複雑・ファジー小説
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- 孤独で平凡
- 日時: 2018/01/24 17:22
- 名前: にぃ (ID: ZUyffco7)
何もかもがモノクロだ。
色なんて何の意味があるのだろう、この世界では羽よりも命の方が軽いらしいよ?
産まれた時から血の繋がりなんてもので他人に育てられて、勝手に法律なんてものにしばられて、
大っ嫌いだこんな世の中消えちまえ。
頼むから、僕を自由にしてくれ。
- 少女が向かった先は……… ( No.6 )
- 日時: 2018/02/09 17:59
- 名前: にぃ (ID: ZUyffco7)
琥珀は屋根から降りて旅人達の集団を10メートル後ろからばれないように追いかけた。
旅人達はしばらく歩きかろうじて緑が残る森に入り少し開けた場所で野宿の準備を始めた。
゛旅人達は此処に野宿する゛
そう決め込んだ琥珀は、ジジュで鳥を飛ばし旅人達の場所を伝えさせた。
数分後、鳥が行きとは違う紙を持って帰って来た。
紙には、[報告、御苦労。今日はもう帰っていい。]と書いてあった。
琥珀は、紙に書いてあることを読み終わるとゆっくり立ち上がり村の方に去って行った。
10分ぐらい走った後、琥珀がようやく足を止めた場所は白い壁の施設の様な建物の前だった。
- 村で一つの白 ( No.7 )
- 日時: 2018/02/11 22:54
- 名前: にぃ (ID: ZUyffco7)
琥珀の前に建つ白い建物は、この村唯一の孤児院だった。
この村の人々が豹変してから、村人は旅人が来るたびに遊び感覚で人を殺すようになった。
もちろん何も知らないとはいえ旅人だって、ただ黙って殺されるわけにもいかない反撃してくる者も多かった。
この孤児院には、その反撃で親が死んでしまった子供が沢山いる。
この孤児院はそんな子供たちが、自分たちで生きるために空き家をリフォームして作り上げたものだ。
この黒い霧で覆われている村の希望という事で建物の壁は全て混じり気のない白一色だ。
此処には村の本が全て集められている。
琥珀は暇な時や旅人の見張りの仕事がないときは此処に来てまだ幼い子供のお守りや本を読みに来たりしている。
琥珀は基本的には家に帰らないので、一日の半分以上をここで過ごしている。
琥珀が孤児院に入るとまず目に飛び込んできたのは、元気に走り回る子供たちの姿だった。
少年「あっ!雲海さんいらしてたんですか。」
琥珀「ああ、こんにちは。樹黒さん。」
- 少年 樹黒の設定 ( No.8 )
- 日時: 2018/02/11 23:08
- 名前: にぃ (ID: ZUyffco7)
孤児院管理者
樹黒空和
性別 男
12歳
身長体重 平均
一人称、僕
二人称、君、お前、貴方、(名前)さん
容姿
基本的
白いYシャツ
灰色の長ズボン
青いコート
黒い靴
武器
薙刀、拳銃、
- 孤児院で………… ( No.9 )
- 日時: 2018/02/11 23:36
- 名前: にぃ (ID: ZUyffco7)
琥珀が入って来た事を最初に気付いたのは、子供の洗濯物を運んでいた樹黒だった。
樹黒と琥珀は同い歳なのに苗字にさんをつけて呼ぶのには特に理由はない。
琥珀「洗濯か?大変そうだな。手伝おうか?」
樹黒「いえいえ、これくらい雲海さんの仕事に比べれば楽な方ですよ。
今日も仕事してきたんでしょう?少しでも休んでください。明日がきつくなりますよ。」
琥珀「そうか、分かった。では、そうしておこう。それと今日、新たに旅人が8人来た。
此処からは遠い村の入り口付近の森の方に野宿している、大丈夫だと思うが子供たちは2日ほど外に出さない方がいいかもな。」
琥珀が旅人の事を言った時の樹黒の顔からは驚愕、嫌悪、怒りの感情が読み取れた。
樹黒「また、旅人ですか。…………分かりました、子供たちは適当な理由をつけて部屋の中で遊ばせます。」
琥珀「いつもすまない。」
樹黒「謝らないでください。雲海さんのせいじゃないんですから。そうだ、まだ時間があるんでしたら子供たちと遊んで行ってあげてください。」
さっきの表情とは打って変わって、樹黒はその顔に爽やかな笑みを浮かべた。
琥珀「ああ、今日はそのつもりで来た。それじゃ。」
琥珀は樹黒にそう言うと子供部屋に向かった。
- 子供部屋 ( No.10 )
- 日時: 2018/02/12 19:40
- 名前: にぃ (ID: ZUyffco7)
琥珀が子供部屋の扉を開けると子供達がいっせいに琥珀の方を向いた。
そして、扉を開けたのが琥珀と分かると喜びながら琥珀に向かって突進していった。
琥珀「あっ、ちょっ、待った。」
琥珀は子供数十人の突進に耐え切れず、後ろに倒れこんだ。
10歳の少年「こらっ!琥珀さんは、仕事で疲れているんだ大人数で駆け寄って困らせるな!」
リーダー的存在の男の子が小さい子達をしかった。
5歳の少女「うっ、ごっごめんなさい。」
1人が謝ると皆次々と謝りだした。
子供の中には琥珀に【迷惑をかけてしまった】という事から、泣きそうな子供もいた。
琥珀「もっもう、いいから。頼むから泣かないでくれ。」
6歳の少年「うっうん。」
いきなり暗い雰囲気になってしまい、琥珀は必死に子供達が喜びそうな話題を探す。
琥珀が慌てて周りを見渡すと、誰かが読んでいたのか開きっ放しの一冊の本があった。
その本は昔この村が平和だった頃、旅人が持ってきた本だった。
それを見た琥珀が一つの出来れば話したくない、だけど子供達が聞いたら絶対喜ぶ話題を思いついた。
゛すまない、樹黒さん。場合によっては、君の面倒を増やしてしまうかもしれない゛
琥珀は意を決して口を開いた。
琥珀「………あのな今日、村に旅人さんがまた来てくれたんだ。」
子供達は目を見開き驚いた後、口々に喜びの声を発した。
8歳の少年「琥珀さん、本当ですか?」
琥珀「もちろん、本当だ。」
琥珀の顔は笑ってはいたが、目には悲しみと後悔のいろがあった。