社会問題小説・評論板

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学級崩壊【オリキャラ募集一時休止】
日時: 2015/02/23 14:58
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

◆目次◆


第一回 オリキャラ募集 >>4


ご挨拶 >>1

本編

第一章 小学生編

一話 >>2
二話 >>3

Re: 学級崩壊 ( No.1 )
日時: 2014/11/22 16:39
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

初めまして。
以前、このスレッドで「学級崩壊」という小説を書いていました。
これは、学級崩壊のリメイク版です。
拙い文章ですが、よろしくお願いします。

Re: 学級崩壊 ( No.2 )
日時: 2014/11/22 16:53
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

一話 学校

すぅ、と校門の前で息を吸う。
「……戻ってきた」
再びこの地に、戻ってきた。
あの時、もう二度と訪れないと決めた地に、再び戻ってきた。

「綾乃……?」

低く、ほんの少しかすれた、男子の声。
聞いたことのない——でも、どこか懐かしい声が耳に届く。
「……荒川」
振り向くと、色素が薄い茶髪の、長身の少年が立っていた。
「何年振りかしら。あなたが私を自殺にまで追い込んだ時振りだから——三年振り」
私はにっこりと微笑み、荒川蓮(アラカワレン)に一歩、近づいた。
「あの時は——ごめん」
荒川は深く、頭を下げた。
「ごめんで済んだら警察はいらない。私、まだ許したわけじゃないから」
私は荒川を一瞥すると、校舎に向かって走り出した。

Re: 学級崩壊 ( No.3 )
日時: 2014/11/24 18:02
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

二話 教師

「佐々木、綾乃さん?」
書類と私の顔を交互に見る、トトロのような体型をした校長先生。
「初めまして——いや、お久しぶりと言ったほうが良いでしょうか。校長先生」
「……あの時は、すまない。君を助けられなくて」
「気にしてませんよ。……もう、過ぎたことですから」
笑顔も浮かべずに、冷めた目で校長先生を見つめる。
本当は、今も夢に見る。
何度も何度も、夢に見る。
昨日は、ろくに眠れていない。

「担任の先生だけど、新任の先生だから。名前は——宮本敦(ミヤモトアツシ)先生。君は、五年一組だ」
——宮本敦。
許さない——否、許してはいけないと決めた、男の名前。
双子の妹を殺した、男の名前。
「……宮本、先生ですね」
私は、口角を上げて微笑んだ。
「教室に行きます。……失礼します」
校長室を出た。

人気のない、廊下を歩く。
「佐々木、綾乃さん?」
振り向くと、赤いジャージを着て、黒縁の眼鏡をかけた中年教師が居た。
こんなのが教師なんて——認めない。
「宮本先生ですね」
初めまして、といい、微笑んだ。
「初めまして。教室行こうか」
「……はい」
彼の後に続き、廊下を歩く。
「5-1」というプレートがかかった教室に、彼は入る。
軽く自己紹介を済ませると、私を呼ぶ。
教室の中に入ると、いくつもの視線が私をとらえる。
見知った顔が何人かあるが、きっと彼らは誰一人、私のことを覚えていないのだろう。
荒川蓮——あの男を除いては。

「お久しぶり、佐々木綾乃です。よろしく」
ぺこりと頭を下げ、窓際の一番後ろの席に座った。
「綾乃」
「……げ、荒川」
隣の席は、荒川だった。
「面白くなりそうだな、綾乃」
彼の笑顔が、歪んで見えた。
「気安く呼ぶな」
私は彼の顔も見ずに、窓の外を見る。
私の心とは反対に、綺麗な青空が広がっていた。
綺麗な青空を両断するように、飛行機雲が走っていた。

Re: 学級崩壊 ( No.4 )
日時: 2014/11/24 17:57
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

オリキャラを募集します。

理由は……特にありません!


オリキャラ募集用紙

【名前】
【ふりがな】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【主人公との関係】
【サンプルボイス】

作者様の情報(任意)

【名前】
【ふりがな】
【書いている小説名】
【板名】


よろしくお願いします!

Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中】 ( No.5 )
日時: 2014/11/25 13:01
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

三話 授業

退屈で、最悪な授業。
「このように、殺人を犯した場合は——」
社会の授業で、今は刑罰の授業をやっているらしい。
教科書が無いので、隣の席の荒川に見せてもらっている。

「昔、先生は小さな学校に居たんだ。一学年一クラスしかない、小さな学校。そこで、ある女子生徒が自殺したんだ。
……ストーカーに悩まされていた、綺麗な女の子だった」

心底悲しそうな顔で、宮本は目を伏せた。

「……自分が殺したくせに、何言ってるんだか」

私が呟いた声は、静まり返った教室に響いた。

「伊崎雪乃(イザキユキノ)——。この名前に、聞き覚えはありませんか?」

椅子に座ったまま、宮本を睨みつける。

「忘れるわけ、ありませんよね? 先ほどの話に出ていた女子生徒であり……あなたが殺した人間なんですから」

かすかなざわめきが、教室内に広がっていく。

「な、何言っているんだよ……」

頬を伝う冷や汗をハンカチで拭き、宮本は怯えたような目で私を見た。
その目は、何かに気づいたようだ。

「……雪乃……?」

嗚呼、この人は本物の馬鹿だった。

「忘れましたか? 私は、伊崎綾乃(イザキアヤノ)。貴方が殺した伊崎雪乃の双子の姉です」

宮本は、口元を覆う。
四十過ぎのおっさんのそんな姿なんて、誰も見たくないと思う。

「あはは、私のことなんて覚えてませんよね。たった一年前のことなのに。貴方の目には、雪乃しか映っていなかった。そして、ストーカーを始めた。小学二年生の女の子には、辛かったと思いますよ」

やせ細っていく雪乃。弱々しく笑った雪乃。
最期の瞬間にも、周りの人のことを考えていた優しい雪乃。
力が抜けていった、あの細い手——

「雪乃は、死にました。貴方が知っている通り、拒食症に陥り、感染症で、そのまま……」

頬を、生暖かい雫が滑り落ちた。
嗚咽が漏れないように、唇をぎゅっと引き結んだ。

「いつか絶対、あなたを殺す。この手で、死に追いやってみせる——」

宮本は、黙ったままだった。


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