複雑・ファジー小説

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Re:童話姫たちの殺し合いゲーム<群像劇/子ブタと子ヤギ>
日時: 2017/09/03 08:47
名前: 雪姫 (ID: hmF5PELO)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=5004

ある使命の為 ツギハギの物語を旅する少年


ある目的の為 姉妹を殺す赤い頭巾を被った少女


己の願いの為 姉妹を殺す五人の姉妹と使徒




個々に存在する物語はクロスする——



◇ご挨拶◇
おはこんばんわんこ(。´・ω・)
知っている人は知っているかもしれない雪姫(ユキヒメ)でございます。
最近とあるゲームにはまりまして…で、思い付きで書き始めたのがコレ。
ネットで童話の原作色々探すんですが…どれも怖いですねー( ;∀;)
そんな怖い童話をサクサクスナック菓子感覚で楽しめるようにしたのがこの作品デッス?

コメント・お友達なろう大歓迎です♪←とゆうか言われたらヒャッハー♪って大喜びです(*ノωノ)


◆attention◆
※タイトル通り、童話の登場人物の名前をした人物達が殺し合いをしています。
※グロ・残酷描写あります。スレ主がそうゆうの苦手なので軽めになってる…とは思う……ちとせとら。
※童話の原作は噂通りの内容です。苦手な方はスルーをお勧めします。
※貴方様の好きな人物のイメージが崩壊するかもしれません。
 基本全員 狂気に狂っています。ご了承くださいませ。
※荒らし、チェンメ、中傷はお帰りください。
※誤字、脱字、多々見受けられると思います。お知らせいただけると幸いです。
※スレ主の心はガラス製です。皆さま大切に扱いましょう笑
※スレ主は社会人なので亀さんと蝸牛さんが競争しているようなものです(つまり亀更)
※この作品は本編とは別物です(一応。でもまとめようか悩み中)
※群像劇ですので、好きなお話から/だけ読んで頂いても大丈夫なようになっています。
 でも両方/全部 読んで頂けると物語がより一層楽しめるようになっています。


†登場人物・用語紹介†
+序章>>01+一節>>17+二節>>35

◇story◇

序章<ツギハギ>&没<序章>>>16
一節<末の妹と双子>
(原作)ラプンツェル(アレンジ少々アリ)>>04
お菓子な国の物語>>05 >>08-12…END
Яお菓子な塔の物語>>23-26…END
(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ)>>13-15
お菓子な双子の物語>>18-22END
二節<四女と七番の山羊>
(現代語訳)竹取物語(口語訳)>>27-34
竹林の国の物語>>36-39…END
К竹林の賭博の物語
三匹の子ブタ>>40
オオカミと七匹の子ヤギ…執筆中
竹林の七の物語


◆information◆
スレ設立日2017/7/26(水)


【宣伝】
Re:童話姫たちの殺し合い<鮮血に染まった赤き頭巾の少女編>*ダークファ板*
本編/本軸。記憶の無い少年と"暴力”赤い頭巾の少女と"依存”木の人形達がある目的のため姉妹を殺す物語。
こちらと本編両方を読むことで物語がより一層楽しめるようになっております。

<俺のペットはアホガール>*新コメライ板*
空前絶後のアホな女の子とその友達が巻き起こすハチャメチャな事件を飼い主的存在の男の子がズバァァと解決? する日常風景を切り取った物語。
オリキャラ&リクエスト絶賛募集中でございます!


□comment□
・sol様

(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ) ( No.13 )
日時: 2017/08/03 08:42
名前: 雪姫 (ID: k1qI710b)






あるところにまずしい木こり家族が住んでいました


その家族は四人家族で、優しいお父さんとお母さん


そしてお兄ちゃんヘンデルと妹のグレーテルの四人家族でした


きこりの家族は貧しく食べるものも無く、いつもお腹を空かせていましたが、愛の溢れる家庭だったので家族は幸せでした


しかしある日



「お母さん……死なないでよ!」


「僕たちをおいて逝かないでよ」



優しかったお母さんが死んでしまったのです。過労死でした



そして数年後



『この人が新しいお母さんだよ』



『よろしくね、坊や達』


お父さんが新しいお母さんと名乗る女性を連れてきました



この継母が来たせいで兄妹の平和で幸せな家庭は崩れ去ってしまうのです



継母は我が強く意地悪な女性でした



『この大飯食らいが!!』


「いやー! やめてー痛い!!」


「やめろ! グレーテルを放せ!!」


『なんだよ、アンタには関係ないね。

 アンタは小屋の中にでも入ってな』


「わっ、うっぐ…」


「ヘンゼル兄さま!」


継母に苛められていた妹を庇い、殴られた上に物置に閉じ込められ食事を抜かれた事もありました。



ある日の夜のことでした。お父さんはため息をついて継母に、


『うちの暮らしはどうなるというのだ。食べ物もないのに、どうやって、あのかわいそうな子供たちを育てることができるのか?』


すると継母は


『いい方法がある。明日の朝早く、子供たちを森の一番奥へ連れて行き、そこでたき火をたいて、私たちはそのまま仕事にいっちまう。
 子供たちには帰る道も分からないし、私たちも助かるというわけよ』


『とんでもない。そんなことおれにはできない。自分の子供を森の中へ置き去りにするなんてひどすぎる。
 すぐに獣がやってきて、子供たちを食い殺すにちがいない』


お父さんがそういうと、継母が言い返しました。


『馬鹿だね。このままじゃ、四人とも飢え死にするんだよ。
 ふん、あんたなんか、私たちのかんおけの板でもけずっていればいいわ』


『でも、子供たちがかわいそう……』


そのとき子供たちはお腹が空いて眠れなかったので、継母の言った言葉を聞いてしまいました


グレーテルは、涙を流しながらヘンゼルにいいました


「私たち、もうおしまいだわ」


「しっ、静かに! なくのはやめるんだ。僕が何とか助けてあげるから」


ヘンゼルはお父さんと継母が寝静まるのを待ってベッドをおり、上着を着ました


戸を抜けて外へ出ると



「よいしょ…よいしょ…バレないように…コッソリと」


上着のポケットに詰め込めるだけの小石をひろい、部屋に戻りました



「グレーテル、安心して。神様はきっと、僕たちを守ってくださるよ」


次の日の朝、また太陽が昇っていないのに継母がやってきて、ヘンゼルとグレーテルをたたき起こしました。


『さあ、起きるんだよ。この怠け者たち。みんなで森へ薪を取りに行くんだから』


それから、ふたりにそれぞれ一切れずつのパンを渡していいました。


『このパンは、お前たちの昼ごはんだからね。決してお昼前に食べるんじゃないよ。
 もうこれっきりだということを忘れるんじゃないよ』


四人はそろって、森の中へ入っていきました


しばらく行くと、ヘンゼルは立ち止まって、家の方を振り返りました。同じ事を何度も続けるので、お父さんが尋ねました


『ヘンゼル、どうして何度も振り返っているんだい?』


「ああ、僕、白い猫を見ているんだ。
 僕の猫は屋根の上に座って、さよならを言おうとしているんだもの」


と、ヘンゼルが言いました


でも、本当はヘンゼルは猫を見ていたのではなく、立ち止まって振り返るたびに、ポケットから小石をひとっだし、道に投げていたもです


森も奥に来ると、お父さんが言いました


『お前たち、ここでたき火をするから、薪を拾っておいで』


「「はーい」」


ヘンゼルとグレーテルは薪を拾い集め、山のように積み重ね、薪に火がつき、炎が高く燃えがりました。


二人は長く座っているうちに疲れてしまい、居眠りを始めたかと思うと、そのままぐっすりと寝込んでしまいました。


目を覚ましたときには、もうあたりは真っ暗でした。


「どうしたら森から出られるの……」


グレーテルが泣き出しました


「もう少し我慢して。ちゃんと帰り道が分かるから」


まもなく満月が昇り始めました


ヘンゼルは、グレーテルの手を引いて歩き始めました


投げておいた小石が銀貨のように光って、二人の行く道を教えてくれました


二人は夜中じゅう歩き続けて、夜明けとともに家へたどり着きました。



『まったくじょうがない子達だね。どうしていまごろまで森で寝ていたのさ。
 お前たちはもう、家に戻りたくないのだと思っていたよ』


家へ戻ると継母が残念そうに出迎えました


そんなことがあってまもなく、継母がお父さんに話す言葉を、またも子供たちが聞いてしまったのです


『もう何もかも食べつくしまったわ。残っているのはパンが半分だけ。
 どうしてでも、子供たちに出て行ってもらわなきゃ。
 今度こそ、帰り道の分からないほど深い森に連れて行く。そうしないと、私たちおしまいよ』


これを知ったヘンゼルは、二人が寝るのを待って、小石を拾いに行こうとしましたが継母がドアに鍵をかけてしまい、外へでることもできません


それでも、ヘンゼルは泣いているグレーテルをなぐさめるためにこう言いました


「ないたりしちゃだめだよ。神様はきっと、僕たちを守ってくださるから。さあ、お休み」


二人は仲良く同じベットで眠りにつきました


次の日、朝早くやってきた継母はこの前のときよりずっと小さい一切れのパンを渡すと、森へ急がせました


行く道々、ヘンゼルは時々、立ち止まって後を振り返り、そのたびに、ポケットの中のパンを千切って地面へ投げました


『ヘンゼル、どうして立ち止まっては振り返るんだね?』


「ああ、僕、こばとを見ているんだ。
 僕のこばとは屋根にとまって、さよならを言おうとしているんだもの」

ヘンゼルが言うと、横から継母が口を挟みました。


『馬鹿だね、あれはこばとなんかじゃない。屋根の上の煙突に指しているお日様よ」


それでもヘンゼルはパンがなくなるまで、次々土地面へ投げ続けました


継母は、子供たちを今まできたこともない森の奥へ連れて行き、前と同じように、大きなたき火をさせました


『お前たち、ここに座っておいで。疲れたら少しぐらい眠ってもいいよ。
 お父さんとお母さんは、木を切りに言ってくるから。仕事がすんだら、迎えに来るからね』


二人は、一切れのパンを分け合って食べ、それからまた眠り込んでしまいました


夕方が着ても、子供たちを迎えに来るものはいませんでした


二人は、夜中になって、やっと目を覚ましました


「お月様が出たら、僕の投げてきたパンくずが見えるからね。
 そうすれば、ちゃんと帰り道を教えてくれる」


月が昇ると二人は歩き始めました。


でも、どうしたのか、パンくずはどこにも見当たりません


「大丈夫。きっと見つかるよ」


ヘンゼルはグレーテルを励ましました


いくら歩いても、やっぱりパンくずはありません。なぜなら、森や野原の鳥たちがひとつ残らずパンくずを食べてしまったからです


ふたりは夜じゅう歩き続けました



次の日も、朝から晩まで歩きましたがついに森からでることはできませんでした


道ばたで見つけたいちごのほかは、何一つ食べるものがありません



空腹とつかれのため、一歩も進めなくなり、木の下へ倒れこむと、たちまち眠り込んでしまいました



また歩き始めましたが、ますます森の奥へ入り込むばかりです



歩いていると、一羽の真っ白な雪のようにきれいな小鳥を見つけました


「ヘンゼル兄さまあの真っ白な小鳥!」



「追いかけてみよう、グレーテル」


二人が追いかけると、小鳥は一軒の小さな家の屋根にとまりました


近よってみると、なんと家はパン、屋根はお菓子でできていました。窓はすきとおったさとうです。


「さあ、すこしご馳走になろう。僕は屋根を一切れ、グレーテルは、窓を食べてもいいよ」


 いいながらも、ヘンゼルは我慢できずに屋根を一切れ千切りました

グレーテルは窓ガラスに近づき、ぽりぽりとかじりました


その時、家の中から、誰かきれいな大きな声で歌い始めました


『ぼりぼり かりかり 私の家をかじっているのはどこの誰かしら?』


「「それは風です。風です」」


二人は一緒に答えると、いらん顔で食べ続けました


そのおいしいこと、ヘンゼルは屋根を丸ごと一枚引き千切りました


グレーテルは窓ガラスを丸ごとはずすと、座り込み、二人で食べ始めました


不意にドアが開いて、よぼよぼのおばあさんがふわりと出てたので、ヘンゼルもグレーテルもびっくりして、手に持っていたものを思わず落としてしまいました。


『おや、まあ、なんてかわいい子供たち。さあ、家に入っておいで。何にも怖い事はないからね』


おばあさんは二人の手をとって、家の中へつれていきます


『おばあさんその子達は〜?』


『もしかして新しいお友達かしら?』


家の中にはヘンゼルとグレーテルと同い年くらいの子供たちが沢山いました


『そうだよ、新しいお友達だよ。キヒヒヒ』


「僕はヘンゼル。こっちは妹のグレーテル」


「…よろしくお願いします」


『『ようこそ、お菓子の家へ♪』』


子供達は暖かく向かい入れてくれ、席に着くとミルクに、りんごやくるみなどのごちそうが運ばれてきました


ヘンゼルとグレーテルは、またまた夢中で食べ終わるとおばあさんは二人を寝室へ案内しました


ヘンゼルとグレーテルは、ベッドへ横たわりました。まるで天国に来ているような気分でした




『新しい犠牲者の誕生だ』


『可哀想に…』


『でもしょうがないさ、もう僕らは終わっているのだから』


『そうだよ、俺達はもう死んでいるのだから』


『おうちに帰りたいよー』


『パパとママに会いたいよー』


『泣くなばか。おばあさんに知られたら、また…』


『こんな生活いつまで続くのかな…?』


『『はやく…自由になりたいよ…。

  おうちに帰りたいよ……』』



ひそひそと子供達会話 


おばあさんに聞かれないようにひそひそと こっそりと


バレたら大変なことに………








—To be continued−



(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ) ( No.14 )
日時: 2017/08/05 14:34
名前: 雪姫 (ID: 2rVK2fl9)




ですがおばあさんの親切は嘘だったのです。




おばあさんの名前は【ペリーヌ・マルタン】




領主【ジル・ド・レ】から命じられて少年達を捕らえて丸々と太らせていたのです。




あのお菓子の家も、子供達をおびき寄せるための罠でした。




領主ジル・ド・レ邸




おばあさん、ベリーヌに連れて来られた 女装させられた少年




『ジル様 今日の貢物です』




『おおベリーヌか。いつも良い働きだな。もう帰っていいぞ』




『はいに』




挨拶もそこそこにベリーヌは少年を一人屋敷に置いて帰って行きました。




『ほう…これは…これは』




『………』




恐怖に震える少年の顎を掴みジルは吟味します。




少年は女装したまま部屋の隅から隅まで歩かされ、ジルが良しと言うまで歩かされ



『美しい! なんてお前は美しいんだ! さすが私が選んだだけの事はある』




そう言って後ろからジルは少年をかき抱きました。そしてベッドの上へ




そして少年は服を少しずつ脱がされていき




ジルは少年の体を片腕で締め付けナイフをたおやかな首にグサッと刺しました。




しかしそれだけでは終わりません。




ジルは彼の死体をベッドに放り投げ裸になって少年に跨がりそして、ジルは少年と交わりました。




少年が息絶えたまま 交わりました。












ある日の朝はやく、ベリーヌは子供達が目を覚ます前にもう起きており、眠っている子供たちを眺めながら、口をもぐもぐさせていいました。




『こいつは、美味しそうじゃ…ジル様もきっと喜んでくださるに違いない』




ベリーヌはヘンゼルを抱きかかえると、ジル様への献上品が終われた檻に運び込み





『ちゃんと見張っておくんだよ!』





『はぁいママ』




扉を閉め、頑丈な鍵をかけ 見張りの大男に声をかけるとお菓子の家へ帰って行きました。





『新しい子だ…』




『この子もきっと…』




『可哀想に…認められてしまったのね…』




ひそひそと子供達は寝ているヘンゼルを見ながら話しています。




目を覚したヘンゼルが最初に見たのは、薄暗い石の天井。




固い地面。ここはどこでしょう? 妹のグレーテルはどこでしょう?




『やっとお目覚めかい? 寝坊助さん』




声をかけてきたのはボサボサの髪にボロボロの服を着た 少年にでした。




「君は…?」




『俺の名はアレン。ここではリーダー的なことをやってる』




アレンはドンッと自分の胸を叩きます。




「僕はヘンゼル。ねえ、アレンここは何処だい? 妹のグレーテルの姿が見えないんだ」




『おまえの妹のことは知らないが、ここは檻の中さ』




「檻? どうして檻の中なんかに…いる?」




『君は認められてしまったのさ』





アレンとは違う少年が言いました。気づくと檻の中にはお菓子の家にいた子供達はよりも沢山の子供が居ました。




みんなふくよかで贅沢な体系です。




「認められた…だれに?」




『領主 ジルにさ』




『領主さまは変人なのさ』




『領主さまは変態なのさ』




『僕らは食べ頃を迎えると領主さまの所に連れていかれて』




『『食べられてしまうんだ!!』』




なんという事でしょう…ヘンゼル達は騙されていたのです。




騙されていたことに気づいたヘンゼルは泣いて喚きましたが




『うるさいぞおー餓鬼共ー静かにするべー』




大男の声にその叫びは掻き消されました。






再び子供たちの寝室へ戻った、ベリーヌはグレーテルを起こして、大声でいいました。




『さっさと起きるんだよ。はやく水をくんできて、あんたのお兄ちゃんをふとらせるご馳走を作っておやり。
 うんと太ったらジル様へ貢物として送るんだから』




「兄さま…? ヘンゼル兄さまはどこ?
 兄さま…? わあああああああああんっ!!」




グレーテルは、わっと泣き出しましたが、いくら泣いてもどうにもなりません。




恐ろしいおばあさん、ベリーヌのいいなりになるしかなかったのです。




かわいそうなヘンゼルのためにと、やったことのない料理を頑張り、ご馳走ができました。





でもグレーテルに与えられたのは、パンの欠片だけでした。





ベリーヌは毎朝、小屋に行って





『ヘンゼル、指を出してごらん。
 どのくらい脂がのってきたか調べてやるから』





『ヘンゼル! 太っていることがバレたら食われるぞ!』





アレンが耳打ちで囁きます。





ヘンゼルは指のかわりに、転がっていた小さな骨をつきだしました。






目の悪いベリーヌは骨とも気がつかず、どうして脂がのってこないのか、不思議で仕方ありませんでした。





こうしてひと月がすぎ、ヘンゼルの指はいつまでたってもかたくてやせたままでした。





ベリーヌは、グレーテルに向かって怒鳴りました。





『さあ、水をくんでおいで。
 ヘンゼルが太っていようが痩せていようが知るもんか。
 明日こそ、ジル様の元へ連れってやるんだから』





それを聞いてグレーレルは天を仰いで嘆き、涙を流して悔しがり、仕方なく、水を運びながら叫ぶように言いました。





「神様、どうか、私たちを助けてください。
 こんなことになるなら森の中で、獣に食われて死んだ方がましでした」





『泣いたり、騒いだりするのはおよし』





ベリーヌが怒鳴りました。






『アンタ達兄妹はこの森に迷い込んだ時点でもう、生きては帰れないんだからね』






キィーヒッヒッヒッと森中にベリーヌの薄気味悪い笑い声がこだましました。




                                   —To be continued−

(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ) ( No.15 )
日時: 2017/08/07 09:11
名前: 雪姫 (ID: tdVIpBZU)







その日の晩のことでした












「僕がここに連れて来られてからもう一月がたった」











檻の中を見渡すと 子供たちの人数 顔ぶれが全然違います。"食べ頃を迎えたみんなはジル 領主の所へ連れて行かれ、食べられてしまったのです









『ヘンゼル。次がお前か俺の番かもな』









アレンが皮肉そうに言います。古参メンバーはこのヘンゼルとアレンだからです










「グレーテルは大丈夫かな…」









『さあな。俺達に外の事なんてわからねぇよ。でも……』









アレンが言葉を濁わします










「どうしたの、アレン?」










『俺達はなんで大人しく 喰われるその時を待たないといけないんだって思ってな』










「それは…」














言われてみれば確かにそうだ。そうだそうだ! と周りの子供達から声があがります










『明日だ』














「明日?」










『明日の朝、婆さんがいつものように様子を見に来た時、俺達の自由を掴む作戦を決行する』













「自由を掴むための戦い…」












『『おぉお!!』』













『ウルサイドーガキ共ー!』












大声を出してもベリーヌには聞こえません。だって大男がその大きな声でかき消してくれるから











そして作戦を決行する次の日の朝













『さぁヘンゼル。お前を食べる時が来たよ。出て来な』













いつものようにベリーヌが檻の様子を見に来ます、今日はヘンゼルを食べるつもりだったので連れ出す為に檻の扉を開けました













『『わぁああああああああああああ!!!』』















『な、なんだいっ!?』














檻の中の子供達がわぁーっとベリーヌに襲い掛かりました














驚くベリーヌ、群がって来る子供達を追い払おうと 叩き 殴り














『あっちにいけっ!! ぎゃあああ!!』












ましたが、足を滑らせ大きな岩に頭をぶつけ、そしてそのまま気絶してしまいました












『…死んだ?』









『いや。気絶しただけだ』










『なぁんだ、死んでないのか…残念』









『ついでに殺っとく? アレン』












『駄目だ。そんな事したら俺達もこいつらと同じになっちまう』










気絶しただけという事を確認すると、ベリーヌを柱にくくりつけ













『ママァー!?』










後からやって来た大男をバナナの皮ですってんころりん










『いったぁ〜い』












させて油断したところを後ろからゴツンと石で殴り、気絶させ縛りあげます










子供達は檻から脱出し、お菓子の子供達と合流












「グレーテル!! 良かった…ケガはない?」











「ヘンゼル兄さまこそ、お怪我はない? 大丈夫?」














『ヘンゼル! 感動の再会は後だ!』














離れ離れとなった兄妹が再び出会えたことはとても喜ばしいことですが、今はそんなことをしている場合ではありません













作戦を次のステップに進めなければいけないのです












子供達が檻からの脱出後 次にしたこと












それは教区内の役人に一部始終を訴えることでした












『だから俺達は!!』















『嘘言うんじゃない! 領主様がそんな悪道な事しているわけがない!』














最初はまるで相手にされませんでした。ジルは聡明でとても優秀な領主として有名で支持する人も多かったのです














ですがそれと同時に













『夜になると領主様のお屋敷から子供の鳴き声が聞こえるという噂が…



 あながち間違いではないのでは?』













夜な夜な恐ろしい叫び声が聞こえてくるという奇妙な噂が流れていました










『う、ううむ…』














「嘘じゃないんです!」












「私達を信じてください!」













『わかった、わかったから落ち着きなさい。






 明日近隣住民の方々に聞き込みしてみるから、今日は帰りなさい』












と言われ追い出されした。帰りなさいと言われても、子供達に帰る家などありません















次の日











役人は約束通り城の近辺の住民に聞き込み調査をしました。そして「誹謗文書」が作成されました










そして—











『領主ジル・ド・レ。貴方に逮捕状が出されている』











『な、なんだお前達は! 私を誰だと思っている! 私は領主 ジル』












『いいから一緒に来てもらおうか』











『やめい! 金か? 金が欲しいのか? 欲しいだけやる! だから!』












欲にまみれたジルは逮捕されました。その後城の中を家宅捜索すると











出てきたのは血のついたペンチや鞭などの拷問器具












血のこびりついたノミや焼き鏝











そして、ぞっとするような少年の死体だったという——












その後の調べで、ジルは十四年もの間 計約百四十人の少年少女を残虐な拷問にかけて殺していたことが判明したのです









元領主 ジル・ド・レ の公開処刑









『ジル・ド・レ。貴方は多くの子供達の未来を奪いました』













『………』










『この嘘吐き領主! あんたを信じてあたしらは馬鹿だったよ!!』












『返して! うちの子を返してよ!!』












『静粛に。ジル、貴方に領民の痛み/嘆きの声が聞こえていますか?』











『………』












『そうですか……わかりました。ジル・ド・レ、貴方を絞首火刑に処します』










ジルは命ぜられるまま縄を首にかけると床が開き、宙ぶらりん











『ぐぅッ!!!』













首に巻いた縄だけに体を支えている状態 の所に止めの











『放てー!!』










『ヤァー!』











何十本もの火の矢が放たれました。ジルの体に刺さった矢は火が衣服に燃え移り それは大きな炎となりジルはこんがりジューシーび焼き上がりました












ですがこれはまだ軽い方。元領主であった為処刑方法の中でも軽いもので行われました











ジルのように身分の高いものではない 











お菓子の家を作り子供達を 誘惑 監禁 拷問 をしたベリーヌ









ベリーヌの実の息子 檻の見張り番をしていた大男












彼らはもっと残虐な処刑方法が行われました













赤く焼けた鉄てこを体に押し当てられ












『アアアアアアアアアアアアアア……』











ベリーヌはそのまま気絶












気絶しても終わりではない、そのまま鉄てこで手足の指を一本一本引き抜いていき









『アアアッ!!?』










痛みで意識を取り戻し また気を失う これを何度も繰り返し











全ての指を引き抜き終わると














『なんだい…まだ殺ろうって…ヒィッィ!!』












ゴウゴウッと音をたて燃え上がる 火刑台へ放り込まれました













息子の大男も同じ運命を辿りました












捕まっていた子供達はみんなそれぞれの家へと送り届けられました












兵士にに連れられ、ヘンゼルとグレーテルが家に帰るとお父さんも継母も泣いて喜び、二人を温かく抱きしめてくれました










『罪深いお母さんを赦しておくれ
 私は父さんには死んで欲しくなくて、それでこんなことをしてしまったんだ』












何を今更と二人は思いました。ですが抱きしめる継母とお父さんの腕は痩せ細っていました












顔もやつれ、骸骨のようです。聞くとあれから草の根や茎などしか食べていなかったらしいのです












人喰い領主のもとから奇跡的に生還した ヘンゼルとグレーテルは一躍有名人となり、その武勇伝を聞こうと二人の家には沢山の人々は押し寄せました














『人喰い領主からの生還! おめでとうございます』











『さぞ怖い思いをしたでしょう』










同情、憐みの言葉をかけられます。でも全然心に響いてきません。だって彼らが見ているのはパンダなのだから










人気物を見たい その人気にあやかりたい ただの欲望まみれの人種













「本当に怖かったです。継母さんに森に捨てられた時は」









『え?』











「そうだねグレーテル。何日も歩き続けたのに中々家に帰れなくて、いつ森の獣に食べられるんじゃないかって怖かった」










『森の獣に食べられそうになった…?』













今回の経験で大きく成長したヘンゼルとグレーテル。もう転んでもただじゃ起き上がりません














数日後











コンコン











「はぁい、どちらさま?」












『ちょっといいかな? 僕、お母さんいる?』












ヘンゼルとグレーテルの家に兵士達がやってきました











なんでもこの継母が人喰い領主に子供達を売った罪で捕らえに来たとかなんとか











継母は『そんなことしてない!』と泣き叫びましたが、兵士達は聞く耳持たずそのまま連れて行ってしまいました












兵士に連れてゆかれる継母の背中を見ながら











「変なの。ねぇお兄さま



 
 継母さんは私達を売ったりしてないのに、何故捕まったのかしら?」









とグレーテルが言うとヘンゼルはニヤリと笑いながら












「さぁね。




 今密告が流行ってるから誰かに恨みでも買われたんじゃないの?」











平然と言うのでした——


























                            END

















—−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(※グーグル先生に訊いて書いています)



長くなりましたが、初版グリム童話<ヘンゼルとグレーテル>こんな感じのお話です。
(※かなりアレンジも入ってまふ(-ω-)


まさか前中後編になるとは思ってなかった笑 ラプンツェルの話は一枚で書けたのに笑


驚いたのが登場人物が複数いて、魔女(おばあさん)にもちゃんと理由があって領主とか結構えぐいことになってること とか。
(※アレンはオリジナルです。大男が魔女の息子設定もアレンジです)


魔女、名前あったんですね! 変態領主なんて人も居たんだ〜驚き桃の木山椒の木〜♪


この物語は、飢餓の中を生き延びるために実際に行われていた“子捨て”の習慣を伝承するものであると共に、子供が親の精神的支配を打破して自らの人格を自立させてゆくという精神成長の話でもあるそうですよ?

序章<ツギハギ> ( No.16 )
日時: 2017/08/07 09:20
名前: 雪姫 (ID: tdVIpBZU)






ジリリリ カチッ




朝がきたことを告げる目覚まし時計が鳴る





時計を止め






着替えて朝食を食べ





学校へと向かう





おはよー おはようございます 





校門では沢山の生徒たちが行き交う





靴を履き替え教室へ向かう






午前授業を受け 昼飯を食べ 午後の授業を受け





教室を掃除し





でさぁ〜 昨日母ちゃんが〜






友と雑談しながら下校する






いつも通りの日常 いつもこなすルーチンワーク





今日だっていつも通り 玄関のドアを開ければ親が出迎える





はずだった——














「…………」





「〜〜〜〜♪」






グサッ グシャ ブシャァ





臭い






鉛のような 鉄のような 嫌悪感がする臭い













真っ赤な 真っ黒な













壁 床






全てが赤い






「………」






床に転がる肉片








男 と 女 の







死体








父 と 母 の








死体









「おっかえり〜お兄ちゃん♪」







ブシャァァ








母だった物

 






肉から剣のような長い刃物を抜くと大量の血しぶきが吹きあがった








真っ赤に染まった頭巾を被った少女は無邪気に笑う









全身に返り血を浴びた赤い頭巾の少女は無邪気に笑う








「ネェ……お兄ちゃん……アソボウ?」








赤い頭巾の少女は無邪気に笑い








持っていた剣を振り上げ









スパンッと振り下ろした








焼けるような痛み









燃えるような痛み








「アハハハハ♪」








少女の狂った笑い声









これが俺の持つ最期の記憶/記録—










「お兄……」







「ん」







「お兄ちゃ」







「んん」







「お兄ちゃーんってば!!」







「はっ!」







「あっやっと起きた〜♪」







どうやら俺は眠っていたらしい…。赤い頭巾を被った少女が嬉しそうに笑っている。








ここは何処だ…? 甘ったるい吐き気を催す臭い…。








「だ、大丈夫ですか…? "ツギハギ”さん」








杖を持った少年がおどおどと話しかける。









ツギハギ……それが俺の……名前?









「お兄ちゃーん、もしかして寝ぼけてるぅ〜?」








「ああ……そうかもな。まだ頭がぼんやりとしてハッキリしない…」








「えぇ!? それは困りました…」







「どうしてだ?」








「だってここは敵領地の入口ですよ? いつ敵に見つかり襲われるか……」







あわわわと少年は小さく丸まって震えている。









敵領地? 敵って誰だ?









『居たぞあそこだ!』









「アハッ"ピノキオ”がそんなこと言うからオジさんたちが来たよ♪」










下を見るとプレートアーマーの男達が数人こちら指さしなにか叫んでいる。








下…俺は今高い建物の上にいるのか。







「うぅぅ……どうしましょう」








ガタガタ震えるピノキオ。









「イーチ、ニー、サーン……イッパイだぁ♪」






敵が沢山やって来て嬉しそうな赤い頭巾の少女。








「ネェ……オジさんたち」







少女の金色の瞳が紅く光る。








「ボクと一緒にアソボウ?」








無邪気な子供のように少女は笑うと建物から一直線に飛び下り







『うわぎゃぁぁぁぁぁ!!』







『ひぃぃぃぃ!!』








あるものは頭を殴られ、頭が吹っ飛び首から血の噴水噴き出し







あるものは骨を砕かれ、人形のように弄ばれ







あるものは腹を突き抜かれ、臓器を全てエグリ出され







あるものは






『や……やめ…』






命乞いも虚しく







「えいっ♪」







『アアアアアアア!!』









生きたまま四肢をもぎ取られ、頭から真っ二つに切り裂かれた。







「アハハハッ♪」







プレートアーマー達の返り血を浴び、真っ赤に染まった赤い頭巾を被る少女は無邪気な子供の様に笑っている。








「ねぇもうお終い? もっとアソボウよ! アハッ♪」









彼女にとってこれは遊び。殺しではない。









遊んでいる過程で、遊び相手が死んでしまった。……ただそれだけの事。







「……うっぷ」









口を押さえ物陰に行くピノキオ。








人形のくせになにを吐き出すと言うのだろう。…綿でも出すのか。









人形…?









ああ……そうだ、だんだん思い出してきたぞ…。









「オエェェェェ」








物陰で吐いているのはピノキオ。"アイツ”が魂を与えた人形。









「もっと! もっと長くアソボウよー!」








『ぎぎゃあああ!!』








プレートアーマー達を虐殺して楽しんでいる








血まみれの赤い頭巾を被った少女








あの少女の名は









                "赤ずきん”














—−−−−—−−−−—−−−−—−−−−—−−−−—−−−−—−—−−−−−−−—−−−−—−−−−—−−−−—−−−−—−−−−


※没になったもう一つの <序章>









むかし むかし あるところに


童話の登場人物たちの名前をした美しい五人の姉妹がおりました


世界は五つ領地に分断されそれぞれの姉妹に治められてました


【正義】アリスが治める【ミステリアスラビリンス】


【卑劣】シンデレラが治める【シンデレラ城】


【悲哀】人魚姫が治める【アトランティス】


【被虐】かぐや姫が治める【千年魔京】


【暴食】ラプンツェルが治める【ホールケーキアイランド】


ある日 姉妹の元へ訪問者が現れました


赤い 返り血で染まった頭巾を被った 少女でした


彼女は姉妹を前に


『ネェ……お姉さま……ボクと一緒にアソビましょう』


拳を振るい


側近の兵達を 


殴り 貫き 


殺しました


いいえ 違います


一緒に遊んでいただけなのに、気づいたら兵士が血まみれで倒れていたのです


嗚呼… つまらない


『モット もっと長く一緒にアソビましょう!』


赤い頭巾を被った少女は無邪気な子供の様に笑います


赤い頭巾を被った少女は無垢で何も知らない子供の様に笑います



だって彼女はただ遊んでいる だけ なのだから——

†登場人物・用語紹介† ( No.17 )
日時: 2017/08/15 09:05
名前: 雪姫 (ID: gG5ipZbC)

一節



†主な登場人物†


(塔の上の)ラプンツェル

"暴食”

齢十未満の末の妹。
三度の御飯よりも悪戯が大大大好きな少女—だった。
純粋でなにも知らない子供ゆえ、善悪の判断がつかない。無邪気に残酷な子供。



(ヘンゼルと)グレーテル

"虚妄”
双子の兄妹の片割れ。ラプンツェルの使徒。
兄ヘンゼルが大好き。狂気的なまでに。




†用語紹介†



「ホールケーキアイランド」
ラプンツェルの王国。彼女のためだけの王国。
国にあるものすべてがお菓子で出来ている。和菓子・洋菓子・お菓子のジャンルは様々。
罪人の魂を与えられた、森の住人達は擬人化され皆歌い踊り、王を飽きさせないように楽しませる。
そうしないと—次に食べられる(殺される)のは自分かもしれないから—



「お菓子な森/迷いの森」
この森に迷い込んだ者は生きては出られない。死んでも出られない。



「お菓子の家」
(ヘンゼルと)グレーテルが新居を構えた。子供の頃を思い出す、お菓子の家を建てた。
二人だけ(たった一人)の新しい生活のスタートだ。




「電電蝸牛(デンデンカタツムリ)」

通信機能が備わった蝸牛。ある場所を覗いてゲヘナ内なら何処でも通信可能。


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