複雑・ファジー小説
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- 古の秘宝-All of Starting-【お知らせ】
- 日時: 2015/03/23 16:11
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
-PROLOGUEⅠ-
全ての始まりは未来、2060年4月1日のこと。
未だ途絶えぬエイプリルフールの風習に因み、とある人物が嘘をついた。
「明日、日本が混乱に陥るんだってさ」
◇ ◇ ◇
—ごあいさつ—
壁|≡( ^∀^)<ふっかああああぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!(?)
どうも、奇跡的に両手の自由が利くようになったキコリでございます。
この度はもう、過去の事なんか一切彼方へと葬ってリニューアルいたしました←
リハビリ? 知らんがな! 僕にはもうリハビリなんて必要ないさね!(黙
ま、まあ初めましての方々も、他見知った方々も、改めて今後ともよろしくお願いします。
物語的に4月から書こうかと迷いましたが、何となく気が向いて投稿しました。
此度のお話の内容は、相も変わらず厨(ピーッ)……ではなくて能力系のファンタジーっぽい小説です。
オリキャラもそのうち募集する予定ですので、その時はまたよろしくお願いします。
—ルール—※必ず目を通し、厳守してください。
・荒らし、宣伝、中傷的なコメントは通報の対象となります。見かけてもスルーを心がけてください。
・更新速度はまちまちです。基本は土日や祝日の更新となります。
・オリキャラ等応募する際は、注意事項を守ってください。
・作者のPCの性能上、レス数が多くなると(凡そ50以降)重くなりますので、レス数が50を越えはじめたら新たなスレッドを作成する場合がありますので、ご留意をお願いします。
—お知らせ—※随時更新
・重要なお知らせがあります>>41
—コメント返信ページ—
お客様へのコメントの返信は、以下のレス番号にてまとめて行います。
第1ページ>>3
—キャラ関連—
キャラの募集を開始しました(テンプレートは>>8にて)
キャラ紹介>>21
※本編未読者ネタバレあり
—目次—
PROLOGUEⅠ〜一つの嘘〜>>0
PROLOGUEⅡ〜殺し殺され〜>>1
ChapterⅠ〜能力者〜
EpisodeⅠ〜よぎる暗雲〜
>>4 >>5 >>6 >>7
EpisodeⅡ〜動き出す者たち〜
>>16 >>17 >>18 >>20 >>23 >>25 >>27 >>28 >>36 >>37 >>40
- Re: 古の秘宝-LIFE≠00- ( No.1 )
- 日時: 2015/03/06 19:21
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
夜。星を携えた月が、夜空の天辺へと登ろうとしている頃のこと。
田舎。山と田畑以外に何も見当たらない辺境の地にて。
一人の少女が一人の男性と、地面に倒れ伏す女二人を挟んで相対していた。
「警告はしたからね。もーウチ知らんで?」
青白い月明かりに照らされ、猫目のように輝く金の瞳。
田舎の自然を象徴するような、柔らかな若草色の短髪。
細く華奢な身体を彩る、陶器のように白い肌。
少女が持つこれらの容姿は、普段見ている分には端麗なものだが、この時ばかりはそうでもなかった。
少なくとも、彼女と相対する大柄な男にとっては、込み上げる恐怖を更に引き立てる要因以外に他ならない。
「……俺を、殺すのか……餓鬼」
腹の底に響くような低くて重たい声色は、間違いなく。身体と共鳴するかの如く、大きく震えている。
震えという要因は、発している男の覇気を幾らか下げていた。
「ウチは餓鬼やない言うてるやん! このアホが、何べん言えば分かるんや!」
震えにより覇気が低下しているとはいえ、それが発されていることに変わりはない。
だが少女の威勢はとても良く、臆することなく侮辱の言葉を口にした。
逆に威勢に押されてか、男は黙り込んでしまった。
「……話、戻すけど」
やがて少女が気を取り直したのは、男が黙ってから数十秒が経過した後。
ゆっくりと息を吸い、見惚れるような唇を動かすのと同時に、夏独特の生温い風が吹いた。
「ウチはアンタを殺さない。でも、他の人たちがどうするかは分からんよ」
「……仕方のない事でさえ、許されないのか」
男の視線が下がり、未だ熱気を持つアスファルトに向く。
黒いフードから覗いている金の短髪が風に揺れ、黒い瞳からは悲哀さえ感じられ、しかし口角は若干持ち上がっている。
諦めと無駄の中でつくられた悲壮な姿勢は、僅かに少女の胸を痛めつけた。
「せやね……確かにアンタは悪くない。けどウチじゃ何も出来ないんよ。死くらいは覚悟せんとね」
倒れている女性二人は、全く以って微動だにしない。
身体も、夏だというのに冷たくなっている。つまりは、死んでいるのだ。
そんな死体二つを跨ぎながら、少女は懐から取り出した刃物を右手に握り、男の傍へと歩み寄った。
握った刃物の刃部は波打っていて、刀身そのものには複数の穴が開いているという、明らかな殺人用の刃物である。
月明かりに照らされ、鮮やかな銀色に輝くその刃物を認めるなり、男は少し身構えた。
「こんなこと仕出かしたが最後、いずれアンタは誰かに殺される」
「だから何だ」
「せやから、悔しいんよ。アンタが他の誰かに殺されるのが」
少女が継げた言葉は、遠まわしに自分が殺すと言っている——男はそう解釈する。
しかし、すぐに後悔した。解釈してしまったことに対して。
お陰で死に対する恐怖感が、今まで以上に強烈なものへと変貌。震えが更に強くなったのである。
今までも死に対する覚悟や恐怖は身を以って感じてきたが、今ほど強い恐怖感は感じたことがなかった。
「せめて、ウチに殺させて。苦しむのは一瞬で済むから。死んだらもう、アンタは苦しまなくてもええんやで……?」