複雑・ファジー小説

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MARIONNETTE〜蒼の翼〜【力及ばす閉鎖すいません!】
日時: 2012/05/13 15:40
名前: ナル姫 (ID: Sjvfb7mA)

こんにちは。
複雑・ファジーでは二度目の小説となります。
えっと…こんな題名ですけど、戦国の話です。
そして作者は政宗病に罹っているのでまた伊達です。
メインが伊達じゃないだけ許してください…。

今回は十二歳で城主となってしまった、伊達配下の武将のお話。
文章下手なんですが…読んでくれたら幸いでございます。

勿論、上記の『十二歳で城主となってしまった武将』は創作の人間です。こんな人居なかったはずです…。

ここで、本編第二主人公、伊達政宗さんから注意点をいくつか。

1・荒し、チェンメは即座に立ち去れ!
2・作者は戦国オタクじゃ。歴史上の出来事が多く出るぞ。良いか?
3・コ…コメント、くれ…

との事です。よろしくお願いします。


☆物語の進行状況☆

*プロローグ>>1 *兄の夢>>4 *大きな背に>>5 *サヨナラの時>>6 *冷徹な主>>7 *戦いのはじまり>>10
*伊達政宗という人>>11 *悲劇の幕開け>>12 *輝宗の最期>>15 *悲しみの淵>>18 *悪魔の囁き>>19
*蒼丸と政宗>>20 *右目の挑戦状>>24 *人>>25 *天国で>>30 *この世に残したもの>>31

☆コメントを下さった優しいお方☆

*檸檬サマ>>2 返信>>3 >>8 返信>>9
*茉莉夢サマ>>13 返信>>14
*明星陽炎サマ>>16 返信>>17
*水月サマ>>22 返信>>23
*蒼サマ>>26 返信>>28
*霧雨BARNAサマ>>27 返信>>28
*春嵐◇arashiサマ>>32 返信>>34
*ことのはサマ>>33 返信>>34

☆その他

お知らせ(絵を描いてください)>>21
お知らせ(人気キャラ投票開始!)>>29

Re: MARIONNETTE 〜蒼の翼〜 ( No.15 )
日時: 2012/05/04 14:16
名前: ナル姫 (ID: vtamjoJM)

*輝宗の最期

畠山の降伏に当たって、ご隠居様は条件を出した。その内容は、杉田川以南、油井川以北の地を没収し、両川に挟まれた二本松を中心とする五ヵ村のみ領有を認める。そして嫡男の国王丸を伊達家の人質に差し出す事だった。余りに大きい領地の没収に、畠山義継は初め納得がいかなかったが、命が惜しかったのか、降伏条件を認めた。

「…殿(政宗)にしては珍しいな」
「?何が…でしょうか?」
「殿の行動だよ。口数が少ない殿が、条件を押し通すなんてな」
「…珍しい、とは違いましょう。芯が強い…そう申しましょうか?」
「定行…」
「蒼丸様、無論、貴方様も…」


___



—宮森城

「義継か?一体何の用だ…?」

義継は、成実様と留守政景様(政宗の叔父)の守る宮森城まで、殿に取り次いで下さったご隠居様に礼を申しに来たのだった。普段は館山に住んでいるご隠居様は、今は宮森城にいた。

「成程、会ってやろうではないか」
「しかし…」
「何、何の事はない」

この油断が、いけなかったんだろう。


___



「過分なおもてなし、身に染みておりまする」
「いや、当然の事じゃ」

ご隠居様が微笑んだその時、いきなり義継がご隠居様の胸ぐらを掴んだ。

「貴様!」
「何をする!?」
「近づいてみろ!こ、こやつがどうなっても知らぬぞ!」
「貴様っ…!」

義継は伊達領と畠山領の境となる、阿武隈川まで来た。この事は直ぐに殿にも伝わった。この時ばかりは、流石の殿も叫んだらしい。直ぐに馬を出せ、と。直ぐに阿武隈川に向かう、と。

少しして、殿や片倉様が到着した。僕も、金田城から阿武隈川に向かっていて、ちょうど同じくらいに着いた。

「ちっ父上…!」
「…!政宗っ!!」
「義継!何の真似じゃ!?」
「お前の事など信じられるか!好きな様にはさせぬ!」
「貴様っ!!」
「殿!いかがなさるつもりですか!?」

家臣の言葉には答えない。その代わり、過呼吸になるんじゃないかという程、息が荒かった。

「何をしておる政宗!早う撃て!!」
「父上…。」
「このままおめおめと二本松に拐われれば、お前は動けなくなる!父が子の足を引っ張るなど、あってはならぬのじゃ!!早う政宗!!早う!!」

殿の呼吸が、普通になった。何も言わない。でも、その代わり、意を決した様に、強く拳を握りしめた。そして、手をあげる。

「鉄砲隊、構えろ!」
「なっ…!?ば、馬鹿な…!血迷ったか政宗!!貴様、自らの父を見殺しにすると言うのか!?」
「そうじゃ、政宗!それでこそ儂の子…伊達の頭領じゃ!!」

中々下らない、鉄砲発射の命令。

「流石儂の倅じゃ…

梵天丸…」


「っ…!」

手を、下ろした。

<パンパンパンパンパンッ…>

Re: MARIONNETTE 〜蒼の翼〜 (コメをください!) ( No.16 )
日時: 2012/04/22 20:38
名前: 明星陽炎 (ID: /48JlrDe)

ども、こちらではお初です!
姫、きたよー♪
パーリィな政宗じゃない政宗がなんだか新鮮な明星陽炎です。
いや、無双のワカメも知ってるんだけどもww
何ともcoolで格好いい政宗様ですね♪
蒼丸君が可愛いですね!
続き、楽しみにしてますっ!
ではでは!

Re: MARIONNETTE 〜蒼の翼〜 (コメをください ( No.17 )
日時: 2012/04/22 21:45
名前: ナル姫 (ID: hMtE.UVn)

ほおおおおおおおお!!
ハローろーちゃん!
コメントサンキュ!!

冷たい政宗好きだァ//
妄想しまくりだよぉ♪
蒼丸は、こんな子供がいたら良いな♪の組合せ(笑)

Re: MARIONNETTE 〜蒼の翼〜 (コメをください ( No.18 )
日時: 2012/05/04 14:19
名前: ナル姫 (ID: vtamjoJM)

*悲しみの淵

『流石儂の倅じゃ…

梵天丸…』


火を噴いた銃口。乱れる弾。体から吹き出る血飛沫。倒れる畠山の兵に、畠山義継本人。それと、ご隠居様…。川に流れる大量の血。
殿の息は、又乱れていた。体も、震えていた。殿はご隠居様に近付く。もう、死んでいるだろう。

何を、求めて行くのだろう?

「小十郎」
「は」

片倉様が殿に近付く。

「父上の亡骸を、退かせ」
「…承知」

この時、殿の心意を知る人は多分いなかった。従兄弟の成実様も、側近の片倉様も。況してや僕が解る筈も無かったんだ。

殿はゆっくりと刀を抜いた。上に翳す。そして何をするかと思えば、畠山の死体をズタズタに切り刻み始めた。

「殿!」
「ちょっ…落ち着けよ梵天!」

成実様が慌てて殿を止めた。

「離せ」

飽くまで冷静に、殿は言う。…いや、呟くが正しいだろう。一瞬、ぼそっと聞こえただけの声だった。
既に原形を止めていない程切り刻まれた死体。まだ、刻もうと言うのだろうか?

「梵天の気持ちは分かる!だがな、そんなことして何になるんだよ!?畠山の死体切り刻んで、それが何になる!?」

殿の目は、何時も冷たい。それが今日は、より一層冷たく感じられた。

「儂の命が聞けぬと申すか、成実…」
「聞けねぇよ。怒りに捕らわれた奴の命令なんか!」
「今日ばかりは貴様でも容赦はせんぞ」
「こんな命なら何時でもくれてやる。だけどな、これだけは聞け。お前がしたいのは、こんな小さな事なのか?こいつの死体斬って、それでお前は満足か!?ご隠居様がそんなお前を見て喜ぶとでも思ってんのかよ!?」
「…黙れっ…!」
「まだ納得できねぇなら、腹、切ってやるよ」

殿は俯いた。力無く刀を下ろす。父上の亡骸を丁重に運べと、小声で呟いて、踵を返す。

「殿、畠山の死体は…」
「その辺の蔓で体を繋いで、晒し物にでもしておけば良かろう」

今度は、怒りのこもった声で。


___



今日はもう暗かったから、米沢に泊まることになった。定行も付いてきた。
殿は、自室に篭った。家臣を全員、部屋から出ていかせて。

泣き声を、聞かれたく無いから、だったんだろうけど。

「うわァー…父上っ…父上ぇー!」

見事に、丸聞こえで。
何があんなに悲しいのか、僕にはわからない。僕も父上と兄上を亡くしたけど、あんなに泣いてない。泣き声を聴いていた片倉様や、成実様も、泣いていた。


初めて聞いた、殿の泣き声。

Re: MARIONNETTE 〜蒼の翼〜 (コメをください ( No.19 )
日時: 2012/05/04 14:22
名前: ナル姫 (ID: vtamjoJM)

*悪魔の囁き

翌日、早朝。昨日疲れていたのに、早く目が覚めてしまった。でもそれは、片倉様も成実様も、同じだったようで…。

「あ…蒼丸、起きたのか…」
「はい…御早う御座います」
「あぁ、御早う」

何時も明るい成実様の顔が、今日は無理矢理な笑顔だった。
挨拶をしたら、話すことが無くなった。何となく、空気が重い。それに耐えきれなくなったんだろう。梵天、起こしてくるな、と言って、成実様は殿の部屋がある方向に行ってしまった。起こしに行く訳ではないに決まっている。まだこんな早いうちに、傷心の主を誰が起こすだろうか?

「はあ…」


___



「…遅くね?」
「…遅いですね」

成実様と片倉様が話している。何が遅いって、殿の起床だ。それとも、もう起きているのだろうか?

「いい加減起こしてくる…」
「無理に起こさないで下さいよ?」

成実様に、片倉様が注意した。ハイハイと軽い返事を成実様は返す。

その、暫く後。

「おい!梵天!しっかりしろよ!梵天!!」
「!?」

声を聞いて、僕と片倉様は急いで殿の部屋に駆けて行った。
部屋の中では、殿が苦しそうな呼吸をして、倒れていた。心臓が凍った様に固まった。それ程、驚いた。そんな中、冷静に対処したのは片倉様だった。
片倉様は殿を抱き上げ、額に手を当てて、言った。

「…御疲れなのでしょうな。熱が有るようですが寝れば治るでしょう」

安心したのは言うまでも無い。でもそれも束の間、と言うべきか。殿を布団に寝かせたまでは良かった。なのにそのあと、図ったかの様に僕以外の家臣が皆誰かに呼ばれて部屋から出て行ってしまったのだ。
寝ているとは言え、殿と二人きりだ。緊張する。
だが、それと同時に責任感も湧いてきた。殿に色々してあげれるのは僕だけだから。

それなのに

余りにも隙だらけな格好を見て

悪魔が囁いたのも事実。

武士と言うものは、何時でも脇差しくらい持っているものだ。





今なら殺せる。





煩く高鳴る心臓。汗ばむ手は確実に、僕の懐刀へと伸びていた。

刀の柄を掴んだところで僕の良心が叫んだ。
何で、片倉様や、成実様が、何も言わずに席を外したか、解らないのか?

お前を信じているからだろ。


あぁ、そうだ。殺されるのが心配なら、意地でもここにいれば良い。なのに二人は席を外した。


僕は信頼されている—…。



刀の柄を、そっと離した。


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