社会問題小説・評論板
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- 生まれて来なきゃ良かった。【コメ待ってます♪】
- 日時: 2012/08/28 16:05
- 名前: 夕凪☆゛ (ID: X2arTSSH)
初めまして。夕凪☆゛(ゆうなぎ☆゛)と申します。
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- Re: 生まれて来なきゃ良かった。 ( No.10 )
- 日時: 2012/08/26 13:24
- 名前: 夕凪☆゛ ◆JGlOo5d1iU (ID: Wz/uC4rR)
…あれから、お母さんは帰って来なかった。
私は心配で心配でたまらなくて、何度も何度も電話をかけたが、電話に出る気配も感じられなかった。
「お母さん…。」
私の胸は不安でいっぱいで張り裂けそうなほど痛んだ。
『ニュースをお伝えします。』
TVを入れると、朝のニュースが放送されていた。
『昨夜、0時ごろ女性が殺害されました。』
殺害…?
『女性は、30代で何者かに包丁などで体中を刺されたとみられています。』
包丁かぁ…。
『犯人は今も逃走中です。』
怖ッ!
…もしかして、昨日龍が言ってたのって…コレ…?
『たった今入ってきたニュースです。』
?
『先ほどお伝えした、殺人事件の被害者は、【羽瀬川 美雪】さん32歳です。』
ハセガワ…ミユキ…?
!!お母さんの名前。
私は息ができないほど胸がぎゅっと締め付けられるような痛みを覚えた。
「お母さんが…殺された…?」
そんなの…ありえない…。
「「プルルルルルル…」」
電話が鳴り響く。
私は電話に出る体力すら失っていた。
『お母さんが死んだ』…。
ただそれだけが頭をループしていた。
「「プルルルルルル…」」
止む気配がない電話の音。
私は少しの望みを胸に、電話の受話器に手を伸ばした。
そう…。その電話をかけてきた相手がお母さんだと信じて。
- Re: 生まれて来なきゃ良かった。 ( No.11 )
- 日時: 2012/08/26 13:40
- 名前: 夕凪☆゛ ◆JGlOo5d1iU (ID: Wz/uC4rR)
「も…もしもし…。」
私の声は震えていた。
電話の受話器を持つ手も震えて、今にでも落としてしまいそうなほどだった。
『あ、もしもし。羽瀬川さんのお宅でしょうか?』
…お母さんじゃ…なかった。
「は…ハイ…そうですが…。」
『凪咲…ちゃん?』
声からして50代くらいだろうか。
「そうですが…どちら様ですか?」
『美咲おばさんよ。』
- Re: 生まれて来なきゃ良かった。 ( No.12 )
- 日時: 2012/08/26 14:40
- 名前: 夕凪☆゛ ◆JGlOo5d1iU (ID: Wz/uC4rR)
美咲…おばさん…?
!お母さんの…お姉ちゃんの?
「あぁ…ハイ。どうかされましたか?」
『美雪が…死んじゃったでしょう?』
…やっぱり…アレは真実で…。
「…。」
『で、私の家で預かることになったから。』
…は?…
「え…預かるって…。」
『あなたもまだ小6。一人じゃ暮らせないでしょう?』
「それは…そうだけど…。」
なんか、お母さんが死んだのを認める気がして嫌だった。
お母さんが…死んでいるはずなんてないから…。
- Re: 生まれて来なきゃ良かった。 ( No.13 )
- 日時: 2012/08/28 16:04
- 名前: 夕凪☆゛ ◆JGlOo5d1iU (ID: X2arTSSH)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
「お母さんは…死んでなんかないっ!!!!!」
私の呼吸は荒くなり、声を張り上げておばさんに向かって叫んだ。
『凪咲ちゃん…?』
「あ…スミマセン…。」
私は感情を抑え、謝った。
『とにかく、今日は学校お休みしてこっちにいらっしゃい。
おじさんが今凪咲ちゃんの家に向かってるから、着替えとかいろいろ準備しておいてね。』
「ハイ…。」
私は頷くしかなかった。
第一、おばさんが言った通り、私は小6。
一人暮らしなんてできるワケがない。
…でも…お母さんが死んだことはどうしても思えなかった。
「「ピンポ————ン」」
チャイムが鳴り響く。
「ハイ…。」
「「ガチャッ」」
「こんにちは凪咲ちゃん。迎えに来たよ。」
私は大人しく準備し、おじさんの車に乗り込んだ。
「元気だったかい?」
「ハイ…。」
私はこの言葉以外話さなかった。
何分車に揺られていただろう…。
そんなに家から遠くないはずなのに…。
いつもより、車に乗っている時間んが長く感じられた。
「あ〜らいらっしゃ〜い!」
おばさんの家に着き、車から降りた瞬間におばさんが明るい声で言う。
「お世話になります。」
私は小声で挨拶をし、底から先は何も話さず、おばさんの家に入れてもらい、お母さんが15歳まで過ごしていた部屋に入った。
「お母さんの匂いがする…。」
昨日まで感じていたお母さんの懐かしい匂いがした。
…やっぱり…お母さんは死んじゃったのかなぁ…。
私は、事実と思われるものをようやく認め始めた。
- Re: 生まれて来なきゃ良かった。【コメ待ってます♪】 ( No.14 )
- 日時: 2012/08/29 18:08
- 名前: 夕凪☆゛ ◆JGlOo5d1iU (ID: X2arTSSH)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ふぅ…
私は部屋の真ん中に大の時になって寝転んだ。
「「コトッ」」
何かが落ちる音がした。
「何だろう…?」
『Miyuki☆diary』…?
『美雪の日記』?
お母さんの日記じゃん。
私はなぜだかわからないが妙に鼓動が高まった。
これは人の日記…。見てはいけない物…。
でも…見てはいけない物と思えば思うほど見たくなった。
「1ページくらいなら…見ても良いよね…。」
私はそう思って日記の表紙を静かに開いた。
『○月×日(火)
今日は参観日だった。
お母さんが来てくれると言ったが、来てくれなかった。
みんな授業が終わったら親と仲よく帰るところを見ると胸が痛くなった。
お母さん、なんで嘘つくの?』
!!お母さん…のお母さんだから…おばあちゃんか。
ヒドい…。
「「凪咲ちゃ〜ん!!お昼ごはんよぉ〜!!」」
1階からおばさんの私を呼ぶ声が聞こえた。
私はあわてて日記を閉じ、1階へと向かった。
「美雪…生きていると良いわねぇ。ま、死んじゃってる確率の方が高いんだろうけど。」
……。
「ハイ。」
私はお母さんが死んだのを認めたはずなのに、おばさんに言われるとなぜかものすごく腹が立った。
私は出されたご飯を何も言わずに食べた。
≪次の日≫
「ねぇ、凪咲?アンタのお母さん、死んじゃったんだってねぇ?」
朝一番に一昨日まで友達だった『みっちゃん』が声をかけてきた。
みっちゃんの声はいつもとは違って冷たい声だった。
まるで、私をいじめようとしているかのように。
「ハ?だったら何?」
私はつい冷たい態度をとり言い返した。
「アンタ、ムカつくんですけど。」
「ハ?」
「アンタのそういう態度がムカつくって言ってんのよ!!」
「「ドカッ」」
痛っ…。
後ろから背中を思いっきり蹴られた。
私が振り返ると、そこにいたのは、一昨日まで中の良かったクラスメート達だった。
「アンタのお母さん…この学校の理事長だったのよ。」
…?そう…だったの?
「んで、アンタのお母さんが死んだから、アンタと仲よくする必要なくなったってワケ。」
「何言ってんのっ!?私たち…友達でしょう?」
「は?何言ってんの?」
みんなが口々に言う。
「アンタのお母さんが理事長でなきゃ、私たちがアンタなんかと仲よくするわけないでしょう?」
「確かにー♪」
「ってか、今まで嫌われてるって気付いてなかったんだ?」
「みんな言ってるよ。『アンタなんか大っ嫌い』ってさ。」
「ね?健?」
タケル…?
私が健に嫌われてる?
告られたのに?
何言ってんの?
「うん。テストの点が悪くて、受験する中学に受かるのがピンチだったからお前を利用して理事長の高感度を上げようとしただけ。
好きとか…そんなんないし。」
ハ…?