複雑・ファジー小説
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- 俺の一年
- 日時: 2011/12/29 16:27
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
初めての、小説です。
俺、上手くかけないかもしれませんが、かるーい感じで読んでくれれば嬉しいです。
やっぱり、週一は不可能だということを(今頃)気付き、まぁ、のろのろとがんばって行きたいと思います。
〜登場人物〜
・澄田 辰巳 (すみた たつみ)
・桜田 悠妃 (さくらだ ゆうき)
〜お客様〜
・紫蝶様
・紅様
- Re: 俺の一年 ( No.8 )
- 日時: 2011/11/28 21:08
- 名前: 紅 ◆F3.TOD5FaA (ID: SpLhUj83)
乱入、失礼いたします。
作品、読ませていただきました。
すごいですね!!
はじめての小説とは誰が見ても思いませんよ!!
続き、期待しております。
更新、頑張ってください。
乱入、失礼しました。
- Re: 俺の一年 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/12 17:00
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
長い間、ほったらかしにしていてすいません。ほんとに。
そんなすごいですかね、俺のやつ・・・(ニヤケ笑いしてます)
引き続きがんばります!
- Re: 俺の一年 ( No.10 )
- 日時: 2011/12/20 19:09
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
そして、俺を通り過ぎ、ガードレールに祈りを捧げ———ないで、俺の真ん前にやってきた。
『なんであんた、こんなところにいるの?』
それが、奴の発した第一声だった。(あ、その前に「よ。」って言ってるよな・・・)
足元の水溜りが、どんよりと曇っていた空を映すのをやめ、めがねのあかいスニーカーを濡らした。いや、そもそも靴は濡れているのであって、濡らしたという表現はちょっとな、ちがうし・・・
とにかく、無表情のまま俺を見つめる眼鏡。
この憎たらしい顔、どこかで見たことあるような?
そのとき、天啓のように思い出した。
「あーっ!てめぇ、桜田か?!」
つい、大声で名前を呼ぶ。
あぁ、あぁ、そうだよ。こいつ、桜田だよ!
などと一人で納得していると、今降っている雨が凍りつくくらいの冷ややかな声が、俺の耳に届いた。
「そんな大声出さなくても聞こえるし。やっぱり、轢かれたショックで頭がやられちゃったのかな?」
そうして、わざとらしくため息をついた。
「なっ」
必然的に、俺はショックを受けた。この台詞にこの行動・・・ムカつかないやつがいたら、ここに連れてきてほしい。
だいたい、頭おかしいのはお前じゃないのか?空中(幽霊はいる。)に向かって独り言とか、どうしたんだってんだよ。
そんな事をサラッと無視して、質問をされる。
「っていうか、あんた、この間死んだよね?なんでここにいるの?」
桜田の目が、1ミリほど細まった。
そしてまた、沈黙。
雨音だけが、大きく響く。
なんでここにいるのか・・・か。
そう言えば、考えた事なかったな。なんか、気づいたらここにいたしよ。これといって、やり残したこともないし、好きな奴がいる訳でもなし。
俺はひたすらに、かといって10分も20分も考えていたわけではないが、じっくり考えた。
ここにいる理由・・・
「出られないから———」
「そうじゃなくて。」
俺が感情をこめて、ゆっくりと口にした言葉を、言い終わる前に切り捨てる。おい桜田、おまえは俺になにか恨みでもあるのか?
「何でおとなしく成仏しないのよ。未練がましい男。しっしっ」
「てめっ」
人(今は幽霊)を害虫扱いするな!そして嗤うな!未練がましいって、どこの口がそんな事言うんだ!?
俺が一歩踏み出すと、桜田の眼が、どんどん挑発的になるっていうか、どんどん挑戦的になっていく。
だぶだぶのTシャツがぺったりと身体に張り付いている。その気になったら、あの水分を凍らせて、ある意味ぴったりした服、作れるんじゃねえの?
———などという、くだらない考え事をしていると、桜田の口がググッと吊りあがった。
「はい、どーん!」
「おぶっ」
いきなり鉄拳。俺の顔面にクリーンヒットし、俺は雨水で汚れた道路に張り倒される。だから、何でそういうことするんだよ、てめぇは!
そこで俺は、ある重大なことに気づいた。
何で俺としゃべれるんだ?何で俺を殴れるんだ?
きっと俺は、情けない顔で、桜田を見ていることだろう。一方桜田は、「私、とっても大人しいんですよ。人を殴ったりなんかしません。」という、語尾にハートマークが付きそうな台詞を心の中で言っていることだろう。現にキラキラの眼で、俺を見ている。
こいつ・・人をさげすんだかと思えば、猫被りやがって。
- Re: 俺の一年 ( No.11 )
- 日時: 2011/12/28 11:09
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
人をさげすんだかと思えば、猫被りやがって。
俺は、ひとまず一番聞きたい事を口にした。
「おい、桜田。何で殴るんだよ。」
すると桜田は、目を開けたまま、花のような笑顔を見せた。ある意味すごい顔になっていた。
「だって、シケた顔してるし、触れるかどうか、ためしたかったし。」
なんだその理由は!
桜田は、「それから———」と俺の目を覗き込む。
「自分がどうして見えるのか、触れるのか、話せるのか・・・聞きたいのはそこじゃないんだ。」
「いや、それも聞きたい。何で話せる(以下略)んだ?」
「じゃあ、はっきり言おう。」
そうして、10歩下がって深呼吸。小刻みに(というか、ゴキブリみたいにシャカシャカッと)近寄ってきた。
「私、幽霊とコンタクトが取れるの!」
新しいおもちゃをもった子供のような自慢げな表情でいわれた。何ともいえない。
気づいただろうか。こいつは、自分で「どうして見えるのか(以下略)」といったのだ。桜田自身の特異体質については、俺はなにも聞いていない。
「だから、なぜか、と聞いている。」
「知らねぇっての」
てめ、バカにしてんのか、おい。
- Re: 俺の一年 ( No.12 )
- 日時: 2012/01/06 17:19
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
3
俺が桜田と会ってから、早3日経ってしまった。まったく、時間って言うのは、ほんとに早いものだ、うん。
ただ、俺には相変わらず変哲が無い。
桜田は、幽霊と話せることを打ち明けた後、「また来るから、たぶん」と言い残し、さっさと帰っていった。『さっさと』という言葉があれほど似合う動きはなかったな。
通りかかる同級生の話によると、俺が死んだというのは、その日のうちに広まった・・・と思いきや、だれもその話はしていないという。
そういえば、親は来ねぇし、桜田以外の同級生、見て無いような・・・しかも、(今気づいた事だが)花束の置かれている位置が俺の死んだ場所より“ちょっと”離れてるかな〜。
だれも気づいてないのか?ひょっとして、風邪かなんかで休んでると思われてるのか?
そんな状況で、「え、墨田?ああ、死にましたけど。」みたいな事を、もし桜田が大勢に話したらどうなるんだろうな。どっかの物語のように、消えてなくなるんだろうか。
そもそも、何で俺は幽霊なんだ?そこ問題だろ。
「おっは〜。」
腕組みをし、あぐらをかいて考え事をする俺に、あの例の「キャラが固まらない眼鏡女」が鞄をふりまわしながら挨拶をする。
あぁ、また面倒くさい奴が来たよ・・・。
「で?どうなの?あれから。」
「なんもない。」
「・・・ふ〜ん。」
一泊おいてから返事がくる。
「学校あるしなぁ、めんどいけど、行くか。」
俺が皮肉をこめて、「そんな気持ちでよく制服着れるよな。」と言うと、まぁ、ああいえばこういう・・・
「気持ちがどーたら言ったって、身体は動く。」
ああ、そうですか。