複雑・ファジー小説
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- 恋愛の書
- 日時: 2016/07/26 19:45
- 名前: hikari (ID: lBubOowT)
おはこんばんは。どうも、この小説の作者です。
これはタイトルから見てわかる通り、恋愛系の小説です。そういうのが苦手ではない方は是非、お読みください。
それでは、ごゆるりとどうぞ。
- Re: 恋愛の書 ( No.6 )
- 日時: 2016/07/29 23:02
- 名前: hikari (ID: lBubOowT)
「ねえ、何読んでるの?」
「万能鑑定使Qの事件簿。とても面白いの。学校の図書室にあるから読んでみたら」
「じゃあそうするね。今日はやってないから明日かな」
「ふふ、恵俚菜が小野さんに頼んであげるから、放課後、一緒に図書室に行こう?」
「本当?ありがとう。ところで小野さんって誰?」
「小野さんは、図書室の司書の先生よ」
へえ、そうだったのか。あまり図書室には足を運ばないからわからなかった。
「仲、いいの?」
「まあ、ね。私、図書委員だからってのもあるけど、毎日のように図書室に通っていたからさ」
彼女は照れ臭そうに笑った。その笑顔はとてもかわいく、顔が赤くなりそうになった。
「優くんも、読書好き?」
「うん」
「へえ!どんな本が好きなの?」
「うーん、有川浩さんかな。図書館戦争とか植物図鑑とか」
「あー、いいよねぇ!特に植物図鑑みたいなああいう恋愛、私もしてみたいなー、なんてね」
植物図鑑のような、か…。もしも僕が恵俚菜さんの家の前で寝ていたら、付き合ったりできるかな…。いやいや、それはただのストーカーだよね。
「ん?どうかした?」
「わっ!?」
恵俚菜さんの顔が目の前に突如現れ、柄にもなく声をあげてしまった。
「ふふ、面白いね〜」
「い、いや、恵俚菜さんの顔が目の前にあったから……」
顔が赤くなるのを感じながらも、なんとか口に出す。
恥ずかしい。
「あ、ごめんごめん」
「ううん、大丈夫」
さすがに、かわいかったよ、なんて恥ずかしい言葉は口には出せない。
そんな自分が少し、もどかしかった。
- Re: 恋愛の書 ( No.7 )
- 日時: 2016/07/29 23:38
- 名前: hikari (ID: lBubOowT)
«side恵俚菜»
「ふわああ、今日から新学期かぁ。今何時?
ああっ!もうこんな時間!速く着替えないと!!」
パジャマから制服に着替え、バッグを持って階段を駆け降りる。
「いってきまーす!」
朝ごはんも食べないまま玄関のドアを開け放ち、全力で走る。
「それにしても、今日はいい天気だな〜。ふんふふ〜ん♪」
いつしか遅刻しそうなことも忘れ、歌を口ずさみながら歩く。
そして学校に到着し、スマホを確認する。すると……
「あれ?まだ7時じゃん。時間見間違っちゃったかな?さて、私のクラスは……と、あった。三組ね」
そのまま立ち去ろうとしたのだけど、どうしてもある名前に引かれる。
確認してみると、そこには烏野優とあった。しかも同じクラス。
「男子だよね?どんな人だろう……」
色々と想像を膨らませながら教室を目指し、歩く。
がららっ
「やっぱ誰もいないか〜。速すぎたかな。あ、お母さんに朝ごはん食べれなかったから謝っとかないと」
席について愛読書を開き、イヤホンから流れる音楽に耳を傾けながら読書の世界に入る。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。ふと目を上げると、新しいクラスメイトが結構いた。スマホを片手に他の人と話す人、パンを食べている人、勉強してる人……それぞれみんな、各々の時間を過ごしている。
そういえば…隣の席の人、烏野優くんだったな…。
がららっ、と、ドアがまた音をたてる。今度は一人の男子が入ってきた。その男子は黒板を見ると、恵俚菜の席の方に向かって歩いて来た。
ーそしてその男子は、私の隣の席についたー
「おはよう!烏野優くんでしょ?私は凜田恵俚菜。これからよろしく!」
〜こうして、私の青春が始まった、そう思う。
- Re: 恋愛の書 ( No.8 )
- 日時: 2016/07/30 13:44
- 名前: hikari (ID: lBubOowT)
作者より
優 以外の視点のときは、side○○と表記することにしました。
それでは〜
- Re: 恋愛の書 ( No.9 )
- 日時: 2016/07/30 14:40
- 名前: hikari (ID: lBubOowT)
きーんこーんかーんこーん
「よーし、全員戻ったなー?んじゃ、自己紹介といくか。誰からやるんだ?」
「そりゃー先生に決まってるでしょ」
「お手本見せてくださーい」
「はあーー、わかった。んじゃ言うぞー。
名前は茅野大知。ちなみに独身で23歳だ。今年から赴任してきた。担当科目は英語、バレー部の顧問だ。他に質問あるかー?」
23…ねえ。若いなぁ。
「茅野先生、若いんだね。」
「だよな。俺らと9つしかかわらないし。」
「質問質問!体重と身長は?」
「今までに、付き合った人何人?」
「好きなスポーツは?」
「どこ住んでるの?」
「あーもー後でまとめて答えてやる!
だから次はお前らの番だ!じゃー烏野!stand up!」
えー、俺かよ。
助けを求めて隣を見ると、恵俚菜さんが親指を立てている。
はあ、やるしかねーのな……。
「3月14日生まれ、烏野優です。身長151cm、体重32kgですがバレー部でレギュラーやってます。背は低いけど、跳びます。小さな巨人目指して頑張ります。てなわけでよろしくです。」
いよっし、終わった!はあ〜緊張したわ〜。お疲れ自分!
「へえ、小さな巨人かあ。何、ハイキュー読んで憧れたの?」
瞬間、顔が赤くなるのがわかる。ヤバいヤバい、言うんじゃなかった。
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいよ〜。私の友達にも漫画が好きな娘いるし」
「じゃ、次は凜田な」
「え!?え、恵俚菜ですか!?」
「そうだ。stand up」
「はあ〜い、わかりました…。
凜田恵俚菜です。5月17日生まれです。好きなことは読書です。よろしく」
「お疲れ様。緊張したっしょ?」
「いやそりゃあ緊張するよ!はーあ、でもこれで終わった!
優くんはどの委員会に入るの?」
「うーん、まだ決めてないかな…」
「じゃあ図書委員に入ろうよ!ねえねえ、どう?楽しいよ?」
「じゃあそうしようかな」
「本当?嬉しい!ありがとう!」
「うん」
「よし、全員終わったな。続いて委員会を決めるぞ。」
- Re: 恋愛の書 ( No.10 )
- 日時: 2016/07/31 11:02
- 名前: hikari (ID: lBubOowT)
「よし、全部の委員会が決まったな。まだHRまで時間あっからそれまで自由にしてていいぞ」
あ、そうそう、俺はちゃんと図書委員になれたぞ。他にやりたいって言ってる人いなかったからあっさり決まった。
「あ、そうだ優くん。多分放課後、図書室にもう一人来ると思う。けど私の友達だから安心していいよ」
「ん、わかった」
ふーん、恵俚菜さんの友達か。どんな人なんだろう。やっぱ読書好きなのかな。
それからしばらく、様々なことを話した。好きな教科は、とか好きなキャラクターは、とか。けど、そんな時間がどうしようもなく嬉しかった。
「よし、HR始めるぞ。座れ座れー」
「……ま、んな感じで今日は終わりだ。気を付けて帰れよー」
「じゃあ行こっか優くん」
「うん。じゃあよろしく、恵俚菜さん」
「さん付けはやめて〜。ちゃん付けでいいよ」
「ん…わかった。恵俚菜…ちゃん」
「あっ、ほら着いたよ。さ、入ろっ」
ガララッ
「ああ、恵俚菜じゃん。あれ、そっちの男子は誰?あ、もしかして彼氏?」
「なっ//////違うし!!」
「ふ〜〜〜ん、まあいいや。で、名前は?なんて言うの?」
「優、烏野優です。えーと、確か小野さ…小野先生ですよね?」
「小野さんでいいよ。先生って呼ばれるよりこっちの方がいいしね」
「わかりました」
「そんな固くならんでもいいよ」
結構若いんだな。多分、大地先生より若いと思う……って、小野さん何歳なんだ!?