二次創作小説(紙ほか)
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- 東方厠戦録
- 日時: 2023/08/19 18:32
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
この小説は、東方ProjectとDaFuq!?Boom! さんの作ったSkibidi Toilet seriesという動画に登場するSkibidi Toiletの二次創作です。
※注意
・東方キャラの死ネタあり
・独自設定が少しあります
以上がこの小説を読む際の注意です。では、楽しんで!
プロローグ
忘れ去られた者達が辿り着く場所、その名も幻想郷。そこでは、人間と妖怪や神々が共に住む楽園の様な世界が広がっていた。しかし、なんの前兆も無く、幻想郷が滅ぶ寸前まで追いやられた大異変が今、始まろうとしていた。
- Re: 東方厠戦録 1話 蔓延する脅威 ( No.1 )
- 日時: 2023/08/19 22:04
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
プロローグ
忘れ去られた者達が辿り着く場所、その名も幻想郷。そこでは、人間と妖怪や神々が共に住む楽園の様な世界が広がっていた。しかし、なんの前兆も無く、幻想郷が滅ぶ寸前まで追いやられた大異変が今、始まろうとしていた。
-紅魔館-
妖怪の山の麓、霧の湖前に位置する巨大な館-紅魔館-
館に住んでいる吸血鬼のレミリアは暇を持て余していた。
レミリア「最近異変も何も無くて退屈だわ...また紅い霧でも撒こうかしら?」
パチュリー「やめてよレミィ。また鬼巫...霊夢がカチコミに来るわよ。」
レミリアはフランとパチュリーの三人で、図書室でお茶を飲みながら会話していた。
フラン「私もまた地獄に行ってひと暴れしてこよっかなー?」
パチュリー「...姉妹揃って呆れるわね。」
パチュリーは本を閉じて、席を立った。
レミリア「どうしたのよ?」
パチュリー「少しお手洗いにね。」
そう言って、お手洗いまで歩き、その扉を開けた。
パチュリー「あれ...おかしいわね」
手を洗いながら、2つのトイレを交互に見る。紅魔館は、洋式のトイレが設備されており、パチュリーのいるお手洗いには、2つのトイレが設置してあった。しかし、その内の一つに違和感を持った。水を流すためのレバーがタンクの横では無く、上についていた。そうして考えていた瞬間、そのトイレがガタガタと音を立て始めた。
パチュリー「な...なに?」
パチュリーの目の前で、そのトイレから人間の顔が生えてきた。
ノーマルスキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes!! skibidi W nim nim skibidi dop dop dop yes yes!! skibidi W nim nim!!」
トイレから出てきた顔は、奇妙な歌を歌うと共に、顔を伸ばしてパチュリーに襲いかかった。
パチュリー「早い...!」
顔の突進を避けて、そのまま図書館の方へと全力で走る。
パチュリー「あいつ動けるの!?」
固定されているはずのトイレごと、歌いながらパチュリーを追いかけてくる。
ノーマルスキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi...」
パチュリーは図書館の扉を思いっきり開けて、レミリアに助けを求めた。
パチュリー「レミィ!大変よ!」
レミリア「え?」
ノーマルスキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi!!」
パチュリーに飛びかかる瞬間、レミリアの放ったグングニルが顔面に突き刺さった。
ノーマルスキビディトイレ「ski...skibidi」
攻撃が通用したのか、トイレから出ている顔は白目を向いて、便座に倒れた。
パチュリー「ありがとう...レミィ。」
レミリア「別に良いわよ。怪我は無い?」
パチュリー「ええ、大丈夫よ。」
レミリア「そう...それにしても、こいつはどこから出てきたのかしら?」
パチュリー「急にトイレから出てきたのよ...訳が分からないわ。」
レミリア「......何者だ。」
レミリアは後ろを向いて呟いた。
パチュリー「...いつの間に!」
レミリア達の後ろにある本棚、その影から何かがこちらを覗き込んでいたのだ。
フラン「私が見てくるよ。」
フランが何も気に止めず物陰に歩み寄る。
その瞬間だった。
ガッ!
レミリア&パチュリー「...ッ!」
二人の前でフランの頭が血飛沫を上げて抉られたのだ。
レミリア「フランッ...!」
レミリアがフランに近づき、頭部の無い死体を受け止める。
パチュリー「何者かの襲撃だわ...一体誰が」
言いかけてパチュリーは絶句した。目の前には、別のトイレが出現していたのだ。先程とは違い、トイレは灰色で、顔は常に震えている。そして、青い稲妻を纏っていた。
グリッチスキビディトイレ「ski ski bidW i? yes yeW !?WdopdopW s dopW」
レミリア「嘘でしょ...フランが死ぬなんて...」
首から上を抉られたフランの胴体は力無く倒れた。
グリッチ「skibidiskibidiksibkikiski!?!」
動揺した隙を狙って、次はパチュリーの頭めがけて突進した。
パチュリー「しまっ...」
レミリアの視界にまた、紅い血飛沫が舞った。
レミリア「やめろッ!」
パチュリーの頭を貫いたグリッチの頭部にグングニルを投げつける。しかし、グリッチはまたもや高速で動き、攻撃を回避する。
レミリア「よくも...フランとパチュリーをっ!」
半ば自暴自棄になったレミリアが捨て身の攻撃を仕掛ける。それも当たり前かのように、グリッチは避けて、レミリアの左腕を突進で抉った。
レミリア「うぐっ...!」
グリッチは容赦無く右腕、左足、右足を抉って、レミリアを行動不能にさせた。
レミリア「許さない...覚えて...いろよ...」
グリッチ「skibidi dpo peyys...」
頭部を抉られ、声は遮られた。
-同時刻・妖怪の山-
レミリア達がグリッチスキビディトイレに惨殺されている間、妖怪の山では天狗達の死闘が続いていた。
白狼天狗「敵襲だっ!!厳戒態勢を取れぇ!」
山の上空辺りから、ジェットパックをつけたトイレ達が襲撃していたのだ。
犬走椛「畜生...どうやって幻想郷の結界を越えて入ってきた!」
血だらけの椛の前には、クロースキビディトイレが立っていた。
クロー「.........」
-守矢神社-
当然、妖怪の山の中腹に位置するこの神社にも、トイレ達の襲撃が起こった。
早苗「はぁ...はぁ...あんなのに勝てる訳が...」
早苗の前には、意識を失った神奈子と諏訪子が倒れていた。
妖怪の山の山頂には、おびただしい数のフライングスポナースキビディトイレやジェットパックスキビディトイレが飛んでいた。
スキビディトイレ達は、妖怪の山を中心に出現する黒い霧から現れ、目の前の生物達をただ蹂躙していた。しかし、この襲撃も惨劇の序の口であった。
続く...
- Re: 東方厠戦録 2話 戦いの始まり ( No.2 )
- 日時: 2023/08/20 23:42
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-人間の里-
一方で、スキビディトイレ達がまだ出現していない場所は平和そのものだった。妖怪の山や紅魔館で起きている惨事には誰も気づいていないのだ。
だが、山の近くで出現した一体のノーマルスキビディトイレが里に向かっていた。
-鈴奈庵-
里の端の方に立地する貸本屋-鈴奈庵-。いつもの様に本居小鈴は店番をしていた。今日は阿求やマミゾウが一緒にいるためか、気分が良かった。
阿求「今日は一段と元気ね。」
小鈴「二人が来てくれるからだよ!」
小鈴は二人にお茶を出しながら、笑顔を見せる。
マミゾウ「そういってくれて儂もうれしいのぅ。」
小鈴「当たり前ですよ!マミゾウさんは私の憧れでもあるんですから!」
三人で談笑していると、店の扉を叩く音がした。
小鈴「あっ...お客さんだ。少し待っててください。」
二人の元を離れて、扉に向かう。
小鈴「はい、なんでしょうか?」
小鈴は扉を開けて、元気に接客を始める。しかし、目の前に立っている男性はひどく慌てていた。
村人A「助けてくれぇ!」
小鈴の事も気にせず、一人の男が店の中に割り込む。
小鈴「きゃっ!」
小鈴は横に押し倒されて尻もちをついた。
小鈴「ちょっと!何するんです...か?」
文句を言おうとして、小鈴は絶句する。男性の体が音を立てながら、丸く潰れ始めていたのだ。
村人A「ぐわぁァァァァァァァァァァァァァァッ!?」
小鈴「きゃああああっ!?」
体をあり得ない方向に変形させる姿に恐怖する。
阿求「小鈴!」
その時、店の後ろから阿求とマミゾウが悲鳴を聞きつけ小鈴の元にやってきた。
阿求「何よこの人...まさか妖怪に!?」
マミゾウ「待て...こやつに妖気は感じられない...」
男性の体が縮まるに連れて、どこから出てきたのか、男性の真下から生える様に白い洋式トイレが小さくなった体を包み始めた。
村人A「もう手遅れだ...」
青ざめた男は三人を見て、声を振り絞った。
村人A「早く逃げてくれ!」
阿求「え?」
村人A「俺が完全にこのおかしな容器にくっつく前に逃げてくれ...その時はもう正気じゃない...」
男の肩が便器に落ちていく。
村人A「そして...歌を...聞くな...」
男の体は完全にトイレに入り、顔も流されていった。
マミゾウ「何故...外の世界の厠がここに?」
三人が後退りしていると、先程の男の顔が便器の中から出てくる。しかし、様子がかなり変わっていた。
便器の穴からあり得ない程に首が伸び、顔が裂ける程の狂った笑顔に、ギョロギョロとせわしなく動く目。小鈴や阿求は嫌悪感を抱く。
阿求「もしかして...狂った姿ってこれ!?」
幻想郷では見慣れない様式トイレから顔が出ている-男性だったもの-。誰が見ても不気味でしか無かった。
マミゾウ「二人は離れておけ。儂が確かめる。」
マミゾウが近づいた瞬間、顔が何かを歌い始めた。
マミゾウ「...耳を塞げ!」
ノーマルスキビディトイレ「brrrrrr skibidi dop dop dop yes yes! skibidi W nim nim! skibidi dop dop dop yes yes! skibidi W nim nim!」
ノーマルスキビディトイレは歌いながらマミゾウの首めがけて 口を広げた。
マミゾウ「奇妙な歌だな...儂は聞いても問題無いが...」
マミゾウは突進してくる顔を片手で抑え、レバーに手をかけた。
ノーマル「skibidi skibidi skibidi !?」
ノーマルスキビディトイレの顔は呆気なく流された。トイレの底には水も溜まっていない。
マミゾウ「もう大丈夫じゃぞ。」
小鈴「ありがとうございます。」
マミゾウ「礼はいらぬ。しかしこの男...歌を聞くなと言ったな。人間があの奇妙な歌を聞いてしまうとこの姿に豹変するようじゃな。」
小鈴「私にも少し聞こえたんですけど...」
小鈴の顔が一気に青ざめる。
マミゾウ「いや、二人は大丈夫だろう。」
阿求「え?」
マミゾウ達が外に出る。なんと、外にはたくさんのスキビディトイレと、耳を塞ぎながら逃げる人間の姿があった。
村人B「耳を塞げぇぇぇ!あの化け物になっちまうぞ!」
スキビディトイレ「skibidi skibidi skibidi...」
マミゾウ「能力を持つ者には効かないのかもしれん。」
小鈴「確かにそうですね...」
小鈴の体には何の違和感も無かった。
阿求「それでもおかしいわ。里までも危険に晒されるなんて...」
マミゾウ「紫め...里の一大事でありながら何をしておるのじゃ...?」
その時、三人の目の前に-スキマ-が現れた。中から姿を現したのは、八雲紫だ。
紫「あら、呼んだかしら?」
不敵な笑みを浮かべてマミゾウに尋ねる。
マミゾウ「やれやれじゃのう...他の人間は大丈夫なのか?」
紫「もう手は打っているわ。」
紫の後ろからもう一人の人物が現れた。夢の世界の番人-ドレミー・スイート-である。
ドレミー「夢の世界に里を模擬した空間を作っておきましたよ。」
紫「助かったわ。そのままスキマに避難させる訳にもいかなかったからね。」
ドレミー「別に幻想郷がどうなろうと私は構いません...」
ドレミーが不服そうに呟いた。
マミゾウ「紫、まさか力ずくで従わせたのか?」
ドレミー「いえ...私はあのトイレの化け物達と敵対すると言う-同盟-に促されたのですよ。」
マミゾウ「同盟じゃと...?」
ドレミー「月の都も少し前に襲われたんですよ。」
遡る事一ヶ月前、月の都にスキビディトイレ達が襲撃してきたのだという。
ドレミー「夢の世界への通路を奴らが妨害したせいで甚大な被害が都に出たのですよ。」
月の技術力で最初は対処していたが、それに合わせて高度な科学兵器を持ち出して来たとの事。
ドレミー「月の都も滅んだと思われ、月の民が絶望した途端、-同盟-は現れました。」
黒い霧から現れ、手慣れたように-同盟-はトイレ達を無力化らしい。
ドレミー「-同盟-のいうあの化け物達の総称は-スキビディトイレ-。月の都が守られた今、スキビディトイレ達は幻想郷に目を向けたんですよ。」
ドレミーはスキマの更に奥に夢の世界の境界を出現させた。
ドレミー「貴方達も逃げてください。他の人間は全員、既に避難してますよ。」
マミゾウ「そうか...小鈴、阿求。達者でな。」
マミゾウは紫と共にスキマから離れる。
小鈴「マミゾウさんは逃げないんですか!?」
マミゾウ「儂も妖怪じゃ。トイレ達に負ける事は無かろう。」
小鈴「...でも」
マミゾウ「大丈夫じゃ、必ず幻想郷は取り戻す。」
真剣な表情で小鈴に語りかける。小鈴は静かに頷き、夢の世界へと入っていった。ドレミーもそれに続く。
ドレミー「では、私もこれで」
ドレミーが境界を閉めると共に、スキマも閉まった。
マミゾウ「さて...その-同盟-とやらはまだ来ないのか?」
紫「幻想郷の位置を模索していると思うわ。」
マミゾウ「お前も-同盟-を知らないのか?」
紫「全く話してくれないのよ。どんな奴らかもね。」
マミゾウ「...そうか。」
二人の見つめる先には、ラージスキビディトイレが何体かのノーマルスキビディトイレと共に紫達に接近していた。
マミゾウ「久々に暴れるかのぅ...」
紫「ウォーミングアップと行きましょう。」
二人はとてつもない殺気を放ちながら、スキビディトイレ達に向かっていった。
続く...