複雑・ファジー小説
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- コンプリヘンシブ
- 日時: 2025/03/01 03:53
- 名前: 梶原明生 (ID: BLmVP1GO)
あらすじ・・・混迷を極める昨今の社会情勢。この時代を国や政府が乗り切るためにある専門家によるアイデアが採用された。それが「コンプリヘンシブ プロジェクト」各省庁の専門家でチームを組み、あらゆる事態と事件に対処する。ここまでは従来通り。しかし、ここからが違った。「省庁に限らず、アトランダムに選出されたあらゆるエキスパートに、それぞれのパイプラインとなって心臓部になってもらう。」つまりは壁を開けてお互いを共有し合う前代未聞のチーム作りを許可したわけだ。しかし問題はその土台をどこにするか。最終的に防衛省と警視庁が揉めたが、「まだ国民の多くは警察手帳に重きを置く傾向にある。また、単調的に説明しやすい。」として、やむなく「警察庁、警視庁」に本部を置く事で決定した。かくして、あらゆるエキスパート8人が警視庁別室総合特別対応室に集められた。しかも初日から特別に警察手帳と特殊拳銃が支給された。それぞれクセのある8人だが、国と国民を守るため、日夜あらゆる事案、事態、事件に「コンプリヘンシブ」達が挑んでいく。・・・8人の所属組織は以下の通り。防衛省(特戦、別班?)、警視庁、消防庁、海保、医療機関、マル暴、文科省、芸能界。
- Re: コンプリヘンシブ ( No.71 )
- 日時: 2026/01/12 05:14
- 名前: 梶原明生 (ID: 7hzPD9qX)
・・・和やかな空気を天川が変える。「皆さん。それでは、被害者の方々に哀悼の意を。」「哀悼の意を。・・・」グラスを掲げて杯を乾かすメンバー。それでも皆の気が晴れることはない。「キャー、可愛い。」黒石の歓声に皆驚く。新田がポカンとした。「何で猫がバーにいるんだ。」藤崎が説明する。「店名見なかったんですか。ほら。」指さす方向に目をやると、確かに「きゃっトバー」とある。「あ、・・・」新田と皆で顔を見合わせて笑う。和やかに再び酒宴が始まるのだが、新田が天川に話しかける。「なぁ、宴たけなわですまないが天川。お前のビデオライブ見せてもらった。須防の息子が銃を向けた際、撃たなかった時あったよな。おまけに須防が撃たれた際、伊川に分析させたらたしかに銃声は三つ聞こえたとある。お前まさか。」「いいじゃないですか。もう事件は解決したんですし、その三発目にしても、殺し屋が持ってた拳銃の弾でしょ。」「ああ。だが、あいつはその瞬間、倒れて絶命していたようにも見える。お前まさか・・・」「で、だとしてどうします。逮捕しますか。」「いいや。ただお前の良心が咎めないかなと思ってな。」「大丈夫です。撃ったのは殺し屋なんですから。」更に酒を飲み干す天川。「それより、真山と銃撃戦になった時、外にspがいたはずです。事情聴取によれば、気づかなかったとか。ありえないでしょ、あれだけ突っ込んだ上に銃声まであったんですよ。聞こえてないはずはない。」「恐らくはグルだな。だが、同時に何があっても助けにくるなと命令されてたんだろ。他のsp仲間を巻き込みたくなかった。いい警護官だったんだな真山達は。惜しいな。」「ええ。・・・」黒石が問いかける。「ねぇ、美山さん。そう言えば上原さんや御上さんとかは、どうして暗殺されたんです。「あのね、あんた今更それ聞く。まぁいいわ。ライライ募金機構覚えてるわね。あそこの多額納金者が竹田美湖さんだったの。浅川さんも御上さんも、アジアの子供達のためにと誘われて竹田さんと多額の募金をするようになった。でも竹田さんは海外旅行中、アジアの貧困国に募金が行き届いていないことに気づき、機構に疑問を持ち始めた。そんな時コロナ禍になった。彼女は俳優仲間の御上さん達と独自に調べ始めた。それが暗殺の引き金になった。上原さんはもっと以前に偶然この秘密を知ったのね。後は分かるよね。つまりそう言うこと。」「そんなことで。私御上さんのこと好きだったのに。許せない。」「もう解決したでしょ。いつまでも引きづらない方がいいわよ。」目線を下げてストローをいじる黒石。天川は再び藤崎に話しかける。「もしかして娘さん、もうすぐ結婚式じゃないですか。」「何故わかる。」「いや、何となく。」「何となく。違うな、能力があるからの間違いじゃないか。」「どう言う意味です。」・・・続く。
- Re: コンプリヘンシブ ( No.72 )
- 日時: 2026/01/12 21:04
- 名前: 梶原明生 (ID: bp91r55N)
・・・「お前、見えてるんじゃないのか。心霊が。」「どこでそれを。・・・」「イジメのあの件でロッカーに行った時。」「あの時。」「徳田教授が選んだ理由はそこもあったんだな。」「何だか操られてるみたいで嫌な感じですね。」「だが、志しは一つ。この国と国民に尽くす。ただそれだけさ。」グラスを傾けながら天川は言う。「徳田教授の正体、もしかして江戸時代の将軍の末裔じゃないですか。逆大政奉還を狙ってる。・・・とか。」「さぁな。お偉方の考えることまではわからん。」またもやグラスを一気飲みする藤崎。更に数日後。結婚式場にいる彼の姿があった。娘はもう二十代後半。今はすっかり「あの日」のトラウマを克服し、幸せの絶頂にあった。「お父さん。」「葵、キレイだぞ。」「ありがとう。」「それからな、仇は討ったからな。」「え、どう言う意味・・・」「いやいや、なんでもない。ほら、新郎がお待ちかねだ。」「うん・・・」涙ながらに立ち上がる花嫁。その様子を影から見守る新田の姿があった。・・・「スキャンダルラブー芸能界の闇ー終わり。 次回最終回。「オペレーションコンプリヘンシブ」に続く。
- Re: コンプリヘンシブ ( No.73 )
- 日時: 2026/01/16 04:40
- 名前: 梶原明生 (ID: Om7nks4C)
「オペレーションコンプリヘンシブ」・・・遠藤は正名を訪れていた。「遠藤さん。」丁度ライブ会場の準備をしていた瑠奈。二人は控え室に移動した。「これは現金だ。篠崎が残したものでな。それからこれはあいつが身につけてたペンダント。」そこには二人の写真が入っていた。幸せそうな瑠奈と篠崎。「渉っ・・・」涙する瑠奈。遠藤は灰皿がないのに気づいた。「まさか、オメデタか。」「今時そんな言い方するんだ。やっぱりバレた。私なら大丈夫だよ、この子がいるから。渉が残してくれた最高の宝物。」お腹を摩る瑠奈に安堵する遠藤。その頃、美山、黒石は与えられた休日を楽しんでいた。やがてカフェに入る二人。「ねぇねぇ、美山さん。過去の話聞きたいな。今まで一度も話してくれてない。どんな家庭で、どんな元彼いたとか。」「やめときな。聞いたってメチャクチャ暗い話になるよ。」「えーそれでも聞きたいなぁ。」それで思い出す忌々しい記憶。・・・「柊子、何だこの70点は。いいか、お前は一流の医師になるんだぞ。100点以下は人間じゃないクズだっ、このクズ豚が、家畜以下になりたいかっ。」頭を床に押さえつける医師な父親。彼はFラン大学に行くやつは人間ではなく家畜だとこき下ろし、高卒や中卒で働くインフラを支える人達を「クズ以下」と唱えるような男だった。無論娘にもそれを強要していた。美山はそれを幼少期から間違いと気づいていたが、母は父の言いなり。そんな中、彼女はパソコンというツールを与えられた。昔からIQは良かったが、物を分解して細部まで理解しないと気が晴れない。買い与えたパソコンを壊したとしてまた暴力に遭ったが、翌日には元通りに治していて、父に怖がられた。しかし、本当の恐怖はその後だった。中3の頃、父の不正と、自分と変わらない年の子と猥褻行為に及んでいた証拠を掴み、それを世間にぶちまけた。おかげで家庭は崩壊。しかし彼女は金に困らず、ハッキングを繰り返して学歴詐称。名前も母の旧姓にして、文部科学省に入庁した。まさか全て新田にお見通しだったとは梅雨知らず。「へー、そんな事が柊子さんにあったなんて意外。」「でしょ。だから言いたくなかったの。さて、今度は愛ちゃんの過去話して。当然でしょ。」「えー、どうせハッキングとかして知ってんでしょ。」「ええ、伊川さんもね。」「えーっあの伊川さんも。あんま知りたくないよーな・・・」「だーけーど。直接聞きたいの。データじゃなくて生の情報。」「えー。仕方ないなぁ。」彼女は都内の会社社長の娘として産まれた。母親は所謂、芸能ママだった。・・・続く。
- Re: コンプリヘンシブ ( No.74 )
- 日時: 2026/01/17 05:52
- 名前: 梶原明生 (ID: H/CWJliZ)
・・・実際の芸歴は赤ちゃんモデルからだが、本格的には小学校三年生からだ。種子島の祖母の死がきっかけだった。堰を切ったように黒石をあらゆるオーディションに受けさせた。しかしことごとく落ちてしまい、意気消沈する間もなく母は尻を叩いた。そこまでするのには彼女(母親)の過去が関わっている。彼女もまた芸能界に憧れて上京したからだ。しかし現実は厳しく、結局社長の彼と結婚。そしてすぐ黒石を孕った。そんなわけで、何としても娘には芸能界に入ってほしかった。そんな高校生の時、SF大作の主演が決まり大ブレイク。だが母は浮かぬ顔だった。その理由はオーディションに受かったからではなく、彼女の天才的な変装と調査能力にあったからだ。友達がストーカーから拉致された彼女は、警察が難航している中、小さな手掛かりだけでストーカーを探り出し、尾行。見事監禁場所を特定して助け出した。その報道が監督の目に止まり、主演抜擢になった。それは母にとっては屈辱だった。何故なら彼女のなりたかった夢に直結していた事がデビューのきっかけになったからだ。名探偵が夢だった。そんな時、新田が現れた。彼女にとって母の支配から抜けたかったから、渡しに船だった。「へー、愛ちゃんにもそんなことが。お互い親には苦労するね。」「本当ですね。」互いに微笑みあった。「あ、・・・」「私も・・・」緊急招集の知らせがスマホに入る。藤崎も自宅で妻とティータイム中に受けた。「行って。大丈夫、藤崎雅昭の妻よ。」「ああ。すまん。」早速本部に向かうコンプリヘンシブの面々。天川もまた、杏珠とデート中に受ける。しかも結婚指輪を選んでいる最中にだ。「これください。」勢いで決める天川。「逸さん。」不安がる彼女を落ち着かせた。「大丈夫。これ、代わりにもらって。支払いは済ませたから。」後ろ髪を引かれる気持ちで本部に向かう。「地蔵に赤い鉢巻きかよ。こんな絵送ってくるの新田主任くらいっすよ。」藤崎がいつものオフィスでボヤく。「まぁ、そう言うな。集まってもらったのは他でもない。見てくれ。この新宿のビルワンフロア丸ごとガス爆発で吹っ飛んで、死者一名を出す大惨事となった。古い元栓が原因だと。」「ならこれ消防と警察の仕事でしょ。俺たちが呼ばれたってことはつまり。・・・」「察しがいいな藤崎。そう言うことだ。実際は死者28名。爆発が起こる前に全員射殺されてた。しかもガスじゃない。RDXだ。」「アール、何です。」藤崎が答える。「RDX。つまり高性能プラスチック爆薬の事だ。軍か自衛隊にしかない代物だ。」斎賀が驚愕した。天川が聞く。「もしかして、このフロア。細菌研究のラボじゃないですか。」「御名答。何でわかった。」新田が指摘する。「何となくですよ。てことは風邪薬の研究じゃないですよね。」「そうだ。強いて言えば、細菌兵器開発のラボだった。」「さ、細菌兵器っ。」・・・続く。
- Re: コンプリヘンシブ ( No.75 )
- 日時: 2026/01/19 05:02
- 名前: 梶原明生 (ID: f..WtEHf)
・・・「そうだ。だが何を研究してたかは言えない。」その時天川が険しい顔になる。藤崎は気付いた。「何を研究していたか我々には知る権利があります。それに何であるか知らないで捜査するのは危険すぎます。細菌の恐ろしさは医師である私がよく知ってます。」その時天川の頭では杏珠のコロナで闘病していた姿が浮かんでいた。「わかってる。だが、上は情報をくれない。やれる限りのことをする。それだけだ。」「いいえ、危険です。相手は細菌兵器ですよ、テロリストや工作員を相手にするのとは訳が違います。そこに細菌兵器があり、全員射殺されたなら間違いなくその細菌兵器が奪われたと考えるのが当たり前です。となると万が一のパンデミックも視野に入れてあたらなければ。」「わかった。そこまで言うなら上と掛け合う。」早速現場に向かう面々。「派手にやりやがったなぁ。」藤崎はライトで照らしながらボヤく。しかしそれと同時に何か馴染む雰囲気があることに気付いた。それをなるべく考えたくなかったが、天川が黒焦げになったラボに入りたがらないばかりか、こちらを睨む視線が痛かった。「ん、こんな所に5.56ミリ弾の薬莢が。」誰にも見られないようにポケットにそれを突っ込む。斎賀が話しかけてくる。「何もありませんね。恐らく消防が入る前に政府筋の処理班が遺体も証拠も全部片付けたんでしょう。手掛かりでもあれば良かったんですが。」「ああ。」浮かぬ顔の藤崎を天川は見逃さなかった。視線を逸らす。「恐らく犯人はこのビルの屋上からロープリペリングで大窓を爆破して侵入し、中にいた28名を射殺。ラボから何らかの細菌兵器を持ち出した後、RDXでワンフロアごと吹っ飛ばした。これだけのことができる奴は、闇バイトの強盗でないのは確かだ。恐らく、どこぞの国に雇われたプロの軍人か工作員だろう。」天川が茶々入れる。「つまり自衛隊の特殊作戦群も含まれるわけですね。」「まだ決まったわけじゃない。あくまで憶測だ。」美山がラックトップ片手にキーを叩く。「それですけど、特殊作戦群のサーバーに侵入したら、その日休みになってる隊員が5名ほどいますね。どなたもプロ中のプロです。」「おーい、美山。それ機密保護法違反だぞ。誰がハッキングまでしろと言った。」
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