二次創作小説(紙ほか)
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- FAIRYTAIL【CROWN】
- 日時: 2020/06/27 18:29
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
妖精の尻尾の紋章を手の甲につけた少女ルーチェ・クランベル。
彼女は星霊魔法に似た魔法を扱う魔導士。彼女を新たな仲間に加えて妖精の尻尾は動き出す。
始まりは大魔闘演武!
「大魔闘演武編」 >>01-11
幕間「黒と白の薔薇」>>12-15
- Re: FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.1 )
- 日時: 2020/06/24 21:03
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
「そのカードを使った魔法…確かに初代の言った通り何か道具を使った魔法というところは
星霊魔法に似ているかも…」
ルーシィは一枚のカードを手に取った。半透明な緑色のカードには文字と紋章が刻まれていた。
魔道具がそのカードによって召喚される。数枚のカードには何やら儀式が必要な物もあるらしい。
「ルーチェ、貴方に妖精の尻尾Aチームとして参加していただきます」
メイビスの言葉に全員が驚く。
「属性問わず柔軟に対応できる貴方ならきっと活躍してくれるでしょう。どうですか?」
「…やります。とりあえず頑張ってみます」
ルーチェは控えめな返事をした。リザーバーとして彼女は参加すると思っていた。しかし当日。
「ルーチェ、これ」
氷、そして火を使った造形魔法を扱う男サルビアはルーチェに服を手渡した。それにルーチェは
腕を通した。
「わぁ、可愛い!ほら、後ろ」
ロングコートの後ろには白いリボンがついている。それはルーチェのものだけだ。
「さぁ、頑張ってきてくださいね!皆さん」
緊張感もあるけれど、それを抑え込みルーチェを含めた妖精の尻尾チームは先へ向かった。
ブーイングが飛び交う。
「大丈夫かな…私たち」
「もう頑張るしかないでしょルーシィ。それに一番盛り上がるのは最下位が1位になるとき、
大番狂わせ程、盛り上がるものは無いよ。ぎゃふんどころか死にかけるぐらい驚かせよう!」
- Re: FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.2 )
- 日時: 2020/06/25 18:56
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
前日、初代マスターメイビスがルーチェ・クランベルを妖精の尻尾Aチームに入れると
宣言した。それに対して猛反対したのはルーチェだった。
「そんなことを言わないでくださいルーチェ。貴方は自分なりに戦えば良いのです。だって
貴方の周りにはルーシィが、ナツが、グレイが、エルザがいるのですから」
メイビスにそう言われて流れるようにルーチェは頷いてしまった。
初日、AチームBチーム両方とも良い結果は得られず完敗。
しかしここで挫けるはずもなく全員が明日こそはと張り切っていた。
人魚の踵に所属する唯一の男性魔導士レイ・ロウはルーチェと知り合いだ。彼女が妖精の尻尾の
魔導士として参加していることに驚いていた。
「お前はルーチェ・クランベルについて何か知っているのか」
カグラはレイの隣に座り足を組んだ。
「私も詳しいことは…。何処にでもいる少女だと思っていました。でもそれは間違いでしたね」
レイはふと笑みを浮かべた。
—もし戦うことになったら本気でいかなければ。
二日目がスタート。最初の競技、戦車ではAチームからナツ、Bチームからガジル、そして剣咬の
虎からはスティングが参戦。しかし結果は察しの通りだった。
「ルーチェ、初の戦闘だけど頑張ってね!」
「うん、頑張ってみる!」
闘技場に上がったのはルーチェと四つ首の番犬バッカス。
「俺が勝ったら、お前にはこっちに来てもらう」
「絶対に断る。私が勝ったら、大魔闘演武が終わるまで番犬じゃなくて仔犬を名乗ってもらうわ!」
お互いに賭けをする。そしてバトルが始まった。
- Re: FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.3 )
- 日時: 2020/06/25 21:10
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
蛇のようなうねうねとした軌道は読みにくい。仕方ない、これは使うしかない。
ルーチェは今日のために作り出したものを使う。
—魔装「風神ノ俊脚」
ルーチェの両足に淡い緑色のショートブーツが現れる。
見守っていたウェンディが声を上げた。
「どうした?」
サルビアはウェンディに聞いた。
「この前、少し手を貸して欲しいって言われて…透明なカードに色々やってたんです」
「まさか…ウェンディの力を模してるのか?」
ウェンディが頷いた。
ルーチェが宙を浮いた。そして空中を飛び回る。彼女が通ったところには緑色の閃光が走る。
—「一蹴風靡」
ルーチェの両足がバッカスの顔を貫いた。バッカスの体が浮き外へ吹き飛ばされた。
「な…なんとォォォォォ!!新人ルーチェ・クランベル、バッカス選手を瞬殺に近い速度で
倒し勝利を収めた!!」
客席からは歓声が上がる。ルーチェは片腕を突き上げピースサインをナツたちに向けた。
ナツたちも笑顔でピースサインを返した。
- Re: FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.4 )
- 日時: 2020/06/26 22:25
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
二日目の夜、いよいよ剣咬の虎と本格的に対峙する事態が起こる。
「剣咬の虎!」
「待ってくれ、僕は避難させに来ただけだよ」
ユキノを連れて来た青年はアイリッシュと名乗った。その顔は何処となくウェンディに似ている。
髪色はアイリッシュは紫がかった藍色をしている。
「お、お兄ちゃん!!」
「「「「お兄ちゃんっ!!?」」」」
全員が声を上げた。
「あんなカッコイイお兄さんがいたの!?」
ルーシィは聞いた。アイリッシュ・マーベル、水の滅竜魔導士。長く離れ離れだった兄妹が
再会を果たした。ユキノが語る剣咬の虎の恐ろしさ。あの強さの裏には弱い者を除け者にする
空気があった。妖精の尻尾は力など関係ない。
「ナツ・ドラグニル…何か言いたそうだね。だけどそれは僕じゃなくてマスターに言って欲しいな」
アイリッシュはナツを剣咬の虎の元へ案内すると言い出した。
「待て、ルーチェも連れていけ。ストッパーには丁度いい」
エルザはルーチェにも半強制的に行かせた。少し複雑そうな顔をするもルーチェは渋々彼らに
ついていく。
「うわ、流石最強ギルド。宿の規模も違うなぁ」
ルーチェは呟いた。ナツは扉を蹴破った。彼が乗り込んだ理由はただ一つ、仲間に対する仕打ちに
対しての怒り。
「何だ?小娘が」
「私にはルーチェ・クランベルというしっかりした名があります。お言葉ですが、私は
貴方みたいな横暴なお爺ちゃん、見たことがありません!全くこれだから時代に乗り遅れた
年増は」
ルーチェは鼻で笑った。
「可哀そうです!」
突然、大きな声でハッキリ言った。
「私、剣咬の虎は強くてカッコよくて少し気になっていました。でもガッカリです。眠った
力を眠らせたまま捨てるなんて…貴方は人を見る目が無いんですね」
「何をベラベラと…!」
ジエンマの大きな拳がルーチェに振り下ろされた。しかしその拳は寸前で引かれた。ルーチェは
赤い炎の龍の背中に乗る。
「ナツ!ハッピー!」
ルーチェの手を握り二人も乗って彼らは去って行った。
- Re: FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.5 )
- 日時: 2020/06/26 23:00
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
3日目、伏魔殿でエルザが100体全てを倒すことに成功。更にBチーム、カナも2位に着いた。
バトルパートではラクサスが大鴉の尻尾に勝ち、蛇姫の鱗シェリアとAチームのウェンディが
引き分け。そこで3日目は終了。
四日目、妖精の尻尾は剣咬の虎へ怒りの矛先を向けることになる。それは海戦という競技の時。
「頑張れ!ルーシィ!!」
ルーチェが叫んだ。段々と数が絞られていく。3位にBチームのジュビアがランクイン。最後に
残ったのはミネルバとルーシィ。二人の一騎打ちだ。ルーチェは目を伏せた。5分間、どちらも
中に残っている。後は順位を付けるだけだ。
「まさか…」
「甚振るつもりか」
ミネルバの残虐さがルーシィに牙を向く。ボロボロのルーシィが外に出された。
「なんで笑ってるのさ…」
他が動いた中、ルーチェは呟いた。
「こんなこと…最強ギルドのやることじゃない。本物の最強ギルドならこんなこと、しないよ」
剣咬の虎の中でただ一人、心が揺れ動いている者がいた。それはアイリッシュだ。
ルーシィの仇を取る。そう心に決めて妖精の尻尾は立ち上がる。4日目ラストを飾るバトル、
妖精の尻尾vs剣咬の虎。それも3vs3のトリプルバトルとなった。
「おっと、妖精の尻尾からはルーチェ選手が参戦している!?」
「ホントそれ」
ルーチェは諦めの溜息を吐いた。試合開始と同時に全員が動く。
—魔装「雷姫」
「雷属性!!」
「雷…ということはまさかラクサスの力まで!?」
ルーチェの手には電気を帯びた鞭が握られていた。
「相性は悪いけど仕方ない…水竜の咆哮ォォ!!」
水のブレスを躱しルーチェは鞭を振るう。
—「ミクロボルト」
鞭は水に当たる。纏っていた電気が水を伝いアイリッシュを呑み込む。
「ルーチェ!」
「はい!」
ナツの問いかけにルーチェは答える。