複雑・ファジー小説

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コンプリヘンシブ
日時: 2025/03/01 03:53
名前: 梶原明生 (ID: BLmVP1GO)

あらすじ・・・混迷を極める昨今の社会情勢。この時代を国や政府が乗り切るためにある専門家によるアイデアが採用された。それが「コンプリヘンシブ プロジェクト」各省庁の専門家でチームを組み、あらゆる事態と事件に対処する。ここまでは従来通り。しかし、ここからが違った。「省庁に限らず、アトランダムに選出されたあらゆるエキスパートに、それぞれのパイプラインとなって心臓部になってもらう。」つまりは壁を開けてお互いを共有し合う前代未聞のチーム作りを許可したわけだ。しかし問題はその土台をどこにするか。最終的に防衛省と警視庁が揉めたが、「まだ国民の多くは警察手帳に重きを置く傾向にある。また、単調的に説明しやすい。」として、やむなく「警察庁、警視庁」に本部を置く事で決定した。かくして、あらゆるエキスパート8人が警視庁別室総合特別対応室に集められた。しかも初日から特別に警察手帳と特殊拳銃が支給された。それぞれクセのある8人だが、国と国民を守るため、日夜あらゆる事案、事態、事件に「コンプリヘンシブ」達が挑んでいく。・・・8人の所属組織は以下の通り。防衛省(特戦、別班?)、警視庁、消防庁、海保、医療機関、マル暴、文科省、芸能界。

Re: コンプリヘンシブ ( No.76 )
日時: 2026/01/31 12:39
名前: 梶原明生 (ID: lvVUcFlt)

・・・「まさか。そんなわけないだろ。ん・・・」スマホを確認する伊賀。「どうした。」「いや、上の確認が取れた。いいだろう。犯人の目星だけは共有してやる。」「と言うと。一体どの国の工作員だ。」「いや、国・・・と言うより組織だな。」「組織だと。」「ああ。アングルヴァン。・・・て聞いたことないか。」「確か、都市伝説系の、ヨーロッパを中心とする謎の秘密結社。」「そうだ。そこの奴らが関与してると見ている。」「なるほど。中国でもロシアでも北朝鮮でもない、新たな敵か。」「ああ。奴らはあらゆる国、組織、機関にスパイを派遣して、影から操るとされている。そいつらが細菌兵器を盗みだした。」「だとして、その細菌兵器ってなんだよ。一体何を作ってたんだ。」「そこまでは言えないよ。だが名前は知ってる。アインズゼロ(0)」「アインズ・・何だそれ。」「さぁな。知り得ている情報はそれだけだ。」またスマホに知らせが入る伊賀。「どうやらラッキーだなお前。今回の件はお前らに協力して動けとの上からの御指示だ。」「それは心強い。やっぱり古巣のメンバーに限るな。」そう言って拳を当て合う藤崎達。伊賀が険しい顔になる。「なぁ、藤崎。定番で悪いが、ルームサービス呼んだか。」「何だって。・・・」脇から窓を覗く。確かに見知らぬ車が来ている。「天川、皆、拳銃の準備をしろ。閉店前のお客さんだ。」手慣れてるのか、直ぐに動く皆。ドアノブは爆破され、突入してくるアンノウン。統率された動きで覆面達は銃口を向けてくる。灯りは消されているが、暗視ゴーグルを装備。するといきなりレーザー光が走ったかと思いきや、既に三人の刺客が頭を撃ち抜かれている。「バカな、たかが自衛隊ごときが、ウッ」言ってる間にもう1人も撃ち抜かれる。特殊作戦群に暗闇で立ち向かったのが運の尽き。1人がスカーHを乱射してくる。「やったか。」覆面が更にグロック19で乱射して中に入るとまた頭を撃ち抜かれた。伊賀が予備のHK416ライフルを藤崎に渡す。「お前の相棒だろ。」「懐かしいな。取ってたとわな。」手に取り弾倉をチェックし、槓桿を弾き、中をチェックする。異常がないとわかると撃針を落とし、再び弾倉を入れてチャンバーを引く。手慣れた手順だ。ついでに手慣れた動きで射撃していく。最後の1人も射殺した。灯を照らすと、実況見分が始まる。「おい、こいつらタイ人だぞ。」「こっちはベトナム人。」「こいつは中国人だ。おかしい、アングルヴァンは白人組織だよな。」「ああ。雇われた傭兵か。或いは多国籍組織なのか。」藤崎、葛城、伊賀が驚いた。藤崎が答える。「後者だろうな。あらゆる組織や国家機関に工作員を潜り込ませてると聞いたからな。んっ・・」身体検査していたら、死体の一部に謎の電子端末が。「美山、頼む。」「はいよ。私に開けないドアはない。」ラックトップのキーを叩く音が静けさの中、異様に鳴り響く。「これは一時間ごとに報告するアプリになってますね。前の報告が10分前。その時、私達の暗殺の指示があったみたいです。発信元がわかりました。ここから40分の距離です。」・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.77 )
日時: 2026/02/13 16:35
名前: 梶原明生 (ID: BO2eV5at)

・・・「江東区ベイエリアか。そこのジュテームビル、レストランジュテーム。おい、伊賀。」「ああ。先手必勝。行ってみるか。首都高使えばすぐだ。」早速コンプリヘンシブと特戦群の面々は江東区ベイエリアに向かった。ジュテームの近くには東京国際クルーズターミナルがあり、大金持ちなら自分のクルーズ船で世界へ出ていける。その逆も。アングルヴァンには格好の拠点だ。やがて到着するメンバー。「俺以外のコンプリヘンシブは待機。特戦群の俺達だけで行く。」襲撃した奴らと同じ服と覆面して出る六人。「何故です。俺達も訓練してます。」「ここからの相手は桁違いなんだ。俺達特戦に任せな。」藤崎はニヤリとする。ビルの入り口にはレストランの前でドアマンがいる。「どうする藤崎。」「出たとこ勝負で行こうぜ。」と会話しつつ近づく。「止まれ。お前らガンマ隊か。やったのか。」「ジャッガーンリアップロイ。」「よし、通れ。」ヨタカを表したアンゴルヴァンの徽章を見せた上、流暢なタイ語で話す藤崎。彼らは銃をスリングで肩にかけたままレストランに入った。また「貸切」の札をかけるドアマン。中で目立つことはなかった。何故なら周辺ギャラリーは彼らと同じ覆面に黒い戦闘服だったからだ。初老の白人男性を中心にして幹部らしき人物が数十人ドレスコーデでテーブル前に座っている。「アンゴルヴァンの幹部諸君、よく集まってくれた。いよいよ我々の計画が佳境を迎えている。今世界は転換点にきている。イルミナティ、あんな組織は我々からしたら手緩い。我々こそが、この日本を変革し、やがて世界を変革する試金石となるのだ。」拍手が湧き起こる。藤崎が伊賀に話しかける。「あれが首領(ドン)か?」「らしいな。白人様々ってか。」そう会話した矢先、首領が何故かこちらを見る。「さて、今日は素敵なゲストが来てくれたぞ。紹介しよう。我らがガンマ隊を打ち破ったこの国最強の兵士。特殊作戦群とコンプリヘンシブと言う方々が遊びに来てくれた。皆さん盛大に拍手でお出迎えしてくれ。」パチパチとまるで予定していたかのように歓迎する幹部達。ギャルソンらしき黒燕尾服の男が近づく。「ささ、イカロス・ゴーン様が折角特別にディナーへあなた方をお誘いしてるんです。どうぞあちらへ。」「断ったら。」その時壁のモニターにコンプリヘンシブの仲間達が映し出された。「果たして仲間を犠牲にできますかね。」「不可抗力ってこともあるぞ。」「何ですって。」言う矢先、伊賀に黒覆面が銃口を向けた。それを見ずに伊賀はその黒覆面を撃った。「バラララッ」とサブマシンガンの連射が響く。堰を切ったように戦いが始まった。先ずは燕尾服から拳銃を奪い、彼を盾にして撃ちまくる。燕尾服は袖に仕込んだナイフで後ろを刺そうとするも、上腕筋を掌で押して防ぎ、今度は自分のシグ拳銃を抜いて射殺する。五代、沢村、葛城、藤原も同じように立ち回り、次々と敵を撃退した。・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.78 )
日時: 2026/02/18 18:48
名前: 梶原明生 (ID: g41dHign)

・・・部が悪くなるとイカロスは部下と共に逃げ出す。葛城が追いかけようとしたが、伊賀が止めた。「よせ、無理だ。それよりコンプリヘンシブだ。」「了解。」六人は一通り倒すと彼等のいる車に向かった。天川達が車から出てきた。「どうしました、一体何がありました。」「銃撃戦になった。どうやらあいつら、俺たちが来ることを知ってた。この端末のせいかも知れん。おかげで一杯食わされるところだった。伊賀、直ぐにお掃除部隊を呼んでくれ。警察や公安部が絡むと厄介だ。」「了解。」「あれ、黒石はどうした。」天川が答える間も無く現れる彼女。「へへー、変装してました。私達を狙ってた奴らは私が片付けてきました。」変装した姿でSFP-9拳銃を掲げる。「やるもんだな黒石。」「へへんっ。」自慢げにする黒石。藤原がスマホをチェックしながら報告する。「やはりな。死んだやつのスマホ調べたら、奴らのアジトはこのベイエリアの近くだ。表向きは港湾倉庫だが、中身はセイフハウスらしい。」「また罠じゃないだろうな。」藤崎が怪訝そうにする。「心配するな。ネットを経由してないやつらの写真からの情報だ。」早速イカロスを追って車を走らせる面々。港湾倉庫の割には小綺麗な鋼鉄製のドアがある。今度ばかりは全員がアジトらしき倉庫に同行した。ドアに恐る恐る手にかける藤崎。「んっ、開いてる。奴らにしては不用心だな。」「そればかりか監視カメラも撃たれてる。奴らわざわざこんなことするか?」「罠かもな。にしては・・・」警戒しつつ中を覗くと一人誰か階段で倒れてる。「死んでる。かなりの銃傷だ。ん、・・・これは、QSG92。別名、中国手槍。中国軍特殊部隊御用達の5.8ミリ拳銃だ。」藤崎の言葉に驚愕する天川。「ち、中国。何でそんな国の特殊部隊員が撃たれてるんです。」「さぁな。」上へ駆け上がった伊賀達が叫ぶ。「おい藤崎、こっちにも死体があるぞ。こっちはアンゴルヴァンのメンバーだ。中国軍特殊部隊員の射殺体も転がってる。」「何だって。」早速彼等も駆け上がる。「これは一体。」辺り一面、アンゴルヴァンと中国軍特殊部隊員が撃ち合いになって倒れている。「わざわざ中国様が日本の為にアンゴルヴァンを片付けてくれたとか。んなわけないか。あの国だもんな。」伊賀が身分証などを服ポケットから調べながら答える。「だよな。あるいは都合の悪い情報を削除しにきただけかも。自国政府がアンゴルヴァンに唆されて、奴等の策略に乗せられてアジア支配に軍事的威嚇に乗り出した、なんてバレたら大変なことになる。」「やれやれ、益々厄介だな。」美山が残っているパソコンから何か情報を抜き出した。「藤崎チーフ、見てください。彼がアンゴルヴァンの真のトップかも。」そこにはイカロスですら平伏している様が映し出されていた。明らかに東洋人だ。「こ、この男、・・・生きてたのか。」「チーフ、知ってるんですか。」忘れもしない。あれは今から37年前。中国天安門事件のあった年だ。彼はまだ5歳の子供だった。父は中国の民主化運動の幹部的存在だった。妻とは学生結婚で、民主化の為に留年を繰り返してまでも活動に専念していた。そんな矢先あの事件が勃発。父母を兵士に目の前で射殺された彼は、日本の貿易商で働いていた藤崎の父に抱え上げられ、事なきを得た。やがて彼は自分の子供として中国を脱出。5歳の彼は藤崎家の養子として成長することとなった。当時まだ高校生だった彼は、早くから父の素行に違和感を覚えていた。確かに調べても、ただの「貿易商社の海外出張ばかりのヒラ社員。」と言う肩書きしか出てこない。普通の人ならそれで安心するが、藤崎は尚更不自然さを感じた。いまでこそ分かる。当時の親父はまさに「陸上自衛隊諜報部 別班」だったんだと。・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.79 )
日時: 2026/03/04 22:11
名前: 梶原明生 (ID: 4sTlP87u)

・・・天寿を全うした父からはもう聞くことはできないが、間違いはないだろう。養子となった男の子をまるで実の弟のように可愛がっていた藤崎。彼が成人してからも交流は絶えなかった。「兄ちゃん」といつも呼んでくれた。しかし、まだ20代で彼は交通事故で亡くなった。遺体は見るも無惨な姿で発見されたのだが、もしこれが「偽装工作」だったら話は違ってくる。「あいつ、このために俺たち家族を、騙したのか。」美山が再度聞いてくる。「藤崎チーフ、どうしました。」「ああすまん。実はな・・・」先の内容を皆に話す。「なるほどな。まさかそんな近くにこんな因縁があるとはな。世間は狭いな。」「伊賀・・・とにかくだ、ここはうちの掃除屋を呼べない。中国様々な掃除屋が来る頃だ。必要な資料のみ回収したらさっさとずらかるぞ。急げ。」慌ただしく降りていく彼ら。一旦は本部に戻り、回収した資料を元に捜査することにした。「へー、あの俺たちを目の敵にして監視する公安の真下にこんな基地を作るとはな。ある意味スーッとするな。」伊賀のその呟きに反応する藤崎。「やめとけ。目の前にその公安様がいるぞ。」「おっとつい口が滑った。失敬。」苦笑いの新田。伊川が割って入る。「見つけましたよやつらアンゴルヴァンのアジト。那須高原のペーパーカンパニーの保養施設。ロイヤルマウンテンです。勿論それは表向き。恐らく地下は要塞化されてますよ。」「面白い。やりがいがあるってもんだろ。」「よし、なら今すぐ戦闘準備して向かうか。」「いや、待て伊賀。その前にご挨拶にあがらないといけないところがある。」「ん、何だ。・・・」首を傾げる彼を他所に、藤崎はほくそ笑んだ。赤坂の美味しい最高の中華料理を出す店がある。名前は「御殿房」。そこでうまそうに料理を堪能している中国人がいた。「孫さん。海保事件以来お久しぶりですね。こりゃ美味そうだ。これ炒飯。俺の好物なんだよな。」「き、貴様はコンプリヘンシブの藤崎。・・・」太々しく孫の隣に座って人の料理を頂く藤崎。「あ、ご心配なく。護衛さんは皆休憩してもらっていますよ。ゆっくりお話しができますね。」「ふざけるな。こんなことしてただで済むと・・」「あれ、心外だな孫さん。私達はお礼を言いに来たんですよ。これからも末長くお友達になるために。残念だなーそんな風に思われるなんて。私たちの代わりにアンゴルヴァン支部を片付けてくれてありがとうございます。」何も言えなくなる孫。「これは些少ではございますが、おたくの国に潜入してる工作員のリストです。」引き渡しながらスマホ画面を見せる。「それからアンゴルヴァン幹部とおたくの共産党幹部が会合している動画です。保険として公安部と共有することにしました。あまりバカなことは考えない方がいいと幹部各位にお伝え下さい。」・・・続く。

Re: コンプリヘンシブ ( No.80 )
日時: 2026/03/06 21:46
名前: 梶原明生 (ID: 6/JY12oM)

・・・歯軋りする孫。「この小日本が。」「ええ、大所帯と違って小回りが利くもので。」レンゲを置きつつ立ち去る藤崎達。「さて、最後の仕上げと行きますか。」「ああ。」伊賀と拳を合わせて車に乗り込む。走行中、美山が顔を曇らせたことを藤崎は見落とさなかった。「どうした美山。」「いえ、関係ないかもですけど、ネットで気になる書き込みが。」「何だ、言ってみろ。」「アインズゼロって名前はまだ公表されてないのに、その名前を使って投稿してるネット記事があるんですよ。偶然にしては・・って内容なんです。」「見せてみろ。」運転している隊員以外はラックトップの画面に注視する。「アーガス計画。アーガスと言えば百眼神。このウィルスに感染した人間の目を監視カメラ代わりにできるし、思考を操れて、場合によっては心筋梗塞を引き起こしてその感染者を暗殺できるだと。」


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