複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

今日この時1秒一瞬が僕の全てだったなら【一応完結】
日時: 2011/12/19 21:26
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)
参照: http://yaplog.jp/hana-boshi/

はじめまして!うにょと申すまする……うみゅ。




———まあ、そこ(自己紹介)はおいといて。







コチラ、うにょの処女作となっておりますまする。





てなワケだったりするので、誤字脱字だとか、文章力足りなくて意味不明〜なところがあったりなかったり…するかもしれません!





でも、そこを温かい目で見ていただけると嬉しかったりそうじゃなかったり…(いえ、間違いなく前者なのですけれども!)






とにかく、さっそく執筆いってみましょーv






*注意
うにょの更新頻度には波があります。亀更新が大多数を占めると思うので、皆様。
———ワタクシ、気長に更新を待っていただけるような読者様を心待ちにしております!!えぇ、心から!!!(※近頃はまめな更新できてます)

…それと、コメントはお控え下さい。っっ
1つの話が複数に分かれているときは目次には連番で表記します。
ですので、コメントなどいただけるのはまこッとに喜ばしいことですが、そういった際に色々とややこしいことになるので、極力コメントは無しの方向でよろしくお願いします!!


※当スレッドはほんの序章でしかありません。ある程度までストーリーが進むと続きのスレッドを立てます。
急に更新が止まってから1週間経って、それでもまだ更新されなかった場合はある程度までストーリーが進んだということ。
次のスレッドを検索していただいて、無かった場合は次のスレッドを作るまでお待ち下さい。
(詳しくはブログもしくは本館をどうぞ)





*必ずお読み下さい
>>34 お知らせとお詫び

*目次

>>1 プロローグ

>>2 Far:1
>>3-4 Far:2
>>5 Far:3《先生side》
>>14-15 Far:4
>>16 Far:5
>>24 Far:6
>>25-26 Far:7
>>27-28 Far:8

>>6 プロローグ

>>7 Cruel:1
>>8-9 Cruel:2
>>10 Cruel:3
>>11 Cruel:4
>>12 Cruel:5
>>13 Cruel:6

>>17 プロローグ

>>18 Bad:1
>>19 Bad:2
>>20-21 Bad:3
>>22-23 Bad:4
>>29-30 Bad:5
>>31-33 Bad:6

Bad:3 1/2 ( No.20 )
日時: 2011/12/06 17:11
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)



「…ぁ、そうだ!」



ポンッ、と閃いたナイスなアイデア。



……プール!!














         —————————————








「…うん、静かだ」



こんなに落ち着いて過ごせる場所ってなかなかないと思う。





今は秋。夏は日差しに反射してきらきらと輝いていた水も、この季節。


一滴もない。






「ふぁあ〜…」


ぽかぽか陽気の今日。日向ぼっこにはもってこいだ。



傍らに読みかけの本を置き、プールサイドに寝転がった。




(…おやすみなさい)







段々と黒に染まっていく視界。シャットアウト。




……と思いきや。










「こんにちは」




「…ん?」








誰?と尋ねようと閉じかけた目蓋を開ける、と…


「…あ。さっきの」



「覚えてくれてたんだ」







(え、バレてたの!?)












そこにいたのは、先程私が目撃してしまったラブシーンの男。



あんなところを人に見られたにも関わらず、平然としているこの男にとてつもなく驚いた。

Bad:3 2/2 ( No.21 )
日時: 2011/12/06 17:33
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)



「いやー、あれには本当ビビったね。まさか誰かに見られるなんて思ってもみなかったから」


「……」


いや。普通、あんな所は誰かしら来るに決まってるだろう。




そんな私を見て、彼は首を傾げた。


「…ん?もしかして、知らなかったりするわけ?」


「…何が?」


私を覗き込むようにして膝を突く彼。




「あそこ、俺のラブルームなんだけど。これ、この学校じゃ常識」


「…何それ。なんか悪趣味」


「ははっ。酷い言いようだな〜」




(“ラブルーム”ってことは、あの教室はこの人がああいうのをする為の場所ってこと?…しかも、常識って)




「そんなの、知らない」


「うそつけ」


「いや。至って大真面目ですよ」


「まじか」



目を丸くして、ひょぇ〜っ、とわざとらしく奇声を上げる彼。



今更かなりのイケメンだったことに気付く。




「君さ、友達いなかったり…」


      「するわけないでしょ変態」




「…へんた、…ぶぷっ」





友達くらいいますよ。当然。


ちなみにクラスじゃ人気者ですよ。えぇ。




でも、いっつも常日頃から人気者を演じるって疲れるじゃないですか。





「…まあ、そうだよな。俺、君のこと知ってるし」


「え?」




こいつ今、何言ったよ。








「“天童 美玲”。天童財閥の会長の孫、だろ?」


「…よくご存知で」




何故知っている。





「君、かなり有名だよ。美人で明るくて、しかもお金持ち。ついでに成績優秀。…男子からすれば憧れで神的存在、近寄りがたい。女子からすればもういい子いい子、一緒にいて楽しい。——男子から近寄りがたいって思われてる、ちょっと残念な子だね。…まあ、俺は残念な子じゃないし、俺の方が断然有名なんだけど」



「…良かったですね」





自慢かよ、おい。







「でもさ、なんか話してみると全然明るくないし。むしろ暗い感じ?」


「…皆の前では演じてるだけですから。疲れるんですよ、ああいうの」



「なるほど。俺も人のこと言えた義理じゃないしね。…皆の前じゃもっといい子ちゃんだし?」


「…自信過剰ってやつですか」


「なワケないでしょ」




Bad:4 1/2 ( No.22 )
日時: 2011/12/06 23:35
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)





本当のこと言ってるだけだよ?、と彼は言う。







とても皮肉めいたその口調に、



(馬鹿にされてる…)



なんて思った。








その時、



「…よし、行くか」





いきなりしゃがんでいた彼が立ち上がった。








「どこに?」





そう訊くと、




「…いい子ちゃんに戻るんだよ」











(———答えになってない)


けど、彼の真意は分かった。




…教室に戻る、ということだろう。




敢えて、彼は“いい子ちゃんに戻る”と言ったのだ。








「さよなら」




「んー、またね」









…。




……わざわざ“さよなら”って言ったのに。












“またね”と返されたということは、また会う機会があるということか。



それとも、彼が会いに来るというのか。










(…二度と会いたくない)




出来れば、二度と。













——でも。




どうしてか、彼とはまた会う気がしたのだ。














…だから私も




「今度は、あんなお恥ずかしい最中じゃない時に会えるのを期待しますよ」








彼の背中に向かって精一杯の嫌味をぶちまけてやったのだった。











「期待はしないことだねー」




彼は振り返らずに手を振って、そう応えた。




Bad:4 2/2 ( No.23 )
日時: 2011/12/06 23:39
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)


















     …そして、翌日。






                まさに昨日の今日。



















皮肉にも、その“気がした”というのは、早くも現実となってしまったのである。
































「………」






(…もういやだ)



Far:6 ( No.24 )
日時: 2011/12/07 18:44
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)




あれから数分。


すっかり…とはいえないが、打ち解けた私達は会話の花を咲かせていた。






「勇人は、今日は何の用でここに?…もしかして研修?———いや、でもまだ2年生なんだよね…?じゃあ、どうして?」



「…今日は講義が午前で早めに終わったから、先輩、…お前の担当医と会ってたんだよ。そしたら、急に松宮先輩から連絡で。緊急事態だとかなんとか。……それでついてきて、今に至る」



「そうだったんだ。…ごめんね、私のせいで。先生と話したいこと沢山あったでしょ?」





ああ、本当にこの上なく申し訳ない。



私がこんな病気なせいで、勇人と先生の時間を奪ってしまった。






「…いや。そうでもない。ちょっと気まずくなってるときだったから。逆に助かった」



「え?気まずくなってたの?」



「…ああ。まあ、色々とあったんだよ」



「へぇ…」





なんか深入りしない方が良さそう。









そう思っていると、勇人が前触れも無く話を切り出した。


「…それにしたって、己織」


「っ…、な、何?」





突然呼ばれた名前に、思わずびっくりしてしまった。



なんだか、嬉しいような…なんというか。






「ここ、いつから入ってるんだ?」



「…へ?」





(“ここ”?)



呆然とする私とは逆で、彼の瞳には真剣な色が映っていた。






「…ここ、って。この個室のこと?」



「ああ」



「んー、いつだったかなぁ?」




必死で記憶を手繰り寄せる。


求める記憶は一つのみ。








首を傾げながらも、曖昧な断片が一つ。






「ああ、そうだ。えっと、   からだったと思うよ」






「…え?」







今度は彼が呆然とする番。



私を見た状態のまま、固まってしまった。








「…おーい?どうしたの、勇人?」






彼の顔の前で手を上下に振る、と彼がその手を掴んだ。









「…それ、嘘じゃないのか?」



「嘘なわけないじゃん」



「…………」





どうして?






どうして、そんなに深刻そうな顔をするの。













……彼の表情が悲しげに見えた。



Page:1 2 3 4 5 6 7