複雑・ファジー小説
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- 幽体な彼女とニートな俺
- 日時: 2013/06/26 23:28
- 名前: いっぽっぽ (ID: Z6SnwTyI)
初めての投稿ですので暖かい目で見てやってください。
思い付いたら何か書いていくので面白くなったらいいなって思ってます。
コメくれたらうれしいです(*´∇`*)
プロローグ
小さい頃は本気で小説家になろうとしていた、短編のドラゴンクエストもどきの話を家族や従兄弟に見せたりして喜んでいた、感想は覚えてないが今思えば、
『良くこんなにかけたね。』
みたいな内容に一切触れない感想だったと思う。
しかし長い文章を書くのに疲れた小さかった俺は書くのをやめてしまった、ここで自分の文章力のなさに気づいとけばよかったなーって今更ながら強く思う。
- Re: 幽体な彼女とニートな俺 ( No.13 )
- 日時: 2013/08/07 21:19
- 名前: いっぽっぽ (ID: PlCYIOtu)
コンビニで10秒飯を購入&吸飲後、ほどなくしてあの踏み切りに着いた、やっぱり寸分違わぬ所に彼女…小海は座っていた。
俺「えと、伊藤さん…」
彼女はゆっくりこっちを見た。
小海「小海でいいですよ。」
彼女は夕日をバックに笑顔でそう答えた、何となく彼女との距離が縮まった気がした…て言うか名前で呼びあう仲って相当いいんじゃない?コミュ障気味の俺にはよくわかりません。
小海「…どうしたんですか?ボーッとして。」
俺「あっいや、ちょっと考え事。」
よく考えたらあっちは敬語じゃん、やっぱあんまし仲良くないよね…はぁ。
俺「はぁ…。」
小海「大丈夫ですか?ため息したら幸せが逃げちゃいますよ?」
俺「…大丈夫だよ。」
俺としたことが心のため息が現実に出てしまったらしい、後、ため息したら幸せが逃げるんじゃなくて幸せが逃げたからため息つくんだよね。 今悟りました。
小海「えーと、遅れましたけど来てくれてありがとうございます。」
そう言って小海はペコリとお辞儀した。
俺「そうだな…じゃあこうしよう、俺は君の事を名前で呼び捨てにするから君も…小海も敬語はやめて欲しいと思ってみたり…。」
小海「……!」
何か凄く驚いているような…
俺「いやっ、あのっ、嫌なら別にいいし!」
やはりあってから間もないよく知らない男に呼び捨てはやっぱり嫌だったか、さっきは気を使ってくれたのか…と勝手に被害妄想してみる。
小海「あっ、いえ、そういうわけでは…」
俺「いいんだよ、わかってるから…俺が調子に乗っちゃったから気分がいしちゃったね…本当にごめん。」
小海「もうっ!違うって言ってるじゃないですか! ………むしろこっちがお願いしたいです(小声)。」
俺「無理しなくていいよ。」
相手の本心がちらっと聞こえた気がするけどかわいいのでからかってみたり、
小海「あーもうっ!むしろこっちがお願いしたいですっ!お願いしますっ!」
顔をこっちに向けて数歩近寄ってきながら叫んだ、…てか顔近すぎだって!
俺「お、おう…。」
小海「あっ…ごめんなさい、でもそんなに嫌がらなくても…。」
違うよ!照れてるんだよ!
そんなくだらないやり取りが数分続き、
俺「ふぅ…、で今日の本題に入るけど…」
小海「えっ、あ、はい…。」
急に真面目になったからなのか何か小海のテンションが下がったような…まあしょうがないと言うことで。
俺は神様が言ったことをほとんど洗いざらい話した、諦めろのところはもちろんはぶいて。
小海「そうですか、生き返れるのですか…。」
俺「だから常に暇な俺と一緒に無念を晴らそう!」
小海「あなた、…智洋さんとずっと一緒にいられるんですか。」
さっきの数分間で俺達の関係は俺は小海を呼び捨てに、小海は俺の事を智洋さんと呼ぶことになった、つまりまだ敬語である。
俺「おう、生き返るまでな!」
小海「生き返るまで…。」
俺「だから俺と一緒に…」
小海「わかりました、それじゃあこれから毎日一緒ですか?」
俺「そうなるな。」
俺が答えた瞬間、小海は表情を変えずに両の拳を力一杯ぎゅっと握った。…そんなに一人が嫌だったのか、成仏できそうなのがわかって嬉しいのか、まあ成仏する気があるならどっちでもいいや。
俺「今日はもう遅いし帰るけど、明日はなるべく早く来るから!」
小海「了解ですっ!」
気のせいか少しテンションが戻ったような…
俺「あと、ちなみにどれぐらい残ってる?おおざっぱに。」
小海「えと…後一週間と2時間です。」
忙しい一週間になりそうだなこれは…まあ暇だからいいけど。
俺「じゃあ明日、今日よりは早く来るよ。」
小海「はい、じゃあ明日…。」
小海は寂しげな笑顔で曲がり角で見えなくなるまで見送ってくれた。
- Re: 幽体な彼女とニートな俺 ( No.14 )
- 日時: 2013/08/08 09:54
- 名前: いっぽっぽ (ID: /qYuqRuj)
第7章 小海の気持ち
次の日、約束どうりに家を出発してコンビニと神社をスルーして踏み切りに着いた。
俺「おはよう。」
小海「あっ、智洋さんおはようございます。」
俺が挨拶したらわざわざ立ってから挨拶を返してくれた、それも満面の笑顔で、挨拶がちゃんとできる子らしい、そしてかわいい、いい子いい子してあげたい。
小海「今日はずいぶん早いですね、凄く嬉しいです!」
俺「本当?俺も嬉しいよ。」
勘違いしないで欲しいから言うけど、小海の嬉しいは孤独から開放されたということ、俺の嬉しいはかわいい子と知り合いだと言う実感を感じたということ、つまり、小海=純粋、俺=若干の変態、ということだ。 何か俺どんどん変態チックになってるような…
小海「ではどうしますか?」
俺「そうだな…まずは近くの公園のベンチで作戦会議しよう。」
小海「了解です。」
そういうことで俺達は近くの公園に移動してそこのベンチに二人で座った。 何か、気のせいかもしれないけど…近い、肩がぶつかるほどに近い、ベンチの幅は余裕なのに何故か近い。
俺「…何かさ、近くない?」
小海「あっそうなんですか?ごめんなさい、こういうの始めてなので、その、男性と二人で座ることが…だから距離感とかがわからなくて…。」
最後の方に近づくにつれてボリュームは小さくなっていった。 …んっ?始めて?
俺「えっ、あっ、ごめん。 その、小海ってかわいいからこういうこと慣れっこだとばかり…」
小海「ふふ、私がかわいいなんてジョークにもなりませんよ、でも冗談でもそう言ってくれて嬉しいです。」
全く嫌みに聞こえないおっとりとした声であり得ないことを言ってるよこの子、
俺「じゃあ、男の子と付き合ったことないの?」
恐る恐る聞いてみた。
小海「恥ずかしながら…私なんかがその、男性とお付き合いなんて申し訳ないと思って…」
俺「じゃ、じゃあ、告られたことは?」
小海「それは何故か何回かあるのですが、全て丁重にお断りしました。」
無念っ!○○中の男子達!と心の底からそう思い心の中でも手を合わせて南無と唱えてみた。
俺「南無…!」
小海「あの…なにやってるんですか?」
俺「気にするべからず!」
そういえばこの子は自殺したんだっけ…こんなに恵まれているのにどうしてだろう?と気になった。 まあどうせ聞かなきゃいけないんだし、よかれと思って聞いてみたり。
俺「じゃあ作戦会議だけどさ…」
小海「あっはいっ。」
俺「昨日言ったことまだ覚えてるよね?」
小海「もちろんです。」
俺「じゃあさ、まずは、その、聞きにくいんだけど…」
小海「…はい。」
俺「自殺した理由を話してほしい。」
小海「………。」
俺「嫌だったらいいけど、生き返りたいんだろ?」
小海「………。」
俺「だったら…」
小海「…ないです。」
俺「えっ?」
小海「わたし、別に生き返りたくないです。」
俺「…どうして?」
このときの俺はとてもアホみたいな顔だったに違いない。
小海「それは…智洋さんには話したくないです…。」
言っとくけどめちゃむずよ?という神様の言葉を俺は無意識に思い出していた。
俺「じゃあ何で昨日…」
小海「智洋さんだったら…、ううん、智洋さんと残された時間を過ごしたいと思ったからです。」
俺「…。」
俺は唖然とした。 世の中に本当に生きたくない人がいるなんて…
俺「…でも、なんで俺なわけ?」
小海「…それは、その、なんと言いますか…、ひ」
俺「…ひ?」
小海「一目惚れというやつです。」
…ウソだ、絶対にウソだ。 何故わかるって? 誰でもわかるよ、視線が言葉通り泳いでるからね。
俺「じゃあその俺と一緒になにしたいの?」
小海「わたしは生前厳しい家で育ったのでいろんな事ができませんでした、だからとにかく遊びたいです。」
俺「でも…、でもこのままじゃ小海は地獄に行っちゃうんだよ!? 本当にそれでいいの?」
小海は少し驚いてから
小海「智洋さんはどうしてわたしなんかに…?」
俺「そんなの小海の事が好きだからに決まってるじゃん。」
小海「えっ…えっー!?」
俺「あと、一週間でお別れなんて寂しすぎるだろ?」
小海「えっ、あっ、はい、でも、あの好きって?」
俺「小海は俺にとってもう…」
小海「もう…?」
俺はしばし考えてから
俺「小海は俺にとってもう大切な友達だ、だから絶対に俺が助ける。」
小海「はいっ?」
俺「小海は俺にとってもう大切な友達だ、だから絶対に俺が助ける!」
小海「そうですよね…」
俺「んっ?」
声が小さくてよく聞こえなかった。
小海「いえっ、こっちの問題ですのでお気になさらず。」
俺「…? まあ気にするなって言うなら別にいいけど…」
小海「そんなことよりわたし、気が変わりました!」
俺「本当!?」
小海「はいっ、だから…」
俺「うん…。」
小海「だから…、わたしが自殺した経緯を話します。」
俺「ありがとう、ごめん。」
小海「なんで謝るんですか?変な智洋さん。」
軽く微笑む彼女の眼からは確かな勇気と決断が感じられた。
- Re: 幽体な彼女とニートな俺 ( No.15 )
- 日時: 2013/08/09 12:38
- 名前: いっぽっぽ (ID: 07JeHVNw)
小海は俺に言いたくないであろう事を懇切丁寧に教えてくれた。
小海「これでわたしの話はおしまいです…。」
凄く細かく説明してくれた、もう何回も思い出していたのだろう、よっぽど後悔しているんだな…。 やっぱり俺とは多少違ったけど大体は一緒の理由だった、いじめというのは本当にどこでも起きるものだな…と悲しくなった。
俺「小海は強いな。」
小海「そんなこと…」
俺「俺もいじめで高卒したんだ…。」
小海「えっ…、なんで智洋さんが…」
俺「俺は昔から小説家になりたかったんだ、だから高校でネット小説に投稿していたんだよ。」
小海「そんなのわたしのクラスにも…」
俺「そう、恥ずかしい事かもしれないけど別に気にするほどではなかったんだ、だけどさ俺は少しコミュ障だったんだよ、なのにその小説にバレないと思ってペンネームを本名のもじりにしたり登場人物なんてクラスの人の苗字と名前をごっちゃにしただけだったから見つかってからすぐにバレちゃったんだよ…バレてから開き直れば良かったんだけど俺コミュ障だからちょっとキレちゃってさ、次の日から無視とかが当たり前になって学校がつまらなくなってやめたんだ…。」
小海「そんな…なんで。」
俺「さあ、これでお会い子だよな?」
俺は全力の優しさを込めてそう言った。
小海「智洋さん…、ありがとうございます、ありがとう…ござ…うぅ、ひっく、うぁぁーーーん!!」
彼女はその小ささに似合わず色々溜め込み過ぎていたらしいからここで全部吐き出させることにした。
…しばらくして溜まってた物が全部抜けたらしく小海はまだ涙目ながら泣き止んだ。
俺「全部抜けた?」
小海「はい、…うぅ、みっともないところを…。」
俺「そう?年相応でかわいいと思ったけどなー。」
小海「もう…からかわないでください!」
俺「あはは、ごめん、ごめん。」
小海「…もう、ちっとも反省してませんね?」
こんな軽いやり取りはここ最近はご無沙汰してたので嬉しかった。 そして絶対にこの子を助けよう、いっそう強く思い直した。
- Re: 幽体な彼女とニートな俺 ( No.16 )
- 日時: 2013/08/10 11:20
- 名前: いっぽっぽ (ID: TaF97fNV)
俺「…まとめて悪いけど、小海の無念は友達や親と仲直りすることなの?」
小海「…多分。」
多分て…
俺「他にもあるの?」
小海「いえ、でもなんか引っ掛かるような…。」
俺「そう…でもまあまずは仲直りすることを優先しよう、大丈夫、そのうちその引っ掛かりも解けるよ。」
こういうときは焦らない事が大切、じっくりゆっくり少しずつ、あとは時間に任せるさ。
小海「…そうですよね、ではよろしくお願いします!」
そう言ってペコリとお辞儀をした、でもなんかまだ固いよな…。
俺「もっとさ、なんというか…そんなに固くなくていいよ。」
小海「固い?」
俺「例えば友達に頼みごとをするときにいちいちお辞儀なんてしないだろ?」
小海「はい、えと、でも…」
俺「年なんて関係ないよ、もう友達だろ?」
小海「でも…」
俺「怒ってるわけじゃないんだ、俺は小海とその…もっと仲良くなりたいんだ。」
小海「…固いと仲良くなれないんですか?」
よっぽどためらいがあるのだろう、このやり取り以前からわかっていたけど小海は厳しい家で育ったからか少しコミュ障っぽい。
俺「そんなことはないけど…なりにくいというか、時間がかかるというか、とにかくもう少し友達っぽくなってほしいな。」
小海「友達っぽく…。」
これで少しは変わるかな、とりあえず今はこれでいいか。
俺「さて、じゃあまずはどうしますか?」
小海「あっはいっ、えと…どうしましょうか?」
まあそりゃそうか、わかってれば生前にやっている。
俺「とりあえずどっちの問題から解決したい?」
小海「…どっちかというと恭子のほうからがいいです、あっちはわたしも悪かったなって思うので…。」
これはお父さんの方は難航しそうだ…、と密かにそう思ったのはないしょ。
俺「今日はその恭子ちゃんは学校?」
小海「学校だと思います。」
そうすると今の時間的に…そう思ったら正午の鐘が鳴り響いた。
俺「そういえばもうお昼か、確かに腹減ってきたな。」
小海「なにか買いに行きます?それとも…帰ります?」
財産的に帰りたいところだが…小海さんの目がそうしてほしくないと無言の抗議を続けているので難しいと。
俺「…コンビニで何か買ってくるよ、5分だけ行ってくる。」
小海「わかりました! あの…」
俺「んっ?」
小海「…すぐに帰ってきてくださいね?」
俺「…もちろん。」
さっきのが少しは小海を変えてくれたらしいな、いい意味で。
5分後。
俺「はぁはぁ…た、ただいま…。」
小海「わぁー凄い!ぴったり5分ですよ!」
俺「よ、良かった…はは。」
俺はひきつった笑みをこぼしながらなんとか返事を返せた、…さすがに5分はキツすぎた…あの定員動作遅いっ!
小海「どうしたんですか?早くしないと冷めますよ?」
俺「わかってるよ…。」
俺が買ってきたのは焼き肉弁当、正直もう食欲など疲労感で吹き飛んでいる。 おにぎりかパンにすれば良かった…俺のバカ!変な見栄はって高いボリュームたっぷりの弁当なんか買って、小海はそんなの気にするはずがないがないのに…!
小海「へぇー、てっきりおにぎりとパンだけで済ますのかと思ってました、智洋さんは結構ガッツリいくタイプなんですね。」
気にされてたー!
俺「あっ…。」
小海「どうしました?」
俺「…いや、なんでも。」
久しぶり激しい運動のあと俺は致命的なミスをおかしてしまった、まさか飲み物買い忘れるなんて…!
俺「…とりあえず食うか。」
そう言って俺はパクパク食べ始めた。
小海「(ジー)」
俺「…。」
小海「(ジー)」
俺「……。」
気まずい!とても気まずい!小海のも買ってくれば良かったのか?でも幽霊が食べ物食べると思うか?ふつう。
小海「(ジー)」
俺「…食べる?」
小海「えっ!いいんですか!?」
俺「う、うん…。」
小海「わぁ、わたし友達から食べ物わけてもらうの密かに夢だったんですよー♪」
さらりと寂しいことを!?
俺「そ、そうなんだ…なんだったら全部食べていいよ?」
小海「えっいいんですか?じゃあお言葉に甘えて…いただきますっ!」
食いしん坊だな…でも年相応でかわいいから許すか。 この思考の間にもう小海の両ほっぺはパンパンに膨らんでいた。
小海「あっ…」
俺「どうしたの?」
小海「おんなうぃはひふかっはった…(おんなじ箸使っちゃった…)」
俺「えっ?なんだって?」
小海「いいえ、なんへもあひまへん。(いいえ、なんでもありません。)」
よっぽど嬉しいのかたっぷり膨らんだ頬を真っ赤に染めている、いつもの礼儀作法はどこへやら…何度も言うけどかわいいから許すけどね。
そんな慌ただしい昼食を終え俺たちはようやく行動に移った。
- Re: 幽体な彼女とニートな俺 ( No.17 )
- 日時: 2013/08/10 11:16
- 名前: いっぽっぽ (ID: FMSqraAH)
俺「俺達の最大の問題点は恭子ちゃんが小海を見れないということだ。」
小海「ふむ。」
俺「つまり俺がコンタクトをとる必要がある。」
小海「ふむふむ。」
俺「しかし俺は恭子ちゃんのことなど知らないしそれは相手もおなじはずだ。」
小海「ふむー。」
俺「だからどうやるか二人で話し合おう。」
小海「ふむむ。」
さっきから小海の返答がなんか適当なような…。
俺「さすがにいきなり俺が行ったらな…。」
小海「大丈夫です。」
俺「おっ!なんかいい案が浮かんだ?」
小海「智洋さんなら初見でもOK!」
そう言って小海は真顔で俺の顔の前に2つの親指を立てた。
俺「…はっ!い、いやいや!それはもう俺達が知り合いだからでしょ!?」
小海「そうですかね?ふむー。」
もしかすると、いや絶対にこの子…極度の天然さんか極度のおバカさんに違いない!
小海「じゃあわたしが恭子に言いたいことをあらかじめ紙に書いておいてそれを渡すってのはどうですか?」
まともキター!!
俺「そ、そうだね、うん、完璧だよ!」
俺は小海の頭を撫でながらこう思った。
…天然さんの方だったか。…と。
俺「じゃあ手紙と書くものがいるな…買ってくるけどなんか注文ある?」
小海「それではペンはクルトガか筆ペンを、便箋はくまちゃん柄でお願いします。」
悪い意味で遠慮なくなったな…そのお陰で俺の財布の紐の緩いこと緩いこと。
俺「じゃあ行ってきます…。」
小海「それではお願いしますねー。」
そうして俺はコンビニにたどり着いた訳だが…。俺はコンビニで今日最大の勇気を振り絞っていた。
俺「あの…。」
定員「なんでしょーか?」
相変わらず気だるそうな奴め!
俺「あ、あの…くまちゃん柄の便箋ってあります?」
言ってやった!言ってやったぜ!この勝負貰った!と心のなかでガッツポーズをきめていたら、
定員「…は?」
聞き返さないでーーーー!!!ヤバイ死にたい!今すぐに!
俺「だから、その、くまちゃん柄の便箋ってあります?」
定員「…ないです。」
しかもないー!更に!俺は致命的なミスをおかしてしまった!このコンビニでクルトガを(筆ペンの方が高かった)買わなくてはいけないんだったー!
…そうして俺は無事?にクルトガとくまちゃん柄の便箋を手に入れた、…精神力がとてもすり減ってしまったことを除けば。
今思えばわざわざ定員に聞くことなかったんじゃね?と思う。
小海「ずいぶん時間がかかりましたね。」
お前の注文が細かいせいだろ!って言ってやる!
俺「〜〜〜〜〜!」
しかし俺の口はバカみたいにパクパクするだけで言葉はでなかった。
小海「ではブツを下さい。」
もはやしゃべる気力も失せた俺は無言でブツが入った袋をなげやりに渡したのだった。