
今回は、おそ松さんの創作ストーリーです。
苦手な方はブラウザバック推奨です。
こんな私の作品でもよければ、ぜひ見ていってください!(*´▽`*)
主人公⇒松野カラ松(21歳)
イタイ、かっこつけ。中二病をこじらせている。
(でも、兄弟が大好きで、兄弟に優しい、いいやつ。)
その他
松野おそ松(21歳)
皆のお兄ちゃん。わがままで、クズな兄だが根は優しくていいやつ。
松野チョロ松(21歳)
真面目でしっかり者(自称)アイドルが大好きで女の子のことになるとポンコツになる童貞。ツッコミ担当。
松野一松(21歳)
暗い。根暗。闇松。毒舌。だが、本当は兄弟想いの優しい子。猫が友達。
松野十四松(21歳)
元気、明るい、狂気。唯々それだけ。兄と弟が大好き。それから野球も大好き。
松野トド松(21歳)
あざとい、女子力高め、女の子とのつながりが六つ子の中で唯一ある。スマホも持ってる。
- Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.21 )
- 日時: 2019/09/17 19:02
- 名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)
- プロフ: http://
お知らせ
主の夏休み期間が終わるので、投稿ペースが落ちる可能性あり!
それでもまだ見てくださるという方はこれからもよろしくお願いします!
主はこれからも自分のペースで投稿していきますので、よろしくお願いします!
- Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.22 )
- 日時: 2019/11/02 11:07
- 名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)
第十三話【兄と弟、その一】
前回のあらすじ
カラ松の夢の中に入ることに成功したチョロ松。そこで夢の中の案内人ウルフとである。
チョロ松は、ウルフの姿を見て、昔弟にもらったぬいぐるみのことを思い出す。そして、紆余曲折あり、ついに松野家の家の前までやってきたチョロ松。
果たしてチョロ松は、カラ松を連れ戻せるのか…。
それでは本編へレッツゴー!
松野家の玄関(カラ松の夢の中)
チョロ松「…ここに、カラ松がいるんだよね?」
不安そうに辺りをきょろきょろと見回すチョロ松。
ウルフ「あぁ、ここで合ってる。お前の兄…だったか。おそ松もここでカラ松に会った。」
チョロ「えっと、具体的に、カラ松はこの家のどこに居るんでしょうか?」
チョロ松がそう聞くと、
ウルフ「…それは、自分自身で探せ。あいつがどこにいるかは、お前がよく知ってるはずだ。」
そう言って、ウルフは闇に消えた。
チョロ「…カラ松が、どこにいるか。」
そう呟くと、何故か足が勝手に動いていた。そして、二階へ続く階段を上っていた。
そして、二階の一番奥の部屋。いつもみんなでくつろぐ部屋。今、己がこの世界へ入るために使っている部屋。
そこにカラ松がいる。そう信じながら、襖を開いた。
すると…
カラ?「…そこにいるのは、チョロ松か?」
此方に背を向けるようにして、窓辺に立つカラ松らしき人物がいた。
チョロ「うん、そうだよ。僕はチョロ松。」
チョロ松がそう答えると、
カラ?「…一体何の用だ?」
と、こちらを見ることもなくそう述べるカラ松。
チョロ「僕、僕は…お前を起こしに来たんだ。お前、いつまでたっても起きてこないから。」
そう述べながら、チョロ松は、一歩部屋に足を踏み込んだ。
すると、
カラ?「こっちへ来るな!来てはいけない…!」
後ろを向いたままなのに、此方の動きが分かるのか、そう思いながら
チョロ「どうして?」
と、チョロ松は聞いた。
カラ?「俺は…。踏み込まれたくないんだ、これ以上俺の心の記憶の中に…!」
小さく、しかしはっきりと、その声はチョロ松の耳に届いた。
その言葉を聞き、
チョロ「…そっか、やっぱり僕じゃダメなのかな。」
チョロ松は寂しそうにそう述べて、部屋の入口まで下がった。
カラ?「すまない…。俺、俺は…ッ」
カラ松はその場にしゃがみこんで、かすかに震えているようだった。
チョロ「…カラ松。」
それを見て、今すぐに抱きしめに行きたくなったが、先ほどの『来るな!』という言葉を思い出し、足がすくんで動けなかった。
チョロ「…やっぱり僕に、兄を助けるなんて任務。無理だ…。」
小さくそう呟いた。
カラ?「…すまないな。俺じゃ、今の俺じゃ、お前たちに迷惑をかけるだけだから。…今日のところは、帰ってくれ。」
小さく、か細い声でそう言うカラ松に
チョロ「…分かった。でも、きっとまた来るから。…その時は、絶対にお前を助けさせてね。」
そういえば、チョロ松は笑顔でその場を去った。
どこかの草原(カラ松の夢の中)
…あれからどれくらいの時が立っただろう。
チョロ松は、自分でも訳が分からなくなるくらいどこかをひたすらに走っていた。
夢の中なんて来たこともないから、迷ったらお終いなのに。
でも、足は自然と最初の草原に出向いていたらしい。
はっ、と我に返ると草原のど真ん中で足が止まっていた。
すると、
ウルフ「…結局、戻ってきたのか。」
いつの間にか、後ろにウルフがいた。
チョロ「…うん。僕じゃ、兄は救えなかったから。もう、駄目かなって。」
そういえば、チョロ松はその場に座りこむ。
ウルフ「…そうか。じゃあ、戻るのか?現実に。」
ウルフがそう言うと、
チョロ「そろそろ戻ってもいい時間だからね。お暇するよ。」
そう言って、チョロ松は苦笑いする。
ウルフ「そうか、帰るか…」
ウルフは、そういうとチョロ松に歩み寄った。
ウルフ「思えばお前は、赤いのとは違って、ずいぶんと律儀で真面目な奴だったな。見てて信頼できそうなやつだと思ったよ。」
そういえば、ウルフはその大きなぬいぐるみの手をチョロ松の頭の上に乗せて、よしよしした。
チョロ「そう、かな。そう言ってもらえると嬉しいよ。…こっちこそ、いろいろ案内してくれてありがとう。お世話になりました。」
撫でられながら、チョロ松はそう言ってほほ笑んだ。
ウルフ「…俺には、それくらいしか役目がないからな。」
そう述べれば、ウルフは手を離した。
チョロ「それで、どうしたら帰れるの?」
チョロ松がそう聞くと、
ウルフ「この草原に寝ころんでねるだけだ。」
そう言って、くるりとうしろを向くウルフ
チョロ「わかった。…それじゃあ、またね。」
そう言ってチョロ松は、目を閉じて草原に寝ころび…消えた。
ウルフ「…じゃあな、真面目な三男君。」
そう呟いて、ウルフもその場から消えた。
チョロ松もカラ松を助けることは不可能だった。一体だれがカラ松を救えるのか!
次回をお楽しみに!
- Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.23 )
- 日時: 2020/10/06 17:21
- 名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)
第十四話【助けたい気持ちと嘘】
前回のあらすじ
カラ松の元までたどり着いたチョロ松であったが、助けることはできなかったチョロ松。
自分の力ではだめだと思い、一時撤退することに。
一体だれがカラ松を救えるのか!
それでは本編へレッツゴー!
松野家、二階の部屋(現実)
目を覚ますと、其処は家だった。
チョロ「ん、此処は…家?」
そっ、と目を開けては体を起こすチョロ松。
おそ「チョロ松!」
チョロおそ以外「お帰りチョロ松兄さん!」
皆が、チョロ松を出迎えてくれる。
チョロ「うん、ただいま…。」
気まずそうな顔をしながら、ただいまと言うチョロ松。
おそ「…駄目だったんだな?その顔は。」
おそ松が、本題に入るような顔をして言う。
チョロ「…っ。うん。ごめん。僕、カラ松を助けてくるなんて調子のいいことを言っておきながら、結局一人で帰ってきちゃった。」
申し訳なさそうな顔をしながら言うチョロ松。
一「別に気にしないでいいよ…。あいつが意地っ張りなだけだし…」
十四「うんうん!だから大丈夫だよ!チョロ松兄さん!」
トド「そもそもおそ松兄さんだって助けられなかったもんね。」
おそ「うるせぇよ。人助けって楽じゃねぇんだぞー?」
なんて言ってみんなが励ましてくれる。
チョロ「みんな…。ありがとう、僕。次こそは助けてみせるよ、カラ松のこと。」
そう言ってほほ笑むチョロ松。
おそ「っても、チョロ松は一旦夢の世界へ潜るのはやめた方がいいな。」
ふと、おそ松がそう言った。
チョロ「え、何で?」
チョロ松が首をかしげると、
おそ「デカパンが言ってただろ?連続で使用し続けると、体に抗体ができてあまり効かなくなるって。それに、長時間寝続けると起きた時に体に影響が出るってさ。」
珍しくおそ松がまともなことを言う。
チョロ「…確かにそうだね、おそ松兄さんも一回休んでたし。僕も休むことにするよ。」
それに感心したのか、頷きながら賛成するチョロ松。
一「…じゃあ次誰が行くの。」
十四「ん〜とねぇ、わっかんない!」
トド「ここはやっぱり兄弟順で行く?」
トド松の提案に、
おそ「いいなそれ!丁度俺とチョロ松が行った後だから兄弟順で行けるし!」
うんうんと頷くおそ松。
チョロ「…ってことは次一松?」
ちらり、と一松の方を見るチョロ松。
一「…は?俺?」
キョトンとする一松。
十四「一松兄さんファイト!」
笑顔で応援する十四松。
トド「ってことは僕は最後だねぇ♪」
そう言ってにっこりとするトド松。
一「ッ…。冗談じゃない。なんで俺があんな奴のこと起こしに行かなくちゃならないの。」
嫌そうな顔をして一松が言う。
おそ「だって兄弟順だったらそうなるし、そうじゃなくても、お前だってカラ松のこと助けたいだろ?」
そう言っておそ松が一松を見る。
一「ふん、誰があんな奴のことを助けたがるんだよ。俺は嫌だから…。ほかのみんなで助けてやれよ。俺は絶対しない…。」
そう言って立ち去ろうとする一松。
すると、
??「嘘、本当はカラ松を助けたい。ずっとカラ松と一緒がいいから。カラ松のことが大好きだから。僕たちは六人で一つなのに、一人かけたら駄目だよ。助けたい…カラ松のこと。」
何処からともなく、そんな声が聞こえた。
一「!?」
一松が驚いてその声のした方を見ると、
そこには
エスにゃん「ニャーン。」
エスパーにゃんこ。通称エスにゃんがいた。
(※エスパーにゃんこを知らない方は、おそ松さんの一期第5話をご覧ください。)
おそ「エスにゃん!?何で此処に!」
チョロ「ってかどうやって入ってきたの!?」
十四「わはぁ、エスにゃんだ!やっほ〜!」
トド「猫に挨拶しても意味ないでしょ十四松兄さん。」
と、皆も驚いているみたいだった。
一「っ、今のは俺の本心じゃないから!嘘だから!違うから!」
と、必死になって否定する一松。
エスにゃん「嘘じゃないよ、これが僕の本心だから。むしろ、今さっきまで僕が口に出してた言葉の方が嘘。今までカラ松にひどい言葉を言ってきたけど、あれも全部嘘。大好きなカラ松にあんなひどいことを言ってばかりで、僕って最低の人間だよね。僕の本当の気持ち、全部カラ松に伝えたい。それから謝りたい。ごめんなさいって。こんな弟でごめんなさいって。」
次々と言葉を紡いでいくエスにゃん。
これが一松の本心なのだろうか。
おそ「へぇ、一松君はそんなにカラ松を助けたいんだぁ。」
にやにやしながらそう言うおそ松。
一「助けたくない!」エスにゃん「助けたい!」
ほぼ同時にその言葉が発せられる。
チョロ「一松、素直になった方がいいよ。」
と、頬を掻きながら言うチョロ松。
一「ッ…。俺は…カラ松のこと…嫌いだし。」
そう言いながら俯く一松。
エスにゃん「僕は、カラ松のこと大好き。むしろ、カラ松の方が僕を嫌ってないか心配で、不安だよ。」
一「う、うるせぇなさっきから!俺の心見透かしたようなことばっかり言いやがって!」
突然一松が大きな声でそう叫ぶ。
十四「い、一松兄さん!」
トド「落ち着いてよ!」
あわあわしながらそう言ってなだめようとする弟松。
一「分かったよ!そんなに言うなら行ってやる!カラ松のところに!」
ヤケになったような感じでそう叫ぶ一松。
おそ「んーと、何はともあれ行く気になってくれたんならよかったよ、一松。」
そう言ってにっ、と笑うおそ松。
チョロ「そうだね、じゃあ準備しようか。」
そして、
一「言われたとおり薬飲んだけど…」
そう言って、一松はチョロ松を見る。
チョロ「うん、後はカラ松と手を繋いで横になって寝るだけだね。」
そういうチョロ松に、
一「クソ松と手なんか繋ぎたくないんだけど…」
と、嫌そうにする一松。
おそ「手を繋がないとカラ松を助けられねぇーぞぉ。」
と、横から言うおそ松。
一「…っ。分かった、繋ぐ。」
そう言ってカラ松と手を繋ごうとする一松。
トド「あ、ちょっと待って一松兄さん!」
それを制止するトド松。
一「あ゛?何…」
突然呼び止められて一松がトド松の方を見ると
トド「あのね、十四松兄さんと話し合ったんだけど、エスにゃんも一緒に連れて行った方がいいよ。」
そう言ってトド松がエスにゃんを抱きかかえる。
一「何でエスにゃんが出てくるの…」
首をかしげる一松。
十四「あんねぇ、一松兄さんは素直じゃないからカラ松兄さんの所へ行ったときにまた照れ隠しで酷いこと言っちゃうかもって思ったから!エスにゃんが居れば素直な気持ちを届けられるでしょ!?
だから連れてって欲しいんだぁ♪」
そう言ってほほ笑む十四松。
一「…まぁ、そこまで言うなら連れてくけど。」
そう言って、エスにゃんを受け取る一松。
おそ「じゃあ頑張れよ一松!」
チョロ「カラ松を、宜しくね。」
十四「一松兄さんファイト〜一発!」
トド「がんばってね!」
と、皆が応援してくれる。
一「…まぁ、それなりに頑張ってくるよ。」
エスにゃん「絶対に助けてくるから、待っててね。みんな。」
一松とエスにゃんはそれぞれそう言いながら、カラ松と手を繋ぎ、横になって眠りに落ちた。
皆に応援されながらエスパーにゃんこと共に夢の世界へと向かった一松。
果たして、一松はカラ松を助け出すことができるのか!
次回へ続く…。
- Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.24 )
- 日時: 2020/10/06 17:46
- 名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)
第十五話【夢の仮面】
前回のあらすじ
色々文句を言いながらもチョロ松の代わりに一松が行くことになった。
果たしてカラ松を連れ戻せるのか!
それでは本編へレッツゴー!
どこかの草原(カラ松の夢の中)
目を覚ますと、どこかの草原にいた。
緑の草花がそよそよとそよいでいて気持ちいい。
一「…着いた。」
一松は、むくりと体を起こす。
その腕の中からぴょん、とエスにゃんが飛び出す。
エスにゃん「あれは一松か?一松は俺が嫌いなはずなのに、どうしてここに来たんだ?」
突然、エスにゃんがそんなことを言う。
一「…は?急に何。」
エスにゃんの言葉に目を丸くする一松。
あたりにカラ松がいるのか、ときょろきょろするが彼はいない。
代わりに、大きな狼のぬいぐるみが立っていた。
一「あんた誰。クソ松?」
一松がそう問いかけると、
ウルフ「俺はクソ松などという名前ではない。レジェンド.オブ.ウルフだ。」
ウルフはそう言った。
一「いかにもクソ松がつけそうなイタイ名前…。中にクソ松が入ってるとかじゃないの…。」
じとり、と一松はウルフを見る。
ウルフ「…そんなわけないだろう。」
エスにゃん「まずい、このままではバレてしまう!バレたら戻らなくちゃいけなくなる…。そんなのは嫌だ!」
エスにゃんが口を開く。
ウルフ「…!?」
ばっ、とウルフがエスにゃんを見る。
一「あぁ、こいつはエスパーニャンコ。略してエスにゃん。その名の通り人の思っていることをそのまま言っちゃうやつだから。…やっぱりあんたg」
一松がそう言いかけたとき
ウルフ「それより!…要件は何だ。俺はこの世界…夢の国の案内人だ。だから、行きたい場所に連れて行ってやるぞ。」
ウルフは、ひときわ大きい声でそう述べる。
一「…はぁ、やっぱり俺には助けられたくないんだ。そうだよね、俺みたいな嫌な弟になんか助けられたくないよね…。」
一松はため息をついてそう述べる。
ウルフ「何の話だ?…用が無いなら帰ってくれ。」
一「じゃ、クソ松に会わせてよ。『この世界の』クソ松にさ。」
ウルフ「…良いだろう。ついて来い。」
ふん、と鼻を鳴らしてウルフは述べる。
そしてすたすたと歩きだした。
一(…きっと、あのぬいぐるみの中に本物のクソ松がいる。でも、きっとあいつは出てこない。言っても閉じこもってる。この世界のクソ松を連れ帰ることはできないし、どうしたらいいんだろ。)
一松はそんなことを思いながら、ウルフについていくのだった…。
次回へ続く…。
- Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.25 )
- 日時: 2020/10/06 17:44
- 名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)
第十六話【兄と弟、その二】
前回のあらすじ
カラ松の夢の中に入ることに成功した一松。
エスにゃんの言葉に、夢の中にいたウルフがカラ松なのではと疑うが、彼が認めることはなかった。
そこで、もう一人のカラ松に会いに行くことを決めた一松。
…果たしてそこで何を語るのか。
それでは本編へレッツゴー!
松野家の玄関(カラ松の夢の中)
一「…ここに、この世界のクソ松がいるの?」
家の中を見回しながら一松は問いかける。
ウルフ「あぁ。…どこにいるかは自分で探してくれ。」
そういうと、ウルフはどこかに姿を消した。
一「…探せって言われても。偽物を見つけてどうすればいいのさ…。」
一松は、ため息をつく。
その横で、エスにゃんは大きなあくびをしていた。
…が、急に立ち上がるとすごい勢いでどこかへ行ってしまった。
一「…は?ちょっ、勝手にどっかいかないでよ…!」
一瞬きょとんとしていたが、慌ててエスにゃんを追いかける一松。
部屋を出ると、エスにゃんは階段を駆け上っていた。
一「…上にいるの?」
一松はそう呟きながら階段を上る。
すると、エスにゃんは二階の奥の部屋の前で立ち止まっていた。
一「…ここにいるの?偽物クソ松。」
一松が問いかけるが、エスにゃんは唯々ふすまの前で立ち止まっているだけ。
仕方がないのでふすまを開けると、中にはカラ松らしき人影があった。
後ろを向いているので、顔はわからない。
一「…ねぇ、あんたはカラ松なの?」
一松は彼に問いかけながら部屋に足を踏み入れる。
カラ?「…いきなり何を言い出すかと思えば。俺が松野カラ松でなければ何なんだ?」
こちらを見向きもせずそう述べるカラ松。
一「…どうせあんたはあいつの偽物でしょ。」
一松はきっぱりとそう言った。
カラ?「…そうか。お前は俺の存在を否定するんだな。じゃあ、何のためにこの場所に来た?俺を、松野カラ松を連れ戻しに来たんじゃないのか。」
怒りのこもった声色でそう述べるカラ松。
一「そう、俺はクソ松を助けに来た。でも、あんたはクソ松じゃない。それだけは分かる。…でも、俺じゃクソ松は助けられないから…。拒まれているから、拒否されているから…。きっと、本物のクソ松の心に入り込んで連れ戻せるのは…他の皆だから。」
一松はそう述べて、また一歩彼に近づく。
カラ?「…こっちに来るんじゃない!さっさと出ていけ!」
彼が叫ぶと、窓が開いてたくさんの石臼が飛んできた。
一「…!?」
一松は目を丸くする。
…避け切れない。そう確信した。
そして、
…ごんっ!
何かが当たる音がして、目の前が真っ暗になる。
一(ごめん、皆。俺、誰も救えなかった…。)
・
・
・
・
ふと、目が覚める。
そこは見覚えのある草原だった。
一「…あ、れ。俺、生きて…る?」
青い空を見上げて、一松はぽつりとつぶやく。
一「俺は、石うすに当たって死んだんじゃ…?」
どうして生きているのか、と考えていると。
視界の端に、ウルフの姿が見えた。
一「…ねぇ。あんたが助けてくれたの。」
一松が問いかけると、
ウルフ「…さぁ、どうだろうな。」
ウルフはそう言って鼻を鳴らす。
一「…。」
一松は、頭を触る。
包帯は巻かれていない。
その癖血も出ていない。
…何故?
ウルフ「不思議そうだな。…まぁ、それもそのはず。あれは奴が生み出した幻覚の道具だからだ。
だから、実際には死なないし血も出ない。…まぁ、リアルな痛みや重みはあるがな。」
ウルフの言葉に、一松は信じられない思いでいた。
だが、それのおかげで助かったのならそれはそれでいいと思った。
一「…まぁ、クソ松を救えなかったのは事実だし。そろそろ帰ろうかな。」
どんな顔をして戻ればいいんだろう。そんなことを思いながらそう述べる一松。
ウルフ「…そうか。じゃあ、草原に横になって目を閉じろ。そうすれば戻れる。」
ウルフはそう言うと一松を見た。
一「わかった。…次来たときは、あんたを連れ戻して見せるから。心を閉ざしてるあんたを…。」
一松はそう言うと、草原に寝ころび目を閉じる。
そして…消えた。
ウルフ「…じゃあな、兄弟思いな四男君。」
そう言うとウルフもどこかへ消えた。
…結局、一松もカラ松を助けることはできなかった。
一体、だれがカラ松を救えるのか!
次回へ続く…。

