二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケットモンスターIH
日時: 2013/05/02 21:37
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 どうも、初めての人は初めまして。白黒というものです。
 旧二次小説紙ほかを覗いた事がある人なら知ってる人もいるかもしれません。以前にも、ポケモンの二次小説を執筆していました。
 さて、白黒はずっと紙ほかで活動していたので、実は映像板で小説を書くというのは初めてなので、もしこの板限定での暗黙のルールとかがあるのなら、それを守れていない可能性が高いです。その時はごめんなさい。

 それと、先に断わっておきますが、白黒はこの時期、かなり多忙だったりします。なので更新が滞る可能性が高く、また同時に建てた二次小説新紙ほかの作品がメインとなるので、こちらの更新頻度にはあまり期待しないでください。

 ではざっくりと作品説明です。白黒は今まで、ゲームをモデルにした冒険ものの作品を執筆してきました。僕の知るポケモン作品の書き手さんも、そのような作風が多かったです。しかし白黒は、ちょっと違う作風にも挑戦したくなり、このような小説を作りました。
 皆様も気になっているであろうポケットモンスターに続く『IH』の二文字。これはインターハイの略です。つまり、今作のポケモンは学園ものを織り交ぜた作品となります。
 細かいことは後々プロローグとか紹介しますが、実はこの作品、ポケモン以外の作品からも取り入れているものがあるのですが、ポケモンの二次小説という土台を壊したくないので言わないことにします。分かった人は……まあ、言っても言わなくても好きにしてください。
 ともあれ、今作品は他に見るポケモン小説とは異質なものとなっていると思われます。バトルもアニメや漫画より、ゲームに近い形に仕上げるつもりです。なので対戦での専門用語とか出て来ると思いますが、分からなかったら聞いてください。あと、白黒はそれど対戦経験が豊富ではないので、ダメージ計算などは結構適当です。もし間違っていても、大目に見てください。
 さらにこの作品は三つのサイドからストーリーが展開するのですが……まあそれは追々説明します。

 それと、前作やもう一つの作品ほどではありませんが、この作品でも非公式のポケモン、アルタイル・シリウス、ベガのポケモンが登場します。知らないポケモンが出た時は、>>0のURLをクリックしてください。決してポケモンの新作、X・Yのポケモンではないので、ご注意を。
 なお、もう一つの作品でも言っていますが、この作品内ではポケモンバトルにおいて超常的な現象が起きます。まあ、超次元サッカーとか異能力麻雀とか、そんな感じのものだと思ってください。

 長くなりましたが、これより、白黒の新しい物語が始まります——





プロローグ
>>1

雀宮編

序章
>>2 >>5 >>6 >>10 >>11 >>12
龍源寺高校
>>13 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20

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Re: ポケットモンスターIH ( No.4 )
日時: 2013/04/15 00:47
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: オリキャラ募集したけどまだ時期尚早……

タクさん


 実はポケモンではないんですけれど、とある作品の影響を受けてこのような小説を書くに至りました。
 学園ものとは言いますが、学校行事はほとんど出ないと思います。メインはトップにあるように、インターハイですので。
 白黒は深夜に更新することがわりと多いです。逆に昼間や朝方はカキコにいないことが多いですかね……まあ、ご参考までに。

第二戦 雀宮高校 2 ( No.5 )
日時: 2013/04/15 02:15
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: 体感的にウインディのワイルドボルトは意外と威力が出ない。何故?

 ポケモンバトルの演習が行われるのは特殊な体育館の中だ。外見は普通の体育館なのだが、中は外観よりも広い。
 これは、体育館の中がバーチャル空間になっており、中に一歩足を踏み入れれば体は素粒子まで分解され、空間内にデータとして適応し、新しく体を構築する。まあ、要するに体積や容積などを自由に弄れる、ポケモンバトルをするための特殊空間だ。
「……やっぱりこの感じ、慣れないな」
「そうかな? わたしはこのふわっとした感じ、好きだけどな」
「ふわってなにさ……まあ、僕は中学の頃はこんな洒落たものなかったから、まだ違和感を覚えるだけかもしれないけど」
 などと言いつつ、千尋とこのみは体育館の奥へ奥へと進んでいく。
「ほらほらヒロさん、早く早く!」
「分かった分かった、分かったから少しは大人しくしろよ」
 伊織に急かされ、適当な位置を決めて、二人は向かい合った。
「このみちゃんは審判お願いね。ま、ごしんのよちがしょーじるまでもないくらい、速攻で決めるけど」
「お前、絶対に意味分からずに言ってるだろ」
 あながち間違った使い方ではないが、最後の速攻で決めるという発言のせいで違和感がある。
「そんじゃーここはあたしから先にポケモン出してあげるよ。せめてもの情けって奴だね」
 偉ぶった態度で言って、伊織は手にしたモンスターボールを放り投げる。
「行くよ、ウインディ!」
 伊織が繰り出したのは、伝説ポケモン、ウインディ。攻撃面がそれなりに優秀で、素早さもそこそこ。威嚇なら耐久力もあるのだが、伊織の持つウインディの特性は貰い火だ。
「ほらほら、ヒロさんも早くポケモン出したら?」
「…………」
 安すぎる挑発をする伊織を無視して、千尋は自分の繰り出すポケモンを考える。
(参ったな、今日はウインディとまともにやりあえるポケモンはいないぞ……)
 全員が炎タイプ弱点とかそんなことはないのだが、大抵のポケモンはウインディの覚えているだろう技に弱点を突かれてしまい、残るポケモンも弱点を突かれなくともゴリ押されてしまいそうだ。
(伊織のことだから努力値振りなんて考えてないだろうけど、あいつの初手は何故か火力とかスピードが段違いだからな、一対一で勝つのは難しい)
 伊織のポケモンはほぼ全てがフルアタ、つまり全て攻撃技の構成となっているので、範囲は広い。さらに相手が物理型であると考えれば、覚えている技はフレアドライブ、逆鱗、インファイト、噛み砕く、ワイルドボルト、神速あたり。技の威力を重視する伊織がニトロチャージや地ならしを覚えさせているとは考えにくい。となると、ほぼ確実なのがフレアドライブとインファイト、そしてワイルドボルト。なので水や岩タイプのポケモンは出し難い。かといってウインディのタイプ一致フレアドライブを等倍で耐えきれそうなポケモンは、今の千尋の手持ちにはいない。火力アップアイテムを持っていることも考慮すればなおさらだ。
 となれば、
「……もう、なんでもいいや」
 千尋は諦めた。
「どうせ伊織に一対一で敵うはずないんだから、さっさと終わらせよう。トドゼルガ」
 千尋が繰り出したのは、氷割りポケモンのトドゼルガ。有用な補助技を多数おぼえ、耐久力もあるポケモンだ。怒りの前歯と潮水のコンボや、眠ると寝言で絶対零度と地割れを連発する一撃必殺に頼った戦法、はたまた霰下で身代わりを発動し、アイスボディや食べ残し、守るなどで時間を稼いで身代わりのHPコストを補填する無限トドなる型などが流行している。
 ちなみに、千尋のトドゼルガの特性は厚い脂肪。炎技の威力を半減するので、少なくともフレアドライブでゴリ押しされることはない……はずである。
「えっと、じゃあ始めるよー」
 緩い感じの声と共に腕を上げる。
「試合スタートっ」
 そしてそのすぐ後に手を振り下ろし、試合は開始された。
「トドゼルガ、なみの——」

「ウインディ、ワイルドボルト!」

 刹那、電撃を纏ったウインディが一直線にトドゼルガへと突っ込み、吹っ飛ばした。
「……あれ?」
 吹っ飛ばされたトドゼルガを見て、このみは首を傾げている。それもそうだろう、トドゼルガはウインディのワイルドボルト一撃で、戦闘不能になっているのだから。
「もとより先制できるとは思ってなかったし、来るとしたらインファイトだと思ってたけど……本当に半端ないなぁ、お前」
「ふふん。ま、これがあたしの実力さ!」
 話を整理すると、素早さで勝るウインディはトドゼルガにワイルドボルトで先制攻撃を仕掛けた。千尋のトドゼルガは耐久力に特化していたのだが、そんなことはお構いなしに伊織のウインディはワイルドボルトでトドゼルガを葬り去った。
 このみも流石に一撃でやられるとは思っていなかったようで、わたわたしているが、それを無視して千尋と伊織は会話を続ける。
「命の珠を持ってたとはいえ、耐久特化の僕のトドゼルガを一発か……お前には敵わないよ、本当」
「見直した? 見直した?」
「あーうんうん、見直した見直した」
 適当な返しだったが、それで伊織は満足したのか、やたらふんぞり返っている。その時だった。

『これより、三対三の演習を行います。手持ちのポケモン三匹を用意して、各々対戦相手を探してください』

 バーチャル体育館の中に放送が流れる。どうやら一対一は準備運動のようなもので、本番は三対三のオーソドックスなバトルらしい。
「えー、三対三でやんのー? せっかくあたしのボーナスステージだと思ったのにぃー」
「文句を垂れるな。今日日、三対三のバトルが主流なんだから、いくらポケモンバトルに消極的なこの学校でも、その形式に合わせるのは当然だろ」
「うー……じゃーあたしヒロさんともっかいやる」
 うなだれながらやる気なさそうに伊織は言った。
「まあ別に僕はいいけどさ……あ、このみはどうする?」
「わたしは別の人を探すよ。二人とも、がんばってね」
 仲間内で一人あぶれても笑顔で立ち去るこのみ。まあ本人はそこまで思っていないだろうが、千尋にはどこか健気に見えた。
「さて、それじゃあ第二戦、始めるか」
 千尋は新しくボールを取り出し、握り込んだ。伊織も同じようにボールを取り出す。
「順位は確かに僕の方が下だけど、三対三なら僕にも勝機はある。手加減なんかしないからな」
「当然……いや、上等! 全力でかかってきなよ!」
 バトルとなると急に威勢がよくなる伊織。口ではなんだかんだ言いながら、どんな形式でも純粋にバトルを楽しんでいるようだった。
「それじゃあ」
「始めよっか」
 そして二人は、同時にボールを放り投げた。

第三戦 雀宮高校 3 ( No.6 )
日時: 2013/04/15 02:17
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: 速攻の伊織と対策の千尋、勝負の行方は……?

「行くよ、バクフーン!」
「出て来い、ポリゴンZ!」
 伊織が繰り出すのは火山ポケモン、バクフーン。千尋が繰り出すのは、バーチャルポケモン、ポリゴンZ。
「バクフーンか……」
 内心、千尋は歓喜していた。いやそこまで喜んではいないが、伊織の戦術がバレバレなので心の中で微笑みを浮かべていた。
(相手がバクフーンなら、恐らくスカーフ持ち……なら一発目で来るのは噴火だな)
 拘りスカーフを持たせたバクフーンに、先制して噴火を使用させる戦法は一時期流行し、今でも有名だ。今は炎タイプを受けられるポケモンが多くなったり、あまりにも流行し過ぎて戦術がバレバレになってしまったりと、昔に比べて落ち着いてはいるが、それでも単純かつ強力であることに変わりはない。
 だが手の内さえ知れれば対策は簡単だ。
(ま、それでも無闇に交代させて、後続にダメージが溜まるのも嫌だな。伊織の初手のポケモンは異様にパワーがあるし、ここは確実に仕留める)
 幸い、ポリゴンZの特性はアナライズ。後攻なら技の威力が増すため、ほぼ確実にバクフーンを倒せるだろう。
 そう思った直後、伊織とバクフーンが動き出した。
「バクフーン、噴火!」
 案の定、千尋の予想通りにバクフーンは先制一発目に噴火を放ってきた。口から発射される高熱の爆炎。体力が満タンの時に放たれるバクフーンの噴火は途轍もない威力だが、
「っ、耐えてる……!?」
 ポリゴンZはまだ戦闘不能ではなかった。体力を僅かに残し、バクフーンの噴火を耐えていた。
「気合の襷を持ってたんだ……」
「まあな」
 気合の襷とは、ポケモンバトルにおいてはかなりメジャーな道具だ。体力が満タンの時に攻撃を受け、その一撃でやられそうになっても、ギリギリ持ち堪えるという道具。その道具があったために、ポリゴンZはバクフーンの高火力の噴火を耐えられた。
「次はこっちから行くぞ。ポリゴンZ、トライアタック!」
 ポリゴンZは両手と足にそれぞれ赤、青、黄の三色のエネルギーを凝縮し、それぞれから光線を発射する。
「バクフーン!」
 三本の光線の直撃を喰らい、バクフーンはあえなく戦闘不能。
 ポリゴンZはノーマルタイプで最も特攻が高く、全ポケモン中でもトップクラスだ。加えてタイプ一致のトライアタックにアナライズの特性まで加算すれば、その火力は計り知れない。
「うぅ、先勝されたぁ……戻って、バクフーン」
 悔しそうにバクフーンをボールに戻す伊織。確かに先手を取ったのは千尋とポリゴンZだが、残り体力は数値化すれば1。突けば消し飛ぶ体力しか残っていないので、ほぼ差し違えたようなものだ。
「相手はノーマルタイプ。だったら次は任せたよ、コジョンド!」
 伊織の二番手はコジョンド。高い攻撃力と素早さを兼ね備えるポケモンだ。
 このコジョンドに対しても、千尋は思考を巡らせる。
(コジョンド、普通は手負いのポリゴンZが相手なら確実に先制で猫騙しを使ってくるんだけど、伊織のことだから猫騙しを覚えさせていない可能性が高い。跳び膝蹴りとストーンエッジ、アクロバットあたりは確実かな……他にあるとすれば、ウッドハンマー、ブレイズキック、三色パンチ、ぶち壊すくらい? なんにせよ、一発目は命中安定のアクロバットあたりが来そうだな)
 伊織の手持ちはほぼ全てが速攻アタッカーなので、中途半端な素早さしか持たないポリゴンZでは、先制するのは難しいだろう。それならここは、ポリゴンZには悪いが捨て駒にし、後続に繋げた方がいい。
「コジョンド、冷凍パンチ!」
「お?」
 コジョンドは一瞬でポリゴンZとの距離を詰め、凍てつく拳を叩き込む。その一撃で、ポリゴンZは戦闘不能となった。
「……戻って、ポリゴンZ」
 千尋はポリゴンZをボールに戻し、再び思案する。
(アクロバットじゃなくて冷凍パンチ……てことは、ジュエル持ちか? どうせ一撃で倒せるポリゴンZ相手だから、飛行のジュエルを消費するアクロバットを嫌った?)
 なんにせよ、相手がコジョンドならこちらの出すポケモンは決まっている。
「次はお前だ、アーケオス!」
 千尋の二番手はアーケオス。飛行タイプで弱点を突けるのだが、それだけではない。
 種族値の関係上、最速ならコジョンドはアーケオスには先制できない。伊織がどんな風に努力値を配分しているのかは知らないが、千尋のアーケオスは攻撃と素早さに特化させてある。なので仮にコジョンドが最速だったとしても、アーケオスは抜けない。
「一撃で決めるよ、アーケオス。アクロバット!」
「させないよ! コジョンド、ストーンエッジ!」
 コジョンドは自分の周囲に鋭く尖った岩を浮かべてアーケオスを迎撃しようとするが、先ほど述べたようにコジョンドのスピードは僅かにアーケオスに劣る。鋭い岩が射出させる前にアーケオスはコジョンドに接近し、勢いよく翼を叩きつけて吹っ飛ばす。
「コジョンド!」
 結局コジョンドがジュエル持ちだったかは分からず仕舞いだが、代わりにアーケオスが飛行のジュエルで強化されたアクロバットを披露し、コジョンドを瞬殺した。
「これでお前の手持ちは残り一体だ。さあどうする?」
「うぅー……」
 唸りながら伊織はコジョンドをボールに戻し、最後のボールを手に取った。
「最後は頼んだよ、ガブリアス!」
 伊織の最後のポケモンは、マッハポケモン、ガブリアス。
 俗に600族と呼ばれる強力なポケモンで、種族値配分に無駄がなく、技の範囲も優秀。アタッカー向きなため攻撃面がクローズアップされがちだが、耐久力も意外と高く、調整すればそう簡単には落ちず、とにかく強いの一言で表されるポケモンだ。
(ガブリアスは強い。覚えてそうな技は逆鱗と地震、それからストーンエッジになんかだろ。怖いのはやっぱりエッジかな)
 ガブリアスのストーンエッジなんか喰らえば、アーケオスは一発で戦闘不能だ。
(でも最速アーケオスなら、ガブリアスには抜かされない。一撃で仕留めるのは無理かもしれないけど、手傷を負わせられれば後続に続けられる)
 そう思い、千尋はアーケオスに次なる技を指示する。
「アーケオス、ドラゴン——」

「ガブリアス、アイアンヘッド!」

 刹那、アーケオスはガブリアスの猛烈な頭突きを喰らい、吹っ飛ばされていた。
「!?」
 その光景に、千尋は目を見開く。驚くべきことが多数あり、どこを突っ込めばいいのか分からない、とでも言いたげな表情だ。
 だがそれでも、千尋はなんとか言葉を紡ぎ出す。
「……抜かされた?」
 まず最初の疑問はそれだ。最速のアーケオスならガブリアスには先制されないはずと思っていたのに、この結果。どういうことだと千尋が首を傾げていると、
「そんなの簡単なことだよ。あたしのガブリアスの持ち物は拘りスカーフ。最速だかなんだか知らないけど、そんなアーケオスぶっち切っちゃうよ!」
 簡単に言う伊織だが、それはありえないはずだ。なぜなら、
「でもお前、最初のバクフーン、スカーフ持ちだったろ……?」
 ポケモンバトルでは、同じ道具を複数のポケモンに持たせることは出来ない。公式の試合でないとはいえ、そのルールは基本的に厳守される。それは伊織も分かっているはずだ。
 だが次に伊織の口から飛び出した言葉は、千尋の予想の斜め上を言っていた。

「あたし、バクフーンには火の玉プレート持たせてたんだけど?」

「っ……!」
 その一言で謎が全て解決した。
(ポリゴンZは普通に抜かされただけかよ……! 素早さ特化させたってのに!)
 ともあれ、ガブリアスのスピードの謎は解けたが、もう一つの謎だ。これは口にするまでもないので、頭の中で思考するだけだが。
(なんでアイアンヘッドなんか覚えさせてんだよ、こいつ)
 鋼タイプは基本的に、攻撃には向かない。なぜなら、鋼タイプの技で弱点を突けるのは、岩と氷の二タイプしかないからだ。
 サブウェポンが不足してるのならともかく、ガブリアスは自身とストーンエッジを覚えるので、その二つで岩と氷の弱点は十分突ける。それでもあえてアイアンヘッドを採用するのなら怯み狙いくらいだが、それなら逆鱗でもなんでも普通に殴った方が遥かに良いはず。
(本当にこいつはなにを考えてバトルしてんだか。よくこんな戦法で学年二位なんて順位になれたな)
 とはいえ、普通なら最初のバクフーンでこちらのパーティーは壊滅寸前まで追い込まれている。千尋は伊織の傾向をよく知っているから、その対策になるようなポケモンを揃えたため、こうして互角以上の戦いが出来ているのだ。何も知らない生徒が戦えば、最初のウインディで三タテされるなんて日常茶飯事だろう。
「……戻れ、アーケオス」
 とりあえず疑問はほとんど払拭された。千尋はアーケオスをボールに戻し、こちらも最後のボールを手に取る。

Re: ポケットモンスターIH ( No.7 )
日時: 2013/04/15 08:00
名前: シグレ (ID: xJkvVriN)

初めまして。シグレと申します。
紙ほかでも白黒さんの小説を拝見しましたが……かなり面白いですね。本当の小説家さんが書いているみたいです。憧れちゃいます。(笑)

それでは、頑張って下さい。

Re: ポケットモンスターIH ( No.8 )
日時: 2013/04/15 19:14
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: 最大文字数が紙ほかよりも少なくて不満

シグレさん


 初めまして。コメントありがとうございます。
 いや、プロの方に比べればまだまですよ、二次小説ですし……でもそう言って頂けるのは嬉しいです。
 文章書くのが白黒の唯一の取り柄みたいなものなので。

 はい、これからも精一杯頑張らせていただきます。


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