社会問題小説・評論板
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- 発狂少女のリベンジマッチ
- 日時: 2013/01/04 12:19
- 名前: リコリス (ID: 0KA0zeB4)
初めまして!リコリスと申します。
初めての社会問題系小説なので、不慣れなところもありますが、頑張って更新していきたいと思います!
1、荒らしなど、自分がされて嫌なことはしないでくださいね!
2、コメントくれたらうれしいです!
3、オリキャラは…たぶん募集します。それまでしばしの間お待ちを。
登場人物紹介
蒲原 春華(かんばら はるか)
洋明大学付属中学校2年。1年の時に酷いいじめにあったのを切っ掛けに、双子の妹と手を組み、復讐を開始。運動音痴ではあるが、それを補うほどの洞察力と頭脳、人を従えるカリスマ性を持つ。特に学力は学年5本の指に入るほどだ。
部活は無所属。容姿はいたって普通だが、首に無数のひっかき傷があり、いらいらすると掻き毟ってしまう。高圧的な態度でしゃべる。
蒲原 冬華(かんばら ふゆか)
春華と同じ中学に通っており、同じくいじめにあっていた。春華を心の底から慕っており、知識欲が旺盛。特に、心理学に関しては教授レベルの域に達している。しかし、学校の勉強はどうもだめ。人の気配に敏感。演劇部所属。眼鏡をかけていて、しかもくせっ毛なせいか、根暗な印象を抱かせる。いつも敬語でしゃべるせいもある。
岡田 葵(おかだ あおい)
春香、冬華双子をいじめていた張本人。中学校2年生で学校1の美女とうわさ。「しかし心と性根は不細工極まりないわ」By 春華
バドミントン部所属。陰で根回しして部長になったとか…?運動神経抜群、ただしバカ。どんなに臆しても強気にしゃべる。
鹿野 麻梨乃(しかの まりの)
葵の取り巻き1人目。若干ブリッコ気味。んで、容姿は冬華よりもひどい。太っていてどすどす走る。一人称は「まり」で、語尾を気持ち悪く伸ばしてしゃべる、独特な話し方をする。バドミントン部副部長。運動神経は並、でもやっぱりバカ。
蒲原家について
高級ブランド品メーカー「ウィスティリア」を経営しているが、父母は現在仕事のため、父はアメリカ、母はフランスへ出てしまっている。
しかし、資金的にも問題なく、お手伝いさんが20人近くいるので、日常生活には困らない。むしろ余裕である。
詳しい設定は後々、小説の中で明かしていく予定です。
応援よろしくお願いします。
- 発狂少女のリベンジマッチ<オリキャラ募集中です!> ( No.17 )
- 日時: 2013/01/04 10:22
- 名前: リコリス (ID: 0KA0zeB4)
第2章 第4話 泥沼に堕ちよ
バァン、と耳をつんざくような音とともに、葵が出てきた。勢いよくぶつかったせいで扉の番が外れ、下敷きになったモップたちは哀れ、木っ端みじんになってしまった。
「さぁて…これは器物損壊罪ですね?葵。学校のものをここまで壊してしまうとは…それでこそ体罰が下るか、無期停学でしょうねぇ?」
取り巻きたちは冬華の考えに舌を巻いた。
葵とは違い、インドア派の蒲原双子のことだ。暴力などの喧嘩沙汰には慣れていない。自分たちが暴力をふるったとしても、対して威力は見込めないうえに、自分たちの手を汚すことになる。
だから、わざと葵に何らかの罪をなすりつけた上で教師連中に引き渡し、「罰」という形で暴力を教師連中にふるってもらうことにしたのだ。
「(なるほど…こうしてしまえば葵の体罰は確定…)」
取り巻きたちはその意図を理解すると、1人はいかにも、散らばったモップの破片で転んだ振りをし、もう1人は大声で悲鳴を上げた。
こうして周りが大騒ぎになっている中、冬華は2人をなだめるふりをしてひそひそ声で話しかけた。
「察しがいいですね、…えーと、2人とも、名前は?」
「はいっ!私は箸尾 園江と申します!コーラス部所属です!」
「うちは信野 茉祐子!あいつと同じバドミントン部所属です〜」
「では、演技のほうをよろしくお願いしますよ。……ばれないように私もサポートに回りましょうか。そのほうが信憑性も高いですし」
心理学的にもね、と微笑むと、2人は冬華に笑顔を向けた。
「(あぁ、こんな風に他人から笑顔を向けられるのは久しいですね…)」
じん、と感動に浸る間もなく、教師がやってきた。2年4組の担任…吉岡だ。
「おいおいおい!?これは一体どういう事だ!!」
熱血で自己中心的な奴ほど心の中に入り込むのは造作もない。
冬華はお得意の悲しみに満ちた表情で吉岡を見た。そして、何かをこらえているような声で話しかける。
「先生…!私たち、トイレに行こうとしたんですけど、中で岡田さんが邪魔していて…。モップでつついて『早く出なさいよ』って言ったら、岡田さんの体当たりで扉の番が外れて…!それで、それで…友達2人が慌てたせいもあって転んで、それを見て、……いい気味だ、って…」
「分かった。…辛かっただろうな、蒲原。箸尾、信野も…」
「先生!私っ、岡田さんを許しておけません!」
「心配することはない、蒲原。岡田は俺がきちんと灸を据える。……おい、岡田ァ!!職員室、いや、校長室に来い!!」
やり取りを聞いて呆然と言葉もなく突っ立っていた葵は、虚しくも先生に引きずられていった。
取り巻きたちとその大勢の傍観者…春華の指示によってここに集まった葵を嫌悪する生徒たちは途端に笑い始めた。
「やったぁ!!初陣、私たちの勝利!」
「葵の奴、身の程を知れっていうんだ!これで懲りろ!」
「私たちが正義!あいつらの思想は、あってはならない!」
冬華のもとに、春華もやってきた。
「1人でよく戦ったわね。大きな進歩よ、冬華」
「春華にそう言ってもらえると…少し照れますね…」
さて、と春華は切り出した。
「皆!校長室に監視カメラがあるの知ってる?」
「あー、あれですよね、前代校長がそこで生徒に嫌がらせした事件があってからつけたやつ」
「そうそう。しかもそれ、ちゃんと声まで聞こえるようになっているのよ。そこで、よ?回線ジャックして、校長室での葵の体罰覗かない?」
その言葉に、冬華は一瞬「悪趣味」と思ったが、葵が泣き叫ぶ姿は絶対に見たい。
私も悪趣味な女ですね、と自嘲すると、盛り上がっている輪の中に満面の幸せそうな笑顔で入っていった。
「(葵、お前は身をもって知るのですよ…私たちの受けた苦しみの重さを!屈辱をさらされる、さらなる屈辱を!)」
冬華は春華と顔を合わせ、にたりと笑った。
「フン、これだから人間、その中でも女は嫌なんだ…」
春華たちが騒いでいる中、一人の男子学生は廊下の端で溜息を洩らした。
- 発狂少女のリベンジマッチ<オリキャラ募集中です!> ( No.18 )
- 日時: 2013/01/04 10:23
- 名前: リコリス (ID: 0KA0zeB4)
第2章で新たに登場したキャラクター
箸尾 園江(はしお そのえ)
コーラス部のアルトパートリーダー。コーラス部に女子しか入ってこないことに、毎度不満を覚えている。実は、蒲原双子がいじめられる前にいじめに遭っていた人物で、標的が蒲原双子に変わったときにも地味に嫌がらせをされていた。
信野 茉祐子(しなの まゆこ)
葵たちと同じ、バドミントン部所属。バドミントンの腕前は部活内で1番だが、その腕前を葵が嫉妬の対象としている。本来ならば部長であり、エースになるのは茉祐子だったが、部活内でエースを決める戦いにおいて、前日に葵の取り巻きに足と手首にけがを負わされたことが原因で敗北。卑怯な手を使って頂点を取ってしまった葵を恨んでいる。
菅野 美琴(すがの みこと)
明日みかん様のオリキャラ。精神面が他よりも大人。無口で大人しい性格。保健室の鏡花と仲がいいが、いざ話すとなると毒舌になる。
いじめ実行犯に、面と向かってしゃべる代わりに手紙を渡したりしてコミュニケーションを取っているが、どうやら今回、春華は手紙を無視したようだ。
- Re: 発狂少女のリベンジマッチ<オリキャラ募集中です!> ( No.19 )
- 日時: 2012/11/27 18:25
- 名前: 灰歌音 麗歌(白悪魔・黒炎翼) (ID: 9cJ6xZl9)
オリキャラです
名前 桜咲 莉杏 読み方 さくらざき りあん
性別 女 2年 14歳
性格 名前は可愛いけど、中身はクール&無愛想&少し不気味
両親を交通事故で、一人の親友だった女子は病気で亡くなった
それは本人しか知らない
容姿 茶色の地毛で瞳は黒、左目の下に小さなほくろがある
コンタクトをしている
口調 一部男口調、呼び捨て(先生にも)、少々早口
「私は桜咲だ、仲良くする気はない」
「ふざけんな!誰が枯れた桜だコラア!」
「興味ない、勝手にいじめてな」
どちらの味方か どちらでもない、どっちかというと春華達の方
その他
勉強、運動はともに得意、読書感想文で金賞を取ったことがあるくらい、一人で花屋を営んでいる為に、ほとんど学校には来なくて、
週1ぐらいしか来ない
- 発狂少女のリベンジマッチ<オリキャラ募集中です!> ( No.21 )
- 日時: 2012/12/07 16:07
- 名前: リコリス (ID: 0KA0zeB4)
灰歌音 麗歌(白悪魔・黒炎翼)様
オリキャラ投稿ありがとうございます!この子もやはり出すのは遅れるかもしれませんが、ちゃんと出しますので悪しからず。
次から第3話に入りますね!
第3話からは次第に、葵と蒲原双子の過去、そして「発狂少女」の由来が明かされていきますので、応援の程よろしくお願いいたします。
- 発狂少女のリベンジマッチ<オリキャラ募集中です!> ( No.22 )
- 日時: 2013/01/04 10:25
- 名前: リコリス (ID: 0KA0zeB4)
第3章 第1話 悪趣味と罵る裏には
現在、始業式が終わってから3時間後。
春華はパソコン部や機会に詳しい人を数名呼び集め、パソコンはもちろん、大型スクリーンもある、演劇やビデオ鑑賞のためにある教室へと向かった。
過去の先輩方の態度が悪く、その教室の扉に張られている「パソコン室B」の字も破れていてうまく読めない。
春華たちはそのぼろ臭い扉を乱暴に開け、部屋の隅に置いてある、最近買い換えたばかりの新しいパソコンを起動した。
「春華さん!あと10分もすればできますので、ほかの奴ら連れてここに来てください!」
「そうすると1台のパソコンでは見づらいわね。ほかのパソコンにも映像を送信できる?」
「もちろんですよ!わかりました、準備しておきますね!」
春華は元来た道を颯爽と引き返していたが…
思わぬ邪魔が入った。男子生徒が春華の肩を掴んで突き飛ばしたからだ。
「悪趣味だな。人が泣き叫ぶのを見てどこがおもしろいんだ?」
「…今日は来ている日だったのね。近江君?」
近江 棗は、学校にあまり来ない。週に2、3回、ふらっと来ては人知れずにふらっと帰ってしまうため、春香はその姿を見たことはなかった。
「(成程。冬華が見てくれを高評価するだけはある…)」
ちなみに、冬華は保健室でたまたま会ったことがある。
体調が悪かったのか、さぼりなのかは知らないが、教室から逃げてきた冬華のいるベッドからだいぶ離れた長椅子に堂々と座っていたらしい。
ぼろぼろになって帰ってきた春華に、冬華は棗のことを半ば興奮気味に話していたが、確かクラスメイトの話はするなと怒鳴った覚えがある。そして、冬華が見かけた男子生徒が、毎度毎度春華が取れない学年1位の成績を取っていることを知り、嫉妬のあまり死に物狂いで勉強したのである。
そのおかげか、今は学年5位。だが、棗との差はまだ大きい。春華は次第に棗が嫌いになっていった。対して努力もしていないのだろうに、必死になってやっている私よりできるなんて許せないのだ、と。
一方、冬華のほうは棗を気に入ったようで、時折保健室に来てふらっと帰ってしまう彼に話しかけようと必死だった。
「冬華があなたと話したがっているみたいけど?何かお話ししてあげたら?」
「…奴と話すぐらいなら絵でも描いていたほうがましだ」
「そんな邪険にしないで?かわいそうだわ」
しばらく無言のにらみ合いが続く。その空気に耐えきれなくなったのか、棗は足早にどこかへ行ってしまった。
春華はいったん止まった歩を進め、教室へ悠々と入っていった。
「そろそろ準備ができるみたい。みたい奴は来なさい」
「ってゆうかさ〜、行かない奴っているの〜?」
「俺らは断然行く!」
ぎゃいぎゃいと放課後のテンションで皆が騒ぐ中で、1人だけさっさと帰ろうとしている男子生徒が1名。
「おいおい!今日は弓道の日じゃねえはずだろ?ちょっと見ていかねぇ?」
「え!?あ、いやぁ〜、今日さぁ、橋場洋菓子店のニューヨークチーズケーキ、ホール単位で買うとおまけでマドレーヌがついてくるっていうから、どうせだったら早くいきたいなぁって…」
あはは、と陰湿な空気を無視して和やかな声で喋りだした彼は、櫻 幸喜。1年の時に双子とクラスが一緒だったが、2人はあまり彼のことを知らなかった。まぁ、知っていたとしたら弓道とスイーツが大好きなことぐらいだ。
「んじゃ、そういう事でー!……あ。明日さぁ、もし良かったら葵がどうなったか教えてくれる?」
どうやら彼も、葵を好いてはいないようだ。春華は人懐こそうな笑みで、幸喜に「いいわよ」と一言だけ言って教室から出て行った。
悠々と、双子は闊歩して行く。
他人の屈辱のもとへ…