複雑・ファジー小説

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コンプリヘンシブ
日時: 2025/03/01 03:53
名前: 梶原明生 (ID: BLmVP1GO)

あらすじ・・・混迷を極める昨今の社会情勢。この時代を国や政府が乗り切るためにある専門家によるアイデアが採用された。それが「コンプリヘンシブ プロジェクト」各省庁の専門家でチームを組み、あらゆる事態と事件に対処する。ここまでは従来通り。しかし、ここからが違った。「省庁に限らず、アトランダムに選出されたあらゆるエキスパートに、それぞれのパイプラインとなって心臓部になってもらう。」つまりは壁を開けてお互いを共有し合う前代未聞のチーム作りを許可したわけだ。しかし問題はその土台をどこにするか。最終的に防衛省と警視庁が揉めたが、「まだ国民の多くは警察手帳に重きを置く傾向にある。また、単調的に説明しやすい。」として、やむなく「警察庁、警視庁」に本部を置く事で決定した。かくして、あらゆるエキスパート8人が警視庁別室総合特別対応室に集められた。しかも初日から特別に警察手帳と特殊拳銃が支給された。それぞれクセのある8人だが、国と国民を守るため、日夜あらゆる事案、事態、事件に「コンプリヘンシブ」達が挑んでいく。・・・8人の所属組織は以下の通り。防衛省(特戦、別班?)、警視庁、消防庁、海保、医療機関、マル暴、文科省、芸能界。

Re: コンプリヘンシブ ( No.56 )
日時: 2025/12/09 04:30
名前: 梶原明生 (ID: 6/JY12oM)

「スキャンダルラブ(芸能界の闇)」・・・「篠崎、何でまた急に。」猫カフェに来ていた遠藤がケータイブースで電話していた。「やばいっすよ遠藤さん。俺、消されっかも知れねー。頼れるのマル暴の遠藤さんくらいっすよ。」「いや、俺は今はマル暴じゃないんだ。関係部署に連絡してやるからな。」「ダメっすよ。遠藤さんじゃなきゃ無理っすよ。頼みますよ助けてくださいよ。」「わかった。とにかく落ち着け。今どこだ。」「池袋のあの高架橋下っす。」「わかった。今すぐ行くから待ってろ。」会計を済ませて飛び出す遠藤。池袋駅高架橋下に着いた頃にはすっかり暗くなっていた。人通りはまだ多いが、ちょっと外れたビルの狭間ともなれば、人っ子一人いない。遠藤しか知らないビルの狭間に入る。「どこだ篠崎。遠藤だ。」「ヴヴーグッ,・・・」うめき声ともわからない声を聞いた。「篠崎っ」ダンボールの隙間から情報屋として雇っていた篠崎が血だらけで倒れている。遠藤は抱き起こした。「え、遠藤さ ん・・悪い事はできねーもんだな。結局悪人の最後なんざこんなもんだよ。」「バカやろう。だから真っ当になろうとしてたんじゃないか。もう喋るな。今すぐ救急車呼んでやるから。」血だらけの手でスマホを持つ遠藤の手首を押さえる篠崎。「い、いいっすよ。もう助からない・・・そ、それより、ろ、ロッカー206番・・・」「206番がなんだって。おい、おーい。」叫んでも行き耐えていた。救急のサイレンが赤く遠藤の顔を照らす。・・・数時間後、まだ手を洗ってない遠藤とコンプリヘンシブの仲間が本部に集まっていた。新田が聞き始める。「で、竹中さんに連れてこられた遠藤さんはそんな血だらけで、何があったんです。」「ああすみません。説明まだでしたね。実は俺がまだマル暴にいた時、雇ってた情報屋がいたんすよ。名前は篠崎渉。元暴力団で、麻薬密売に関わってたやつでしたが、おれが高齢の母親の病院を世話したりしたことに恩義を感じ始め、五年ほど情報屋をやってくれてました。今日死んだやつはそいつです。今日は非番だったから喫茶店で寛いでたら篠崎から電話があり、何か重要な秘密を握ったらしく、助けを求めてきたんです。しかし、待ち合わせ場所に一歩遅かった。奴はロッカー206番とだけ言い残して息絶えた。救えなかった。真人間になるんだと俺に誓ってくれたのに。」血だらけの手を見る遠藤。藤崎が茶々入れる。「まぁ、そんなの、古巣のマル暴に任せれば・・なんて面じゃないですよね遠藤さん。新田主任。これも何かの縁です。上からの指示じゃないですが、このまま黙って引き下がりませんよね。」「まぁ、仏さんが命を落としてまで伝えた事件だ。弔いがてらやるとするか。」「そう来なくっちゃ。美山、調べ・・・」「てますよとっくに。池袋界隈のロッカーは調べただけで数十件。その中で206番が使われているロッカーは20件。うち、時間軸で計算して、篠崎さんが利用したと思われる206番のロッカーは2件。もう捜索依頼は各管理会社にしてあります。」「さすが美山だな。仕事が早い。てなわけでお宝をゲットしに行きますか。」一斉に立ち上がるコンプリヘンシブ。藤崎、遠藤組の方は空振り。スマホを取り出す藤崎。「こっちは総スカンだよ。そっちは。」「こっちもっすね。あるのは大量のエロDVD。しかも持ち主も判明。白っすね。」「手掛かりなしか。でもそっちが俺なら良かったな。なんつって。」「不謹慎ですよチーフ。今それどころじゃないでしょ。」「すまん、以後気をつける。」・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.57 )
日時: 2025/12/10 04:23
名前: 梶原明生 (ID: 0K0i.3Zc)

・・・天川が耳の中の無線に問いかける。「美山さん、聞いてますよね。他にロッカーはないんですか。」「ありはしますが、池袋界隈以外まで広げると範囲はかなりの量になります。」藤崎が割いる。「時間がかかるな。こいつは直接竹中さんに聞くしかないですね、遠藤さん。」皆一様に不思議がる。「竹中さんてあの温厚そうな、十和田さん達と同じ刑事課の人ですよね。」天川が聞く。「ああ。元マル暴のな。」「ま、マル暴・・・」「驚くのも無理はない。あの人はかつての遠藤さんの上司だよ。」「マジっすか。」四人は早速本部に戻った。松下が新田に聞く。「そう言えば愛ちゃんまた見かけませんね。何かあったんすか。」「ん、黒石か。彼女は芸能界に戻った。テレビつけて見ろ、復帰特番やってるぞ。」「本当っすか。」「ああ本当だ。コンプリヘンシブは無理だったんだろ。やはり華やかな芸能界が性に合ってるってことだろ。」テレビ画面に映る黒石を見て驚愕する松下。天川は違った。「嘘ばっかり。彼女はそんな事で芸能界に帰る玉じゃない。お得意の潜入ですか。」「あれ、バレたか。もうちょい騙せると思ってたのに。」番組が終了し、舞台袖に戻る黒石。事務所社長の岡井美佐が拍手する。「さすが愛ちゃん。うちに移籍してくれてありがとう。おかげで私も鼻が高いわ。」「いいえ、岡井社長と言えば、飛ぶ鳥を落とす勢いの新進気鋭の若手社長。信頼できるとわかったからこそ、復帰第一弾に岡井社長のツバサプロダクション移籍を望んだんです。」

Re: コンプリヘンシブ ( No.58 )
日時: 2025/12/15 03:19
名前: 梶原明生 (ID: yyWFfh9m)

・・・「ありがとう。でも、充電期間はオーストラリアにいたって本当。私の友人がいるんだけど、一度もシドニーで見かけなかったって話よ。」「いやー、ほぼほぼ引きこもりみたいな感じで・・・自分とむきあいたかったからーなんて。」「あ、それで。とにかく復帰してくれて何よりよ。」「いえー・・・」冷や汗かく黒石。そこでパシャリとカメラフラッシュが。岡井が食いつく。「あなた、週刊文冬の大平楓。」「ちわーす。今度は黒石さんのスキャンダル狙ってるんで、よろしく。」「いけしゃーしゃーとよく言えたわね。うちの事務所は芸能界浄化法に何一つ触れていないわ。今度またデマ吹聴したら文冬さん訴えますからね。」「おー怖。・・でもね、黒石さん、この一年、日本にいたって噂ですよ。おかしな話ですねー。シドニーにいるはずの黒石愛さんが、東京で目撃されるなんてありえないですよね。私の勘だと二つに一つ。妊娠やドラッグならシドニーに逃げるなら普通。しかしあなたはその逆に日本にいた。何故ですか。」「い、いや、し、シドニーにいましたよ。」「ふーん。では先程の二つに一つの話に戻りましょう。一つは男か犯罪に染まってる。」岡井が止めに入る。「もういい加減にして。」「まだ話の途中ですよ。そしてもう一つは・・・なんらかの公的機関に所属している。」一瞬ビクッとなる黒石。「やっぱり。じゃあ、失礼いたしました。」そそくさと帰る大平。「何よあいつ。」岡井は怒り心頭だが、黒石は冷や汗ものだ。その頃、喫煙室で竹中と会う遠藤。藤崎はガラス越しの外で背中を向けて立っていた。「やっぱり俺のとこに来たか。」「まだホープっすか。体に悪いっすよ。」「よく言うよ。lark吸ってる奴に言われたかないね。てか、そんな話しに来たわけじゃないだろ。」「ええ。 篠崎の事は知ってましたよね。なのに黙ってた。何故です。竹中さんならギリマル暴に足突っ込んでるでしょ。何か情報はないんですか。」「なぁ遠藤。今から16年前、あるアイドルの自殺を捜査したこと覚えているか。」「忘れもしませんよ。俺が違和感に気づいて意見したら途端に自殺と断定されて。鑑識は神様と言わんばかりに封殺された。東京連合の半グレ最大組織を潰せるチャンスだったのに。つまり言いたいのは、篠崎の件もまた緘口令敷かれて捜査差し止めになると言いたいんですか。」分煙席を叩く遠藤。「そうだ。お前の気持ちはわかるさ。多分総理官邸も同じ意見だろうよ。でもな、この世には触れたくても触れられない一線がある。」「警視庁や法執行機関ならね。」いきなりドアを開けて入ってくる藤崎。「あんた、やっぱり警察じゃないな。差し詰め軍人さんか。」「ノーコメントですね竹中さん。ちなみに言っときますが、私もその闇にいた側なんですがね。闇なら闇で対抗するまでです。篠崎さんの最近の動向知ってますか。」「それくらいなら。確か、奴は最近、ガールズバンドのボーカルに入れ込んでたらしい。元av女優の売れないロッカーだ。」「ロッカー・・・」顔を見合わせる藤崎と遠藤。・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.59 )
日時: 2025/12/17 03:25
名前: 梶原明生 (ID: xLaEhu2C)

・・・二人は新田に知らせた後、そのガールズバンドの女の元へ向かった。寂れたライブハウスで歌うボーカル。藤崎と遠藤が客に紛れたあたりから彼女は歌うのをやめた。舞台袖に入ったのを見て、二人は控え室に向かった。タバコに火をつける女。「ノックはいらない。入りな。」「正名瑠奈さん。それとも豊洲カリーナさんと呼ぶべきか。」遠藤が開口一番に聞く。「やっぱりね。あんたらは見ただけでわかる。客と雰囲気が違うし。av女優だったからってその名前出すの失礼じゃない。」「それはすまなかった。しかし、まるでプロの捜査員並だな。あんた、篠崎渉を知ってるよな。」「彼、何かしでかしたの。また麻薬絡み。」「落ち着いて聞いてくれ。数時間前、池袋駅高架橋下近くのビルで何者かに刺し殺された。」「え、う、嘘でしょ。何かの冗談よね。」「冗談なら良かったと思うが、これは現実だ。」「それで私のところに。」「ああ。彼の最後を看取ったのは俺だ。篠崎は俺がマル暴にいた時に情報屋をしててな。その縁で俺に助けを求めてきたんだが、一歩遅かった。それで篠崎が最後に残した言葉がロッカー206番だ。この言葉に,聞き覚えはないか。」「あるも何も、私と渉のいつもしけ込んでるシティーホテルの部屋番だよ。オーナーが彼の元舎弟でね。そこは特別に与えてもらってた部屋。」「藤崎さん・・・」「うむ。」正名を別チームに保護してもらった後、二人は早速そのシティーホテル206番に向かった。「ありましたよ隠し金庫。」藤崎が壁の違和感に気づき、貼り紙を剥がしたらあった。鍵を開けるなんて朝飯前。あったのはかなりの現金とUSBメモリー。「金は篠崎の母親と正名にやろう。問題はこのUSBメモリーっすね。」「遠藤さん、美山なしでも私なら、ある程度開けますよ。」ラックトップを取り出して接続する藤崎。「これは・・・」その内容は芸能界と政界と暴力団の闇を暴くにこと足りる証拠のオンパレード。しかし。「この日付と暗号は何ですかね。」遠藤が尋ねる。「さぁ。・・・」とぼけていたが、藤崎にはわかっていた。この暗号がテロ暗殺計画を示唆していると。しかも奇妙なことに、その芸能界、暴力団、政治家に向けられたものだ。「とにかくこれは本部に戻って美山や伊川に解析してもらい・・・危ないっ。」拳銃を見た藤崎は即座に遠藤を壁脇に追いやった。「パンパンパンっ」銃声が甲高く鳴り響く。シグ226を抜く藤崎。撃ってくる何者かに撃ち返す。「うぐっ。」確かに手ごたえはあった。「遠藤さん、援護を。」「了解チーフ。」二人してその黒い影を追う。「血だ。容疑者は腕に被弾してる。」藤崎が叫ぶものの、あらゆる物を通路や階段に倒していくため、なかなか追いつけない。人通りの多い道路で見失った。「チーフ、奴は。」「くそ、見失った。だが奴は被弾してる。美山にこの辺の防犯カメラと病院を調べるように言ってください。俺はもう少し追います。」「あ、チーフ。」走り出していた藤崎。「あの走り、あの撃ち方、間違いない。奴は自衛官。」・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.60 )
日時: 2025/12/18 04:36
名前: 梶原明生 (ID: k5z4h8lv)

・・・呟くものの結局人混みには勝てず、本部に戻らざる負えなかった。美山が解析している。「間違いないですね。16年前から行われていた裏金の流れや枕営業の証拠ビデオに画像。それから暴力団と政治家の繋がりを示す証拠画像にマネーロンダリングの記録と、・・・これ日本が転覆するような話ばかり。ましてや反日団体の中国政治家との癒着までありますからね。まるで証拠のデパートですよ。」皆少し頭を抱える。しかし遠藤が尋ねる。「美山、これ以外に暗号文があるだろ。それはどこだ。」「いえ、そんな記録はありませんが。」「そんなバカな。あるはずだ。」藤崎が合いの手を入れる。「銃撃のショックで飛んだんじゃないか。よくあることだ。」「そんなばかな。」追求しようとした矢先、スーツ姿の男女が複数入ってくる。新田が険しい顔になる。「誰だあんたら。」「随分と失礼だな、同業者なのに。ま、畑違いではあるが。内閣情報調査室実動班の者だ。」「内調が。麻田総理が。」「いや、正確には副総理の岩狩氏からだ。令状もある。」身分証ばかりか、厄介な令状まである。「篠崎が隠していたUSBを渡してもらおう。それからこの勝手な捜査から手を引けとのお達しだ。」「やっぱりな。くそっ・・・」「ん、何か言ったか。」「いやー、協力するよ。美山、渡せ。」「え、そんな、これは・・・」「仕方ない。上からの命令だ。」煮湯を飲む気持ちでUSBを差し出す美山。「素直でよかった。我々も君たちとは事を構えたくないんでね。」嫌味な態度で立ち去る内閣情報調査室実動班。「美山、ちょっといいか。」「ええ。」オフィスを出る二人。「で、どうなんだ。遠藤は嘘を言ってるとは思えんが。」「実は・・・削除した跡が。」「やはりな。消したのは藤崎だな。」「恐らくは。追いかけたと見せかけてどこかで消したんでしょう。」「そうか。USBが取られた今では復元しようもない。藤崎を呼んでくれ。」「はい。」ほどなく呼ばれた藤崎。「また改まってどうしたんですか。」「惚けるな藤崎。お前が暗号記録を消したのはわかってる。一体何のつもりだ。」「バレたら仕方ない。大したことないからですよ。」「それは嘘だろ。お前が読めるから。つまりその暗号は自衛隊か、軍隊が使う暗号だからだろ。」「やっぱりね。」「何がだ。」「昔、警視庁に入庁し、公安部に入った小平学校出身者がいると噂を聞いたことありますよ。即ち別班要員。自衛隊の暗号なんてあなたぐらいですよ想像できるのは。」「どさくさ紛れに何を言う。とにかくだ、その暗号には何が書かれてた。当ててやろうか。芸能界、政治家、暴力団や半グレに対する暗殺テロ計画。違うか。」「そこまで知ってたら話す必要ないじゃないですか。」「俺はお前の口から聞きたかったんだよ。残念だよ。兼ねてから噂程度に聞いていたが、まさかな。」・・・続く。


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