複雑・ファジー小説
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- 朧月ー首魁者の乱ー【完】
- 日時: 2019/11/09 03:28
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
「闇に包まれた朧月よ__私に力を貸すのだ。。。」
「朧月の下で咲く桜は朧月を越える華麗な容姿を持ってはならぬのだ。」
闇に包まれた朧月はその下で咲いていた華麗な桜と戦う事になる__その驚きの結末とは__?
【まとめ読み用】>>1-
【目次】
プロローグ 冬の終わり >>1-2
第1話「真相」>>1
第2話「18年前の記憶」>>2
第1章 朧月の出>>4-6
第3話「新たな刃」>>4
第4話「禮賀図の行方」>>5
第5話「光紗堂の逮捕」>>6
第2章 復讐の始まり>>7-8
第6話「復讐の始まり」>>7
第7話「皇太弟の死」>>8
第3章 謀叛>>9 >>11(8話〜9話)
第8話「挙兵I」>>9
第9話「挙兵II」>>11
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「虹蛇」>>10
第4章 朝廷の陰謀>>12-17(10話〜14話)
登場人物>>12
第10話「王の成人式」>>13
第11話「記憶の彼方」>>14
第12話「敵対」>>15
第13話「影沙堂の企み」>>16
第14話「''お頭''の出仕」>>17
第5章 敗北した光沙堂>>18(15話)
第6章 二つの勢力(16話)>>19
第16話「タルバルン末期へ」>>19
第7章 新国王即位(17話)>>20
第17話「新国王即位」>>20
第8章 葛藤(第18話〜19話)
第18話「侵撃」>>21
第19話「国は見捨てた」>>22
最終章 朧月の下で(最終話)
最終話「新たな月が。」>>23
〜登場人物〜
主人公・バンダル
祖父を殺した影紗堂への復讐の為、悪に手を染める。光紗堂の堂長
タイソブァク
光紗堂の堂員、バンダルの弟子
お頭/序列1位
黒い覆面を常につける影紗堂の堂長、政治家、バンダルの祖父を殺した人物
副頭/序列3位
黒い覆面を常につける影紗堂の堂員、政治家
ミオル/序列2位
バンダルの叔父、バンダルの師匠、影紗堂に敵対意思
タガラ王
''お頭''に擁立されて国王に。
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- Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.14 )
- 日時: 2019/10/15 15:54
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第4章 朝廷の陰謀】
正装をして宮へ向かう黒髭を生やしたバンダル。宮には酒を飲むクゥヌの姿とその他の臣下の姿があった。バンダルはタガラ王の面に顔を向けて言った。「国王陛下。私は陛下の成人を大変快く思い陛下に忠誠を尽くす所存でございます。」タガラ王はその言葉に驚く。「贈品よ。朝廷に遂に出仕するのか?」と嬉しそうな様子でバンダルに問いかける。「はい。陛下。私は記憶を全て取り戻した所存です。陛下に贈品として忠誠を誓います!」バンダルは膝を突きタガラ王に頭を下げる。その様子に怒りを覚えるクゥヌ。(バンダルよ…何故戻ってきたのだ…お前は朝廷に入る資格などはない…)拳を握り心中そう思うクゥヌ。
第11話「記憶の彼方」
夜空の下 冬風の音が響く宮の庭園で茶を飲むタガラ王とバンダル。茶を飲み一息つき、タガラ王はバンダルに言った。「隊月長(従一品の官位品)よ。私はそなたが禮賀図を手にいれる為に宮に1,000の大軍を連れて攻め入った事を。その時 私は影沙堂の頭の睨み顔に怯えてそなたへの逮捕令を下した。今も後悔している。何故 正確な判断を我は出来なかったのだろうか。我の親族ら前王を無惨に殺したあの者を倒そうとする光沙堂のお前達に手を伸ばす事が出来なかったのだ…何故あの者に圧迫されてそなたを追い込んだのか。全ては私のせいだ。全ては我のせいだった。」涙を瞳に溜めてバンダルを見つめるタガラ王。そのタガラ王の姿に悲しみを覚えるバンダル。「陛下。陛下が居てこそ今があります。民が影沙堂から守られた今があるのです。陛下は私の事の心配はせず民の心配をなさって下さい。陛下が居なくては。今のような平和は訪れませぬ。」タガラ王はバンダルの言葉に涙を拭き笑みを浮かべた__三日月が夜空に出るタルバルン。その三日月の下を酒に酔ったチファクが歩いてる。反対側からは傘を被ったヨチジソバクの姿。チファクはヨチジソバクの姿に気づく。チファクはすれ違おうとしたヨチジソバクの腕を握り引き止めた。「待て。お前…旧道堂の者ではないか?」チファクはヨチジソバクの顔を見ながらう尋ねた。ヨチジソバクは袖から刀を取り出しチファクの首に向ける。「何者だ?何故私の事を知っている?」ヨチジソバクは力強く刀を握りチファクの首に刀を刺そうとした時…「待て…私は現王の従兄弟チファク王子だ…」その言葉にヨチジソバクはチファクから刀を引く。「あなたが…チファク王子ですか…私は旧道堂のヨチジソバクと申します。」__
終
- Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.15 )
- 日時: 2019/10/15 20:51
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第4章 朝廷の陰謀】
バンダルは眠りから目覚ると太陽が照る昼空が目に入った。蘇る記憶の中には夜を飲み明かした自ら姿。バンダルは目眩がしてふらつく自らの体を抑えながらも立ち上がる。その様子を見ていた輿に腰掛けていたクゥヌ。
クゥヌの瞳にはバンダルを睨むような様子が描かれていた__
第12話「敵対」
朝見の為 朝廷に参内した衣を整え、急いた様子でやって来たバンダル。バンダルの隣には下級武官として参内したタイソブァクの姿。タイソブァクも共に衣を整えてる。バンダルは息を荒くして見宮内の扉を開ける。「陛下!遅くなりました。申し訳ございません。」バンダルが席に着くとソブァクは急いで武道園(武官らの訓練場)へ向かう。ソブァクが向かい見宮の扉が閉まるとタガラ王は机を強く叩いた。「隊月長。聞いたぞ。夜を飲み明かして遅刻したと。誠か。」タガラ王は怒り気にバンダルにそう尋ねた。「陛下。申し訳ございません。」タガラ王の怒りに少々怯えながらもそう答えた。クゥヌはタガラ王に向かって強い口調でこう言った。「陛下への朝見の際に遅刻するとは''反逆''の意思を持ったとしか考えられません。隊月長を反逆罪に問い、厳罰に処して下さい。陛下。」その後を続きミオルを除いた臣下たち全員が口を揃えてそう言った。クゥヌのその言葉に驚きを隠せないバンダル。ミオルも共に驚いた。「隊月長。今回は初の参内故に見逃すが…次に今回のような事があったら違ったとしてもこのような事が疑われる事があるかもしれぬ。気をつけよ。」タガラ王は そう優しくバンダルに言った。 クゥヌはバンダルをきつい目で睨みつけた__宮の廊下で親談するクゥヌらの目の前にミオルが現れる。ミオルは力強くクゥヌの頬を叩きこう言った。「クゥヌよ!あのような事を言うとは!バンダルの事を反逆罪で殺すつもりか!」その態度にミオルはクゥヌに突き飛ばされる。「なんだと!正三品ごときが私に怒鳴ると言うのか!お前の今日の態度を陛下に報告してやる。」クゥヌの様子にミオルは拳を握る__隊月長の館に戻るバンダルの前に刀を手にした覆面をしたチファクが現れる。チファクに刀を向けられるバンダル。バンダルはその刀を目にして尋ねた「何者だ?一体…何者だ?」チファクはバンダルに刃先を向ける__
終
- Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.16 )
- 日時: 2019/10/17 20:47
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第4章 朝廷の陰謀】
チファクに刃先を向けられるバンダル。バンダルはその先の鋭い刃を握ってチファクを突き飛ばした。バンダルは衣から短刀を取り出しチファクと刀を交える。チファクはバンダルに押され気味。力強くバンダルの短刀を振るうバンダルにチファクは刀を落としそうになる。そんなバンダルの様子を見かけたミオルが手に持っていた杖を槍のようにチファクに向かって投げた。その勢いよく飛んでくる杖をいち早く見つけ避けるチファク。危険を察したチファクは近くの馬小屋から馬を奪い跨いで走り去っていった__ミオルと酒を交わすバンダル。ミオルは不安そうな様子で言った。「バンダルよ。光沙堂含める朝廷はお前の事を一向に認めようとしない。どうするつもりだ?此度は陛下が庇ってくれたがクゥヌらは再び反逆罪の濡れ衣を被せてきたりするだろう。」そのミオルの言葉を聞き、頭を抱えて考える。「叔父上。クゥヌと和解する方法はないでしょうか。私もクゥヌとは決して戦いたくありません。」「多分 クゥヌとの和解は無理であろう。戦え。そして勝つのだ。」その会話を隣の席で聞く笠を被った影紗堂の頭__頭はボロボロの服を見に纏って屋敷に着く。そこに待っていたのは副頭とチファク。そしてヨチジソバク達。チファクは口を閉ざし頭に向かって膝を突き拳を握りながら口を開けた。「お義父様。申し訳ございません。ジャンの息子バンダルの始末に失敗しました。」その様子を見た''お頭''は覆面を取った。「影紗堂が朝廷に復活する方法が今日やっと思いついた。」「それは何ですか。お頭。」「ジャンの息子バンダルを影紗堂に入れる。」__
終
- Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.17 )
- 日時: 2019/10/20 13:37
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第4章 朝廷の陰謀】
チファクがバンダルの目の前に現れる。チファクはバンダルに向かって手招きする__バンダルはチファクに連れられ''お頭''の屋敷にやって来た。「久方ぶりだ。バンダル。」お頭の様子に驚きを隠せないバンダル。「何故お前がいる…」バンダルは驚きつつも''お頭''にそう尋ねた。「私は影紗堂にお前を入れる。お前を裏切った光沙堂に復讐はしたくないか?影紗堂にお前が入れば必ず復讐を遂げられる。」「私が影紗堂の手を借りてまで光沙堂に復讐する気はない。」「我ら影紗堂と手を組んだら禮賀図をやろう。どうだ?好条件ではないか?復讐を遂げると共に無敵を手に入れる。やってみぬか?」バンダルは苦悩の末''お頭''にこう言った。「分かった。1年だ。1年だけ私が契約しよう。」「いいだろう。1年のうちに光沙堂を潰してやる。」そう言い''お頭''は禮賀図をバンダルの手に握らせる__太陽が宮を照らす朝。「陛下。私自らが選抜したチチャンという臣下を朝廷に出仕させる事をお許し下さいませ。」そこに覆面を取った''お頭''ことチチャンが入ってくる。チチャンの様子に驚くクゥヌやタガラ王。「陛下。初にお目にかかります。チチャンと申します。」__朝会が終わり バンダルの元へクゥヌがやって来る。「バンダル。何のつもりだ?何故影沙堂を宮に出仕させた?何故…再び国は混乱に陥るぞ。」「何のことですか?私は有能な人材を陛下に出仕させる事を願っただけです。元々クゥヌ様らのせいで国が混乱に陥っているのに…私はその混乱に陥ったタルバルンを救おうとしているだけです。」「何だと?祖父を殺した影沙堂を…恐れぬのか?ジャン叔父上と祖父上を。祖父上と叔父上は影沙堂に殺されたというのに。。。」
終
- Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.18 )
- 日時: 2019/10/26 23:02
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
久しぶりの投稿です
【第5章 敗北した光沙堂】
11ヶ月後…チチャンとバンダルは朝廷での活躍が目立ち始めた。その活躍により光沙堂らの力は衰える様になっていった。そんな中 バンダルとチチャンの契約は残り半月を切った。
チチャンとバンダルは酒を交わす仲になっていた。バンダルはチチャンに酒を注ぐ。「隊月長。何故そなたの祖父と父を殺したも同然の男を受け入れてくれたのだ。」と酒を口にしながらチチャンはバンダルに尋ねた。「決してお前の為に受け入れた訳ではない。私の為に。自らの為に受け入れたのだ。私の父が代々受け継いで来た光沙堂をその父の臣下が奪い取った事に私が腹を立て受け入れた。それだけだ。それに決してお前が私の父や祖父を殺した事は1日も忘れた事はない。」そうバンダルは心中怒りが込み上げる中冷静にそうチチャンに答えた。そしてチチャンは口に付けていた杯を机に強く置いて言った。「隊月長。私は明日 これまで鍛え上げた影沙堂の堂員5万を連れ王宮に攻める。隊月長も来るなら来い。」そう言って立ち去っていた。
(彼は_私の父と祖父を殺したチチャンと言う者。極悪非道だ。1000年以上続く影沙堂の歴史を継ぐ元々は銃使いだった男。現在は銃使いの歴史を絶ち国の為に政治を行う。しかし彼の本当の野望は私さえも見抜けぬ。彼は__一体何を企んでいる。)
半月後…影沙堂の5万の堂員を連れて王宮に攻めた。国王タガラはチチャンに自決を強いられた。その頃 クゥヌらは臣下らと共に酒に浸っていた。
朧月の出た夜空の下 クゥヌの大きな屋敷に約1,000の兵士らが入ってきた。その先頭にはバンダル。バンダルは先頭で刀を掲げこう言った。「国の秩序を乱した逆賊クゥヌを我の前に連れて参れ!」クゥヌは外に集まった兵士の様子に気づき臣下らを捨てて刀を手に持って逃げていった。キョットンはバンダルを見て怒鳴った。「バンダルよ。謎こうなってしまったのだ!何故!そなたの父は遺言に何て申したか覚えておらぬか!''我の父を殺した影沙堂の頭を殺せ''と仰ったではないか!」バンダルは屋敷の見張りと守備らを殺した刀をキョットンに振り落とした。その血は顔に降りかかった__その頃 刀を手にバンダルらから逃げるクゥヌの前に約1万の兵士を連れて馬に跨ったチチャンが現れる。「春坡。流石だ。自らの為ならば臣下さえも置いてくると。醜い性格だ。」クゥヌはチチャンの様子に怯えて震えながらも刀を抜き、チチャンに襲いかかる。そんなクゥヌを兵士達が囲う。兵士らがクゥヌを囲う。するとチチャンは急いで馬に乗り後ろに後退した。その瞬間__兵士らは一斉にクゥヌに刀を刺した。クゥヌは刀を落とし血を吐き倒れた。それを見たチチャンは大声で笑った。チチャンは馬でクゥヌの遺体を踏み 馬に乗って走り去っていった。その後を走る兵士らもクゥヌの遺体を踏み走り去って行った。そんなチチャンと兵士らの前にキョットンを殺してきたバンダルが現れた。チチャンは馬から降りてバンダルと握手を交わした。「隊月長。今までありがとう。隊月長は私の事をいずれ殺す事になるだろうが決して後悔はしていない。」「遠慮なく復讐させてもらう。」チチャンの微笑んだ表情に対してバンダルは笑みなど見せず去って行った。
そして10日後 チチャンは国王になる予定だったバノク太子を殺害し自らの即位宣言を発表。チチャンは国王として即位した。バンダルはその事を知りつつも口出しは決してしなかった。
バンダルはクゥヌの墓前にやって来た。「クゥヌよ。お前が死なねば私は国王になどなれぬ__」墓前でそう言ったバンダルの目は鋭く冷徹な目だった__
ー終ー