BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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大好きなんだから!【BL】〜リク受付中〜 更新頻度低め…
日時: 2015/09/07 18:05
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: JuyJRz6j)

はじめまして、やぢゃと申します。


この小説はだいぶ更新遅めになるかと…。
何しろ、受験生になってしまいましたので…。

じゃあなんで作ったって感じにはなりますが((汗


最初は長編予定でしたが、色々と設定の問題もあり(つまり全部自分のせいですが)、
BL短編集というかたちになっております。

すみませんが、GLはいけない感じになっております…。
あらかじめご了承ください。



・BLです
・駄文です、駄文
・先程も言いましたが、更新は遅めです
・展開が早かったり 遅かったりします
・リクがあれば、R指定モノも書きます
・オリじゃなくても全然いけます
・実在人物のBLはございません


一個でも駄目な方は即Uターンをおすすめします。


だいじょうぶな方は、どうぞお進みください。








  * Story *


【  お と な  】
(敦也×葵   兄弟)
 Cast…>>1
 1話…>>2
 2話…>>3
 3話…>>4
 4話…>>5
 5話…>>6
————完結済み————

【  性 立  】
(雄斗×東)
 Cast…>>7
 1話…>>8
 2話…>>11
 3話…>>12
 4話…>>15
————完結済み————

【  球  】! 閲覧注意報 !
〈触手モノ   イノウエ様リク〉
 Cast…>>30
 1話…>>19
 2話…>>23【!閲覧注意!】
 3話…>>29【!閲覧注意!】
————完結済み————

【  無 題  】(題名未だ考え中(・〜・;)
 Cast…>>37
 1話…>>39
 2話…>>41
 3話…>>46
 4話…>>58
 5話…>>59
————未完結————

【  カ タ チ  】! ヤンデレ注意 !
(黒子×黄瀬  黒子のバスケ)
 1話…>>43
 2話…>>44
 3話…>>45
————完結済み————

【  誕 生 日  】
(紫原×氷室  黒子のバスケ for 空鴉)
 1話…>>48
 2話…>>49
 3話…>>50
 4話…>>52
————完結済み————

【  ひ だ ま り  】
(月島×日向  ハイキュー!!)
 1話…>>51
 2話…>>53
————未完結————

【  葵 長 編  】(題名未定)
 Cast…>>27
 1話…>>25     2話…>>26
 3話…>>28     4話…>>31
 5話…>>32     6話…>>33
 7話…>>34     8話…>>42
 9話…>>54     10話…>>55
 11話…>>56     12話…>>57
————未完結————






!やぢゃの名前が、「やぢゃ@ぽんたの飼い主」になりました\(^ ^)/!

大好きなんだから!  〜1話〜 ( No.51 )
日時: 2014/12/20 14:37
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: twjanxuI)

眠気をはらうため、顔をぶんぶん左右に振った日向は、倉庫のなかにモップを片付けに、走っていく。

活動を終えた烏野高校バレー部は、体育館の片付け並びに、戸締まりを行っていた。

ある程度眠気から解放された日向は、鼻歌を歌いながらモップを片付ける。
すると背後から、シューズと床が摩擦する音がし、次いで、後ろからにゅっと手が伸びて、壁に押しつけるような体勢になる。世に言う壁ドンだ。


「ねえ」

「ッッ……!」


後ろにいたのは、月島だった。わざとらしく吐息を交えながら、日向の弱点である、耳元で囁く。

ここが弱点だって知ってんのは、月島だけ。


「今日、行っていい? 『翔陽』の家」

「お、おれの……家?」


動揺しながら、しかし、月島の方を振り返れずにいた。

ふたりきりになったときだけに呼んでくれる、『翔陽』という名前。
月島に呼ばれただけで、馴染みのある自分の名前なのに、その響きも、言葉も、大好きになってしまう。

月島の『翔陽』は、これまで誰がくちにした『翔陽』とも、違うから。

響きも、ニュアンスも、こもっている気持ちも、なにもかも。
全部、自分だけのもの。


「ねえ。ちょっと、聞いてる?」

「んんっ……」


耳にかかった吐息がくすぐったくて、ちょっと身をよじる。
すると、後ろでくすくす笑う声が聞こえて。


「なに? 全然答えないと思ったら、原因はここなわけ?」

「あっ」


ふに、と耳たぶを触られて、日向のからだが、びくつく。
執拗に耳を触られて、ときどき噛まれたり、くわえられたりすると、徐々にくすぐったさが快感に変わってくる。


「あふ、ら、らめ、つき、しまぁ」

「駄目とか言ってる割には、悦んでるよね?」

「はっ、ぶか、つ、ちゅ……だ、もん……」

「だから、なに」

「ばれた、らぁ……」

「バレたらバレたで、そのときじゃない?」


意地悪な笑みを浮かべてるんだろうな、きっと。
意地悪で、悪戯っぽくて。

でも、おれが大好きなひとの見せる、表情のひとつ。

びくっ、びくっとからだを反応させ、へにゃへにゃと崩れそうになるのを必死に堪えながら、日向はちいさく鳴く。
がくがくの足で立つことが難しく、壁に手をついて、震えるからだを支えた。


「全員、集合ッ」


向こうから大地の声がして、キュイッ、キュッという摩擦音が響きはじめる。
日向と月島にも、当然それは届いていて。


「チッ」


月島が舌打ちをして、日向から離れる。あー、もう。ほんと。

月島の背にからだを向け、上ずり気味になりながら。


「つっ、月島っ」

「ん?」


なんでもないふうに振り返った月島の顔を、日向は直視できなくて、視線を背けてしまう。


「い、一緒に帰ろ」

「……いーよ」


また、悪戯っぽく笑う。

あ……、やば。
いま、めっちゃ、なんか……。

どきって。

無意識のうちに頬を染め、からだ中がかーっと熱くなっていくのを感じる。
月島はまた背を向けて、でも、肩越しにちらっとこっちを見て。


「はやく」


日向の表情は、ほんとにころころ変わって。

声をかけられたことに嬉しくなり、今度はふにゃりと破顔して、月島に並ぼうと、小走りで彼の隣へ行った。

大好きなんだから!  〜4話〜 ( No.52 )
日時: 2014/12/20 14:45
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: twjanxuI)

「なんでさ……こうなるの?」


ちょっと呆れ気味に聞くものの、拒む気配はまったくない。
なんだかんだもんくは言うが、敦はほんとうに、こちらのやりたいようにさせてくれるようだ。ときどき、よく分からないところで律儀な敦である。

それも、いまは好都合だが。

両手を押さえつけられて、ベッドに寝転がる敦を、うえから眺める。
いつもは、敦のほうが見下ろしてくるのに。


「だって、なんでもしてくれるんだろ?」

「普通こっちに発想させる?」

「敦じゃなかったら、もっとべつに、なにかしてもらっただろうな」

「なにそれえ」


ことばのわりには、まんざらでもなさそうな敦。まあ、分かる気がするけど。

なにをするかは、理解しきっての会話。
べつに敦とは、セックス目的で付き合っているわけではないから、こういう会話も、氷室は結構好きだ。


「なあ、敦」

「んー?」

「キス、してもいいか」

「……いつもは勝手にやるくせに」


そう言って、ゆっくり上半身を起こす。
氷室も顔を敦に近づけ、そっと、くちびるを重ねる。

触れるていどのキスでは、当然ものたりない。
けれど、焦ったって、ゆっくりやったって、気持ちいいことに変わりはないのだ。

なら、できる限り、敦が苦しくならないほうを、選びたい。


「室ちんのくちびる、甘い」

「ケーキの味だろ。そんなこと言ったら、敦のほうがよっぽど甘かったぞ」


いちばん食べたのは、敦なのだから。
敦が感じたように、氷室だって、敦のくちびるが甘いなと、そう感じた。
くちのなかは、もっと甘いんだろうな。

ふたたび、くちびるを落とし、今度は舌を入れる。
待ち望んでいたと言わんばかりに、敦の舌が絡みついてきて、離さない。
甘い舌と、甘い口内。

いつも、敦は、甘い。

一分近く、互いをむさぼるように求め合い、くちびるを離す。
息切れのせいか、氷室とキスをしたからか、頬が紅潮して、可愛いとしか形容しようがない彼。

そんな姿を見たら−−我慢できない。


「なあ、敦。今日は、俺の自由にしていいかな」

「……なにしてもいいって、言ったじゃん」

「そう言うと思っていたよ」

「室ちんの誕生日なんだし、たまにはねえ」


へにゃりと笑う敦は、いつ視てもきゅんとしてしまう。
と同時に、氷室のなかで、なにかが切れる音がした。


「敦、今日は歯止め、きかないからな」


甘美に指先を絡める。




     End


————————————————————


空鴉にメールで書いたものでした。
ほんとは、室ちんのお誕生日にあわせて
書いたものだったのですが…、
もう二ヶ月くらい経っちゃった、
ごめん、室ちん。

大好きなんだから!  〜2話〜 ( No.53 )
日時: 2014/12/21 16:12
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: /..WfHud)

「あら、月島くん、いらっしゃい」

「どうも。お邪魔します」

「あ、月島のおにーちゃん!」

「おれもいるんだけど!?」

「はいはい、お帰り、翔陽」


帰ったとたん、日向家がわっと騒がしくなる。

母も夏も、月島のことをえらく気に入っている。
教職員に好かれるような、表面上は優等生っていうところがあるからな、月島。

足元に駆け寄ってきた夏の頭を、犬にやってあげるように、ふわふわと撫でてあげてから、母に呼ばれてテーブルまで、夏を抱っこして歩いていく。
基本的に、バレー部などで見せるような、意地悪というか、嫌味っぽいキャラは、日向家では見せない。

ふたりっきりになったときは、べつだけど。

泊まっていくつもりらしく、母に晩ご飯を食べるかと聞かれ、微笑みながら頷いていた。

意地悪に笑う月島もかっこいいけど、ああやって笑ってる月島も、なんかこう、ぐっと来るなあ……。

リビングの入り口で突っ立ちながら、日向は、月島の笑顔に見とれる。


「兄ちゃん、どうしたの?」

「へっ?」


いつの間にか、月島の足元にいたはずの夏が、日向の足元で、不思議そうに首を傾げている。
日向は慌てて、適当にいいわけをつくり、訝しげにしている夏の横をすり抜ける。

月島の隣をわざわざ陣取ると、ちらっと彼を見上げる。
見られている本人は、こちらの視線に気づいているのか、いないのか。正面に座った夏に喋りかけられて、母にも向けたような微笑みで、対応していた。

母も夏も、もう月島の好物を把握するくらいになっていて、母が眉尻を下げながら。


「ごめんね。いま、ショートケーキないんだけど……」

「僕は気にしないので、だいじょうぶですよ。それに、来る度にいただいちゃって、悪いですし」

「そんなこと言わずに食べなよー」


なんか、敬語じゃなかったら、月島がお兄ちゃんみたいだ。
身長的にも、悔しいけど……脳みそ的にも。

絶対月島のほうが、頭いいじゃん。
だから、ちょくちょく勉強教えてもらってたり、するんだけどさ。
テスト前とかに、勘違いされないよう、影山と頼みこんで。

まあ、下心もあったりなかったり、なのだが。

ふと、机のしたにあった、手があったかくなる。膝に乗せている手を、ちらっと見やると。
そこには、自分よりも、おっきい——月島の手が、優しく重ねてあった。


『あんまり見つめないでよ、バレるデショ』


日向にしか聞こえないくらいの小声でそう言って、ちょっとだけ、手にちからを入れてくる。

日向と月島の関係は、誰も知らないと言っていいほど、知られていない。
月島は、お兄さんに言ったらしい。一年生の、春高予選が終わってすぐ、月島の家に泊まりに行ったとき会ったけど、すごく優しそうで、面白いお兄さんだったなあ。たしかに、偏見とかはなさそうだった。
あと、知ってるのは、菅原、山口くらい。

——山口に打ち明けたときの、あの表情は、忘れようとしても、忘れられるものじゃ、ない。

山口も月島のこと、そういう意味で好きなのは分かっていたから、正直に打ち明けようと、日向は思っていた。
もちろん、勇気がいったけど。

日向、月島、山口の三人だけの時間をつくり、そのとき、思いきって、話をしたら。

ちょっと悲しそうな、でも、やっぱりって感じの、諦めたような、複雑な表情をして、次いで、困ったように笑い、頬をかいていた。


——なんとなく気づいてはいたよ。


目を合わせようとしない月島に、日向はなにか感じていた。

自分より長時く一緒にいた山口なんて、もっと、思うことがあっただろう。


——ツッキーも日向も、お互いのこと愛し合ってるなら、それでいいよ?


その晩、月島がうちに泊まった。

そして。


——ねえ、……翔陽。


最初で最後になるであろう、抱っこをねだられた。

大好きなんだから!  〜9話〜 ( No.54 )
日時: 2015/07/30 13:11
名前: やぢゃ@ぽんたの飼い主 (ID: EabzOxcq)

「ん……?」


重たいまぶたをゆっくり開ける。
どうやら、眠ってしまっていたらしい。窓から差し込む光は、銀色とも形容できるほど綺麗な……、

ってえ??


(ちょ、え、え!?)


いったい、いま何時だ!?

慌てて起き上がり、枕元の携帯を確認する。


『19:14』

(えええええぇ……嘘だろ……)


思った以上に寝てしまったことに、気持ちが急降下していく。
まあ当然のことながら、課題だってあるし、明日の予習とか、今日の復習もしておきたかった。

…………でも、ね。

ふいに、下の階から楽しそうな笑い声が聞こえる。
きっと、盛り上がっているのだろう。

葵抜きで。


(僕なんていなくても……)


いいのかな、なんて。

あの三人だけで、十分家族らしいし。
ちょっとよそよそしさはあるけど、向こうの息子さんと母さんも、仲いいしさ。

僕は……いらないかな、なんて。

ふと、携帯に目を戻すと、メールを着信していることを知らせるランプが、ちかちかとまたたいている。


「ガイ、かな……」


寝転がったまま携帯を立ち上げ、メールボックスを確認すると、やはりあったのは、ガイからのメール。


『差出人:町田 ガイ
 subject:
 本文:
  どんな感じっすか?
  電話してもいい?』

(で、電話……?)


送られてきたのは、4時になる数分前。
ガイの方が、もう電話を受けることができない状態かも知れないけど……。

葵はガイの連絡先を開き、軽く深呼吸をする。

ガイに電話することなんて、何度もあったけど、今回は、内容の重みが違う。
まあ、意味合いとしては、なんら変わりないけれど……。

ガイに悩みごとを話すと、それだけで心の重荷が、いくらか軽くなったような気がしてくるから。
ガイにはことあるごとに電話し、悩み(というか半分愚痴)を聞いてもらっていた。
ときには、アドバイスも貰って。

出てくれないであろうと思いながら、ガイの携帯に発信してみる。

コール音が一回響いたら。


『もしもし、葵?』

「ぷっ」


まさか、出た。たった、ワンコールで。
もう三時間も経っているのに。

吹き出したのが聞こえたのだろう、ふてくされたような声が、電話越しに聞こえる。


『なんで笑うんすか……』

「ごめん、ごめん。
いや、まさか出ると思わなかったから」


こちらのセリフに、今度はさっきとは打って変わって、自慢げな声で。


『風呂のなかにまで携帯持ち込んで、葵全力待機だったんすよ!
まさに! 全裸待機!!』

「ぷっ……、あほかっ」


やっぱりだ。
なんだかガイと話してると、落ち着いてくる。

口元に笑みをとりもどし、葵はガイとの会話を続ける。


「ふふ……。
なんか、ありがとね。いつもいつも」

「気にしないでほしいっす!
だって友だちなんすから! 普通っす」


普通の友だちって、
ここまでしてくれる子ばっかりじゃないと思うけどな……。

葵はちょっと話題を逸らし、もうひとつの悩みを打ち明ける。
すぐに家庭内の話を持ち出すのは、葵には無理だった。


「…………柴野しばのくん、分かる?」

『4組の柴野亮太りょうたっすよね、
葵がいま現在、恋しちゃってる』

「そうそう……って、え!?」


あれ、バレてる!?

驚く葵のことを、電話越しにガイが笑っている。


『そりゃバレるっすよー。葵分かりやすすぎなんすよ!』

「え、う、いや、でも……!」

『廊下ですれ違うとき、ちょっともじもじしてて、
見えなくなったら切なげなため息漏らして……。
恋だって一発で分かったっす!』


そ、そんなに分かりやすかったのかな……。
ていうか、そんなに分かりやすい反応してたっけ? いや、
すれ違うときにちょっともじもじはしてたかもだけど、た、ため息って……。


『それに気づいたのが、三週間前っすかねー』

「嘘!?」


それ、好きになったばっかりのとき……!
即行で、バレてる……。


『その後も何度か、こりゃ恋してるな、って行動が続いてね……。
気づいて三日で確信したっす』

「……ねえ、ガイ。聞きたいんだけどさ……」

『? なんすか?』

「もしかして、僕ってすごく分かりやすい……?」

『うん!』


元気いっぱいの、うん……。
そうか、そうなのか。

じゃあもっと気をつけないとな、じゃないと本人にもバレるな。

ガイの返答にがっくりとうなだれていると、電話越しに、
ガイが笑う声がした。


「ちょ、なにさっ」

『いや、無自覚であんだけ分かりやすい行動とってるなんて、
思わなかったから……、くくっ……』

「わ、笑うなよっ」

『ごめんごめ……ぶはっ』


恥ずかしい……。
なにも、そんなに笑うことないのに……!

ふてくされて黙っていると、ひーひー言っていたガイが
落ち着きを取り戻し、「あー、笑った……」と一言漏らすと。


『それより。再婚の話はどうなんすか?』


真剣味のある声で、静かに問いかける。


(え……)


ガイにしては珍しく、一気に本題に踏み込んできたな……。
いつもはこういう家庭内の話、僕が言い出すまで、待ってくれるのに。

気にしてくれてる、のかな……。


『それが気になってメールしたんすよ』


いじけた子どものような声で、ガイは話をするよう急かす。

そんなに、気にかけてくれていたのか……?

これだけ言っているのに、話をしないのも、
なんたか悪い気がしてくる。
僕は、再婚相手と、そのひとの子について話そうと、口を開いた。




——————————————————


お久しぶりです。

更新サボっててすみません……。

なかなか、バンバン更新するってのは難しくなっていますが、
ちょくちょく、マイペースに更新することにさせて頂きます。

相変わらず駄文ですが、もし読んでくださっている方がいるなら、
どうぞこれからもよろしくおねがいいたします。

大好きなんだから! 〜10話〜 ( No.55 )
日時: 2015/08/01 18:06
名前: やぢゃ@ぽんたの飼い主 (ID: XM3a0L/1)

バレてる、んだろうか。
あんなふうに持ち出されるってことは。

いや、さすがにな。
あの鈍い葵に限って、そんなことあるもんか。賭けてもいい、あり得ないから。

あの鈍感ボーイ葵が、オレの気持ちに気づく日なんて、もう来ねえよ。

いまのあいつは、柴野にメロメロなんだからな。他なんて眼中にない。
恋した相手以外の人間は、どーでもいい存在だと、以前あいつも言ってた。

葵の目に、恋愛対象の人間は、どう映ってるんだろうか。

いかなる存在よりも視線を引き付け、
どんなものよりも、そいつのそばにいたいと、願うような。

そんな存在なのだろうか。


「少なくとも、オレはそうっすよ」


誰にとっても、同じとは限らない。
だが、少なくとも、オレにとっては。

誰よりも近くで、誰よりも長く、行動を共にしたいと。

そう、願う。






結局、そんなに長い間、電話はしなかった。
時間的には、だいたい二十分くらいだっただろう。

最初の十分ほどは、再婚の話。ほぼ葵の不安をこぼすだけの通話内容だったが、
ガイの明るい声と口調に、心なしか重荷がいくつかとれた気がした。
残りの十分ほどは、柴野についての相談。なにが好きなんだろうとか、
家族構成だとか、柴野のことを延々話続けた。


(やっぱガイに電話すると、なんかスカッとするっていうか、
すっきりした気分になれる)


二年四組十一番・柴野亮太。

成績優秀で、黒ぶちの眼鏡の奥で光る切れ長の目がクールな、男子。
身長は172センチと、そこそこある。
さすがに体重までは知らないけど、手足が細いから、筋肉も脂肪も、
そんなについていないように見える。
肌も色白で、インドアなんだろうなと思わせる。

背が高めの、ちょっと冷たい雰囲気のあるひとが、いまの葵にはドンピシャらしい。


(でも、なあ……)


柴野が同性愛者であるという話は、一度も耳にしたことがない。

いまのところ、柴野に普通に告っても、
引かれるか、断られるかの二択、という感じになりそうだ。
それが普通なんだろうけどな。


「もー……なんなのさあ……」


いまさら、同性愛者であることを呪うつもりはない。

だけど、


コンコン

「えっと……葵、くん?」


突然扉がノックされ、くぐもった声が聞こえる。

ハスキーな声は、母さんじゃない。
でも、再婚相手だと言ってたひとは、もっとおとなの男って感じの、
ベース級の低い声。
ってことは……。


(向こうの、息子さん……?)


えっと……敦也さん、といったっけ。

いったいなんの用だろう。
わざわざ、一階から2階にまで上がってきて。
なにか用があるなら、母さんが言いに来ればいいのに。

深く考えることもなく、葵はできるだけ明るく、返事をした。


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