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想い人
日時: 2017/03/01 23:29
名前: カニエ (ID: XWukg9h6)

【※完全オリジナル作品です。BL作品です。】

2016/11/27 投稿開始
2017/03/01 閲覧数100!

ーーーーーー

俺の曾祖父さんが亡くなって12年。

俺は17歳になった。

曾祖父さんは俺が5歳になるまで、色んな話をしてくれた。

曾祖父さんはこの世に超能力があるだとか、超能力者がいるんだとか、そういう話が好きだったみたいで、その話が中心だった。

『大事なものは忘れてはいけない』

無口な曾祖父さんはこの言葉だけは何度も俺に言っていた。

17歳になった俺は初めて知ることになる。
本物の超能力者というものを……

Re: 想い人 ( No.1 )
日時: 2016/11/28 13:27
名前: カニエ (ID: caCkurzS)

曾祖父さんはデキ婚で、俺の婆さんを産まれた後に離婚した。
元々お金持ちだったのかとか分からないけど、俺の住んでるこの家は他と比べると随分敷地も面積も大きかった。

曾祖父さんが亡くなって、金の問題で引っ越さなくてはならなくなった。
俺は曾祖父さんと一番仲が良かったらしく、この家を離れる前に曾祖父さんの部屋へ入る事を許可された。何か欲しい物があれば、それを貰いなさいと母に言われて、曾祖父さんの部屋へ向かった。

曾祖父さんが亡くなってから12年。誰もこの部屋には入っていない。勿論使用人もだ。
横にスライド式のドアは、やけに重たく感じ、開いた瞬間に埃が舞った。
軽く噎せて中を覗くと、壁の所々に蜘蛛の巣があって、床や小さい机にまで埃は溜まっていた。

机の上には一冊のノートがあった。
靴下に埃がつくのを気にせず中へ入り、そのノートを手に取った。
かなり分厚く、時代の流れを感じさせるようにノートの紙1枚1枚が茶色く色褪せ、少し萎れていた。
表面にある埃を払うと、『能力日記』と書いてあった。
曾祖父さんが産まれた時代が俺と違っても、曾祖父さんは字が綺麗で、読むには苦労しなかった。

俺は能力者とかは興味が無かった。いるわけがないから。

ただ、曾祖父さんがどんな人生を歩んできたのか知りたかった。

そのノートを開いて読んだ。

Re: 想い人 ( No.2 )
日時: 2016/11/28 06:05
名前: カニエ (ID: caCkurzS)

一ページ目には色んな能力者の能力が書かれていた。
誘導能力、石化能力、治癒能力、予知能力……

たくさん書かれていた。
次のページを開くと、日記が始まっていた。

ーー年△△月○×日
最近は、力を入れなければ触れるだけでは物は壊れなくなった。

ナオに会いたい。

ーー年△△月○□日
ナオを生き返らせる為に必要な人物を見つけた。

もうすぐナオに会えるかもしれない。


ページを捲っても捲っても、日記の最後に必ずナオという人物の名が記されていた。
軽くページをパラパラ捲って見て、最後のページを開いて見る。

ーー年○月○○日
ああ、もうすぐ尽きる。死ってのが分かるようになってきた。
死んでもナオには会えない。だから死にたくなかった。能力者は寿命が永い。ナオは特別な人間に生まれてきてた。だから、死なない。死ねない。
早くその砂の奥にある硬い箱から出さないと……
石田…お前の曾孫に会いに行かないと…


そこで終わっていた。正直な感想は、意味が解らない日記だった。
でも、死んでないなら、そのナオという人物に会いたくなった。

Re: 想い人 ( No.3 )
日時: 2016/11/28 06:19
名前: カニエ (ID: caCkurzS)

そのナオという人物なら曾祖父さんのことを知っているかもしれないから。

確かに日記に記された通りか、曾祖父さんは長生きした。
普通の人間が生きられる寿命はとっくに超えていた。
小さかった俺は気にしなかった。

でも、この日記を基準におくなら、曾祖父さんも能力者ということになる。
そんな訳はないか、と思いながら、また初めから読んでいった。

ナオという人物は、曾祖父さんの想い人で、何度も会いたいと記されていた。
生き返るなどの言葉はあったけれど、何度も死んでないとは綴られていた。

母に呼ばれてそれだけ持って家を出た。
車に乗りながら母にナゾナゾのように質問した。
「死んではいないけど、ずっと生きてないような人ってどんな人?」
答えはすぐに返ってきた。
「それ、植物状態の人間なんじゃないかしら?栄養だけは点滴とかでも与えられてるから死んでないけど、意識は戻らない。要は昏睡状態なのね。目を覚ますことは無いけれど、心臓が動いているから死んでは居ないのよ。」
理解出来て、続きを読んだ。


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