BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- レイとナオ
- 日時: 2017/03/09 00:42
- 名前: ミドルネーム (ID: qMXr7W56)
【オリジナルBLです。】
駄作ですが、良かったら閲覧どうぞ。
裏無しですが甘々だとは思います。
坂下玲二×岩崎直也
能力持ち。
坂下玲二は一時的に破壊能力者で液体化する事も出来る。
岩崎直也は治癒能力者。不死身。
ですが、今回は能力がメインとなった話では無いです。あくまでサブに能力の話が入ってくるよって感じなので、載せときました。
では、更新したいと思います。
2016.11.28 更新開始!
2017.03.09 閲覧数100!読者様、誠にありがとうございます!
- Re: レイとナオ ( No.14 )
- 日時: 2016/12/16 21:52
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
坂下side
そこは、駅から近いと言える距離では無かったけど、ナオの働いていると思える病院には近かった。元々住んでたところより遠かったから見つけるのに苦労した。大家や、不動産屋、親の力を使って聞いた。
大家は変わっている人だった。よくよく聞けばそこに住む条件みたいなのもあって、変なルールを聞いた時はナオの隣の部屋に誰が住んでいるかすぐさま調べる事が先と、そこの大家である松尾に聞けば、ナオの隣の部屋は空室だった。
これは住むしかないと思った。
松尾さんにナオが好きだから隣に住ませてくれと頼みこんだ。全力で言えば許可が下りた。ニコリと笑った松尾さんは手伝うよと言ってくれた。
すぐにそこに引っ越せば、引っ越し初日にナオに会えた。
「!はァ!?なんでお前いんの?!」
驚いてるから否定的な言葉を発したナオ。そのナオの声が体に染みて、愛おしいと思った気持ちが行動に出た。駆け寄り勢いのまま強く抱きしめれば、痛い痛いと腕の中で身じろぐナオにしっかり存在していることを実感して、俺より小さくて細くて脆そうなナオを絶対に離さないと誓った。
それから鍵は俺が預かることにして、毎日ナオに会える口実が出来た。ナオに会える時間は幸せだった。
基本的に抱きしめる行為は拒まないナオを愛情表現で抱きしめ、俺のナオより温まった体温を抱きしめることで別けた。
ナオの甘い匂いに興奮してキスをしようとするけどそれはいっつも抵抗される。
脛を蹴られるのは痛いけど、その後頭を軽く叩かれナオの手の肌と俺の頭が触れて脛の痛みが引いて少し快感を得られる。
でも毎回キスに対する抵抗方法が変わるから防ぎようがない。それもそろそろ切れてくるころだろう。
俺は今日もいつもの様に仕事に出かける前のナオを部屋へ強引に招き入れ、抱きしめる。
今日も抵抗はしないし、拒まない。けど、最近、ナオの匂いが微妙に違う。
俺が朝はマーキングしてるのに、誰かと一緒にいるみたいで、甘くて美味しそうな匂いだったものが、最近は臭い男の香水の匂いが微かにする。
ムカついた。ナオは俺のだ。仕事に行かせたくない。仕事でその男と会うってんなら、ナオを監禁してでもその男をボコボコにしてでも二人の仲を割いてやる。
イライラしながら荒くなってしまった息のまま、行かないでほしいと伝えるためにナオを耳元で呼べば、顔を反らしたナオの露わになった白い首筋に我慢出来なくてかぶりつく勢いで吸い付いた。
制裁が下った。初めて殴られた。本気で怒った様子のナオを見ようと顔を上げれば、ナオは冷たく言い放った言葉を残して部屋を出て行ってしまった。
(どうして俺の気持ちがナオには伝わらない?)
悔しくて、残された空間で体を縮めては歯を食いしばった。
「っくそ!」
- Re: レイとナオ ( No.15 )
- 日時: 2016/12/21 01:35
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
(くっそ!アイツ!キスマーク残しやがった!)
俺は不死身だし、治癒能力者、だけど、自分の身体は治せても、アザのようなものだけは消えない。だから、自然と消えるのを待つか、消すならその場所を何らかの形で肌を切ったり穴を開けることで傷つけ無ければ消せない。
だから、こういう痣を付けられるのは嫌だったんだ。
なんで急にレイがこういうことをしたのかは知らない。けど、どういう言い訳つけっつーんだよ!ムカつくな!
「あ!岩崎さぁーん!さっきぃ、受付の方で岩崎さんを探してるって人がぁーいたんですけどぉ、すっごい岩崎さん呼んでてぇー」
「えっ?それなら、行ってみますね」
「お願いしますぅ」
語尾が間延びしちゃう甘えたがりな女性看護師から言われて、まさかとは思うけど少し急ぎ足で向かう。
案の定の人物が……。
「古島さん…俺、仕事あるんですけど」
同じマンションの俺の二つ下の階に住んでいる森古島さん。
俺がここに来てから太りだした。薬を専門的に作ることの出来る能力の持ち主。最近古島さんの部屋で飲んで語って楽しんでいる。良い酒仲間である。俺は強いからあんまり酔わないけど、古島さんは弱くて酔いやすく、酔いがまわれば人に絡んでくるあたりがめんどくさいからある程度で止めとくように最近はしてる。
「今日、どうだい?」
受付の台に身を乗り出し顔を近づけ片手で周りから口の動きが見えないようにしながら、片手で酒を飲むジェスチャーを混ぜてヒソヒソ話す。
今日はレイにもイライラしてっから丁度いいな。ストレスも溜まってきた頃だし。愚痴を思う存分吐いて聞いてもらうか。
「良いですねー、最近たまってんすよー」
でも俺の部屋だと隣のレイの部屋とか薄壁1枚だから無理だな。
「古島さんの部屋に18時でどうですか?」
「うん、いいよ。坂下くんは何時に帰宅かな?」
「え?レイは今日遅いと思いますけど」
「そっか、なら待ってるね」
ならって言い方と、レイが来ないと言えばホッとしたのには少し疑問に思った。古島さんはそれだけ言うと背を向けて病院を出て行った。
- Re: レイとナオ ( No.16 )
- 日時: 2017/01/10 14:02
- 名前: ミドルネーム (ID: FOqQFS6Q)
古島さんにはレイの帰りが遅いと伝えたけど、最近が遅かったから適当言っただけで実際は、今朝あんなことがあった訳だし、聞けてない。
今朝のことを思い出し、キスマークの残る首元に手を当てる。携帯を取り出してレイの連絡先を見つめて手を止める。
いつもなら何気ない会話もメールで軽く聞けるのに、気分が向かず、スマホ画面を見つめたまま固まっていると、看護師から呼ばれる。
手の動きも進められず、電源を切れば自分のロッカーへ仕舞い、仕事へ戻る。
仕事が終わればロッカーで着替えて病院を出る。
入院中の方や夜勤者の看護師、医師に挨拶を交わしながら歩く。
自宅へ帰路を一人歩く。アパートの出入り口の自動ドアを通れば受付窓口のような小窓から慌てて顔を出した此処の管理人こと松尾榊さんに捕まる。
「おぉーっと、ナオちゃん!おかえりー」
ニヤニヤした人をイジリ試す時のウザったらしい顔をしているのが見なくてもわかる。
「毎回律儀に挨拶してこなくていいですから」
「坂下くん、先に帰ってるからねぇー」
「えっ…?」
「何?ナオちゃんも坂下くんが帰ってくるの廊下で待つの嫌でしょ?坂下くんが先に帰ってるとまずいことでもあるの?何何?聞かせてー?」
「松尾さん、そう人の心にズケズケと入ろうとするの、やめた方がいいですよ?」
レイが先に帰ってると知って、少し動揺する。
古島さんと飲む日はレイの帰りが遅い日ばかりだったから。レイは知り合ってから知った事だけど、理性で抑えられない怒りが爆発した時に能力が発揮されることが多い。
最近は滅多に能力を使っているところを見ないあたり、俺と会っていない一年の間に制御出来るようになったのかもしれない。
レイは寂しがりで甘えん坊なわりに人見知りもするから、このアパートでも四六時中俺と居たがる。
俺が出かけようと部屋を出ればドアの開け閉めの音で部屋を飛び出して来る時はビビる。俺が部屋にいる時は、すぐに部屋を訪れて来るから、基本的に部屋で1人の時間の方が少なくなりつつある。
この場合、古島さんにレイの愚痴を語れないし、古島さんと飲めないかもしれない可能性があるから焦る。最近ホントに飲んでないから飲みたい気分の俺は苦い顔をしながらも唇を尖らせた松尾さんを置いてエレベーターへ向かい自室へ向かった。
- Re: レイとナオ ( No.17 )
- 日時: 2017/01/25 00:09
- 名前: ミドルネーム (ID: ddk2hi50)
「ナオっ……」
自室へ向かう前にレイの部屋をノックした。
すぐに開いた扉にぶつかりそうだと思いながらいつも通り避ければ、レイと目が合う。一瞬時が止まったように俺もレイも動かなくなる。ほんの一瞬、でもいつもの事。その後、レイが抱きついてくるのも流れ。だから、今日は今朝の事もあったし、軽く屈んで躱した。
空気を掴んだレイが勢いのまま部屋の外へ出て来る。レイに今朝言ったことも忘れたわけじゃないからさっさと部屋へ戻りたくて、レイの背中に向かって片手を出して冷めた口調で鍵を出すよう促す。
「鍵は?」
「…あがれ」
振り向いたレイは真剣な顔つき(いや、いつもの無表情か?)で少し間をとると低い声で部屋へあがるように俺に言ってきた。話があるってことだろう。そんなに時間はないけど、話を聞いてやらない程俺は酷い奴じゃない。
レイの部屋の構造は見慣れてるし、促されれば普通に部屋へあがった。挨拶はなし。レイも俺の部屋はしょっちゅう来るし、身内の家みたいなもんだからな。
部屋の中央(ベットとテーブルの間)に来れば立ち止まって上衣のポケットに両手を突っ込みながら、顔だけ振り返って再度同じ質問をする。
「…で、鍵は?」
「…朝は、悪かった。」
「なんであんなことしたのか理由言えんの?」
「…ナオの匂いが最近変わってきて」
「そりゃあ柔軟剤とか洗濯洗剤変えれば変わるだろ」
何を言い出すかと思えば、匂いが変わったとか。そんなのお前にわかるわけねぇだろって。軽くため息混じりに上記を上記を言って顔を逸らせばレイは声の音量を上げた。
「そうじゃない!…男のニオイだ」
「いやいや、お前犬じゃないんだから、そんな嗅覚優れてるわけないだr」
「ナオの事で!!…ナオの事で俺は間違えた事はない」
「…なんでそんなムキになってんだよ…そもそも、確証が無いだろ。…鍵。」
急にムキになって言い張るレイに頭を冷やせと遠回しに伝えて、レイが黙ったタイミングで鍵を渡すよう言うと鍵を出したレイ。俺がレイの持つ鍵を受け取ろうと掴めば、鍵を離さないレイ。
「おぃーッ」
「どこか行くのか?」
鍵をレイの手から取ろうと力強く引っ張るが、馬鹿みたいに力のあるレイには両手で引いてもレイの片手(指三本)の力に勝てない。離せオーラを醸しながら声を出せば、鋭いところをつかれた。
「…二階下の古島…もー…森さん、の部屋」
「……何しに」
「飲みにだよ、今のお前は連れて行けねェーからな」
古島さんと言ってもレイにはわかるか迷って名字に言い換えれば、眉間のシワを増やした。着いてくる気配に呆れて目的だけを告げてレイは連れて行かないとハッキリ言えば考えているのか黙りこくる。
「でもナオになにかあったら」
「心配しすぎだろッ!大丈夫だって、古島さんとはなんもねェーし、ただの飲み仲間なんだから。大体、俺が酒強い事知ってんだろ?フッ、まぁ遅くても23時には帰るから」
レイの力の緩んだ隙に鍵を奪い取れば、部屋を出るために足を外へ進めながら変に心配ばかりしてくるレイに笑えてきて口元を緩ませながらものを言って部屋を出た。
- Re: レイとナオ ( No.18 )
- 日時: 2017/03/09 00:42
- 名前: ミドルネーム (ID: qMXr7W56)
自室の鍵を開けて中へ入れば、俺の匂いってか、自分の匂いってわかんないもんだから、まあ無臭。上衣を脱いで立て掛けに掛けて、軽いTシャツにジーパン。古島さんも赤の他人って程遠い存在でもないし、飲み仲間なら尚更堅い服装は逆に俺にもストレスだ。
上衣のポケットから取り出した携帯の画面を見て、時計を見れば約束の時間をとっくに過ぎていた。18時の約束が、時計は19時もうすぐ30分に向かっていて、慌てて携帯をズボンの後ろポケットに滑り込ませて、部屋を出ると鍵を閉めていつもやる鍵専用の小袋鍵を入れてレイの部屋のドアノブに掛けて、エレベーターで降りた。
古島さんの部屋をノックすれば、ガタガタ中で音を立てて、暫くして出てくる。古島さんも慌てたのか後頭部に手を当て苦笑いして、俺が遅れた事を謝れば気にしないでと告げながら中へ入るよう促された。俺が謝ってるのに、自分の方こそいつも部屋が汚くてごめんだとか、お世辞でも頭の低い人だなと思ってしまう。頭が悪いと言ってるわけじゃない。親切すぎて謙虚になりすぎだから、いつか騙されるんじゃないかとか思ってるだけ。俺よりは随分年上だし、注意とか言えた立場じゃねェけどさ。
「今日古島さん呑みたい日なんですか?」
「うーん、そうだね」
携帯でレイに鍵をドアノブにかけておいたことをメールしながら古島さんに質問すれば曖昧なことを返されながらテーブルに缶ビールとグラスに注がれたワインが置かれる。
「お!ワインって珍しいですね」
「最近ワインの味が分からなくてさ」
「へェー、でもグラスで出されるとオシャレに見えるもんですねー!」
畳まれて積まれた布団を背中にそれにいつもの様にもたれながら、出された赤ワインに、携帯画面を下にして置き、グラスを手に取りヘラヘラ笑う。
「……なんですか?」
「ああ、いや、ごめん、呑もうか」
急に黙った古島さんに空気が静まって気づき、古島さんを見れば、俺を見て目を細めてにこやかに微笑んでいた。何か面白いこととかあったのかと思い、眉を寄せて聞けば、ハッとしたように軽く首を振った古島さんもグラスを手に取り乾杯を促した。