複雑・ファジー小説
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- 俺の一年
- 日時: 2011/12/29 16:27
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
初めての、小説です。
俺、上手くかけないかもしれませんが、かるーい感じで読んでくれれば嬉しいです。
やっぱり、週一は不可能だということを(今頃)気付き、まぁ、のろのろとがんばって行きたいと思います。
〜登場人物〜
・澄田 辰巳 (すみた たつみ)
・桜田 悠妃 (さくらだ ゆうき)
〜お客様〜
・紫蝶様
・紅様
- Re: 俺の一年 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/31 17:31
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
—ぷろろーぐ—
全ては、その日に始まった。
全ては、その日に終わった。
俺は、その日に生きた。
俺は、その日に死んだ。
- Re: 俺の一年 ( No.2 )
- 日時: 2011/11/07 16:10
- 名前: 魔王666 (ID: 9wHf9u2B)
—第一幕 俺、死んじゃいました—
1
くだらない入学式。
何日か前からリハーサルを繰り返した偽りの祝福を終え、ばらばらと散った一年生を、頬杖つきながら見送った。
あとに残ったティッシュの花、ちぎれそうな折り紙の輪に、針金で作られたアーチの数々、ご入学おめでとうとかかれた看板・・・小学生か、俺らは!
なんていう風景を頭の中でグルグルをかきまわす俺も、とうとう三年になり、いい加減受験うんぬんを考えなければヤバイ年になった。義務教育の期間もこの年で終わり。何やっても、怒られるだけでいいという、何ともだらけた生活ともおさらば。あぁ、あとそれから、母親に無理矢理押し付けられた塾だらけの毎日も終わったなぁ・・・
昔はなかった地獄の塾。何故塾が多いのか?!そう問う者は、最近少なくなってきた。ズバリ言おう。六年生時代の成績が、これ以上下がらないほど悪かったからである!
まあ、そのおかげというか、そのせいというか、成績は一年のころからまずまずの状況で、塾もなんとかやっていけている。
部活と勉強に挟まれた息苦しい空間の中、そこに乱入してきた塾という魔物が、いっぺんに消え去ったら、どんなに楽だろうか!!
———とと、話がそれた。
つまり、これといって大きな進展もなく、春を出遅れたわけでもない。あくまで、普通の中学三年生になったわけである。
今日、俺はいつもどおりに部活を終わらせ、いつもどおりに途中の店でガムを買い、いつもどおりガムをかみながら、いつもどおりの地獄破りの超ヤバ坂道を、自転車にまたがって、転がるように下りて行った。
風が耳元でうなる。茶色がかかった俺の黒髪が、口のなかやら、鼻の中やら、やたら入り込んできた。動物本能が残っているアホども(同級生男子だ)なら、今日の雨が降らない台風に大喜びして駆け回っているが、俺は別。風が吹こうが、雨が降ろうが、槍が降ろうが、関係ねぇ。ただ、一人で読書をする。
いつもと変わらない人物が通り過ぎた。と、いうことは表通りにでたか。
チカチカと光る青信号。あ〜あ。渡り損ねた。が、いつもと違う事が起きた。
自転車を支えた俺を突き飛ばし、ポニーテールのメガネが道路に走り出た。あろうことか、もうとっくに赤に変わっている。この状態では、まだ車側の信号は変わっていない。それに肝心(?)の車が無い。仮にあったとしてもスピードはないし、轢かれたとしてもすりむくぐらいだろう。
だが!
俺を突き飛ばしといて、無視か!そんなに急ぐ用事があるのかっ!っていうか、謝れよ、馬尻尾眼鏡!
自転車を起こす瞬間、トラック独特の低いクラクションが響いた。