複雑・ファジー小説

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霊能御柱 -タマノミハシラ-
日時: 2016/06/25 21:21
名前: かたるseeds (ID: LN5K1jog)

【はじめに】
こんにちばんは、この合作の企画主であるかたるしすです。

今回は、集まってくれた有志と共に、リレー小説を書くことになりました!
私にはもったいないほどのメンバーの皆さんですが、負けないよう頑張っていきたいと思います。


【メンバー】
01.かたるしす
02.凜太郎
03 凡丙
04.mocha
05.悠真


【メンバーから一言】
(mocha)
mochaです。初の合作です。どころか、初の小説投稿です。こんな奴が皆さんと合作やってていいんだろうか((とか言ってもしょうがないので、頑張ります。...一言に収まってねえなコレ...そしてつまらん←

(悠真)
 えーと、はい、悠真でございます。ゆうまと読みます。つたない文章ではありますが、精いっぱい頑張りますので、どうか温かい目で見守っていただけたらなと思います。

(凛太郎)
はい、初めましてか何度目まして!梅雨の大雨でビショビショになった凛ちゃんです☆まぁ、テンションに任せて指を動かし文字を打っていくので、どんな話になるのかは僕もあまり分かりませんが、生温かい目で見てくれれば幸いです。それでは、よろしくお願いします。


【目次】(随時更新)


※attention!!※

この小説は、エログロナンセンスのほぼ全てを含むと思われます!
苦手な方はご注意下さい。

Re: 霊能御柱 -タマノミハシラ- ( No.11 )
日時: 2016/07/05 16:19
名前: 凛太郎 (ID: CzRhDmzb)

「いま明らかにしないといけないのは、僕らが今どんな状況に置かれているのか——そしてこれからどう行動するのか、だ」

 秋彦の言葉で、先ほどまで室内に充満していた楽しさとかの空気は一変し、冷たいような、張り詰めたような空気に変わる。
 千翔だけはそれに気づいていない様子で、きょとんとしている。

「とりあえず、飲み物・・・・・・持ってくるよ。そろそろ喉乾いただろうし」

 氷空はそう言って立ち上がり、台所に向かう。
 氷空がいなくなり退屈になったのか、千翔は秋彦の膝に座り、秋彦の顔をじーっと眺めている。

「ずっと閉じてて変な目〜」

 しばらく見つめた千翔は、そう言うと秋彦の目をこじ開けようと小さな手で瞼を上に引っ張り始める。
 しかし、秋彦の瞼には接着剤でも付いているのか、何度引っ張っても開かない。
 景地と早苗はそれを見て、苦笑した。
 しばらくして、氷空がコップなどが乗ったトレーを持ってくる。

「何が好きかとか知らないので、とりあえず家に一番多かった紅茶を。千翔は紅茶嫌いだから、ジュースね」

 そう言ってオレンジジュースのようなものが入ったペットボトルをテーブルに置き、続いてガラスコップを置く。それから、オレンジジュースのふたを開け、コップに注ぎ、千翔に渡した。
 秋彦の目で遊んでいた千翔はそれに気づき、秋彦の膝の上で体を回転させ、コップを受け取りごくごくと飲み始めた。
 氷空はそれを見送るなり、紅茶をティーカップのようなものに注ぎ始める。
 一杯注いだ後で、秋彦が口を開く。

「二杯目を入れる前に・・・・・・霜月君。ちょっと、それを飲んでみてくれないかな?」

 優しい声の裏に、何か、冷たいものを感じるような声。
 それを聞いた氷空の眉が、微かにピクリと、動く。

「あぁ、ごめんごめん。深い意味はないんだ。ただ・・・・・・僕は君たちが敵である可能性を考慮していてね」
「なっ!秋彦は氷空たちのこと疑ってるのかよ!」

 秋彦の言葉にカッとなった景地は、ガタッと音を立てて立ち上がり、反論する。

「景地君。今は、怒るときじゃないよ」

 それを早苗が宥めるように言った。
 その中で、千翔だけは状況が読めていない様子で、その光景を眺めていた。
 秋彦はそんな千翔を下ろすと足を組んで、膝の辺りで指を絡ませ、「そうだよ」と答えた。

「大体、僕からすれば、いきなりこんな妙な場所に飛ばされて、そこでちょっと助けてもらっただけの彼らを信用できる神経が、理解できない」
「そりゃ、そうかもしれねぇけど・・・・・・」
「秋彦さんの言うことは正しいよ。別に、紅茶を飲むくらいは全然かまわないし」

 氷空はそう言いつつ、紅茶をすすって見せた。
 秋彦はそれを見届けると、にっこりと能面のような笑顔を浮かべた。

「ごめんね。こんなこと言って。ただ、まだ僕は完全に君たちを信用し切ってないから」
「えぇ。それはお互いさまですから」

 笑顔で言い合う二人。
 張り詰めた空気のどこかに、亀裂が入るような音が聞こえた。

Re: 霊能御柱 -タマノミハシラ- ( No.12 )
日時: 2016/07/08 04:19
名前: 凡丙 (ID: KY1ouKtv)

「——あ、あのさ! ここって結局どこなんだよ?!」

その空気に耐え兼ねたのか、慌てたように景地が口を開いた。
あまりこういう辛気臭い場面は好きではないのだ。
とにもかくにも訊いておくべきことは早めに訊いておいたほうがいい。
秋彦のように物事を整理するのは得意ではないが、
思いつきざまにどんどん言っていきその都度相手の返信を窺ったほうが景地にとっては色々と理解がしやすいのだ。

「日本、じゃねえよな。でも日本、のような気も……。さっき外を見た感じ、わりとそれっぽい気もするんだけど……建物の雰囲気とか」
「ここが何処、ね……」

氷空と名乗った少女改め少年は秋彦から一旦目を逸らし、軽く目を伏せる。
どうやら次に発する言葉を吟味しているようだ。
外見は幼いが、どこか大人びた空気の漂う少年。
軽口も叩くが、基本的に問答は慎重に行うタイプのようである。

「まずそっちが知りたい情報がどういう感じなのかはっきり分かんないんだけどさ……ここは“トヨアシハラ・ミズホ”っていう国で、少なくとも君たちが住んでる国とは、多分違うと思う」

「トヨアシハラ……? やっぱ、日本、じゃねえのか?」

「ニホン……? どこかで聞いたことがあるけど……違うよ。残念だったね」

聞いたことのない単語に一同は困惑した表情を浮かべるしかなかった。
とはいえ、嘘みたいな状況から出発したたため、正直その単語にそれ以上突っ込む気にもなれなかった。
まず相手が嘘を言っているかどうかすらも判別がつかない。
どこまでが本当でどこまで嘘なのか、整理するにはもう少し詳しく知る必要がある。

「じゃあさ、完全に外国ってことだろ!? 何で日本語しゃべれてんだよ」

「それはこっちもそっくり思ったことなんだけど」

「日系の人が住む地域に輸送されたっつーか拉致られたんじゃねえだろうな、俺達! なんかその、人口的な問題で!?」

「違うと思うけど。あんなダイナミックな拉致の仕方、ド三流でもしないんじゃない」

頭が混乱してくる。
景地は尚更だった。もともとあまり整理して思考するのは得意ではない。
対して氷空は一切呼吸を乱しておらず、冷静だ。

「仮に君が言っているように、ここが僕達の出身国の中でもなく、かつ知っている国でもないとして、それを証明できるようなもの、あるいは場所は知っているかい?」

今度は再び秋彦が率先して口を開いた。
一方で、話し合いをする前に、一発目の返答でもはや整理が追いつかなくなって「えーとうーんと」と唸るまま二の句が継げなくなってしまった景地。
近くで椅子に座っている早苗も不安げな表情のまま皆の顔色を窺いつつも、会話に参加しようとはしない。
実際出来ないのだ。
いざ面と向かってみると、何を確認すればいいのか分からなくなってしまう。そもそもが現状、意味が分からない状況なのだから。

「市街地まで行けば役所はあるし、資料館だってありますから、戸籍情報や地名を確認するなり何なりすれば大体は予想が付くんじゃないでしょうか。いろいろとリサーチできる方法はあると思いますよ」

再び返ってきた冷静な応え。
氷空は静かに目を閉じながら紅茶などをすすっている。
秋彦も相当だが、こちらはさらに態度に余裕がある。


「なるほど——。じゃあもう少し、幾つか質問させてもらうよ。
———僕達は、恐らく君たちの目からは、空から降ってきた物体の中から出てきた異星人のような存在だと推測するんだけど……その認識は正しい?」

「大体当たってますかね。そんな感じです」

「ビックリしたよねー」

即答する氷空と、ピクニックに来た小学生のように相槌を入れる千翔。

「その時の状況って、何か直前の異変みたいなものはあったかな? それとも気が付いたら急に目の前の空間に物体が落下して、そこから“僕達”が現れたのかい」

「空が思いっきり、光ったんですよ。それで、不幸中の幸いか、落下の衝撃でもあの乗り物は爆発しなかったから、その隙に貴方達を助けた、というわけです」

「ふむ………」

秋彦は思考する。
嘘は言っていない様子だ、と。
確信ではないが、短い問答の中でこの氷空という子は冷静さの中で僅かな駆け引きを行う能力を持っているとは思ったが、それ以上に実直な子なのだと予測できた。
だからこそ、光と共に自分達が急に現れたという話に嘆息すると共に一つ整理がつく。
つまり、自分たちの途中の記憶がなくなったから急に知らない場所にいると思い込んでいるといった都合のいい話でもないということだけは分かったのだ。

「次は僕から質問いいでしょうか。————此処に来るまで、貴方達は一体どこで何をしてどんな風に——」


紅茶を一通り飲み終わり、
コップをテーブルに置いた氷空が一息をついて閉じていた目を開いた途端。

紛れもない第三者の声が空間に響く。


『おーい! 氷空! いるんだろう。少し手を貸してくれ』


家のドアが思いっきりノック、否、叩かれていた。

「また………? まさか」

『来月にさ、美津子が“あっち”行くから送別会開こうぜって話になってさ! でもあれから連絡ねえんだよ……ちょっと一緒に家に来てくれねえか!』

Re: 霊能御柱 -タマノミハシラ- ( No.13 )
日時: 2016/07/12 21:01
名前: mocha (ID: bUOIFFcu)

氷空は、うんざりしたようにひとつ息をついて、「ごめん、ちょっと待ってて」と景地たちに言い、扉の方に向かった。

その第三者は、口調からして男のものだろう。氷空と違って声もそれなりに低いので、おそらく間違いない。話しかけ方からするに、それなりに親しい相手のようだ。とすれば、やりようによっては、その人から氷空やチカに関する情報が得られるかもしれないし、この世界についての情報も増えるかもしれない———

「あの...秋彦さん?」

———と、秋彦がそこまで考えたところで、声がかかった。
早苗だ。

「ああ、何?」
「その、考え事してるみたいだったから、どうしたのかなって。あと、なにかぶつぶつ言ってたし...」

どうも秋彦には、考えていることが口に出る癖があるようで、今回もぶつぶつと喋ってしまっていたらしい。それが近くに座っていた早苗に聞こえたようだ。ちなみに、少しだが離れたソファに座っている景地は、特に何も考えず氷空を待っている感じだったので、自分の独り言は聞かれていないと秋彦は判断する。
早苗に変に心配かけてもな、と思い、秋彦は早苗に微笑みかける。

「いや、何でもないよ。ちょっとしたことだから」
「わかった」

早苗はにこっと柔らかい笑みを見せ、その後は特に何も言わず、氷空を待つことに決めたようだった。

と、その時。

「むぅー、つまんないなぁっ」

チカがそんな声をあげた。ちなみにジュースのコップはもう空だ。
どうやらこの子は、見た目相応に中身も子供らしい。少しの時間でもじっとしてられないのか、客が来ているのに何もしていない今の状況が本人も言った通りつまらないのか、バッと立ち上がってうろうろしだした。いちいち行動がオーバーなのも子供っぽい。

チカは、景地のところに行っては秋彦のところに行って、かと思えば近くにいる早苗の顔を覗き込んだり、また秋彦の目を開けようとしてみたり、「うーん」とか「あっ!」とか言いながらひとりで楽しんでいる。景地はチカが来るたびに「うぉ!?」とか言っているが、早苗は顔を赤くはすれど、人見知りを発動して何も言えていなかった。

秋彦としては、この少女も疑っていたフシがあるので、特に反応も返さず観察する(目をもてあそばれながら)。なんかそういう感じの小難しい演技は出来なさそうだとは思うが、それすら演技である可能性も捨てられない。

なんて秋彦が考えだした矢先。

「あっ、氷空お姉ちゃんっ!何だったの?...あれぇ、隆もいる!」

氷空が帰ってきた。
後ろに、真っ黄色の髪の少年を連れて。

***

「おー、氷空。さっきも言ったけど、美津子が「あっち」行くんだってよ。で、送別会開くって言ってたんだけど、まだ連絡なくてさ...だから、美津子の家まで一緒に来てくれねえか?」

氷空が玄関先に出向くと、そこには黄色い髪の少年がいた。

Re: 霊能御柱 -タマノミハシラ- ( No.14 )
日時: 2016/08/10 16:48
名前: 悠真 ◆y/0mih5ccU (ID: hVBIzJAn)

 氷空と同じか少し上くらいの年齢の少年は目の前のドアが開いたのが分かると同時に口を開いた。用件を伝え終わると、彼は人に好かれそうな表情でニッと笑って見せる。

「……送別会? 美津子さんから連絡がないのは確かにちょっと気になるけど……別にそこまでする必要はないんじゃないの? 予定を変えたとか、そういうことがあるのかもしれないし。それに……ほら、隆が来ないほうがいいとか思われてるのかもよ」
「ちょ、さすがにそれはひでえだろ。俺、なんかやったか?」

 氷空がため息交じりに言うと、相手は目立つ黄色を揺らして大げさに落ち込んだ仕草をする。氷空は彼を嫌っているわけではないのだが、面倒ごとを抱えているときにさらに面倒ごとを増やされたら、嫌みの一つも言ってやりたくなるものだ。

「まあ、安心してよ。もし本当にそうだったらそもそも隆を誘ったりしないだろうから。……で、連絡が来ないってことだけど、隆のほうからは何もしてないんだよね?」

 話を進めるべく氷空が確認すると、隆は頷いて、だから一緒に行こうと思って声をかけに来た、と言う。わざわざ自分を呼ばなくても一人で行けばいいのに、と思っても口には出さない。

「氷空は頭いいから、万が一の時にいたらいいかと思ってさ。もしかしたら美津子がぶっ倒れてるとか、そんなんだったらどうしていいかわかんねえし」
「それは可能性の低いもしかしたらだと思うけど」

 そう呟いてから、氷空は口をつぐんで家の中にいる四人について思考をめぐらす。

(チカは……まあ好きにさせるとして、問題はあの三人だな。そう悪い人たちではないようだけど……)

 氷空の頭の中に、秋彦と名乗った糸目の青年が浮かび上がる。冷静な思考、作られた笑顔、探るような言葉。裏側に冷酷さを含んだ声は、氷空たちを決して信用などしていなかった。

(……あの人がどう動くか、かな。相手があんな様子だと、僕としても警戒を解くわけにはいかない)

 小さく息を吐きだして、氷空は目の前の少年に向けて口を開いた。

「……今はお客さんが来てるんだよ。彼らも一緒に行っていいなら、考えてあげるけど。……どっちにしても、ちょっと話してきてもいいかな」
「おー、いいと思うぜ。ついでに俺もそいつらに合わせてくれねえ?」
「いいけど……。なんで?」

 隆は相手がどんな人間かを気にするタイプではない。たいていの人とは会話に困らないくらい、彼は好かれやすいのだ。てっきり話が終わるまでここで待っているものだと思っていた氷空は、首を少しだけ傾ける。

「いや、氷空ってチカくらいしか家に上げることないからさ、どんな奴が来てんのかなーって」
「確かにチカがいることは多いけど、別に他の人を上げないわけじゃないよ」

 隆の言葉でここ最近は千翔以外を家に上げていないということに気付き、頭痛に似た感覚に襲われる。ため息をついて家に入ると、氷空の頭を悩ませる元凶である千翔が声を上げた。

「あっ、氷空お姉ちゃん! 何だったの? ……あれぇ、隆もいる!」

 千翔のいる位置から彼女が秋彦にじゃれついていたのが分かり、氷空はもう一度ため息をつかずにはいられなかった。

Re: 霊能御柱 -タマノミハシラ- ( No.15 )
日時: 2016/08/12 17:47
名前: 凜太郎 (ID: LN5K1jog)

「……千翔。お前、秋彦さんに何やってたんだ?」

 氷空が聞くと、千翔はむーっとした様子で氷空の元まで歩いていく。

「あのねっ!あの、秋彦兄さんの目が全然開かないんだよー」
「……それで?」
「だから開けようとしていたの」

 氷空のデコピンが千翔の額を打ち抜いたのは、その言葉が終わった0,5秒後のことだった。

「人にそういうことしたらダメだろ!」
「でもでもー。目閉じてたら前見えにくそうでしょ?だから開かせてあげようと思って」
「まぁまぁ。そう怒らなくていいじゃない」

 説教をする氷空を、隆が止める。
 それで氷空は冷静になり、一度咳をした後で部屋にいる客人を一瞥する。

「僕のことは気にしなくていいよ。全然迷惑じゃないし」

 秋彦はそう言って手を振った。
 しかし、氷空はそれを見て少し間を置いた後で、全員を見渡す。

「えっと、一応僕の友達で、この町に住んでる……」
「山村 隆だ。よろしくな!」

 隆はそう言ってニカッと笑った。
 その笑顔に、3人とも表情を綻ばせる。

「じゃあ、3人も自己紹介してもらえる?」
「あぁ。俺はすみが……」
「あー、名前だけでいいから」

 景地の自己紹介を、隆は両手を振って止める。
 突然のことだったので、景地は面食らった表情をしつつ、「景地だよ」と言う。
 それに続くように、早苗と秋彦も自己紹介をした。

「皆良い名前だなー。まぁ、いいや。じゃあ、俺が来た理由なんだけどー」

 隆が、氷空の家に来た理由、美津子の送別会と、彼女からの連絡が来ないこと等を話す。
 全部話し終えた後で、隆は満足した様子で笑顔を浮かべた。

「まー、そういう事だからもしものことを考えて氷空を連れていきたいんだけど、氷空がお前等連れていきたいからって。だから、ついてきてくんねぇ?」

 初対面でいきなりお前らとか言われたものだから、流石の3人も笑顔を引きつらせた。
 とはいえ、ここは異世界。自分たちの価値観と違う可能性は高いし、彼がフレンドリーなだけかもしれない。
 ここは気にしないでおこう。

「流石に客人をこの家に置いていくのもあれだから……千翔は、どっちでもいいんだけど」
「行く行く!久しぶりに美津子とお話ししたい!」

 千翔は元気よく手を挙げて言う。
 それを見て隆は笑い、「相変わらず千翔は元気だなー」と暢気に言った。

「よく分からないけど、断る理由はないよ。ね?景地、早苗」
「おう。それに、俺たち来たばっかりだから町とか見たいし」

 秋彦の言葉に、景地も頷く。早苗もそれに一緒に頷いた。
 こうして、6人は美津子の家に行くことになった。


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