複雑・ファジー小説

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【今夜も】夢を綴る【いい夢を】
日時: 2012/08/24 01:10
名前: 空とぶくじら (ID: m.NeDO8r)



ぽちゃんと耳元で音がしたら

目を開けてごらん?


ほらそこは

君だけの世界

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.97 )
日時: 2015/10/06 09:20
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)


はちじゅうにこめ。



夢の中だと確認した後すぐに歩き出す

私はこの場所を知っている

少し入り組んだ通路を抜けるとそこにあったのは美術館だった

嗚呼、私はここを知っている

この白い空間を私は知っている

この日のために区切られた薄い壁に様々な作品が並んでいる

だが並んでいるのは全て『夢』だ

キャンバスの中に描かれている動く『夢』は

老若男女様々な人が鑑賞している

ふと後ろから声をかけられた

「観覧者様申し訳ありません、こちらに入っていただくにはチケットが必要なのです」

笑顔の面を付けた男が無機質な声でそう話した

「チケット?」

「はい、チケットです」

「どういう形のものか分からない」

「それはどういう意味です?」

「こういう意味だ」

私は持っていたカバンをひっくり返し床に様々な物をばら撒いた

彼岸花、青い鳥、黒いキャンバス、星の欠片、大樹の枝

折れた絵筆、瓶に入った夜空、宝石の滴、ガラスの葉

多くのものが床に散らばった時声をかけてきた面の男は慌ててこう言った

「チケットは要りません、どうぞ中へお入りください」

床のものを拾って鞄に入れてから美術館を回る

どれもこれも在り来たりな物ばかりだ

かといって美しくないわけではない

全て美しいがやはり自分の見るものが一番だと言い張りたい

暫く回るととある『夢』の前で女が高笑いしていた

「やはり私の夢が一番美しい」

女が指差したのは小さなキャンバスだった

近寄って中を覗くと海の中だった

だが中に居るものは魚に交じり幻想的な生物も泳いでいた

「私の夢が一番美しい、他のものとは比べ物にならない」

近くに居た審査委員長というタスキをかけた男が続けていった

「貴女様の夢が一番美しいです、この美術館の中で一番美しいです」

その声に周りのものは困惑していた

それはそうだろう、周りだって自分が一番と思っているだろうから

しかし、周りのものは審査委員長らしき人には賛成しなきゃいけないらしく次々にその女を褒め称えた

女の周りには人だかりができ、褒めないのは私だけになった

「そこの女、何故私を褒めない」

指をさされて言われた

「綺麗な夢だとは思う、だが一番ではない、一番は私の夢だ」

そう返した

その瞬間女がいつの間にか私の前に居て、頬を叩かれた

痛い、夢の中にも痛覚があるののか

そう思いながらその女を睨む、何かを言っている女の前で笑ってやった

「お前の夢なんか木っ端微塵に砕いてやる」

そして他の人に申し訳ないと思いながら後ろにあった壁を力の限り殴った

私の手元から『夢』が広がっていく

それは壁一面に広がり私の世界を映し出した

「お前の夢を蔑んだりはしないつもりだった、だが私をこの『世界』で殴ったことを後悔させてやろう」

役柄は悪役、気分は最高

足元にまで広がった夢を確認してから周りの人に問いかける

「お前らは触れたくないかこの『夢』に」
「触れたいなら触れればいい」
「私はこれが壊されても構わない」
「キャンバスで囲う気もさらさら無い」
「見たい奴だけ中に入れ」

言葉を放った瞬間周りの奴らが全員入っていった

私を叩いた女も含めて全員が入っていった

私は悲しんだ

この場にも私は一人

床に落ちた髪飾りを拾って美術館を後にした

「次は髪飾りがチケットか」

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.98 )
日時: 2015/10/23 09:40
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)


はちじゅうさんこめ。



夢の中で目を覚ます

目の前に広がるのは長い廊下

遠くに扉のような物が見える

廊下には矢印が描かれ扉へ向かえと私を急かす

壁、床、天井に大量に描かれた矢印の色は全て黄色で

絡みあって複雑な模様のようだった

まっすぐ扉に向かって歩く

だが、歩いても扉は遠いままだ

少し速めに歩くが扉はまだ遠く

走っても扉までの距離が縮まることは無かった

「暑い、もう走れない」

暫く走ってみたが体力のない私はすぐに疲れてしまった

その後何度も走っては休むを繰り返したが扉まで辿り着けない

「もう無理疲れた」

疲れて休憩し後ろを振り返る

後ろにはすぐ近くに扉があった

「もうここでいいや」

「おしまい」

扉に手をかけ夢の中で意識を失った

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.99 )
日時: 2015/11/29 20:32
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)


はちじゅうよんこめ。


私はこの世界に依存してしまっているのかもしれないな

と、ラムネ色の海の中で考える

目を開いても痛くはない

呼吸は出来る

目の前を泳いでいく魚は全てビーズが編み込まれて作られていた

「今日もキラキラした夢だな」

一人で笑いながら手に持つ針を動かす

私が作っているのは「空気」だ

「空気」を刺繍で生み出している

まるで「カミサマ」になった気分だ

糸のついてない針を動かし目に見えない布に刺繍を施していく

この「空気」が完成すれば私以外の人もこの世界で生きられるだろうか

そう願いながら一針一針

手を動かす

目の前にもう一人居る事なんて気付かず

一針一針

縫っていく

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.100 )
日時: 2015/12/17 22:31
名前: 浅葱 游 ◆jRIrZoOLik (ID: 4xvA3DEa)


 こんばんは(ω)

 実は【小説紹介スレ】というものを始め、そこで此方の作品を紹介させていただきました。
 事前の確認無しで紹介してしまい、申し訳ありませんorz
 ちょっとやめてほしいな、ということがありましたら遠慮せず教えていただけると幸いです! 早急に対応させていただきます。

 浅葱は最近夢が見れなくて、あの幻想的な空間が恋しくてたまらないです笑
 こっちは雪が降りました、これからどんどん寒くなりますので、お体にはお気をつけくださいっ。

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.101 )
日時: 2016/01/06 19:08
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)

浅葱様

返事が遅くなり申し訳ありません(´・ω・`)
紹介していただけたと知りとても喜んでおります(`・ω・´)!!!嬉しいですありがとうございました(´;ω;`)

更新速度が遅いですがまたお暇なときにでも覗いていただけると嬉しいです。
浅葱さんも素敵な夢が見れますように!
そちらもお体にお気をつけください。本当にありがとうございました!


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