二次創作小説(紙ほか)

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東方厠戦録
日時: 2023/08/19 18:32
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

この小説は、東方ProjectとDaFuq!?Boom! さんの作ったSkibidi Toilet seriesという動画に登場するSkibidi Toiletの二次創作です。

※注意
・東方キャラの死ネタあり
・独自設定が少しあります

以上がこの小説を読む際の注意です。では、楽しんで!

プロローグ

忘れ去られた者達が辿り着く場所、その名も幻想郷。そこでは、人間と妖怪や神々が共に住む楽園の様な世界が広がっていた。しかし、なんの前兆も無く、幻想郷が滅ぶ寸前まで追いやられた大異変が今、始まろうとしていた。

Re: 東方厠戦録 3話 幻想の守護者 ( No.3 )
日時: 2023/08/21 22:22
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

誰もいなくなった里で紫とマミゾウが交戦している間も、スキビディトイレの侵略は止まらなかった。そして、魔の手は博麗神社へと広がった。

-博麗神社-

神社の縁側に退屈そうに霊夢は座っていた。最近は何も異変が起きていないので、あうんと共に縁側でぼーっする事が多かった。今日もそんな風に過ごすはずだった矢先、神社の鳥居の方から黒い霧が発生していた。

霊夢「...なにかしら?」

不審に思って近づこうとすると、あうんが急に霊夢の手を掴んだ。

霊夢「どうしたのよいきなり。」
あうん「あの霧から...何か嫌な気配を感じますよ!」

二人の会話に奇妙な歌が混じり始めた。

ノーマルスキビディトイレ「brrrrr skibidi dop dop」
霊夢「うるさい。」

息をするかのように、スキビディトイレに封魔針を投げつける。

ノーマル「skibi...!」

針は眉間を貫き、スキビディトイレは完全に白目を向いて動かなくなった。

霊夢「何よこれ、不気味な形してるわね。」

スキビディトイレにベタベタと触る霊夢を唖然と見つめているあうんの後ろにまたもや黒い霧が出現した。

霊夢「え...?」

あうんの真後ろから出現したのは、普通の個体よりも一段と大きいラージスキビディトイレだった。

ラージ「skibidi skibidi skibidi!」

ラージスキビディトイレは、あうんの頭部を容赦無く喰いちぎった。

霊夢「あうんっ!」

一言も発っせないまま、あうんは殺された。頭部を失ったあうんの胴体はそのまま地面に倒れた。

霊夢「よくも...あうんを!」

ラージスキビディトイレの便器に弾幕を撃ち込む。しかし、攻撃が効いている様子は無かった。

ラージ「skibidi dop dop dop yes yes !」

突進する顔を咄嗟に避けて、今度は巨大な陰陽玉をラージスキビディトイレの頭に叩き込んだ。ラージスキビディトイレの頭は勢い良く便器の中に入っていき、動きが止まった。

霊夢「妖怪...ではないわね。一体どこから来たのかしら...」

あうんの死体を痛々しそうに見ながら、呟いた。だが、霊夢の後ろには別のノーマルスキビディトイレが接近していた。

ノーマル「skibidi skibidi skibidi !」
霊夢「バレないとでも思ったの?」

後ろも見ずに、封魔針を顔の横に突き刺す。霊夢の前からも後ろからも次々とスキビディトイレ達が
集まって来ていた。

霊夢「あんたらが何者かは知らないけど...いいわ。死ぬ気でかかって来い!」

霊夢はお祓い棒と数枚の札を取り出し、本格的な戦いを始めた。

-魔法の森-

一方で魔法の森にも襲撃していたスキビディトイレ達は二人の魔法使いと戦っていた。

成美「どうしよう...囲まれたわね。」
魔理沙「これだけいれば、簡単に包囲されるって分かってたけどな。」

魔理沙と成美の二人は魔法の森で暮らす者同士で知り合いであった。今日は二人で魔法の研究をしていたのだが、それを邪魔したのが他ならぬ、スキビディトイレ達であった。

魔理沙「お前ら...一体何が目的なんだ?それに...洋式トイレに顔が生えてる化け物って、シュールな奴らだぜ。」

ノーマルスキビディトイレ「brrrr skibidi dop dop dop yes yes !」
魔理沙「何言ってもおかしな歌を口ずさむ...とことん不気味だ。」
成美「敵対している様だけどね。」

魔理沙と成美は会話しながらも、己の魔法を駆使してスキビディトイレ達を返り討ちにしていた。しばらくして、辺りはスキビディトイレ達の残骸だけが転がっていた。

魔理沙「もう終わりか?手応え無かったな。」
成美「もう懲り懲りよ。」

スキビディトイレを一掃して安心しているのも、束の間だった。突如、魔理沙達の近くに黒い霧が漂った。それと一緒に大きな足音が複数聞こえ始めた。

魔理沙「...さっきの奴らか!?」

魔理沙達の前に現れたのは、先程のスキビディトイレ達とは違い、一回り大きく、三本の蜘蛛のような足をつけ、便器の下に機関銃を取り付けた-ストライダースキビディトイレ-だった。五体のストライダースキビディトイレと一緒に複数のポリススキビディトイレが接近してくる。

成美「さっきよりも数が多いわ...」
魔理沙「一気に蹴散らしてやるぜ!《恋符・マスタースパーク》!」

魔理沙は真正面から接近するスキビディトイレ達にビームを繰り出した。ビームはスキビディトイレ達の足元に着弾し、大爆発を巻き起こした。

魔理沙「成美!逃げるぞ!」
成美「分かったわ!」

二人はスキビディトイレ達が出現した逆方向に背を向けて走り始める。しかし、魔理沙達は知らなかった。ストライダスキビディトイレなどの中型のスキビディトイレ達は少なからず、爆破耐性を持っていた事を。

魔理沙「...がはっ...!」

突然、魔理沙が倒れ込んでしまった。

成美「魔理沙!?」

ストライダースキビディトイレ達は先程の爆発に耐えたようで、逃げていた魔理沙に機関銃を発砲していたのだ。

成美は咄嗟に結界のバリアを作ってストライダースキビディトイレの攻撃を防御した。魔理沙を近くの草むらに避難させて、回復魔法をかける。

魔理沙「はは...すまないな。」
成美「あなたは生身の人間なんだから!ただじゃすまないわよ!?」

魔理沙を起き上がらせて、逃走を再開した。

魔理沙「畜生...箒を持ってくるんだったな。」

魔力こそ生み出せるものの、魔理沙も一人の人間。箒無しでは安定して飛べないのだ。

成美「あの蜘蛛みたいな化け物...この速さじゃ追いつかれるわ。」

成美が急に足を止めた。

魔理沙「どうしたんだよ成美!」
成美「貴方は逃げて、私があいつらを足止めするわ。」
魔理沙「一緒に逃げようぜ!得体のしれない化け物に一人で立ち向かうのは危険だぜ!」
成美「いいから逃げて!」

成美の言葉で諦めたのか、魔理沙は無言で走っていった。

成美「...また生きて会えるかしらね」

成美の後ろから黒い霧と共に巨大なスキビディトイレが現れる。ストライダースキビディトイレと一緒に、その倍以上の大きさを持つ-Gマンスキビディトイレ-が成美を睨んでいたのだ。

成美が最後に見たのは、自分の体を貫通するストライダースキビディトイレの足だった。

-魔法の森・アリス邸-

魔理沙「アリス!中にいるのか?」

魔理沙が逃げる間、四方八方からノーマルスキビディトイレが現れた。自分の家に辿り着いたものの、スキビディトイレが追ってきていたため、八卦炉と箒を持ってアリス邸にやってきたのだ。

魔理沙「魔法の森だけにあいつらがいるはずが無い...幻想郷のそこらであいつらが出現しているはずだ...」

魔理沙が呟きながら、玄関に向かうと何故か扉が開いていた。

魔理沙「...アリス?」

魔理沙が家に入った直後、目に入ったのは、アリスの死体だった。

魔理沙「...ッ!!」

アリスの死体に声も出さずに近寄る。血だらけの首には、喰い千切られたような大きな傷が残っていた。恐らく、スキビディトイレに家の中で襲われたのだろう。

魔理沙「畜生...アリスが死ぬなんて...」

その時、なにかの魔力が森の中で消える様な気配があった。

魔理沙「...まさか、成美も!」

魔法の森は、茸の放つ瘴気の影響で魔力が上がるため、集中すれば、魔理沙にも成美やアリスの魔力を敏感に感じる事が出来た。その魔力が今切れたという事は、魔理沙の思った通りであった。

魔理沙「このままいたら...私も殺される...!」

魔理沙は箒にまたがって、全速力で博麗神社に飛び出した。

魔理沙「霊夢ならまだ生きているはずだ...間に合ってくれ!」

しかし、魔理沙は気づいていなかった。自分と同じく、空を飛べるヘリコプタースキビディトイレが尾行していた事に。

-博麗神社-

霊夢「はぁ...はぁ...アンタ達どんだけいるのよ...」

霊夢の周りには、大量のスキビディトイレ達が包囲していた。

ノーマル、ラージ、ジャイアント...大小様々なスキビディトイレ達が霊夢を不気味な笑顔を見つめている。

グランドファーザースキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi W nim nim ! skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi W nim nim !」

その中で一回り巨大なグランドファーザースキビディトイレが霊夢に突進を仕掛けた。

霊夢「...アンタ達、誰に喧嘩を売ってると思ってるの?」

その言葉と共に、グランドファーザースキビディトイレの頭上から、巨大な陰陽玉が落ちてくる。

グランドファーザースキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi !?」

為す術無くグランドファーザーの頭が便器と共に破壊される。その光景を目の当たりにして、周りのスキビディトイレ達が先程の不気味な笑みから変わって、怯えた様な表情をつくった。

霊夢「私の名は博麗霊夢。この楽園の巫女にして異変解決のプロよ...覚悟しなさい!」

続く...

Re: 東方厠戦録 4.5話 ( No.5 )
日時: 2023/08/23 00:45
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-博麗神社-

霊夢「私の名は博麗霊夢。この楽園の巫女にして異変解決のプロよ...覚悟しなさい!」

そう叫んだのと一緒に、スペルカードを発動した。

霊夢「《夢想天生》!」

空中に飛んだ霊夢の周りに八つの陰陽玉が展開されると共に大量の弾幕がskibidi toilet 達に降り注いだ。夢想天生は霊夢の空を飛ぶ程度の能力の本質とも言える大技。この時、霊夢は完全に無敵と化し、時間制限付きじゃなければ勝てる者はいない。

ラージ「skibidi skibidi skibidi !?」

周りのスキビディトイレ達はあっという間に破壊されていった。一分もかからず、霊夢の攻撃は終了した。

霊夢「これで全員ね。」

霊夢の周りを囲むのは、スキビディトイレ達の残骸だけであった。

魔理沙「霊夢ー!」

その時、ちょうど魔理沙が神社に辿り着いた。

霊夢「魔理沙?」
魔理沙「大変だぜ!幻想郷のそこらかしこでトイレの化け物が湧いてるぜ!」
霊夢「さっきの奴ら...まだいるの?」
魔理沙「え?」

魔理沙が良く見てみると、神社の中はスキビディトイレ達の残骸が大量に落ちていた。

霊夢「もしかして里にもこいつらいるの?」
魔理沙「ああ、途中で見てきたぜ...」
霊夢「里に行くわよ魔理沙!」

霊夢と魔理沙が里に向かおうと飛びかけたその時だった。

ストライダースキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi !」

鳥居の方から機関銃を撃ちながらストライダースキビディトイレが三体出てきたのだ。

魔理沙「まずい...あいつらも遠距離攻撃ができるぜ!」
霊夢「焦らなければどうって事無いわ!」

すぐさま結界のバリアを張って銃弾をガードする。

霊夢「これで足止めして...」

そう言いかけて霊夢が足を止めた。後ろからアサシンスキビディトイレが突進してきたのだ。

アサシンスキビディトイレ「dop dop dop yes yes !」
霊夢「きゃぁ!」

突進にぶつかった霊夢がストライダースキビディトイレの前に飛ばされてしまった。

ストライダースキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi...」

至近距離の霊夢に機関銃を向ける。

魔理沙「霊夢!」

飛ばされて地面に頭を打ち付けたのか、霊夢が起きる気配はしない。

魔理沙「こうなったら...《恋符・マスター...」
アサシンスキビディトイレ「skibidi W nim nim !」

魔理沙がストライダースキビディトイレに八卦炉を向ける直前、アサシンスキビディトイレの邪魔が入った。

魔理沙「ぐっ...やめろ!」

八卦炉を落として、アサシンスキビディトイレを両手で抑えるが、身動きがとれなくなってしまった。

魔理沙「畜生...こんな所で...」

周りからノーマルスキビディトイレも大量に接近してきていた。霊夢と魔理沙が殺されるのも、時間の問題だった。それを見て何かを決めたように、魔理沙はアサシンスキビディトイレから逃げて、ストライダースキビディトイレの機関銃の前に立って霊夢を庇った。

魔理沙「...霊夢だけは...霊夢だけでも殺させはしないぜ!」
ストライダースキビディトイレ「skibidi W nim nim !」

ストライダースキビディトイレがより低い音で歌う。それに合わせて、死を覚悟した魔理沙をあざ笑うかのように、スキビディトイレ達の歌が神社に響き渡る。

魔理沙「...じゃあな...霊夢」

魔理沙は目を瞑り、ただ音だけを聞いた。次に聞こえてくるのは、霊夢を庇った自分の体がぐちゃぐちゃにされる音だと思って、震えながら、目を瞑る。






















しかし、次に聞こえた音は、トイレのレバーが引かれ、スキビディトイレが流される音だった。

魔理沙「...なんだ?」

突然の音に思わず目を開ける。その先に見えたのは、神社の鳥居から出ている黒い霧。しかし、出現してきた者は、スキビディトイレでは無かった。

ノーマルスキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi !」

スキビディトイレ達が魔理沙を気にもとめず、何かから一目散に逃げていた。いつの間にかストライダースキビディトイレが無力化されていた。

魔理沙「...誰だ?」

魔理沙の目の前に立つのは、黒いスーツを着込み、一般男性と同じくらいの背丈の人物だった。幻想郷でスーツはかなり珍しいが、それ以上に魔理沙が奇妙に思ったのは、-頭が監視カメラに置き換わっている事-だった。

魔理沙の覚悟を認めたかの様に目の前の-カメラマン-はサムズアップする。それと同時に色濃くなった黒い霧から出てきたのは、大勢のカメラマン達であった。ほとんどが白い監視カメラをした頭部に黒いスーツを基調にしており、それに混ざって体が少し大きめで映画用カメラをした頭部を持つ-ラージカメラマン-達が近くのノーマルスキビディトイレを掴んでは遠くに投げ飛ばしている。予期せぬ援軍に魔理沙は唖然とするしかなかった。

そして、ほんの数分であっという間に周りのスキビディトイレ達が神社から一掃された。

魔理沙「...助かった」

カメラマン達の活躍によって安堵するが、先程まで倒れていた霊夢の姿が見当たらなかった。

魔理沙「あれ...霊夢!」

神社の周りも見たがどこにもいなかった。

魔理沙「おい...ここら辺に人が倒れてなかったか?」

カメラマン達に話しかけてみるが、首を振るだけだった。

魔理沙「まさか...あいつらに攫われたわけじゃないよな...」

普通だったらあそこで死んでいたはずなのに、突然カメラマン達が助けてくれたわけだが、もしかしたらスキビディトイレ達の狙いは霊夢だったんじゃないかと考える。そうして魔理沙が思い悩んでいると先程、魔理沙にサムズアップしてくれたカメラマンが近づいてきた。他のカメラマンと違い、頭部の監視カメラが黒く、より高い戦闘能力を持つ-ブラックカメラマン-だった。

魔理沙「どうしたんだ?」

ブラックカメラマンが指指す方向を見てみると、カメラマン達が里の方に行進を始めていた。ついてきて欲しいのかも知れない。

魔理沙「里にもさっきの奴らがいるって事か...よし、私も行くぜ!」

攫われた霊夢を助けるため、魔理沙もカメラマン達の行進について行った。

-人間の里-

魔理沙「...なんだよこれ」

里は完全に崩壊していた。ほとんどの建物の外壁が抉られていたり、地面には大量の血痕やスキビディトイレ達の残骸まみれだった。

魔理沙「ん?...あそこの下に誰かいるぞ!」

魔理沙が見た路地裏の奥に、何かの人影が見えた。魔理沙が路地裏の方に入る。そこにいたのは、倒れてきた建物に下半身が下敷きにされた慧音だった。

魔理沙「慧音!」

急いで慧音の元に駆け寄る。息はまだしているようだが、体のいたる所に大きな切り傷があった。

慧音「はぁ...はぁ...魔理沙...か」
魔理沙「大丈夫だ!すぐに助けるぜ!」

魔理沙は路地裏の外に出ると、大声で助けを求めた。

魔理沙「おーい!助けに来てくれ!」

魔理沙の声を聞いたラージカメラマン達が魔理沙に誘導されて路地裏に入る。魔理沙と共に歩み寄ってくるラージカメラマンに慧音が呆然する。ラージカメラマン達によって軽々と瓦礫が撤去され、慧音も魔理沙の肩を借りて、ひとまず路地裏から出る。

慧音「魔理沙、彼らは誰だ?」

慧音は周りのカメラマンを見回して尋ねる。先程、慧音を助けたラージカメラマンはサムズアップしていた。

魔理沙「私も良く分からない...博麗神社でトイレの化け物に囲まれて、諦めかけた時にいきなり現れたんだ。」
慧音「そうか...里にもトイレの怪物達が出現して大混乱が起こっていたんだ。」

近くの瓦礫に寄りかかりながら、慧音がその時の様子を語った。

慧音「紫が人間達を逃してくれたおかげで全力で戦う事は出来たんだが...」

突然、慧音の口が止まった。

魔理沙「何があったんだ?」
慧音「その場にマミゾウと紫が残って戦ってくれたんだが...二人共奴らに攫われて...」
魔理沙「なんだって!?」
慧音「奴らの罠だったんだ...急に私を狙う奴らが増えていって、それを庇おうとした二人が後ろから他の奴らに捕まって、その場で気絶させられたんだ...」
魔理沙「あの二人も攫われたのか!?」
慧音「あの二人も?」
魔理沙「霊夢も...奴らに攫われた」
慧音「何が目的なんだ?」
魔理沙「それは分からないぜ...」

二人で話していると、魔理沙と一緒に行動していたブラックカメラマンが一つのタブレット端末を持って二人の元に歩み寄って来た。

魔理沙「...スキビディトイレ?」

そこに書いてあったのは、トイレの怪物の名前と基本的な対処法であった。

慧音「奴らの名前はスキビディトイレと言うのか...」
魔理沙「それに対抗する組織がお前らなのか?」

ブラックカメラマンが魔理沙の言葉に頷く。それと同時にタブレットの画面に赤い監視カメラのマークが-The Alliance-という言葉と共に映し出された。

魔理沙「そうだったのか...さっきは助かったぜ。」

ブラックカメラマンはサムズアップをしながら、タブレットをスーツの中に仕舞う。その時、爆音と共に魔理沙達の前方に黒い霧が発生した。出てきたのは、大量のスキビディトイレ達だった。

魔理沙「またあいつらだ...」

魔理沙が八卦炉を取り出して戦闘態勢をとった。

慧音「私も一緒に...うぐっ...!」

立ち上がろうとする慧音が倒れてしまった。

魔理沙「無茶するな!もう怪我だらけじゃないか!」

カメラマン達が来る前、慧音は一度スキビディトイレと交戦して大怪我を負っていたのだ。

魔理沙「いいから休んでおけって、私がここは戦うぜ!」
慧音「...分かった。気をつけろよ魔理沙!」

魔理沙はカメラマン達と共にスキビディトイレ達を睨む。

ノーマルスキビディトイレ「brrrrrrrrr skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi W nim nim !」

突進をしてくるスキビディトイレ達を、カメラマン達が顔を抑えてレバーを引き、次々と無力化していった。魔理沙も魔法を使って自分に向かってくるスキビディトイレを迎撃する。

魔理沙「今回は味方もいるし、さっきよりはマシだぜ。」

魔理沙の横にいたブラックカメラマンがノーマルスキビディトイレ達に向かっていった。まずは目の前にいるスキビディトイレに横フックを入れてレバーを流す。続けて、横から迫ってくるスキビディトイレを勢い良く蹴り飛ばした。

ブラックカメラマンが次のスキビディトイレに向かおうとすると、一体のラージスキビディトイレが立ちふさがった。

ラージスキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi... 」

ブラックカメラマンに顔が飛びかかるが、その寸前でラージスキビディトイレが黄色い閃光と共に破壊された。ブラックカメラマンの振り向いた先には、八卦炉を構える魔理沙の姿があった。

魔理沙「マスタースパークの威力は伊達じゃないぜ!」

魔理沙がサムズアップをする。それにブラックカメラマンもサムズアップを返した。しかし、周りのスキビディトイレがほとんど片付いた所で、ストライダースキビディトイレが三体出現する。カメラマン達は簡単に足に刺されたり、頭部を食いちぎられて、次々とやられてしまう。戦況を見て諦めたのか、ブラックカメラマンが生きているカメラマン達に撤退を促すようにしている。

魔理沙「ここはひとまず逃げた方が良さそうだな。《魔符・スターダストレヴァリエ》!」

魔理沙もそれに気づき、弾幕を張りながらカメラマン達の援護をするが、直後に魔理沙の目の前にこれまでのとは比べ物にならない大きさのスキビディトイレが黒い霧から出現した。

魔理沙「嘘だろ...」

トリプルジャイアントスキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi dabudu dee deeb !」

3つの頭が魔理沙を威嚇する。あまりの恐怖に魔理沙はそこから動けなくなってしまった。

魔理沙「どうすればこんな奴に勝てるんだ...?」

しかし、トリプルジャイアントスキビディトイレが逃げ遅れたラージカメラマン達を次々と破壊していく様子に魔理沙が恐怖と一緒に、怒りもまた込み上げていた。

魔理沙「いや...勝てる勝てないじゃない!」

魔理沙が八卦炉を強く握りしめる。

魔理沙「絶対に慧音達には手を出させないぜ!《魔砲・ファイナルスパーク》!」

先程のマスタースパークよりも高い威力を誇るビームがトリプルジャイアントスキビディトイレの便器に直撃して大爆発を起こす。しかし、決定的なダメージは与えられなかった。少しの間、よろめくと、トリプルジャイアントスキビディトイレは怒り狂った顔で魔理沙を睨んだ。

魔理沙「...多少の時間稼ぎにはなったか」

ここで朽ち果てようが構わないと、魔理沙は再度八卦炉を強く握りしめた。それと同時にトリプルジャイアントスキビディトイレが3つの顔を一斉に魔理沙に伸ばす。

その瞬間だった。

魔理沙の近くにいたストライダースキビディトイレ達が全員、何かに踏み潰された。

魔理沙「...ッ!!」

魔理沙の元に駆けつけたのは、The Alliance 最高戦力の一つである-タイタンカメラマン-だった。

Re: 東方厠戦録 5話 ( No.6 )
日時: 2023/08/23 17:39
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

魔理沙の元に駆けつけたのは、The Alliance 最高戦力の一つである-タイタンカメラマン-だった。

トリプルジャイアントスキビディトイレ「skibidi dabudu dee deeb !」

トリプルジャイアントの顔の一つがタイタンカメラマンに突進する。タイタンカメラマンはそれを横にいなして、レバーを引いて無力化する。続けざまに二つ目の顔がタイタンカメラマンの横から突進するが、勢い良くパンチを喰らって怯み、その間にレバーを引かれて無力化される。最後に中央の奥から黒い角の生えた顔が突進するが、それを両手で受け止め、タイタンカメラマンは胴体に取りつけられたリアクターのエネルギーを顔面に噴出して無力化した。最後にトリプルスキビディトイレの残骸を持ち上げて、里の外に放り投げる。タイタンカメラマンのおかげで、里を襲撃するスキビディトイレ達が一匹残らず無力化された。

魔理沙「す...凄いパワーだぜ」

タイタンカメラマンの圧倒的な強さに見惚れる。しばらくして、魔理沙に気づいたタイタンカメラマンが上から見下ろしてサムズアップをした。いつの間にか周りのカメラマン達が椅子に座って、ポップコーンやポテトを食べていた。

魔理沙「どこから持って来たんだよそれ...」

タイタンカメラマンの登場で、呑気にくつろぐカメラマンを横目に魔理沙もその場に座り込んだ。

-永遠亭-

里の襲撃は終わったが、迷いの竹林には先程の倍以上のスキビディトイレ達が永遠亭を襲撃していた。

永琳「...数が多すぎる!」

永遠亭を襲撃するスキビディトイレ達に永琳が一人で立ち向かっていた。永琳のすぐそこには、二人の亡骸が倒れていた。それもそのはず、さっきまで一緒に応戦していた鈴仙やてゐは既にスキビディトイレ達に殺されているのだ。

抵抗虚しく、背後から隙を突かれて、永琳がセミラージスキビディトイレの突進を喰らってしまう。

永琳「がはっ...!」

永遠亭の壁に叩きつけられて意識が朦朧とする。永琳が動けなくなった所で二体のミディアムスキビディトイレが永琳の両腕を咥えて捕縛する。

永琳「くっ...離せ!」

必死に藻掻いても、拘束からは抜け出せなかった。さらに、同じ様な方法で輝夜と妹紅までもが気絶させられてどこかに連れて行かれた。

永琳「...姫様っ!」

輝夜が連れて行かれた所で、永琳も何者かによって気絶させられる。永琳が最後に見たのは、黒いアームだった。

-冥界-

一方その頃、結界の緩みからか、冥界にまでもスキビディトイレが出現していた。しかし、冥界に来たスキビディトイレ達が幽霊を襲う気配が無かった。冥界を管理する西行寺幽々子の従者である魂魄妖夢は、奇妙に思いながら、幽々子の住む白玉楼に冥界の警備から帰ってきた。

妖夢「特に襲って来ないけれど...気味悪いな...」

ため息を吐きながら、白玉楼の中に入る。しかし、中には幽々子の姿が見当たらなかった。

妖夢「幽々子様...?」

戸惑っていると、庭の方から誰かの声が聞こえてきた。庭に向かって見ると、幽々子は縁側でニコニコしながら座っていた。それだけなら良かったものの、庭には大量のノーマルスキビディトイレ達が綺麗に並んでいた。そして庭の奥に佇む西行妖の真下には、頭の上に天使の輪を浮かべる-ホーリースキビディトイレ-が目を瞑って賛美歌を歌っている。周りのスキビディトイレ達もそれに夢中のようだ。

ホーリースキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes...skibidi W nim nim...skibidi dop dop dop yes yes...」

妖夢はその光景に驚きながらも、幽々子のもとに歩いていった。

幽々子「あら、おかえり」
妖夢「お帰りじゃないですよ!あの人達はなんですか!?」
幽々子「...良く聞きなさい。」

妖夢は幽々子に近づいて話を聞いた。

幽々子「紫から聞いたけど、あのトイレ達は幻想郷の中で暴れているスキビディトイレという怪物達よ。」
妖夢「怪物!?」
幽々子「静かに...あの巨大なトイレがいる間は温厚だから待ってるのよ」
妖夢「待っている?」

ホーリースキビディトイレが熱中して歌っている所で、幽々子が不敵な笑みを浮かべる。

幽々子「私の能力で今、触れるだけで命を奪う蝶を飛ばしたわ。」

そう言った矢先、ホーリースキビディトイレの歌を聞くノーマルスキビディトイレ達がレバーも引かれずに無力化されていっている。しばらくして、異常に気づいたホーリースキビディトイレが不敵に笑う幽々子を見て顔が変化する。

ホーリースキビディトイレ「skibidi W nim nim !」

目を赤くして凶暴化したホーリースキビディトイレが幽々子目掛けて突進する。

幽々子「...少し遅かったわね。」

ホーリースキビディトイレの顔が幽々子に当たる寸前で止まり、便器に流れて無力化された。ホーリースキビディトイレのレバーを二人のカメラマンが回り込んで引いたのだ。

幽々子「あれが紫の言っていた-同盟-の人ね?」

カメラマン達は便器から降りて、幽々子達にサムズアップしながら、その場に出現した黒い霧に入っていった。

幽々子「これで冥界に侵入してきたスキビディトイレ達は全員始末したわ。」

幽々子は変わらぬ笑顔を浮かべながら、白玉楼の中に妖夢と共に入っていった。

-妖怪の山-

魔理沙はカメラマンの行進を先導にして山へと向かっていた。慧音は数人のカメラマンが里で保護している。

魔理沙「まさか山もスキビディトイレ達が襲撃しているのか?」

隣を歩くブラックカメラマンが静かに頷く。

魔理沙「文達があいつらに負けるとは思わないけれど...心配だぜ。」

妖怪の慧音でさえも重症を負うくらい、スキビディトイレは強かった。一体一体が強いわけでは無いが、その圧倒的な数がスキビディトイレの厄介で最大の強みである。

妖怪の山の麓あたりで、カメラマン達の動きが急に止まる。目の前にまたもや黒い霧が発生したのだ。しかし、カメラマン達が止まった理由はそれだけでは無かった。霧の中から出現したのは、トリプルスキビディトイレに匹敵する巨体を持ち、スキビディトイレ達の実質的なボスである-Gマンスキビディトイレ-であった。

Gマンスキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi dabudu neep neep !」

Gマンスキビディトイレは両目からレーザーを撃ってカメラマン達を攻撃し始める。カメラマン達は逃げようとするも、レーザーの爆発に大勢のカメラマンが巻き込まれてしまった。

魔理沙「まずい...遠距離攻撃されたら一方的にやられる!」

箒に跨ってGマンスキビディトイレの顔と同じ位置まで飛び、八卦炉を構えた。

魔理沙「喰らえ!《魔砲・ファイナルスパーク》!」

最大威力のビームがGマンスキビディトイレの顔面に直撃した。

魔理沙「...全く効いていない!?」

最大火力なら山をも消し飛ばせる威力だが、異常な物理耐久力を持つGマンスキビディトイレには全く効いていなかった。しかし、Gマンスキビディトイレが魔理沙に注意を向けた所で、タイタンカメラマンが後方から歩いてくる。

魔理沙「あいつなら勝てるぞ!」

タイタンカメラマンの登場に魔理沙がガッツポーズを取る。Gマンスキビディトイレのレーザーも、背中に備えつけた盾を取り出して防御する。タイタンカメラマンは順調に距離を詰め、誰もが勝利を確信しただろうが、そこにスキビディトイレの援軍が登場した。

魔理沙「...なんだ?」

Gマンスキビディトイレの後方から6つのロケットブースターを取り付けて突進するジャイアントロケットスキビディトイレがタイタンカメラマンの盾に突っ込んで自爆した。爆発で盾は破壊されてしまい、タイタンカメラマンのリアクターにGマンスキビディトイレのレーザーが直撃してしまう。タイタンカメラマンは胴体のリアクターを手で防御しながら、どこかに飛び去ってしまった。

魔理沙「あいつでも負けるなんて...」

このまま蹂躙される前にと、魔理沙は箒を使って紅魔館の方へ飛んで逃げた。

-紅魔館-

紅魔館前の霧の湖の近くに魔理沙は着地する。しばらくすると、ブラックカメラマンと数人のカメラマン達が走ってくる。運良く逃げ切れたのだろう。

魔理沙「問題はレミリア達だな...」

いつものように館の中にいる事を願って向かう。何か起こっていないか確認するためにわざと正門の方から堂々と歩いた。案の定、紅魔館もスキビディトイレに襲撃されたようだった。

魔理沙「美鈴!」

正門の前には、全身血だらけで壁に寄りかかる美鈴の姿があった。

魔理沙「しっかりしろ!美鈴!」
美鈴「...魔理沙?」

掠れた声で弱々しく呟く。

魔理沙「何があったんだ!?」
美鈴「...それが...トイレの怪物達が襲撃してきて...たまたま一緒にいた咲夜さんと戦ったんですが...不意を打たれて」

少し行き詰まった後に美鈴が喋り始めた。

美鈴「咲夜さんが...攫われ...た」

そこで美鈴は横に倒れてしまった。

魔理沙「おい!美鈴!美鈴!」

体を揺さぶってみるが、反応が無い。

魔理沙「...ッ!」

美鈴はもう息をしていなかった。

魔理沙「まさかレミリア達も...」

目の前で死んでしまった美鈴を見て、最悪の想像を浮かべる。その時、爆音と共に大小様々なスキビディトイレ達が魔理沙達を包囲した。

続く...

Re: 東方厠戦録 6 ( No.7 )
日時: 2023/08/24 09:44
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

ラージスキビディトイレ「brrrr skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi W nim nim ! skibidi dop dop dop yes yes ! skibidi W nim nim !」

先程のGマンスキビディトイレの攻撃でほとんどのカメラマンが破壊されてしまい、残ったのは、ラージカメラマン一人、カメラマン三人、ブラックカメラマンが一人の少数だけであった。それに対して周りのスキビディトイレ達はざっと数えても百体以上はいた。

魔理沙「畜生...倒しても倒してもキリがないぜ!」

マスタースパークを放つと、その威力を理解でもしているのか、ラージスキビディトイレがノーマルスキビディトイレの前に立って盾の代わりをする。それなりに爆破耐性があるのだろう。そうして確実に追い詰められる状況で、カメラマン達が捨て身で攻撃を始めた。しかし、数が多すぎるため、ノーマルスキビディトイレを一体も流せずにカメラマン達は破壊されていった。

魔理沙「やめろ!《恋心・ダブルスパーク》!」

カメラマン達を襲うスキビディトイレ達に攻撃するが、数が多すぎる故、倒しても倒しても別のスキビディトイレが突進してくる。普通なら負ける事の無いラージカメラマンでさえも、ノーマルスキビディトイレに囲まれて一方的に攻撃を喰らっていた。今ラージサイズを倒せるカメラマンはもういなかった。

魔理沙「まだまだ!儀符・オーレリーズサン》!」

負けじと弾幕を張って対抗するが、それでも打開する事はできなかった。その時、ブラックカメラマンが箒を指差し、魔理沙に逃走するように促した。

魔理沙「でも...仲間がまだ」

カメラマン達の死体が一体二体と増えていく。しかし、命が危ない今、逃げるしか無かった。

魔理沙「...すまない」

魔理沙はブラックカメラマンと箒に乗って、その場から逃げ出す。魔理沙が振り返ると、必ず逃げてくれとでも言っているのか、襲われているカメラマン達がサムズアップしていた。

-人間の里-

スキビディトイレの奇襲を受けて、一旦里に戻ったのはいいが、なんと里でもスキビディトイレ達の襲撃が起こっていた。地面には無数のカメラマンの死体が倒れており、生きているカメラマン達は、そこらで爆発音が起こっている中、スキビディトイレから一目散に逃げていた。逃げ遅れたラージカメラマンがノーマルスキビディトイレに囲まれて攻撃されており、逃げる味方に助けを求めていた。

魔理沙「慧音!」

里でスキビディトイレ達に蹂躙されていく中、スキビディトイレから隠れている慧音を見つける。

慧音「...魔理沙?戻ってきたのか!」
魔理沙「あいつ以外、他の仲間は皆やられたんだ...」

ブラックカメラマンは近くにいるスキビディトイレを無力化していた。

慧音「...なんだって!?」

その時、二人のすぐそばで爆音が響いた。先程の大量のスキビディトイレ達が里の中に一気に侵入していたのだ。

慧音「あんな数...私達だけじゃ立ち向かっても殺されるだけだ...」

魔理沙達三人以外のカメラマン達は全員破壊されるか、拘束されている。このまま戦っても勝ち目が無いのは目に見えていた。しかも、魔理沙達が今いるのは、里の真ん中の巨大な十字路であった。
そして、一体のノーマルスキビディトイレに続いて数十体のスキビディトイレが三人に突進し始める。ブラックカメラマンが最初の一体目を無力化するも、続いて突進するスキビディトイレに倒されてしまった。慧音は弾幕を放って抵抗するが、怪我が完治していないため、全力を出せずに飛びつかれ、胴体を噛みつかれる。

慧音「うぐっ...」

慧音はその場に押し倒されて動けなくなる。意識も朦朧としていた。

魔理沙「やめろぉぉぉ!《魔砲・ファイナルスパーク》!!」

しかし、魔理沙も負けてばかりでは無かった。怒りに任せて最大火力のビームを目の前のスキビディトイレ達に放つ。その威力は凄まじく、ラージサイズのスキビディトイレすら、一瞬で灰と化して葬られる。だが、激情して周りへの注意が散漫した魔理沙は背後から突進を受けてすぐに押し倒されてしまった。

魔理沙「がはっ...やめ...ろ」

魔理沙に突進したのは、5つの顔を持つヒドラスパイダースキビディトイレだった。

ヒドラスパイダースキビディトイレ「skibidiskibidiskibidiskibidiskibidiskibidiskibidiskibidi」

呪文の様に耳元で叫ばれ、魔理沙のメンタルが半ば崩壊する。

魔理沙「...畜生...こんな所で...」

今の魔理沙には何もできなかった。倒れるときに八卦炉は手から落ちて、拘束されて届かない場所まで転がっていた。ブラックカメラマンも、自分に突進するスキビディトイレを両手で受け止めるので精一杯だった。

魔理沙「もう...もうやめてくれ...」

いつの間にか、魔理沙の頬に涙が伝っていた。まだ攫われた霊夢の居場所も分からないまま殺されたく無いと、必死に藻掻く。しかし、周りに助けてくれる者はいない。あの時、自分が背後も警戒しておけば、霊夢は攫われていなかったかもしれないと、ひどく後悔しながら、魔理沙は必死に抵抗した。ヒドラスパイダースキビディトイレは魔理沙を完全に屈服させて、上機嫌に賛美歌を歌った。

ヒドラスパイダースキビディトイレ「skibidiskibidiskibidiskibidiskibidiskibidi!!!!」
魔理沙「......霊...夢」

魔理沙の視界はヒドラスパイダースキビディトイレの顔で埋め尽くされている。これから自分は貪り喰われると思って、魔理沙は震えた。諦めたくないと思っていても、魔理沙の頭の中には絶望という言葉しか無かった。


















Welcome to your life...














死を覚悟した魔理沙の耳にどこからか、歌が聞こえ始めた。魔理沙は幻聴だと思って、今更気にも止めなかった。







There`s no turning back...





しかし、幻聴は止まらない。今の魔理沙にとってそんな事はどうでも良いと、目を瞑った。





Even while we sleep...





流石に魔理沙も違和感を持った。歌が確実に自分の方に近づいていたのだ。そうして目を開けるが、ヒドラスパイダースキビディトイレがいる事に代わりは無かった。しかし、魔理沙に顔が突進する直前、ヒドラスパイダースキビディトイレが無力化された。

魔理沙「...っ!」

魔理沙の横に、ヒドラスパイダースキビディトイレの残骸が倒れる。魔理沙の見上げた先には、スーツ姿の人物が立っていた。しかし、そこに立っているのはカメラマンでは無かった。

魔理沙「...スピーカー?」

We will find you...

頭部がカメラでは無く、スピーカーになっているスーツ姿の人物は-スピーカーマン-であった。歌の音源もそのスピーカーマンであったのだ。澄んだ青空と、より一層綺麗に輝く太陽をバックにスピーカーマンが魔理沙に手を差し伸べる。よく見ると、上空で巨大な飛行機のような物が飛んでいた。魔理沙はその手を何も言わずに掴んだ。そうして周りを見渡すと、スキビディトイレが一匹残らず無力化されていた。襲われていたブラックカメラマンが魔理沙にサムズアップする。そして...

十字路の全方向から、歌と共に大勢のスピーカーマンが黒い霧から出動する。スピーカーマン達は足を合わせて、スキビディトイレの残骸だらけになった道を堂々と行進している。上空には無数のヘリコプタースピーカーが飛行し、魔理沙達を鼓舞するかの様に、歌を里全体に流していた。

魔理沙「...ありがとう」

魔理沙が一言、自分を救ったスピーカーマンに感謝した。スピーカーマンはそれに応えるかのように、近くの仲間と勝利を祝って踊っていた。

魔理沙の元にカメラマンに支えられながら、慧音が近づいた。

慧音「おかげで助かったよ...魔理沙。」
魔理沙「...え?」

感謝されて魔理沙は狼狽える。

魔理沙「私は何もしてないぜ?スピーカーの奴らが助けてくれたんだぜ?」
慧音「それが来る前の事だよ魔理沙。」

慧音は魔理沙の肩に手を置いて微笑んだ。

慧音「最後まで戦ってくれたじゃないか。あの時の私は諦めていたのに...魔理沙。お前が本当にどうしようもなくなる寸前まで諦めなかったから、だから...生き残った私達を助けるために-彼ら-は来てくれたんだろ?」

最後に絶望する直前まで諦めなかった魔理沙を称えるかのように、歌が一段と響き渡っていた。

続く...

Re: 東方厠戦録 7 ( No.8 )
日時: 2023/08/25 16:33
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

スキビディトイレが全滅した事を確認すると、スピーカーマンの軍隊は数人のスピーカーマンとラージスピーカーマンを残して、霧に入って帰っていった。

慧音「今回は助かったが、また襲撃されてしまったら私達だけじゃ勝ち目が無い...」

慧音は魔理沙達を置いて空中に飛んだ。

魔理沙「どうしたんだよ慧音!」
慧音「竹林に行ってくる。妹紅は不死身だから奴らを返り討ちにしているはずだ!」
魔理沙「...分かった。気をつけろよ!」

慧音は一人、竹林の方へ飛び立った。その場に残されたスピーカーマンやカメラマン、魔理沙達は太陽の花畑に行く事にした。

-太陽の花畑-

魔理沙「幽香はまだいるかな...」

魔理沙が太陽の花畑に来たのは、幽香が幻想郷でかなりの強さを誇る妖怪であるからだった。幽香なら、スキビディトイレだって難なく撃退して今も生きているはずだった。

魔理沙「...なんだよこれ」

しかし、花畑に着いたはいいが、辺り一面を覆っていたひまわりが全て焼ききれて、荒れ地と化していたのだ。幽香の家も全壊している。

魔理沙「まさか...幽香も殺されたのか!?」

魔理沙がその場に立ち止まっていると、ブラックカメラマンが何か言いたげに魔理沙の肩を叩いていた。

魔理沙「どうした...って、幽香!?」

ひまわりが焼き切れた荒れ地の遠くの方に、無傷の幽香が立っていた。

魔理沙「おーい幽香!」

幽香は声に気がついたのか、魔理沙のもとへ歩き始めた。魔理沙と距離が近くなった所で声を出す。

幽香「あら、来てたのね」
魔理沙「ここで何があったんだ?」
幽香「トイレから顔が生えた化物が私の畑を荒らしてたものだから...全員ブッ潰してやった所よ。」

よく見ると、辺りには無惨に破壊されたスキビディトイレ達の残骸が何百と散らかっていた。

魔理沙「これ全部倒したのか!?」
幽香「当たり前よ。」
魔理沙「なら、私と一緒についてきてくれないか?あいつらの親玉を倒すために呼びに来たんだぜ。」
幽香「親玉ねぇ...良いわ。私もついていくわ。」
魔理沙「恩に着るぜ!」

その瞬間、魔理沙達のいる荒れ地の奥から爆音が響いた。

魔理沙「...奴らだぜ!」

スキビディトイレ達の大群が黒い霧から襲来してきたのだ。上空には無数のヘリコプタースキビディトイレ達が飛んでおり、地上では何体ものラージスキビディトイレが接近していた。しかも、ラージスキビディトイレ達の後ろには通常のスキビディトイレと違い、Gマンスキビディトイレに匹敵する段違いの巨体を誇り、目出し帽を被り、便器の色全体が黒色のジャイアントロバースキビディトイレがゆっくりと迫ってきていた。幸い、距離はまだ遠かった。

魔理沙「あの黒い奴がヤバそうだぜ...ここは逃げようぜ幽香!」
幽香「なんで逃げるのよ?」
魔理沙「え?」

隙を晒す幽香に向かって一体のラージスキビディトイレが突進した。

ラージスキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes !」

幽香は首を伸ばして来るラージスキビディトイレの顔面に思いっきりパンチをかました。

魔理沙&ブラックカメラマン「!?」

鈍い音がなった瞬間、ラージスキビディトイレが横方向に物凄い勢いでぶっ飛ばされて、大爆発を起こした。

魔理沙「久々に幽香の本気を見たぜ...」

完全に殺戮スイッチの入った幽香が目の前のラージスキビディトイレ達に殺意で満ちた紅い目を向ける。一瞬怯えるも、ラージスキビディトイレ達は一斉に突進した。

幽香「...遊んであげるわ」

幽香は-花を操る程度の能力-という戦闘には全く向いていない能力を持っているが、純粋に-妖怪-としての妖気や力が尋常ではないため、魔理沙達でも一体撃破するのに苦労するラージスキビディトイレを蹴り飛ばし、思いっきり殴ったりと、いともたやすく無力化していった。後ろから周り込もうとするスキビディトイレもラージスピーカーマンなどの援護によって破壊されていく。ヘリコプタースキビディトイレが幽香の真上から奇襲をかけるが、簡単に片手でキャッチされて、ぶん投げられている。途中からジャイアントスキビディトイレも戦いに加勢したが、幽香とスキビディトイレの戦力差は段違いであった。

幽香「さぁ...次は誰が来る?」

幽香の周りには大小様々なスキビディトイレの残骸が粉々になって落ちていた。

ジャイアントロバースキビディトイレ「brrrrrr sukibidi dop dop dop yes yes ! skibidi dabudu neep neep !」

ジャイアントロバースキビディトイレが幽香達の目の前までようやく接近する。

幽香「貴方で最後ね...」

幽香が首を伸ばすジャイアントロバースキビディトイレの顔面を同じように全力で殴った。

幽香「...か...硬い!」

幽香のパンチにジャイアントロバースキビディトイレは一ミリたりとも動かなかった。逆に、幽香の拳は反動で骨が剥き出して血だらけだった。

魔理沙「ならば...《魔砲・ファイナルスパーク》!」

魔理沙が近づいてきた顔に八卦炉を押し付けて高威力のビームを至近距離で浴びせるが、これでも一瞬怯む程度だった。ジャイアントロバースキビディトイレはGマンスキビディトイレにも匹敵する巨体と異常な防御力を併せ持つ特殊な個体だった。

ジャイアントスキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi !」

悪意剥き出しの目を光らせて、幽香の胴体に思いっきり噛み付いた。

幽香「うぐっ...!」

いくら強い妖怪でも、肉体の半分を食いちぎられれば致命傷だ。激痛で幽香が苦しそうに呻く。

魔理沙「畜生...あれ?カメラマン達がいない!?」

魔理沙が慌てて見回すと、後ろで自分達を置いて逃げるカメラマン達の姿があった。

魔理沙「待ってくれ!」

彼らでさえ逃げる程強いのかと魔理沙が震える。

幽香「こんな化け物に...がぁっ...!」

幽香は脱出を試みて必死に藻掻くが、ジャイアントロバースキビディトイレが離す気配は無い。激痛に耐えかねて幽香が声にもならない程の悲鳴を上げた。それと同時に噛まれた所から大量に出血し始めた。

そして、幽香の体が真っ二つに引き千切れていった。

魔理沙「あぁ...ぁぁぁ...」

目の前で幽香が引き千切られる所を見て、魔理沙が腰を抜かしてその場にへなへなと座り込んでしまった。

ジャイアントロバースキビディトイレ「skibidi dop dop dop yes yes!」

幽香の下半身の部分を飲み込み終えて、その横にいた魔理沙に狙いを定める。

魔理沙「く...来るな!」

魔理沙が八卦炉を構えて弾幕を放つも、全く効いていない。ジャイアントロバースキビディトイレは顔を上げて魔理沙を見下ろしながら笑ってみせた。

ジャイアントロバースキビディトイレ「skibidi dabudu neep neep !」

魔理沙の横には上半身だけで地面に倒れ、衰弱する幽香の姿があった。

幽香「魔理沙...貴方だけでも逃げ...おぇぇ...」

幽香の声は激しい吐血によって遮られた。魔理沙も恐怖で足がすくんでしまって動けない。

魔理沙「...殺される」

魔理沙の手から八卦炉が溢れ落ちる。今の状況に魔理沙は何をするのかも決められない。救いも無い。

スキビディトイレ達に勝てる事は永遠に無い。幻想郷はスキビディトイレ達によって永遠に支配されるのだろう。


















It`s my own design...













...また歌が聞こえる...流石に幻聴だよな...














It`s my own remorse...















...もう聞こえてほしくないよ...カメラマン達はもう逃げたんだ...私は幽香みたいに喰われる...そして死ぬんだ...
















Help me to decide...















いや...またあの歌が流れているのか...?

その時、魔理沙を誰かが持ち上げる。失いかけた意識が戻り、目の前を見る。ラージスピーカーマンが助けに来てくれたのだ。他のスピーカーマンやカメラマン達も一緒にいた。

魔理沙「...なんだよ...一緒に死んでくれるのか?」

カメラマン達を見下ろすが、今のカメラマン達に恐怖しているような感情は感じなかった。寧ろ、彼らは安心仕切っていた。

魔理沙「...まだ歌が...っ!近づいてきている!?」

Help me make the...


その瞬間、爆音と共にジャイアントロバースキビディトイレの顔面が爆発した。何かを横から撃たれたようだった。ジャイアントロバースキビディトイレを見上げる。太陽の光が眩しくて思わず目を隠す魔理沙だが、その眩い青空から飛んでくる何かを、魔理沙はその目ではっきりと見た。



MOST oF FREEDOM AND OF PLEASURE, NOTHING EVER LASTS FOREVER, EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD.


壮大に音楽を流しながら駆けつけたのは、Gマンスキビディトイレによって撤退したタイタンカメラマンに変わって戦場に参戦した-タイタンスピーカーマン-であった。ジャイアントロバースキビディトイレの横に着地すると、その顔面を右腕で殴り、咆哮しようと大きく開けた口にすぐさま左腕のキャノン砲をねじ込んで撃つ。ジャイアントロバースキビディトイレが怯んだ所でレバーを引いて簡単に無力化した。すると、無力化したジャイアントスキビディトイレの便座にタイタンスピーカーマンが玉座に座るように腰を下ろした。その姿に魔理沙と幽香は呆然と見つめ、カメラマン達はサムズアップしたり踊っていた。

The Alliance がスキビディトイレに幻想郷を支配させる事は決して許さない。そして、これから支配される事も無いだろう。

永遠に続くものなんて...無いのだから

続く...


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