社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

奴隷育成所
日時: 2019/07/28 17:27
名前: アマギ (ID: HuynY/aq)

——その日、俺は奴隷になった。
監禁され、地獄の日々を過ごす——

日本奴隷監禁社の紹介です。
弊社は、借金を背負った人や罪を犯した人の味方でございます。
借金や賠償金を抱えた人なら、身近な人を差し出すことで貴方の払う金額が
タダになる・半額以下に減ることになります!
罪を犯した人なら、身近な人を差し出すことで、貴方の刑がなくなる・現金を数万円で払うことで済みます!
私達は警察や金融機関などと関係があるので、このような事が出来るのです。
今、お困りの方、私達に相談しませんか?

Re: 奴隷育成所 ( No.1 )
日時: 2019/09/11 22:30
名前: アマギ (ID: HuynY/aq)

【目次】
第一章 「監禁」 >>2

【ごあいさつ】
今回、奴隷育成所という小説を書くことになったアマギです。
初めて、ここで書かせてもらいます。
アドバイスや感想などはどんどん書いていってください。
励みになります。またアドバイスも参考にします。
話のあらすじは..... 触れないようにしましょう。
登場人物紹介を見たくない人は、これより下を見ないでください。




【登場人物】

岡崎 賢人(オカザキ ケント)
25歳男性。交際相手の父親に借金があり、借金の返済の時に人質として
日本奴隷監禁社に身柄を拘束されてしまう。必死に地下室から脱出しようとする。
必死に生きようとする。

大熊 力也(オオクマ リキヤ)
41歳男性。プロレスラーでガタイがいい。
友人が交通事故を起こし、その賠償金を払えず、人質として日本奴隷監禁社に
身柄を拘束されてしまう。

天水 みかん(アマミズ ミカン)
8歳女の子。親が自身の給食費を払えず、日本奴隷監禁社に彼女を差し出してしまう。
特殊な能力を持っている。

松沢 春奈(マツザワ ハルナ)
22歳女性。動物園飼育員の母と、大工の父を持つ。
兄が殺人をし、日本奴隷監禁社に身柄を拘束されてしまう。
頭がよく、賢人の味方になるが脱出にはやや反対

天王寺 鬼広(テンノウジ オニヒロ)
54歳男性。日本奴隷監禁社の社長であり、ボス。
帝王のごとく君臨しており、人を監禁し、奴隷として扱うことが生きがい。

柴田 彩夏(シバタ アヤカ)
25歳女性。父親の借金を返済するために賢人を騙し、人質とする。

黒服クロフク
背が高く、SPのような人物。賢人を連れ去るが、手を貸す。


Re: 奴隷育成所 ( No.2 )
日時: 2019/09/18 17:05
名前: アマギ (ID: HuynY/aq)

第一章 「監禁」

 今日も仕事が終わった。やっと週末だー!
そう、今日は金曜日だ。仕俺は急いで家へ帰る。

「賢人〜、急いで帰ってるけど彼女が料理作って待ってくれてるんでしょ?」
「岡崎君はいいわね、私なんて岡崎君より年上だけど彼氏すらいないわ」

リョウスケと九条課長。なんで彼女が料理作って待ってることがわかるんだろう....? 
はっきり言って、この人達の相手をしている暇はないのだ。急げ急げ!と
俺は急いでキラキラと輝く繁華街を歩き、電車へ乗る。
ところで、電車に乗ると眠くなる。まだ寝てはいけないのだ、そう自分に言い聞かせる。ガタガタという電車の音が鳴る度に心臓の鼓動が耳に聞こえる。

 「ただいまぁ〜」
少し興奮しながら、マンションのドアを開ける。
玄関の奥から美味しそうな匂い。きっとカレーだな!
「おかえり〜っ、今日はカレーだよ」
迎えてくれるのは、彼女の彩夏ちゃん。
彼女の作る料理はいつも美味しい。そしてかわいい。

 一人暮らしはしていたが、生活能力の低いままの俺の代わりに、家事はほとんど彼女がやっている。
本当は分担しなきゃいけないのだが。
だらしなく、生活能力の低い俺からすると、家事が出来てかわいい女の子なんてすぐに惚れてしまう。

なんと、俺の好きなカレーときたら今日は夕食が一秒でも早く食べたいと思う。
俺は黒いスーツをハンガーにかけ、カレーのいい匂いに釣られてキッチンへ行く。

「いただきまーす」
一秒でも早くほおばりたい。言う言葉が早口になる。
俺はカレーを口に入れる。特別な料理ではない、ごく普通のカレーライス。
でもこれがうまいんだ。カレーって大好き。

彼女がいるだけで、料理を食べるだけで、
上司から叱られた時やハラスメント、同僚から絡まれたときのイライラがすっと消えていく。
美味しさと脱力感でぼーっとしていると
「あひっ、あひっっ」
出来立てだったからジャガイモが熱い。
でも、出来立てっていいよな〜とニヤニヤしながら想う。
「もう賢人なにしてんの!」
少し怒られてしまった..... でもなんか嬉しいんだ。

ゆっくりと味わいながら、二人で話して咀嚼しながら笑っていた。

いつまでも、彼女の横で笑っていたかった——

 寝る前にスマホを見た。すると気になる記事があった。
都市伝説で、この国には借金などを背負ったり、罪を犯しても
他人を担保として奴隷にすることで金を払わなくても、
刑を受けなくてもよいというシステムがあるということだ。
えっ、何それ怖い。他人なら誰でもいい、家族でも、友人でも、彼女でも.......

まっまさか、彩夏ちゃんに限ってないよな.....?
そもそもこんな話、デマなはず!
ブルーライトが身体を蝕むのではないかと思いつつ、恐ろしいと思いつつもスマホの画面をスクロールしていった。

 数日後、このことが本当になるとは誰も知らなかった.....
 

Re: 奴隷育成所 ( No.3 )
日時: 2019/09/18 17:04
名前: アマギ (ID: HuynY/aq)

 休み最後の日曜日。目をこすりながら朝食をとる。
彩夏ちゃんは朝食を食べたら家へ帰るようだ。

「それじゃあ、行ってくるね!」
半同棲中の俺ら。彩夏ちゃんは家へ帰るらしい。
急いで帰って友達と会うと聞いている。

「いってらっしゃーい」
俺は彩夏ちゃんを送って、顔を洗う。
ニコニコしていたが、いつもの彩夏ちゃんの笑顔ではないような気がした。
何か、奥に闇だったり黒いものが隠れているような.....
ちょっと不気味で作ったような笑顔。自然な感じがしない。 
 
 ピンポーン
インターホンが鳴ったが、泡だらけの顔じゃ出られない。
それにパジャマ姿だし。カーディガンでも羽織ろう。
俺は急いで顔にバシャバシャ水をかけた。
なんでこんなときに来るんだろう。
彩夏ちゃんが忘れ物でもしたのだろうか、でもドア越しに聞こえる声は男性だ...

「はーい、遅れてすみません〜っ」
ドアをガチャっと開けると、背が高くてスーツ姿の男が四人も。
勝手に1人だろうと思っていたが違う。
朝から何の様だろう、四人もスーツ姿の男が来ている。
まるで大統領や金持ちを守る、SPのようだ。

「岡崎賢人様でございますね?」
四人の中でも中央にいる、一番背の高い男が話す。
「あ、はい、どちら様でしょうか?」
「申し遅れました。こういう者です」
名刺を見ると、日本奴隷監禁社..? なんだそれ?
その男が一枚の書類を差し出してくる。

——柴田弘之は期限までに借金二千万円を返済できない場合、
岡崎賢人を人質とし、日本奴隷監禁社に身柄を引き渡すこととする

と書いてあった。えっ、 人質!? 何それ。
人質ってハイジャックとかで聞いたことはあるけど.....
柴田弘之って..... 彩夏ちゃんの父親! なんだとあのオヤジ!!!

「____柴田弘之様は期限である昨日までに、借金を返済できなかったので
此方にあるように岡崎様の身柄を弊社へ引き渡すことになります」

破れそうな勢いで借用書らしき書類を黒服から奪って、見通す。
書類を見てみたがそんな契約した覚えがない! なぜ身柄を拘束されなきゃいけないのだ。
書面をよく見ると、上の方に柴田彩夏とサインが書いてある。
こんなの嘘だと思いたいが、彼女の特徴のある筆跡は本物だ。
——筆圧が濃く、丸い文字は彼女のもの。このタイミングでいない彩夏ちゃんを考えると.....

「あの、このような契約をした覚えがありませんが....」
「しかし、岡崎様の判子が押されていますが?」
「弊社と、柴田弘之様、柴田彩夏様で契約したので、岡崎様、身柄を弊社に引き渡しますね」
きっと、寝ている間にこっそり俺の判子を持ち出して判子を押したのだろう。
一緒に暮らしている限り、可能性はいくらでもある。


 一瞬で、彩夏ちゃんへの愛情が冷めてしまった。
目玉焼きがスクランブルエッグになるように頭がぐちゃぐちゃと混乱する。

「いやだ! 俺はそんな契約してない!」
「でも、もうこの事は取り消せません」
俺が部屋の中へ逃げようとすると、今まで何も喋らなかった他の黒服たちに追いかけられ、ついに俺は捕まってしまった。

「静かにしろ!」 黒服たちが俺の事を無理矢理運ぶ。
そして、マンションの下へ連れられ、黒いハイエースのような自動車に乗せられた。
空を見ると天気予報では晴れだったのに、黒く気味の悪い雲で空は覆われていた。
 
——その日、俺は奴隷になった。

Re: 奴隷育成所 ( No.4 )
日時: 2019/08/23 09:01
名前: アマギ (ID: HuynY/aq)

 黒服の男達に体を捕まれ、もう抵抗は出来ない。
腕をしっかりと、ギュッと掴まれたからにはもう逃げられない。
ブーンっと車の動く音がする。俺は横にいる男らにたずねる。 
「おい! どこへ連れていくんだ! 何をする気だ!」
俺の怒りは絶頂だ。まるで噴火するように怒ると左隣の黒服が答える。
「まあ、少しこきつかわれるようなものだ、楽しい所だから安心しろ」
楽しい所? 絶対嘘じゃん。待てよ、金曜日に見たネットの記事。

——他人を地下室に監禁させることで、金を払わなくても、刑も受けなくてもよいというシステムがある

はっ、そうなんだ。あの都市伝説が現実になりかけている。
そんなことされたら人生台無しだ! マトモに生きたい!
少しこきつかわれて働くというのも嘘だな。重労働だしマトモに食事もとらせてくれないのかもしれない。それで人生を終えるなんて絶対嫌。

「いやー! 俺はお前らに連れていかれないぞ!」
車は赤信号で止まっている。なんとか脱出できるかもしれない。
ガチャっとシートベルトを外し、車のロックも解除した。
この車はドアロックノブの車だ。

もう嫌だ! 脱出しようとした時だった。

「動くな、静かにしろ、脱出はできないと思え」
また、俺の腕をしっかりと、ギュッと掴まれた。
左隣の黒服が言う。この人達の前で脱出は不可能に近いのかもしれない。



 

Re: 奴隷育成所 ( No.5 )
日時: 2019/08/22 15:01
名前: アマギ (ID: HuynY/aq)

 俺はいつの間に意識を失っていたのか。知らない場所にいた。
重苦しい雰囲気。硬く冷たい床。音が響き、金属で出来たような天井。
「はっ、ここはどこなんだ!?」
俺の声がとても響く。
「やっと意識を取り戻したか、岡崎様、ここは地下室の入口だ」
....地下室か。やっぱり監禁されるのは100%本当に近いのだろう。

「さあ、階段を降りますよ」
カッカッと足音が響く。
一番背の高いあの黒服に連れられ階段を降りた。

 「怖いよ〜、助けてよ〜」 「この野郎いい加減出せ!」
怯える声や汚い声。色々な声が聞こえる。しかし、楽しそうな声や嬉しそうな声は全く聞こえてこない。ふと前を見ると人々を閉じ込める牢屋みたいなものがずらーっと並んでいる。
まるで刑務所のようである。あまり衛生面ではよろしくない場所。

「岡崎様の部屋はこちらです」
四畳半くらいの汚い部屋。ネズミや虫が湧いてきそうだし、埃が舞っている。
とにかくここで一生を終えるなんて最悪だ。
もう逆らえない。脱出なんて無理だろう。
そう思ったから素直に中に入ろうとする。

「待ってください、これを首につけますので....」
黒服が持っているのは犬の首輪のようなもの。焼印じゃないだけまだマシなのかも。
一体何をつける気なのか。変なことじゃないだろうな。
腕時計を腕にするようにその首輪のようなものをつけられた。
「岡崎様、貴方の番号は25番となりました、以下岡崎様ではなく、25番と呼ばせていただきます」
「.....えっ」
25という俺の年齢を当てられたようで少したじろいだ。でも、そんなの偶然でしかない。

「囚人服は後程お渡しするので、一旦中へ入ってください」
囚人服って完全刑務所じゃないか。お洒落なデザインだといいな。って、囚人服にお洒落は求められない。
「出して、出してぇ!!」
もうおしまいだとは思うが、必死に鉄格子を使って叫ぶ。
でも、鍵が開くことも地下室から出られることもない。

 ところで、身柄を拘束されてから気になることがある。
黒服の言葉遣いが丁寧な気がする。こういうのって乱暴な言葉遣いなような気がする。
勝手に思っていただけだろうか。一番背の高い黒服も、他の黒服たちも。
笑いも泣きも怒りもしない、常に無表情だ.....
俺は、今は何も思わない。怒り、悲しみを超えて「無」の状態にある。
この先地獄のような日々を送るかもしれないことに、納得してしまったのか
反抗する気がなくなってしまった。逃げられないってことを知ったというのも
原因の一つだとはおもう。

——リン!
鈴の音がする。まだ数分しか牢屋に入ってないのに、次々と黒服や看守と思われる人達が牢屋の鍵を開けていく。
一体なんだろう。楽しいイベント.... なわけないか。






Page:1 2 3 4 5



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。