複雑・ファジー小説

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【今夜も】夢を綴る【いい夢を】
日時: 2012/08/24 01:10
名前: 空とぶくじら (ID: m.NeDO8r)



ぽちゃんと耳元で音がしたら

目を開けてごらん?


ほらそこは

君だけの世界

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.92 )
日時: 2014/09/06 10:39
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)


ななじゅうきゅうこめ。



手首から流れ落ちるこれは何だ

これは『愛』か

これは『幻』か

これは『命』か

そのどれでもないと私は考える

これは『嫌悪』だ

これは『不自然』だ

これは『歪』だ

手首から流れ出るそれはただひたすら溢れては

誰にも心配かけまいと消えてゆく

「要らないよそんな心遣いなんて」

苦虫でも噛み潰したような顔でそう言い放てば

流れ出ていたものは自分の中へと納まった

「お前なんてそうやって縛られてるのがお似合いだ」

また言葉を放てばそれはきれいに消えた

さて、後始末の時間だ

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.93 )
日時: 2015/08/26 11:39
名前: 空とぶくじら (ID: JEeSibFs)


はちじゅっこめ。



会いたいとどこからか聞こえた気がした

目の前に広がるのは先が見えないトンネル

足元にはガラスの歯車が無造作に置かれていて

私はそれを拾い上げて食べたんだ

サクサクとクッキーのような食感のそれは砂糖と蜂蜜と飴を一緒に食べたより甘くて

私は思わず

「甘ったるくて気持ち悪い」

と言ってしまった

トンネルの中に音が響き渡ると

遠くから返事が聞こえた

「それは私、それはあなた、それは現実」

どこかで聞いたことがあるその声は

目の前で形を作り「君」になった

さて

「君」といっしょに

トンネルを抜けようか

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.94 )
日時: 2015/10/02 10:56
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)


はちじゅういっこめ。



「嗚呼、またこの夢だ」

夢の中で目覚め私はまた昨日と同じ言葉を零す

目の前には遠くまで広がった刺繍糸で作られた草原

奥の糸は若々しい緑色で私の足元に来るにつれて青みを帯びた緑になっていた

正面にはまるで水墨画で描かれたような桜の大樹が神々しくそびえ立っている

最初の頃は綺麗な色だった桜も今では赤黒く錆びた色になっている

木の前には誰かが立っていて声も上げずに泣いていた

その「誰かさん」が零した涙が地面に触れるたび私は少し気持ち悪くなってしまう

「お願いだ、泣かないでくれ」

そう声をかけても小さい泣き声は止まず

私は今日もこうやってこの夢が終わるんだと思っていた

だが今日は違った

相手のことを見ながら一度だけゆっくりと瞬きをすると

「誰かさん」はその場から消え

足を誰かにつかまれ地面の中に引きずり込まれてしまった

刺繍糸の間をするすると抜け

辿り着いたのは何もない場所だった

どこを見ても白く、先ほどまであんなにあった刺繍糸の草原もなくなっていた

上を見ても下を見てもどこを見ても白い空間に混乱した

しばらく周りを見ていると「誰かさん」がこちらを向いて声を発した

「私はお前の声が好きだった」
「姿が好きだった」
「中身が好きだった」
「お前がどれだけ卑屈になろうと死にたいという言葉を述べようとも」
「私にはお前しかいないんだ」
「お前を愛しているんだ」
「時々怖がらせるようなことをして悪かった」
「もう私は、お前と私の区別がつかなくなってしまった」
「夢で逢う事がこれほどまでに嬉しいこととは思ってもみなかった」
「ありがとう」
「混乱させるようなことを言ってしまってすまない」
「私はいつも見ているよ」
「卑屈なお前を見ているよ」

述べられた言葉を聞いてやはりここは夢なんだなと思った

子供のように吠えるように泣きながらも「誰かさん」から目を逸らすことは決してなかった

「私もお前を愛しているよ」

そう言いたかったが涙が邪魔をし言葉が出ない

何もない空間、一人で涙をただ拭うだけだった

「さようなら私、明日も会えると嬉しい」

「誰かさん」は泣くのを堪えるように口元に手を当て言葉を放った

その言葉は矢となり弓となり

「誰かさん」を貫いた

その場で花火のような音が上がり地面に細かなビーズが散乱した

今夜もさよなら、誰かさん

おそらく明日は、違う夢

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.95 )
日時: 2015/10/04 23:45
名前: 浅葱 游 ◆jRIrZoOLik (ID: kXLxxwrM)


こんばんは、三年前おじゃまさせて頂いた柚子改め浅葱といいます。
読みは、あさぎとなってます。あさねぎでも大丈夫です。

自分自身小説書く時間が無く知ってる小説探していたところ見つけまして、
また昔のように身勝手なコメントを失礼します。

ともすれば短編のようで、詩のようでもある。
言葉の端々に灯るものを一読者如きが感じられるかと問われれば、否と思っていますが、
言葉それ単体がもつ力が、とても美しくきれいだと深く感じました。
とても素敵な夢を見られている方なのだなと、少々羨ましいです。笑

これから寒い時期が続きますが、お体壊しませんよう。
それでは、失礼いたしました。

Re: 【今夜も】夢を綴る【いい夢を】 ( No.96 )
日時: 2015/10/05 10:26
名前: 空とぶくじら (ID: 9yCTBNZC)


浅葱 游さん

こんばんは、そしてお久しぶりですあさぎさん。
身勝手なコメントではありませんコメントを頂くことが出来てとても嬉しいです( *´艸`)

そして感想の方が個人的に褒めちぎられてる感じだったので読んでからちょっと困惑してしまいましたw
ここまで評価されてもいいのだろうかとw
本当に感想ありがとうございました!

また少しずつ更新する気なので見ていただけると嬉しいです
浅葱さんも体調に気を付けてください(´・ω・`)


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