二次創作小説(紙ほか)
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- 東方厠戦録
- 日時: 2023/08/19 18:32
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
この小説は、東方ProjectとDaFuq!?Boom! さんの作ったSkibidi Toilet seriesという動画に登場するSkibidi Toiletの二次創作です。
※注意
・東方キャラの死ネタあり
・独自設定が少しあります
以上がこの小説を読む際の注意です。では、楽しんで!
プロローグ
忘れ去られた者達が辿り着く場所、その名も幻想郷。そこでは、人間と妖怪や神々が共に住む楽園の様な世界が広がっていた。しかし、なんの前兆も無く、幻想郷が滅ぶ寸前まで追いやられた大異変が今、始まろうとしていた。
- Re: 東方厠戦録 8 ( No.9 )
- 日時: 2023/08/27 21:55
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-妖怪の山・間欠泉地下センター-
かつて起きた地底の異変の後、守矢神社や河童によって建てられた核融合炉の施設はスキビディトイレ達に占領されていた。そして、捉えられた人妖もここに集められていた。
霊夢「...ここは?」
目を覚ました霊夢が周りを見渡す。妖怪の山の地下センターだと知って驚くと共に自分の状況に気がつく。
霊夢「な...何!?離して!」
両手がスキビディトイレに噛み付かれて霊夢は拘束されていた。霊夢の横には並んで妹紅や咲夜、紫やマミゾウが同じように拘束されていた。良く見るとチルノなどの妖精達も大量に捕獲されている。
妹紅「やっと目覚めたか。」
霊夢「アンタ達も捕まったの!?」
咲夜「美鈴といたんだけど...しくじったわ」
人妖達が捕らえられているのは最深部の核融合炉。当然だが路空も捕まっている。霊夢達が捕縛から逃げ出そうと必死に藻掻いていると、奥の扉から一体のスキビディトイレが出てきた。しかし、姿は他のスキビディトイレと違って灰色のセミラージサイズであり、左耳に小さな機械を取り付けている。最も霊夢が嫌悪感を感じたのは、そのタンクについている巨大な機械で出来た爪だった。
サイエンティストスキビディトイレ「BRRRRR SKIBIDI DOP DOP DOP YES YES! SKIBIDI W NEEP NEEP! SKIBIDI DOP DOP DOP YES YES! SKIBIDI W NEEP NEEP!」
歌いながら現れたそのトイレの名は-サイエンティストスキビディトイレ-。スキビディトイレ側の戦力を底上げするための兵器開発に従事する特殊なスキビディトイレだ。サイエンティストスキビディトイレは、妹紅の背中に移動すると、背中のタンクについている爪を妹紅の首に刺して固定し、妹紅の首に口から小さな-パラサイトスキビディトイレ-を放った。
妹紅「何しやがる!離せ......ぐぁっ!!」
パラサイトスキビディトイレが口から長く尖った舌を首に刺した途端、妹紅が苦しみ始めた。
霊夢「妹紅!?」
妹紅「...あがっ......」
妹紅の声が途切れたと共に、その身体に青い稲妻が流れ始めた。妹紅の目は輝きを失っており、顔をブルブルと震えさせていた。そして...
霊夢「...がっ!?」
妹紅が霊夢の腹部に勢い良く拳を叩き込んだ。
霊夢「げほっ...げほっ!」
霊夢は必死に耐えようとするが、妹紅の攻撃は止まらなかった。
霊夢「がはっ...やめ...」
妹紅「brrr skibidi dop dop dop yes yes......」
咲夜「一体何を...うぐっ...!」
サイエンティストスキビディトイレが手慣れたように、今度は咲夜の首にパラサイトスキビディトイレを送った。ゆっくりと立ち上がると、その場に落ちていたパラサイトスキビディトイレを拾い上げ、咲夜が霊夢の首に手を回した。その後ろには、不気味な笑みを浮かべ、別の人妖にパラサイトスキビディトイレをつける永琳、にとりが立っていた。
霊夢「ああああああああああああっ!!」
咲夜にパラサイトスキビディトイレをつけられて、悲痛な叫びを上げて霊夢が倒れる。立ち上がった霊夢の顔には、狂気に満ちた紅い目が一瞬光っていた。
-永遠亭-
慧音「...遅かったか」
ようやく辿り着いた永遠亭は既に破壊されていた。周りの地面には大量の血痕がこびり付いている。最後まで抵抗していたのだろう。
慧音「どこを探してもいない...妹紅と輝夜も霊夢のように攫われたのか?」
二人は不老不死である事から、スキビディトイレに捕まった可能性が高い。そうして考えている慧音の背後から、隠れていたスカウトスキビディトイレが突進してきた。
慧音「そこか!」
スカウトスキビディトイレの顔面に弾を直撃させて気絶させ、レバーを引いて無力化する。
慧音「他にもいるようだな...」
周りからストライダースキビディトイレが竹林をかいくぐり、何体も集まって来る。慧音は弾幕を張って即座に全方向に攻撃した。
慧音「《野符・GHQクライシス》!」
魔法陣を展開して死角への攻撃をしながら、近づいてくるストライダースキビディトイレに的確に弾をぶつけて応戦する。しばらくしてストライダースキビディトイレは全滅した。
慧音「全員倒したか...」
周りを見渡して、慧音が歩き始めた。
慧音「魔理沙達も心配してるだろうし一旦、里に帰るとしようか。」
そう言って竹林から飛び立とうとしたその時、慧音は背後から気配を感じた。
慧音「何っ!」
しかし、そこにいたのは妹紅だった。
慧音「妹紅!」
走りながら近づいて、妹紅の手を掴んだ。
慧音「良かった...もう奴らに攫われてしまったと思ったよ。」
慧音が妹紅に軽く抱きついた。妹紅もそれに抱きついて返した。
慧音「魔理沙達が大変なんだ。取り敢えず里に...」
そこで慧音は違和感を感じ始めた。妹紅の抱擁が次第にきつくなっていたのだ。
慧音「妹紅?離してくれると嬉しいんだが...」
流石に異常を感じた慧音が妹紅を吹っ飛ばした。
慧音「どうしたんだ妹紅!一体...」
そう言いかけて絶句した。妹紅の後ろから顔馴染みの二人。霊夢と咲夜が近づいて来ていたのだ。しかし、手にはナイフや御札を持って攻撃態勢に入っている。
慧音「待ってくれ!私はまだ何も...」
妹紅はまるで聞く耳を持たないかのように慧音を蹴り飛ばした。
慧音「ぐっ...!」
両手で防御するが、炎を纏った妹紅の攻撃によって、ひどい火傷を負ってしまった。
慧音「まるで...何かに操られているようだな。」
先程から攻撃する妹紅達は心が灯っていないように染まり、死んだ目をしている。彼女らが正気で無い事は慧音に伝わった。
慧音「今助けてやる!」
空中から突進してくる妹紅の蹴りをいなし、背負い投げでその場にうつ伏せで倒す。
慧音「これは...」
妹紅の首にはパラサイトスキビディトイレがくっついている。このスキビディトイレの影響だと確信し、慧音がそれを抜こうと手を伸ばす。
その瞬間、慧音の頸動脈がいつの間に切られ、血しぶきを上げていた。
慧音「...まさ...か」
慧音が仰向けに倒れる。その顔を見下ろすように、咲夜がナイフを数本手に持って立っていた。慧音がパラサイトスキビディトイレを取る直前で時を止めて妨害していたのだ。追撃で慧音の手や足にもナイフを刺していく。刺された所から大量に出血し、慧音は瀕死に陥ってしまった。
慧音「...まさか...お前に殺されるなんてな...」
慧音の息は段々と弱々しくなっていった。それを見届けた咲夜と霊夢が里の方へ飛び立った。ただ一人、妹紅がその場に立っていた。
慧音「はは...操られてるのに...意識はあるのか?」
妹紅「skibidi skibidi skibidi...」
妹紅の顔はスキビディトイレ達のように不気味に笑っているが、慧音はその奥で躍動する悲しみと怒りの感情に気づき、涙を流してその目を閉じた。
息をしていない事を確認した妹紅が名残惜しそうに震えるが、すぐに振り向いて、里の方へと飛んでいく。慧音の表情は最期まで、微笑んでいた。
続く...
- Re: 東方厠戦録 9 ( No.10 )
- 日時: 2023/08/28 22:57
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-人間の里-
魔理沙「よし!このまま一気に攻めるぜ!」
またもや里はスキビディトイレの襲撃を受けていたが、回復した幽香と魔理沙、カメラマン達の参戦によってスキビディトイレ達は徐々に劣勢になっていた。
魔理沙「これで最後だ!《恋符・マスタースパーク》!」」
今回の襲撃のリーダーであろうマフィアスキビディトイレがジェットパックで逃げ出そうとするが、魔理沙がマスタースパークを撃って墜落させた。
魔理沙「ん?...増援か?」
マフィアスキビディトイレが爆発した所で、その後ろに黒い霧が出現する。大小様々なスキビディトイレと一緒に妖精もいた。
魔理沙「...何!?」
魔理沙の元にチルノやクラウンピースが突進してくる。
魔理沙「お前ら一体どうしたんだよ!」
チルノ「skibidi skibidi skibidi...」
クラウンピース「dop dop dop yes yes!」
クラウンピースの手には松明が無く、能力は使えないようだった。逆に自分で氷を生み出せるチルノの攻撃は凶悪だった。
魔理沙「うわっ!」
クラウンピースの突進によって魔理沙が押し倒される。その後ろからチルノの放った尖っている氷が魔理沙の首に迫っていた。
魔理沙「まずい!」
氷は魔理沙に当たる直前でブラックカメラマンの蹴りによって防がれた。ブラックカメラマンは魔理沙に乗っかるクラウンピースを蹴飛ばして、落とした氷を投げつけて、チルノの首を貫いた。
魔理沙「た...助かったぜ」
ブラックカメラマンはサムズアップすると、周りを見渡す。他のスキビディトイレや妖精は無事に鎮圧されたようだ。
魔理沙「リリー、サニー、スター、ルナにラルバ...なんでこいつらがスキビディトイレ達と協力してたんだ?」
魔理沙が仰向けに倒れるチルノを観察しながら呟いた。すると、近くに倒れているクラウンピースを見たブラックカメラマンが何かに気づいた。クラウンピースの首にくっついたパラサイトスキビディトイレを見つけたのだ。パラサイトスキビディトイレを掴み取る。
寸前で黒い霧の中から爆音が響いた。周りのカメラマンが霧の中から降り注ぐ大量の弾幕に当たって次々と倒されていった。
魔理沙「今度はなんだぜ!?」
その場に残ったのはブラックカメラマンと幽香、魔理沙の三人であり、他のカメラマンは全滅してしまった。そして、魔理沙の前に誰かが一人、歩み寄る。黒い霧から弾幕を放ったのは霊夢だった。
魔理沙「...霊夢っ!?」
神社で攫われたはずの霊夢が目の前に立っている。驚くあまり、その場で固まってしまった。
魔理沙「なんで黒い霧から...」
しかし、目の前にいる霊夢は怪しすぎた。スキビディトイレやスピーカーマンが出現する霧から出てきたのだ。しかも、霊夢の後ろには大量のスキビディトイレ達がいた。
幽香「誰かと思ったら...貴方だったのね...霊夢」
幽香が霊夢に傘を向けて睨んだ。
幽香「気をつけて魔理沙。今の霊夢は何かおかしいわ。」
魔理沙「それぐらい私にも分かるぜ。」
魔理沙が八卦炉を強く握りしめた。本来、幻想郷トップクラスである霊夢がこちらと敵対したら、幽香はもちろんの事、紫ですら手に負えなくなってしまう。
魔理沙「手加減しないぜ!霊夢!《光撃シュート・ザ...」
魔理沙が弾幕を放つ寸前で霊夢が人間離れした速さで幽香の前に移動する。
幽香「早い...!」
霊夢の取り出したお祓い棒が幽香の左腕をいともたやすく切り裂いた。ジャイアントロバースキビディトイレの攻撃が完全に癒えていないのか、幽香の動きが鈍くなる。その隙を狙って霊夢が封魔針を幽香の首に突き刺す。
幽香「...ッ!」
幽香は声を上げる事もなく気を失う。さらに霊夢はその上から陰陽玉を大量に落として幽香を下敷きにした。陰陽玉が消えると、幽香のいた所には血溜まりしか無かった。
魔理沙「嘘だろ...幽香が一瞬で...!」
霊夢の計り知れない力に恐怖して一歩後退る。しかし、霊夢は既に魔理沙の至近距離まで接近していた。八卦炉は手刀で弾き飛ばされ、魔理沙の首に封魔針が突き刺さろうとしていた。
魔理沙「しまっ...!」
死んだと思った瞬間、ブラックカメラマンが横から霊夢に突進して魔理沙から距離を離した。霊夢は二人を一瞥すると、黒い霧に向かっていった。
魔理沙「なんだ...?」
爆音と同時に黒い霧から-ジャイアントカモフラージュスキビディトイレ-が出現したのだ。
ジャイアントカモフラージュスキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes! skibidi W neep neep!」
便器の両端に取り付けたレーザー砲で魔理沙達の周りにある建物を次々と破壊していった。
魔理沙「幽香も殺されちまった...ここは逃げるしか...」
戦意を失った魔理沙にレーザー砲が向けられた。ブラックカメラマンは必死に周りのスキビディトイレ達と戦っていた。
魔理沙が諦めかけたその時、周りからレバーを引く音と共に-聞き覚えのある歌-が聞こえてきた。
魔理沙「まさか...!」
ブラックカメラマンを囲っていたスキビディトイレ達はいつの間にか現れたスピーカーマン達によって無力化されていた。そして、黒い霧から音楽と共にスピーカーマンの軍隊が出動した。今回はスピーカーマン達の量がより多くなっており、ストライダースピーカーも登場していた。そして、上空を飛ぶヘリコプタースピーカーの間をくぐって、タイタンスピーカーマンが戦いに参戦した。
I CAN`T STAND THIS INDECISION
MARRIED WITH A LACK OF VISION
EVERYBODY WANTS TO RULE THE......
キャノン砲を撃ちながら着地して、ジャイアントカモフラージュスキビディトイレにパンチする。背後を取ろうとするタイタンスピーカーマンにジャイアントカモフラージュスキビディトイレが突進するが、ノックバックしたタイタンスピーカーマンがキャノン砲で怯ませる。
魔理沙「...どうしてあいつが...」
タイタンスピーカーマンによって優勢になったと思った矢先、タイタンスピーカーマンがキャノン砲を撃っている間、その真上に開いた-スキマ-から二体の-ラージパラサイトスキビディトイレ-がタイタンスピーカーマンの首の後ろに降りた。
タイタンスピーカーマンは怯んだジャイアントカモフラージュスキビディトイレに飛び蹴りを決めて無力化した。ブラックカメラマンはタイタンスピーカーマンにサムズアップする。
その瞬間、タイタンスピーカーマンに異変が起こった。
タイタンスピーカーマン「グォォォォォォォ!?」
タイタンスピーカーマンが首に手を回してラージパラサイトスキビディトイレを一体取り除くが、もう一体のラージパラサイトスキビディトイレの寄生は止められなかった。苦しそうに藻掻き、魔理沙達に背を向けたタイタンスピーカーマンから、何かが変わったような電子音が鳴り響いた。しばらくして、振り返ったタイタンスピーカーマンのコアの色が赤から黄色に変化し、青い稲妻を纏っていた。
魔理沙「どうしたんだ...?」
問いかけるが、全く反応が無い。すると突然、タイタンスピーカーマンがキャノン砲をすぐそばにいるストライダースピーカーに向けて撃ち、破壊する。続けて近くにいる大勢のスピーカーマンにもキャノン砲を撃って、スピーカーマン達全員を軽々と全滅させた。
魔理沙「お前何やって...!」
困惑する魔理沙を掴んでブラックカメラマンが里の外に走り出した。喋れなくとも、ブラックカメラマンの様子は明らかに焦っていた。それに気づいた魔理沙はすぐさま箒を取り出して、ブラックカメラマンと共に跨って、里から逃げる事に成功した。魔理沙は空を飛びながら、里の方向に振り向く。
魔理沙「あいつも突然おかしくなるなんて...どうしたら元に戻せるんだ?」
タイタンスピーカーマンは里にいるスピーカーマン達を全滅させた事を確認すると、近くで傍観していた霊夢と共に妖怪の山へと飛んでいった。魔理沙達は妖怪の山とは逆方向にある草原-無名の丘-に訪れた。
-後戸の国-
幻想郷を創造した賢者の一人-摩多羅隠岐奈-はスキビディトイレ達によって侵略されている事を知って、幻想郷へと直々に向かおうとしていたが、突然の訪問者による忠告によって阻止された。
隠岐奈「そうか...あの怪物達の撃退は君らも協力してくれるのか...良いだろう」
訪問者に不審感を抱くも今の状況じゃ、それに従った方が最善だと隠岐奈は考えていた。
隠岐奈「...分かった。こちらからも支援はする...幻想郷は奴らに取らせはしない。」
テレビマン「We too sage...」
黒い霧から現れた突然の訪問者-テレビマン-は、これから始まる長い戦いに気を引き締めた。
続く...
- Re: 東方厠戦録 10 ( No.11 )
- 日時: 2023/08/29 23:26
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-無名の丘-
春過ぎになると鈴蘭の花が覆い尽くすこの草原は荒れており、メディスンの姿も無かった。もはや、スキビディトイレ達の侵略は幻想郷のあらゆる場所に及んでいたのだ。
魔理沙「...追手が来たか」
魔理沙とブラックカメラマンの前に現れたのは、数体のノーマルスキビディトイレとジェットパックスキビディトイレだった。ブラックカメラマンがスキビディトイレ達に走り、飛び蹴りを決めた。そのまま、いつから持っていたのか、プランジャーを背中から取り出して、横から突進してくるジェットパックスキビディトイレの頭をプランジャーで便器の中に叩き込んだ。あっという間にスキビディトイレ達を残滅したブラックカメラマンが魔理沙にサムズアップする。
魔理沙「まだ来てるぜ!?」
しかし、まだまだ追手がやってきていた。数は少なく、ノーマルサイズだけしかいないのだが、これではキリが無かった。ブラックカメラマンと逃げようと試みるが、スキビディトイレの妨害に邪魔されて、結局迎え撃つしか選択肢はなかった。
魔理沙「どうしたらこいつらを纏めて蹴散らせるかな...」
突進してくるスキビディトイレを両手で受け止めながら考えるが、その暇も与えんとばかりにジェットパックスキビディトイレが魔理沙を押し倒して首に噛みつこうとする。
魔理沙「やべっ!」
ブラックカメラマンは別のスキビディトイレと戦っているため、助けに行けない。魔理沙も突然の攻撃に反撃する手段を持っていなかった。
魔理沙「うぅ......」
こんな所で死ぬなんて情けないと思いながら目を閉じかける。しかし、ジェットパックスキビディトイレの顔は魔理沙の方を向いていなかった。その表情は怯えているようにも見える。
魔理沙「...なんだ?」
ジェットパックスキビディトイレの見る方向には、小さな黒い霧が発生していた。中から出てきたのは、全身を黒いコートやブーツ、手袋で覆ったThe Allianceの支援部隊の一人-テレビマン-だった。
テレビマンは頭部のテレビから突然、スキビディトイレ達に青い光を浴びせた。光を浴びた途端、魔理沙達を襲っていたスキビディトイレ達の動きが止まった。ブラックカメラマンはすかさずスキビディトイレ達を無力化してサムズアップする。魔理沙も突進してきたジェットパックスキビディトイレのレバーに手をかける。
魔理沙「レバーの所に蓋があるな。面倒な真似しやがって...」
嫌味を感じながら、レバーを覆うように取り付けられた蓋を開けて、レバーを引いた。
魔理沙「助かったぜ。」
魔理沙がテレビマンにサムズアップすると、テレビマンは自分の画面に「︰)」と笑顔のマークを浮かべた。しばらくすると、テレビマンは自分で生み出した黒い霧へと入っていき、消えた。
魔理沙「さて、これからどこに行こうかな...」
ブラックカメラマンと箒に跨って、再び空に浮かんだ。結局、一番近くにある-迷いの竹林-へ魔理沙達は向かった。
-迷いの竹林・永遠亭-
常人では二度と出られない程に入り乱れている竹林であるが、魔理沙達は運良く永遠亭への道に辿り着いた。しかし、竹林の中で因幡の気配がする事は無かった。
魔理沙「...ここもやられたか」
永遠亭もやはり、スキビディトイレ達によって破壊されていた。だが、崩れた建物に誰かが寄りかかって、こちらを見ていた。
魔理沙「ん?...鈴仙!?」
鈴仙「あ...魔理沙さん...?」
鈴仙の体にはスキビディトイレに噛まれたような傷跡が大量に残っていた。
魔理沙「鈴仙!しっかりしろ!」
鈴瑚「もう手遅れだよ魔理沙。」
魔理沙の後ろから鈴瑚と清蘭が現れた。
魔理沙「二人共...生きてたのか!?」
鈴瑚「里が襲われてすぐに逃げてきたんだよ。」
清蘭「スキビディトイレ達と戦いながら、私達は永遠亭に来たんだけど...間に合わなかった...」
魔理沙「なんであいつらの名前を知ってんだ?」
鈴瑚「話すと少し長くなるけど...月の都も最近、スキビディトイレに襲われたらしいの。その情報は私の耳にも届いたからね。」
魔理沙「......そうか」
鈴仙の呼吸は少しずつ弱くなっている。死ぬのも時間の問題であった。
その時だった。竹林をかき分けて大勢のノーマルスキビディトイレやラージスキビディトイレが魔理沙達の前に突然現れたのだ。
清蘭「どうしよう...もう私達の力も...」
鈴瑚と清蘭は、永遠亭が襲撃された後、瀕死になっていた鈴仙を見つけて、それからずっと、スキビディトイレ達と戦って鈴仙を守っていたのだ。
鈴仙「魔理沙...私には構わないで...二人もここから逃げて!」
鈴瑚「...鈴仙。ここまで私達は耐えてきたんだ。最期ぐらい...安らかにしてやりたいんだ!」
既に動けない鈴仙はスキビディトイレの格好の的であり、見つかれば食いちぎられて残酷に殺されるのがオチだろう。もう自分達の限界を感じた二人はせめて最後まで鈴仙を守ろうと誓っていた。
魔理沙「...なら私も一緒に戦ってやるぜ」
魔理沙は八卦炉を構え、ブラックカメラマンがプランジャーを握り占める。四人の抵抗が始まった。
テレビマン「Show must continue...」
魔理沙達の背後から黒い霧と共にテレビマンが姿を現した。
魔理沙「お前はさっきの...!」
テレビマンが魔理沙達に自分の後ろに回るように促した。
魔理沙「...なんだあいつは!?」
続けて、黒い霧から出てきたのは、テレビマンよりも大きな体を持つ-ラージテレビマン-が魔理沙達の前に出て、4つの小型テレビを背中から前方に展開する。そして、大きな音と共に白色の強力な閃光がスキビディトイレ達に浴びせられた。スキビディトイレ達は光を浴びると混乱し、互いに突進し合って自爆したり、仲間同士で無力化して全員倒された。テレビマンはスキビディトイレが全員死んだ事を確認すると、傷ついた鈴仙を抱えて、ラージテレビマンと共に黒い霧へと入って消えていった。
続く...
- Re: 東方厠戦録 11 ( No.12 )
- 日時: 2023/09/01 21:02
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
地上はもはやスキビディトイレ達の占領下となった今、幻想郷のそこら中にパラサイトスキビディトイレが蔓延した。魔理沙達以外の人妖のほとんどが敵に回っている最中、スキビディトイレ達が旧地
獄を襲撃していた。
-旧都-
勇儀「はは...この程度の傷...」
旧都の真ん中でただ一人、スキビディトイレと戦っていたのは勇儀であった。目の前には寄生されたパルスィと萃香。その後ろには大量のスキビディトイレ達が蠢いていた。捨て身で勇儀が二人に飛びかかるが、背後から近づくスキビディトイレに拘束され、パラサイトスキビディトイレを首につけられた。
-地霊殿-
屋敷は完全に崩壊し、辺りは閑散としていた。動物達の姿は消え、館の主は既に息をしていなかった。
-旧血の池地獄-
未だにスキビディトイレが来ていないのはこの場所だけだった。ちょうど石油を飲みに来た尤魔と隠岐奈が対面していた。
尤魔「...お前か」
隠岐奈「少し話があってな...」
尤魔「知ってる。あの怪物達の事だろう?」
隠岐奈「何?」
尤魔「地上から動物霊達がこっちに慌てて逃げてきたんだよ。地上でトイレの化け物が暴れてるってな。」
尤魔「気をつけろよ。」
隠岐奈「何を気をつけろと言うんだ。」
尤魔「私の中であんなにも自分達の欲望のままに生きる奴らを見るのはあれが初めてさ。」
隠岐奈「人間だって欲に塗れているぞ」
尤魔「違う違う...あいつらのはそういう欲じゃないんだ。自分達を延々と賛美して、仲間となるのが素晴らしい事だとトチ狂った様に喋っている。」
尤魔の声が段々と荒くなっていた。
隠岐奈「どうしてそんなに詳しいんだ?」
尤魔「...八千慧と早鬼はもう死んだ。」
隠岐奈「...なんだって」
尤魔「あの怪物達はまだ旧地獄の半分しか攻めていない。ここはそろそろ襲撃されるだろうが、畜生界に現れた...ただ一体の怪物がほとんどの動物霊達を蹂躙し...全滅させた。」
辺りは尤魔の殺気が漂っている。
尤魔「...あいつの動きは異次元だった。」
隠岐奈「戦ったのか?」
尤魔「戦ったさ...だが、あいつは自分が不利だと思ったらすぐに逃げていったんだ。炎を空中に残してな。」
話している最中、早速スキビディトイレ達が二人の元にも攻めてきた。
尤魔「全員叩きのめしてやる。ここで負けたら畜生界は完全に崩壊する。」
隠岐奈「...私も同じ気持ちだ。」
尤魔「今回の異変は幻想郷だけの問題じゃないんだろう?手を組もう。」
隠岐奈「その気で来たんだけどな。」
二人の後ろから巨大な黒い霧が出現する。目の前まで来ていたスキビディトイレ達はその黒い霧にただただ恐怖し、怯えていた。
尤魔「あの霧は...?」
隠岐奈「...幻想郷の命運をかけた-同盟-だ。」
黒い霧から巨大な足が地面に出現した。黒い霧はその大きなシルエットを下から曝け出していった。
尤魔「...とんだ増援だな」
隠岐奈「滅亡の危機なんだから当たり前だ。」
現れたのは、黒いコートを身につけ、背中には巨大な鉤爪を装備し、胴体に紫色のリアクターを持ち、頭部に巨大なテレビを持つ-タイタンテレビマン-だった。強力な物理攻撃力と極めて高度な科学技術力を駆使したタイタン系統の最強格とも言える存在だ。
タイタンテレビマン「All toilets will die...」
その言葉と同時にタイタンテレビマンの頭部からとてつもない紅い閃光がスキビディトイレ達に降り注いだ。スキビディトイレ達はあまりの苦痛に発狂し、首を回して自分でレバーを引いて自滅していっている。そうしてスキビディトイレ達が全員無力化されると、タイタンテレビマンは尤魔と隠岐奈に向かって、「:3」と画面にマークを出していた。
- Re: 東方厠戦録 12 ( No.13 )
- 日時: 2023/10/24 22:04
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-迷いの竹林-
ポリススキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi!」
けたましいサイレンを鳴らしながら魔理沙達に数体のポリススキビディトイレが接近していた。幸い移動が鈍く、軽々と後ろに回り込んでレバーを引いて無力化した。遅れて竹藪から出てきた一体のラージポリススキビディトイレは、横から清蘭の杵で顔面を思いっ切り叩かれ、無理やり便器の中に叩き込まれた。
魔理沙「鈴仙はあいつらが助けてくれたし...他に生き残った奴らを探すか。」
鈴瑚「私達も加勢するよ。」
魔理沙は清蘭と鈴瑚、ブラックカメラマンの四人で迷いの竹林を後にした。
-太陽の畑-
この場所はスキビディトイレ達との戦闘で植物が根こそぎ枯れて、辺り一面が焼け野原になっていた。畑であった場所の管理者が戻る事はもう無い。
魔理沙達がその平地の上空を飛んでいると、幽香が元々住んでいた家に数体のジャイアントスキビディトイレが群がっているのが見えた。良く見ると、灰色のノーマルサイズのスキビディトイレが一体だけ混じっている。その中央には、周りのスキビディトイレ達を統率していると思われるジャイアントマフィアスキビディトイレが何やら喋っていた。
マフィアスキビディトイレ「BRRRRRRRRR SKIBIDI DOPDOPDOP YESYES...」
鈴瑚「まだバレていないみたいだね...」
魔理沙「いくらカメラマンでもあのデカさのトイレ達は苦戦する。奇襲して一気に潰すぞ!」
魔理沙は八卦炉を構えて、スキビディトイレ達の上空に滞空する。箒に乗っているブラックカメラマンはプランジャーを構えた。鈴瑚と清蘭はスキビディトイレ達の真正面に立って、注意を引いた。
鈴瑚「ここだぞ!トイレ達!」
鈴瑚の声に反応してジャイアントスキビディトイレ達が鈴瑚に顔を向けた。しかし、マフィアスキビディトイレだけは上空を見て震えていた。
マフィアスキビディトイレ「SKIBIDISKIBIDISKIBIDISKIBIDI!!」
必死の呼びかけに気づいたジャイアントスキビディトイレ達が上を向いた。上空には、八卦炉を真下に構える魔理沙の姿があった。
魔理沙「もう遅いぜ!《星符・ドラゴンメテオ》!」
極太レーザーがジャイアントスキビディトイレ達に降り注いだ。マフィアスキビディトイレはジェットパックを使って回避する。隣にいた灰色のスキビディトイレは既に消えていた。他のジャイアントスキビディトイレ達はレーザーの爆発に巻き込まれて破壊された。
マフィアスキビディトイレ「SKIBIDI SKIBIDI SKIBIDI...!」
魔理沙に首を伸ばして突進するが、魔理沙の後ろにいるブラックカメラマンがマフィアスキビディトイレのタンクに飛び乗り、レバーを持ち上げて無力化した。飛び降りたブラックカメラマンは清蘭にキャッチされた。
魔理沙「ナイス!」
箒から降りて地面に着地する。ブラックカメラマンは清蘭に対してサムズアップしていた。
鈴瑚「油断するな!」
その時、鈴瑚が周りを見渡しながら叫んだ。
魔理沙「どうしたんだよいきなり。」
鈴瑚「一体だけ小さいのがまだ破壊されていない!」
魔理沙「何だって!?」
鈴瑚「さっきのレーザーが当たる前にそいつだけ逃げ...」
その瞬間、鈴瑚の頭が吹き飛んだ。
鈴瑚の胴体が力無くその場に血を出して倒れた。
清蘭「鈴瑚ッ...!」
次に清蘭の頭が青い稲妻と共に吹き飛んだ。
魔理沙「...なんだアイツ...」
二人が死んだ所で、魔理沙とブラックカメラマンの前に灰色のスキビディトイレが出現した。
自身の便器を装甲で守り、タンクに怪しげな機械を搭載した-グリッチスキビディトイレ-が現れたのだ。常に震えて白目を剥き出し、殺してきた者達をあざ笑うその姿に魔理沙が怒りを覚える。
魔理沙「よくも二人を...!」
しかし、八卦炉を構える寸前でグリッチスキビディトイレは高速で魔理沙の視界から消えた。
魔理沙「...消えた!?」
その瞬間、グリッチスキビディトイレの突進で八卦炉が吹き飛ばされる。八卦炉はカラカラと音を立てて、魔理沙から数十メートル離れた所に落ちた。そして、グリッチスキビディトイレは無防備となった魔理沙腹部目掛けて突進して突き飛ばした。
魔理沙「がっ...!」
魔理沙の体から何かが折れた様な音がしたと同時に、魔理沙は数メートル吹き飛んで倒れてしまった。ブラックカメラマンはプランジャーを片手に周りを見渡す。頭部目掛けてグリッチスキビディトイレが突進してくるが、間一髪で運良く避けた。しかし、グリッチスキビディトイレがブラックカメラマンを生かそうとはしない。覚悟を決めてブラックカメラマンがプランジャーを強く握る。
その時だった。
ブラックカメラマンの正面に巨大な黒い霧が出現した。グリッチスキビディトイレはそれを見て、ブラックカメラマンを睨みながら逃げて行った。黒い霧から出てきたのはタイタンテレビマンだった。
魔理沙「...うぐっ...」
魔理沙が腹部を抑えながら立ち上がった。ブラックカメラマンが駆け寄って心配する。
魔理沙「大丈夫だ...簡易的だが、防御壁を展開しといて良かったぜ。」
グリッチスキビディトイレが直撃する直前、魔理沙は自身の胴体に魔法でバリアを張っていたのだ。
魔理沙「って...なんだアイツ!?」
魔理沙がタイタンテレビマンを見上げて驚いた。それと同時に、新たなタイタンが出現した事に安心する。
魔理沙「...鈴瑚達も死んじまった」
魔理沙の周りには頭部と胴体が切断された鈴瑚達の亡骸があった。
魔理沙「...絶対に許さない!」
グリッチスキビディトイレは魔理沙の因縁の相手として、これからも行く手を阻むだろう。
続く...