二次創作小説(紙ほか)

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この夢の続きは(おそ松さん創作)
日時: 2021/03/22 14:43
名前: たくマノ (ID: GKQL9A2A)

昨日見た夢が忘れられない
だって、あんな素敵な夢、見たことがなかったから。
…もっと、もっと見ていたかった。
そうだ、もっと見ていたいなら目覚めなければいい。
朝が、来なければいい・・・。

どうも皆さん、初めまして。たくマノです。
今回は、おそ松さんの創作ストーリーです。
苦手な方はブラウザバック推奨です。
こんな私の作品でもよければ、ぜひ見ていってください!(*´▽`*)

主人公⇒松野カラ松(21歳)
イタイ、かっこつけ。中二病をこじらせている。
(でも、兄弟が大好きで、兄弟に優しい、いいやつ。)
その他
松野おそ松(21歳)
皆のお兄ちゃん。わがままで、クズな兄だが根は優しくていいやつ。
松野チョロ松(21歳)
真面目でしっかり者(自称)アイドルが大好きで女の子のことになるとポンコツになる童貞。ツッコミ担当。
松野一松(21歳)
暗い。根暗。闇松。毒舌。だが、本当は兄弟想いの優しい子。猫が友達。
松野十四松(21歳)
元気、明るい、狂気。唯々それだけ。兄と弟が大好き。それから野球も大好き。
松野トド松(21歳)
あざとい、女子力高め、女の子とのつながりが六つ子の中で唯一ある。スマホも持ってる。

Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.5 )
日時: 2021/03/22 15:10
名前: たくマノ (ID: GKQL9A2A)

第五話【目覚めぬ人と目覚める人々】
翌朝(現実)
チョロ「カラ松、カラ松、カラ松!起きて!もう12時過ぎてるよ!いくらなんでも寝すぎだって!」
チョロ松が、俺の体を揺さぶりながらそう呼び掛ける。
カラ「……………」
しかし、俺は目覚めない。
なぜなら、夢を見ているから。
楽しい、ブラザー達との夢を。
おそ「チョロ松〜。カラ松のやつ、まだ起きねぇの?」
襖を開けて、部屋に入ってきたおそ松が、チョロ松に聞く。
チョロ「うん、昨日からずっと寝てるし、いい加減起こさないとまずいと思ってさっきから揺さぶってるんだけど、全然起きないんだよね。どうしたんだろう。」
と、チョロ松は、眉を下げて、心配そうに俺の顔を見つめる。
おそ「チョロちゃんの起こし方が悪いんじゃね?もっと豪快に起こしたら起きるって。」
何ておそ松が言うと、
チョロ「じゃあおそ松兄さんが起こせば?」
と、チョロ松がじとりとおそ松を見つめる。
おそ「ん〜良いよぉ、お兄ちゃんに任せなって。」
そういえば、おそ松はねじったティッシュを俺の鼻に突っ込んだ。
そして…
おそ「カラ松、起きろよ、カラ松カラ松カラ松カラ松カラ松カラ松カラ松カラ松カラ松カラ松〜!」
そう言いながらおそ松は俺の鼻に突っ込んだティッシュを突っ込んだり抜いたりしている。
だんだんそのスピードが速くなり、しまいには発火する。
おそ「カラ松カラ松カラ松〜!!!!」
終いには布団の上に俺を投げ捨てた。
カラ「…………………」
しかし、それでも俺は目を覚まさない。
おそ「えぇ〜…。今のでも起きないのぉ?一まちゅの時みた〜い。」
なんておそ松は不満げに頬を膨らます。
チョロ「ほらね?起きないでしょ?どんなことしても。」
と、その様子を見ていたチョロ松が呆れた表情で言う。
おそ「ん〜、どうしちまったんだろうねぇ。カラ松は。」
チョロ「さぁ、分かんないよ。僕には。」
…そんな二人のやり取りも知らず、俺は眠っていた。
幸せな夢を見て眠っていた。
辛いことをすべて忘れて…
おそ(この日からだった。カラ松が、起きなくなったのは。…でも、知らなかったんだ。もう、カラ松が目覚めなくなるなんて…)
カラ松の夢の中
おそ「オーライオーライ!」
チョロ「待って下がりすぎ!ぶつかるよ!」
一「もーちょい前、かも…」
十四「左に行きマッスルハッスル〜!」
トド「あ〜、行き過ぎ行き過ぎ!少し右に戻ってぇ!」
カラ「ま、待ってくれブラザー、俺はどう行けばいいんだぁ?」
俺たちは今、海に来ている。海で、ブラザー達に援護してもらいつつ、スイカ割りに挑戦しているんだ。スイカ割りって意外と面白いな。
そして、ブラザー達との絆が試される。
おそ「俺を信じろカラ松!もう一歩前に出たら棒を思いっきり縦に降ろせ!」
カラ「あ、あぁ、あと一歩前に出たら棒を降ろすんだな?分かったぜ兄貴。」
チョロ「ちょっと、違うよ。もう二歩右に行かないとスイカ無いから!一歩前に進んで棒を降ろしてもあるのは砂浜だよ。カラ松、僕を信じて?」
カラ「へっ?み、右に行くのか?え、えっと、承知したぜ。」
一「おい、カラ松、なにそいつらの言うこと信じてんだよ…。違げぇだろ。左に4歩進んだところにスイカがあるんだって…。勿論俺を信じるでしょ…?お兄ちゃん…?」
カラ「えっ、えぇ?今度は左かぁ?よく分かんなくなってきたんだが…。」
十四「カラ松にいさーん!後ろ向いて〜!後ろ向いたらねぇ!5歩前に進んで〜!そうしたらスイカあるから〜!」
カラ「う、後ろ!?ま、待ってくれ、頭が混乱を…!」
トド「兄さん達の言葉に惑わされちゃダメ!今カラ松兄さんがいる所でまっすぐ棒を降ろせばスイカあるんだよ!兄さん達って意地悪だよね。カラ松兄さんを惑わせてさ。」

おそ「おぅおぅ、末っ子よぉ。お前だって今カラ松のこと惑わせてんだからなぁ?」
トド「そんなことないもん!」
カラ「お、俺はいったい誰を信じればいいんだ…!」
俺が頭を抱えていると、
おそ「カラ松!」
不意に兄貴に呼びかけられ、
カラ「えっ?」
俺は思わず声を出す。
兄弟たち「どうぞ!お好きな松を信じてよ!!」
と言われ、俺は思わず、

カラ「お、俺には選べない!」
と言ってしまった。すると
おそ「なら、力ずくで!」
そういうが早いか、おそ松はぐいぐい俺を前の方へと引っ張ってくる
カラ「えっ?あ、兄貴何を…」
俺が戸惑っていると
チョロ「おそ松兄さんずるいよ!なら僕だって…!」
チョロ松は、俺の腕をつかんでぐいぐいと右へ引っ張ってくる
カラ「ちょ、チョロ松…!?」
俺が目を丸くして、チョロ松に気を取られていると
一「お兄ちゃん、こっちだよ…。」
そう俺の耳元でつぶやいた一松が、俺のもう片方の腕を引っ張って左へ連れて行こうとする
カラ「ふぁ!?い、一まっ、何を…!」
俺がアワアワしていると
十四「どぅーん!カラ松兄さん後ろだよ!」
と、十四松が笑顔で俺の背中を引っ張る
カラ「イダダダ…!!背中を引っ張るのはやめてくれ十四松!」
と、俺が半ベソをかいていると
トド「もぅ!そのまま棒を降ろせばいいんだって!」
と、トド松が俺に棒を降ろさせようとしてくる
カラ「ちょっ!と、トド松!今はブラザー達が引っ付いてて危ないからやめてくれ…!」
俺が、どうすればいいのかと動揺していたその時。
おそ「も〜お兄ちゃんお腹すいた!普通にもう棒降ろして!カラ松!」
と、兄貴が叫んだので、仕方なく俺は棒を降ろした。
すると…
ごんっ!
と、大きな音がした。
スイカが割れたのかと、目に巻き付けていたタオルをほどく。
カラ「おぉ…!見事に割れたな!スイカ!」
おそ「美味そ〜!やっぱり普通に割らしときゃよかったわぁ♪」
チョロ「あ〜ぁ、ここから面白くなるところだったのにねぇ。」
一「ヒヒッ、面白かった・・・かも。」
十四「あ〜楽しかった!」
トド「ほら、僕の言ったとおりでしょ?」
と、皆でいろいろ話しながら。俺たちはおいしくスイカを食べるのだった。

とても楽しいんだ、ブラザー達と一緒のこの夢が。
目覚めたくない、起きたらまた、ブラザー達にいろいろ言われるから。
嫌われるのが怖い、蔑まれるのが怖い、暴力を振るわれるのが怖い。
でも、この夢の中ではみんなが優しい、この夢なら、皆俺と一緒にいてくれる。笑ってくれる。
…だから、俺はこの夢の中で生きる。

ナレーション「次の日から、カラ松は一向に目覚め無くなった。そう、目を覚ますことなく眠り続ける。…だが、まだ誰も知らない。眠り続けることで本人にどれだけの負担がかかるのか、どれだけ危険なことなのかを…。」

Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.7 )
日時: 2019/08/20 11:49
名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)

第六話【起きてよカラ松!】
翌日(現実)
チョロ「やっぱり今日も起きないよ、カラ松。」
チョロ松が、不安げに俺を見つめる。
おそ「どーしちまったんだろうねぇ、カラ松のやつ。」
十四「ん〜とねぇ、わっかんない!」
トド「だよねぇ、何で起きないんだろう。」
一「ヒヒッ、起きないなんてざまぁ見ろクソ松…」(か、カラ松が起きない…どうして?)
チョロ「や、やっぱり一度病院に行った方がいいよね?」
おそ「ん〜まぁ、それがいいんだろうけど、俺らニートだぜぇ?金ねぇじゃん。どーすんの?」
と、おそ松が両腕を頭の後ろに回して言った。
チョロ「うっ、そ、それは…」
トド「母さんにお金をもらうしかないね。」
十四「うんうん」
と、いう訳で母さんに事情を説明し、おそ松たちは眠る俺をおぶりながら歩いて総合病院へと足を運んだのであった…。

診察室
医者「うーん、これは…」
チョロ「あ、あの、カラ松は一体どうして眠り続けているのでしょうか」
おそ「それな、俺らが一番気になってるとこ。」
十四.一「うんうん」
おそ松たちが注目する中、医者は言った。
医者「これは…病気の類ではないですね」
おそ松たち「……はぁ?」
医者「ですから、これは病気などではなく、ただ単に、自分の意志で眠っているだけです。」
チョロ「いやいやいや、おかしいでしょ。何自分の意志で眠り続けてるって」
おそ「ねぇわ〜。原因が分からないからってそういう言い訳はねぇわ〜」
と、呆れる速度松
トド「ど、どういうこと?カラ松兄さんは、自分で起きたくないって思って寝てるってこと?」
十四「カラ松兄さん、大丈夫なんすか?」
一「自分の意志で…。もしかして、俺のせい…?」
と、不安そうにする弟松。
状況はカオスといっても過言ではない。
そんな中
医者「いえ、これは事実です。皆さんが受け止めたくない気持ちもわかりますが…」
そう言う医者に、
チョロ「じ、じゃあ僕たちはどうすればいいんですか!」
と、チョロ松が大きな声で問う。
チョロと医者以外「そうだそうだぁ!」
医者「とにかく、彼が目覚めるよう、最大限やれることをするしかありませんね。」
おそ「最大限やれることってなんだよ…」
と、不満そうにおそ松がつぶやく。
医者「一つ言わせてください。人は一定期間眠り続けると、目覚めた後の体に悪影響が出ます。ですので、彼の体に支障が出る前に、必ず起こすようにしてやってください。」
そう言うと、医者はおそ松たちと眠る俺を診察室から出した。

居間
その後帰宅したおそ松たちは、悩んでいた。
チョロ「どうしよう、カラ松を起こせる方法が見つかるかもと思って病院に行ったのに、結局わからずじまいだし。」
おそ「しかも、カラ松の体に影響が出ない内に起こしてくださいとか他人事みたいに言いやがって。
彼奴絶対ヤブだろ。」
と、おそ松は不満げに言い放った。
一「…俺の性。俺の性でカラ松が…起きなくて、そのまま死んじゃったら…」
と、一松は部屋の隅っこでブツブツと呟きながらおびえていた。
トド「カラ松兄さんはこれからどうなっちゃうの…?」
十四「わかんない…。どーしよー」
末松は不安そうに話し合っている。
暫く個々で話し合っていたが、やがて…
おそ「よし、決めた。」
と、おそ松が言った
おそ以外「何を?」
と、皆が聞くと、
おそ「デカパンに頼もう!これ!」
と、おそ松が真剣なまなざしで言うと
チョロ「で、デカパンに?」
一「何で…」
十四「デカパン博士なら何とかしてくれるんすか?」
トド「た、確かにデカパンならいろんな薬持ってるし何とかしてくれるかもだけど…」
と、みんなで話し合い、
おそ「じゃあ決まり!早速デカパンのところに行くぞー!」
おそ以外「お〜!」
と、いう訳で、おそ松たち一行はデカパンに頼り、解決策を探すのだった。
果たして、カラ松こと俺を目覚めさせることはできるのだろうか…。
次回へ続く。

Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.8 )
日時: 2019/07/13 18:52
名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)

第七話【夢へ入るには?】
前回までのあらすじ
おそ「デカパンに頼もう!これ!」
というおそ松の言葉により、目覚めないカラ松をデカパンに何とかしてもらうことにした一行。
果たして、デカパンは何かいいアイデアを出してくれるのか。そして、カラ松こと俺を目覚めさせることはできるのだろうか…。
それでは物語の世界へ戻ろう。

デカパン研究所
十四「たーのも〜!たーのも〜!」
一「十四松、普通に入ればいいから…」
おそ「デカパーン!いるかぁ?」
チョロ「頼みがあるんだけどー!」
トド「死んでてもいいから返事して〜!」
デカ「ほぇ〜、揃いも揃ってどうしたんダスかぁ〜?」
チョロ「お願いデカパン博士!カラ松を起こして!」
チョロ、デカ以外「お願い!!」
デカ「ほぇ〜?どういうことダス〜?」
そこでおそ松たちはこれまでの出来事をざっとデカパンに話した。
すると
デカ「なるほど、それでワスのところに来たダスか。」
おそ「そーなんだよぉ、なぁ、頼むよ!カラ松を何とかしてくれ!」
一「何とかしてくれないと〇すから…」
トド「こんな時に何言ってるの闇松兄さん!」
デカ「わかったダス、ワスが何とかしてみせるダスよ!」
そう言ってにっこりと笑うデカパンに、おそ松たちは安心していた。
…しばらくして、デカパンは一つの小瓶を持ってきた。
デカ「この小瓶の中には薬が入っているダス。この薬を飲んで、一緒に眠りたい人と手を繋いで眠れば、その寝ている人の夢が見られるという寸法ダス。」
と、デカパンの説明を受け
おそ「これならカラ松を救えるんだな!良かったぁ。」
と、言って喜ぶおそ松。
それを見て、他のみんなも安心したような顔をした。
すると、
デカ「この薬を服用するにあたっていくつか注意点があるダス。」
と、デカパンが声をかけた。
チョロ「…何?」
不安そうな顔をしてチョロ松が聞く。
デカ「それは、一つ、長時間眠り続けると起きた後の体に支障が出るので、あまり長時間連続で薬を飲まないこと。二つ、眠っている本人を連れ戻す際は、存分に注意すること。注意しないと、眠っている本人の心を深く傷つけてしまうからダス。まぁ、これぐらいダスね。後は、薬を同じ人が飲み続けると体に抗体ができるのでそこも注意してほしいダス。」
それを聞くと
おそ「おし、長男様に任しとけ!一発でカラ松を連れ戻してきてやんよ!」
チョロ「うん、頼りにしてるよ、おそ松兄さん。」
一「俺も頑張る…かも。」
十四「俺も頑張りマッスル!」
トド「カラ松兄さんのために頑張ろうね!」
そう言ってみんなやる気を出していた。

こうして、おそ松たちはデカパンの協力により、カラ松を目覚めさせる準備を整えていた。
果たして、カラ松を目覚めさせることはできるのか!
次回へ続く…。

Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.9 )
日時: 2019/07/14 10:33
名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)

第八話【いざ、夢の中へ】
前回までのあらすじ
おそ松たちはデカパンの協力により、カラ松を目覚めさせる準備を整えていた。
デカパンにもらった薬を使えば、一緒に眠りたい人と手を繋いで寝ると、その寝ている人の夢が見られるらしい。
相変わらずすごい発明品だ。
さて、そんなこんなで俺ことカラ松を目覚めさせるための下準備は整っていった。
果たして、カラ松を目覚めさせることはできるのか!
さぁ、物語の世界へ戻ろうか。

松野家、二階の部屋(現実)
チョロ「おそ松兄さん、水と薬、用意したよ。」
ガラスのコップに入った水と小瓶から取り出した小さい薬一粒をお盆の上に乗せつつ、チョロ松はそう言った。
おそ「おぅ、サンキューチョロ松。」
おそ松はそう言って笑う。
一「…本当に行くの?」
一松が、若干不安そうに、おそ松を見つめる
おそ「当然!こういうのは長男の役目だからな!弟のことはお兄ちゃんに任せろって!」
そういえば、不安そうな一松の頭をやや乱暴に撫でるおそ松
十四「おそ松兄さんファーイト!」
トド「おそ松兄さん、気を付けてね?」
そう言って応援する末松。
おそ「おぅ!任せろ!必ずカラ松を連れ戻して見せるからな!」
そういえば、おそ松はお盆の上に乗せられていた薬を一粒口の中に入れ、コップの中の水を飲んだ。
おそ以外「…」
その様子を静かに見守る弟たち
おそ「ぷはっ、よし、これでカラ松と手を繋いで眠ればいいんだよな!」
そう言うが早いかおそ松は俺の手を握り、布団へ入った。
そして、
おそ「じゃあ、ちょいとカラ松助けてくるわ」
そう言って、静かに目を閉じた。

どこかの草原(カラ松の夢の中)
おそ「んっ…。ここは?」
おそ松がうっすらと目を開けると、そこは緑鮮やかな草原だった。
おそ「キレーだなぁ。」
おそ松がそれを眺めていると
??「そんなところで何をしてるんだ?」
突然、背後から声が聞こえた
おそ「うぇ!?だ、だれぇ!?」
驚いておそ松が振り返ると、そこには大きな狼のぬいぐるみが立っていた。
おそ「ぬいぐるみぃ?此奴が喋ったわけぇ?」
怪しいものを見るような目をしておそ松が言う
??「フッ、我が名は【レジェンド.オブ.ウルフ】とでも言っておこうか。」
おそ「へぇ、レジェンド.オブ.ウルフねぇ。いかにもどっかのバカがつけてそうな名前。」
ウルフ「どっかのバカは余計だと思うが…。まぁ、それは置いといて、俺様はこの世界で案内人を務めている。」
おそ「案内人?」
ウルフ「あぁ、案内人だ。だからお前のことを案内してやる。感謝するんだな。」
そう言ってにやりと笑うぬいぐるみを前に、おそ松はため息をついた。
おそ「あ〜、じゃあ案内してくれる?カラ松のところまで。」
おそ松がそう言うと
ウルフ「カラ松?あぁ、あいつのことか…。最近はずいぶんこちらに長居しているみたいだからな、此方の夢の世界ではもうすっかり有名人さ。」
と、ウルフが説明をした。
おそ「まじか、やべぇなカラ松。」
頬をかきながらそう言うおそ松に
ウルフ「一つ聞くが、お前、本当にカラ松に会うのか?」
ウルフはそう問いかけた。
おそ「はぁ?何言ってんだよ、俺はカラ松を連れ戻すためにわざわざこの夢の中に入ってんの、会うに決まってんだろぉ?」
そう答えるおそ松。
ウルフ「そうか、…まぁいい。現実でのお前と夢の中でのお前と、どちらがカラ松のことを想っているかは知らないが、取り敢えず案内してやるよ。時間ないんだろ?」
そういえば、ウルフは静かに歩きだした
おそ「夢の中の俺ぇ?よく分かんないけど、頼むわぁ。時間ないしな。」
そういえば、おそ松も追う様に歩き出した。
…この時のおそ松は知らないだろう、この夢の中で、俺の中に潜んでいる闇を、目の当たりにすることになるだなんて…。
次回へ続く…。

Re: この夢の続きは(おそ松さん創作) ( No.10 )
日時: 2020/10/11 16:34
名前: たくマノ (ID: HWi2eFEJ)

第九話【美しく残酷な夢の中で】
前回のあらすじ
デカパンの協力により、カラ松の夢の中に入ることに成功したおそ松。
カラ松の夢の中にあった草原で、自らを夢の案内人だと述べる狼のぬいぐるみ、レジェンド.オブ.ウルフに出会う。彼によると、カラ松は夢の世界ですっかり有名人になってしまっているらしい。
いったいどんな感じになっているのだろうかと、内心楽しみにしつつ、ウルフとともに、カラ松のもとへと向かうのであった。
…この時のおそ松は知らないだろう、この夢の中で、俺の中に潜んでいる闇を、目の当たりにすることになるだなんて…。
さぁ、物語の世界へ戻ろうか。

赤塚橋前(カラ松の夢の中)
しばらく歩き続けたウルフは、赤塚橋の前まで来ると、急に止まった。
そしておそ松のほうを振り返ると
ウルフ「ここは、お前がいた元の現実の世界と、カラ松が見ている夢の世界を繋ぐ、言わば中間地点だ。」
そう言ってはおそ松を見た。
おそ「ふ〜ん、中間地点ねぇ。取りあえず行こうぜぇ、時間ねぇし。」
その言葉を軽く受け流し、おそ松は橋を渡っていこうとする。
すると…
ヒュンヒュン!
突然、どこからともなくガラスの破片が飛んできておそ松の頬をかすめる。
おそ「うゎ!?びっくりしたぁ。なんだよ今の!」
目を丸くしながらおそ松がウルフに問いかける。
ウルフ「恐らくはカラ松からの攻撃だ。」
ウルフがそう言うと、
おそ「はぁ!?なんで俺がカラ松に攻撃されなきゃいけないんだよ!」
と、さらに目を丸くしておそ松が言う。
ウルフ「それは分からん。だが、カラ松の心がお前を拒否しているのは確かだ。」
真剣そうな声色で話すウルフ。
おそ「けど俺はどうしてもカラ松を連れ戻さないといけねぇんだよ!」
と、おそ松が大きな声で言う。
ウルフ「はぁ…。ならコレを使え。」
そういってウルフは、鉄の傘を差しだしてくる。
おそ「なにこれ、」
と、おそ松が問いかけると
ウルフ「これならガラスの破片をはじくことができるだろう?さっさと受け取れ。ガラスの雨に打たれたくなかったらな。」
ウルフがそう言うと、おそ松はすぐさまそれを受け取り、使った。
おそ「意外と重くねぇのな。」
と、おそ松が言うと
ウルフ「特別仕様なんだ。」
と、ウルフが答える。
おそ「へぇ…。とにかく行こうぜ!時間ねぇよ!」
そう言っては、速足歩きで橋を渡っていくおそ松。
ウルフ「あぁ、分かっている。カラ松のところへ行くぞ。」
そう言うと、ウルフも橋の上を渡っていったのだった…。

赤塚高校体育館(カラ松の夢の中)
二人がまたしばらく歩いていると、昔六つ子達が通っていた高校にたどり着いた。そして、またしばらく歩くと、今度は学校の体育館にいた。
おそ「懐かしーところだなぁ。」
なんておそ松が呟くと、
ウルフ「ここは、昔カラ松が高校の部活で使っていた体育館だ。確か…演劇部だったな。」
と、ウルフが言った。
おそ「おぅ、あいつ、あのころから演じるのが好きになったのかもな。いろいろな役をやるのが楽しいって言ってたっけ」
そう言えば、懐かしそうに体育館のステージを見つめる。
ウルフ「学生時代、彼奴が自分を偽って演じるようになるきっかけをもたらした時代だ。…ほら、そこのステージを見てみろ。台本が置かれているだろう?あれはカラ松が初めて主演を務めた演劇の台本だ。」
静かにそう述べると、ウルフはステージのほうを見つめる。
おそ「んぁ、ほんとだぁ。…なぁ、あれって触れんの?」
ふと、おそ松が問いかける。
ウルフ「触ろうと思えば触れるんじゃないか?まぁ、俺はれたことないがな。」
そう告げれば、ウルフはそっぽを向いてしまう。
おそ「ふ〜ん…」
おそ松はそれを聞くと、ステージのところへ行き、台本を触る。
すると、台本はキラキラと輝きだし、勝手にページがめくれる。
おそ松がそれを不思議そうに見ていると、
とあるページで、台本の動きが止まった。
おそ松がそのページを見てみると、
そこにはこんなことが書かれていた。

女性「カリュウ!私を置いていかないで!」
カリュウ「大丈夫さ、俺はきっと戻ってくる。俺たちはずっと一緒の運命なのだから」
女性「カリュウ!いやよ!カリュウ!」
カリュウ「愛する君を置いていくのは心苦しいが、きっと戻ってくるその日まで。俺を待っていてほしい。」
女性「えぇ、わかったわ。私はあなたを待ってる。この命が朽ち果てるまで…」
カリュウ「愛してるよ、ハニー…」
…台本はここで終わっていた。
きっと、このカリュウという男をカラ松がやったのだろう。
おそ「へぇ、こんなんだったんだ。」
ぽつり、おそ松が呟く。
ウルフ「…見終わったか?」
おそ松の様子をしばらく黙って見守っていたウルフが、問いかける。
おそ「おぅ、…なんか、彼奴の今の性格の原点が見えた気がする。」
そう言うと、おそ松は悲しそうな顔をして
おそ「世界って残酷だよな、一つの選択で、人の人生を大きく変えちまうんだから。」
そう述べては、暗い顔をした。
ウルフ「世の中なんてそんなもんだ。…そして、そんな世の中から逃げようとして、見てしまうのが夢だ。」
ウルフがそう言うと
おそ「…!」
おそ松が目を見開く。
ウルフ「夢は素敵で美しい半面、残酷で恐ろしいんだ。なぜなら、現実を隠すから。」
そう述べるウルフの声色は、とても真剣なものだった。
おそ「…カラ松。」
おそ松は、小さい声でそう呟くと、
おそ「なぁ、早くいこ!急がねぇと本当に時間ねぇから!」
そう言っては、速足歩きで、体育館から出ていくおそ松。
ウルフ「はぁ…。少し、闇を見せてしまったな。」
そんな中、ウルフはそう呟いた。
そしてそのあとおそ松を追いかけるように、体育館を出て行ったのであった…。

…果たしておそ松は、無事にカラ松のもとへたどり着けるのであろうか。
次回へ続く…。


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