二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】
- 日時: 2014/05/08 19:28
- 名前: 天良 (ID: PBOj5esF)
こんちは!!!
子安武人さん大好き、天良と申します!
何故、戦国BASARA3かと言いますと……
この小説の主人公が大阪の陣と深い関係があります!
ですので……ご理解頂けると助かります!
それでは!どうぞよろしくお願いいたしまする!
目次
プロローグ・設定
>>1
第壱話 奥州筆頭。>>2-5
>>2>>3>>4>>5
第弐話 煙鳥翔華。>>6-9
>>6>>7>>8>>9
第参話 戦神覇王。>>10-13
>>10>>11>>12>>13
第四話 百地丹波。>>15-17
>>15>>16>>17
- Re: 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】 ( No.11 )
- 日時: 2014/03/23 19:58
- 名前: 天良 (ID: JPHNpDb7)
昼食、夕食、一日目のご飯は猿飛が用意してあったのでなんとかなった。
だが、問題は次の日からだ。
二日目
「幸村の旦那!今日は何します!?」
「そうだな……しかし、腹が減っては何をするにも……」
ぐーっと腹の虫が鳴る幸村に才蔵は頷いた。
「俺も、腹へって動けへんねよな……」
朝10時、いつもより遅い起床に猿飛の有り難さを感じられる。
猿飛は毎朝、美味しい飯を用意してくれるのだが、自分達で猿飛に休ませたのだ。なんとかしないと日がくれる。
「よし!俺は、器用や、何でも出来る!!」
立ち上がると即座に台所に立つ。
そして、白米を抱き上げ目分量で付け合わせを作った。
「完成!百地様より教わった、豆腐田楽や!」
串にさした白い豆腐に味噌をつけ、それを香ばしく焼き上げたものだ。
「これは、伊賀の名物では……」
「いい香りがしますね……」
武田の臣達がひょこひょこと顔を覗かせた。
「これなら、猿飛殿を越すかもな……」
その言葉に「もう越えてるわ。」と誰にも聞かれぬ様に呟き幸村に田楽を渡した。
「さ!幸村の旦那!食ってみて下せェ!」
幸村は目を輝かせ田楽を口に放り込むとからんっと焼けた箸を床に落とした。
「旨すぎて、倒れてるわ……え?倒れてる?」
田楽を飲み込んだ瞬間、幸村は呻き声と共に倒れていった。
「ゆ、幸村殿……」
「幸村の旦那ァァァァ!!!」
額の上に桶に入れた水を勢いよくかけた。
「ひゃうっ!」
水に濡れた赤い鉢巻を握ると才蔵が顔を除き混んだ。
「女みたいな声だして……大丈夫か?」
「……大丈夫だが……一体なんだ?あの時感じた、感覚は……」
「感覚?」
うむっと頷くと幸村は話始めた。
「田楽を口に入れた瞬間、ふわっと体が軽くなって……意識が吹っ飛んだのだ。」
「それって、俺の作った料理が……」
「まぁ、ハッキリ言えば、不味かった。」
ニカッと笑う幸村に才蔵は持っていた水をかけて
「あ、ありえへんわ!!」
とだけ言い捨て台所へ走っていった。
その後、才蔵が倒れたのは言うまでもなし……
- Re: 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】 ( No.12 )
- 日時: 2014/03/24 22:32
- 名前: 天良 (ID: 0O230GMv)
「うー、えらい目におーたわ……」
自分で作った料理を口にしたところ、酷いものだった。
昔、彼は親に料理を作ったところ、特に親には異常は無かったのだが、母親の友人に食べてもらったところ、お世辞にも美味しいと言う言葉は聞かなかったと言う。その後、病で床についているという知らせが入ったという思い出がある。
「俺、殺傷力が猿飛の旦那より上なんやな……」
ズキズキと痛む頭をおさえながら廊下を歩いていると襖を見つけた。
暖かそうな日がさしこみ昼寝には丁度良さそうだ。
「おおっ、ええ感じやな……」
思ったより広く、縁側には歴史を感じる赴きがある。
ただ気になるのは漆喰についた人形の傷と何回も直した跡があることだ。
「……幸村か……?」
後ろを振り向くとスキンヘッドに髭の回りに生えた髭が特徴的な男が寝ていた。
「違いますけど……誰です?」
才蔵の無礼極まりない言葉に男は少し微笑みを返してくれた。
「幸村の師……武田信玄だ……」
「武田……信玄?」
首を傾げると武田は微笑みを強くすると才蔵に言った。
「知らなくてもよい。……その方が助かる……」
武田は才蔵を手招きすると目を瞑った。
「……あ、あの……」
「ん?」
「……俺、霧隠才蔵言います!」
何を言っていいのか分からずに自分の名前だけを言い残し、その場を立ち去った。
その様子を、ただ、静かに笑いながら見つめる武田は一人呟いた。
「……百地殿……おぬしの弟子は、立派になったぞ……」
まるで、死んだ人に言うような物言いで、また眠った……
顔を真っ赤にしながらその場に立ちすくんだまま動けなかった。
ふぅと早鐘をうつ心臓を止めるように息を吐くと、いつの間にか暗くなっている事に気づく。
「……旦那、今日の飯、何食うやろ……」
明日、明後日、その次も猿飛は帰って来ない。実際、一週間とは言ったものの約五日間程で帰ってくると言伝てを預かっている。
まぁ、何でも、幸村の事が心配らしい。
猿飛らしいと言えばらしいのだが、それと同時に忍らしく無い。
「才蔵殿ォォ〜〜!??どこでござるかァ!!!」
ヤバッと小さく言うと裏口から出ていった。どうして逃げたのかは自分でも分からなかった。
「才蔵殿……?」
幸村の声が聞こえるが無視をして見る。
「お館様、才蔵殿を見掛けなかったでござるか…!?」
(え?お館様?)
襖を開けた先に居たのがお館様だろうか?
幸村がよく言っているのがお館様。あの方は武田信玄。
ぐるぐると頭の中で何かが回っている。
「やはり……目は覚めぬか……」
いつもは聞かない幸村の小さい声は才蔵の頭のなかをより一層ぐるぐる回らせた。
焦れったくなった才蔵は近くにあった一際高い木に飛び乗った。
身震いするほどの寒気が襲い何となく、嫌な予感がする。
「猿飛の旦那、大丈夫かな……」
曇天の空を見上げぼそりと言った。
- Re: 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】 ( No.13 )
- 日時: 2014/03/24 22:36
- 名前: 天良 (ID: 0O230GMv)
家人の方々に作って貰った善を食べていると、見たことのある手裏剣が飛んで来た。
猿飛からだ。
手紙が巻かれてあり少しだけ焦げている。
とても嫌な予感がするが、読まなくてはならない気がする。いや、必ずや読まなくては。
「……え……」
持っていた椀を手から落とすと目を見張った。
信じ難い内容だが、これは事実だ。受け入れたくない。
「才蔵……殿……」
次第に顔が青ざめていき死ぬ前の様なか細い声で何かを訴えるかのように幸村にぼやいた。
「……俺の、師匠……百地丹波……ははっ、弱ェな……」
目頭が暖かいモノでいっぱいになっていく。
(あ……嫌な予感って……これやったんやな……)
自分の力の無さに、自分の師の力の無さに、腹立たしい気持ちと寂しい感情で胸が張り裂けそうになった。
さて、今までの状況を説明しますと、甲斐武田領内の前で倒れていた伊賀流の忍、霧隠才蔵。百地丹波の教えにより顔の半分を覆っていた紙により武田軍の忍、猿飛佐助に正体をバラされた。
よって、雑賀衆との戦いについていく。
その途中、真田幸村の好敵手、奥州の独眼竜・伊達政宗。そして竜の右目として名高い片倉小十郎に出会う。その時、伊達政宗に自らの苦無を手渡し天下を取ったら取り替えしにいくと誓った。
雑賀衆で出会ったのは大きくなり雑賀衆の頭領になった昔の友人、雑賀孫市。
前田の風来坊、前田慶次とも接触し真田幸村の元でもうしばらく居候することにした。
少し落ち着き、猿飛佐助を休ませると武田信玄と出会う。
そして、自分の留守の間、第六天魔王の一人であり、その妹であるお市率いる織田軍残党に伊賀の里を潰されてしまう。そんな事は知るよしもない才蔵は本当に居場所を失ったのかと悲しさを感じていた。
- Re: 番外編 〜新聞部部員霧隠才蔵の災難〜 ( No.14 )
- 日時: 2014/04/03 10:21
- 名前: 天良 (ID: /GGdL2Ap)
ここは、私立BASARA学園。そこに居るものから見たら平凡な一日を過ごしていた。
「猿飛の旦那ー!暇ッスー。」
ペンを鼻と唇の間に挟み遊ぶ1年5組の霧隠才蔵。整った顔からは思えない程のアホである。
「アンタね……暇ってさ、サボってばっかりだからだろ?」
「うっさいわ、こう見えても俺の作った記事は結構人気あんの!」
猿飛にシャーペンを鼻に突っ込まれ赤い飛沫が宙を舞った。
「よ、容赦無いな、コイツ……」
「ところでさ、アンタの口調……それ、関西弁?」
前から気になってたんだよねーとティッシュペーパーを渡し手帳にメモをとる。
「ん?あ、お俺の?あれはな、関西弁とちゃうくて、伊勢弁やな。まー、俺のは作者の住んでる所で使われているモノやけど。」
「ふーん。あーあ、どっかにネタ転がって無いもんかねー?」
「そうッスねー。」
校庭から聞こえる幸村の叫び声と政宗のバットの音。静かにしたいのだがイライラが募るばかり。
「かすがさんと風魔の旦那……どっちも今おらんし……」
「謙信様っだってさー、けっ、あれの何処がいいのやら……」
「図書館ばっかり行って、喋らんしなー。」
二人の貧乏揺すりが次第に加速していく。
「……なー、猿飛の旦那。」
「ん?」
コソコソと耳打ちをすると猿飛の眉が少し上がった。
そしてニヤッと口を緩ませると才蔵に頷く。
「な?ええ考えやろ?」
「確かに、面白そうだね……」
静かで平穏な図書室。
北条氏政がぎっくり腰で居ない間、風魔小太郎が監視の目を光らせていた。
その中、大谷義継と毛利元就の二人が顔を付き合わせ話しをしている。どうやら、石田三成の事の様だが風魔は深くは関わらない様にしている。
入口の方に少し目を向けると猿飛と才蔵が凄く不自然な態勢で本を読んでいた。
「や、やァ!風魔の旦那!」
「どうよ?!最近!?」
「……………」
無言でいつもの定規を取り出す。
「ちょっ、やめ!?ごめん、ふざけただけやから!」
「……………」
溜め息の一つも漏らさずに定規をしまうと猿飛が続ける。
「いやさ、俺ら新聞のネタ探しとして、大谷と毛利の話でも書こうかと思って……」
「俺提案な!」
Vサインの才蔵と薄っすらと笑みを浮かべている猿飛。風魔は何も言わずに頑なに毛利等の場所に行かせようとしない。
「だってな、俺、めっちゃ気になっててさ。我慢しててんけどさー。」
「なっ?ちょっと位いいだろ?」
手を合わせ風魔を神の様に崇める二人を無視し本を取りに行った。
「旦那は多分ツンデレなんやな。」
「自分の考えを素直に言えないと捉えておこうか。」
手帳とシャーペンを構え毛利と大谷の元へジリジリと近寄っていった。
続く……
- Re: 第四章 ( No.15 )
- 日時: 2014/04/16 14:36
- 名前: 天良 (ID: aQG7fWp7)
「分かっとる。」
「大丈夫でござる!」
留守番を任せた子供の様な幸村に、心配を覚えるのは自分だけだろうか。
それが彼の忍らしくない理由なのかもしれない。あれこれと五月蝿く言ったのだが、胸の奥底にはまだ不安と心配が残っている。
「それじゃ、行ってくるね!」
躑躅ヶ崎館から手を振る幸村と最後までふてぶてしい才蔵に笑みを返すと暗い影に深く消えていった。
少し走った所に見える一際高い木に登ると耳の横を冷たい風が通っていった。まるで、夏の終わりを知らせる様に。
甲賀の里から見える山を跨いで少し、賑やかな村が見える。昔、里に来るまで彼もこうして村で暮らしていた事を思い出した。うろ覚えで、とても思い出したくない過去だが。
そして、何故か胸騒ぎがした。
「兄ちゃん!団子安いで!!」
「今なら、家の娘も……」
「アホ!うちを売んな!」
才蔵の使う関西弁の一種・伊勢弁を使う者達は、誰もかもが皆陽気で明るい。話で聞いていた冷酷な忍のイメージとは全く違う。
ここは、才蔵の出身地伊賀の里だ。
「……?あ、いらっしゃい!」
木で出来た建物の中に入ると奥の方から酒の匂いがした。思わず鼻を抑えてしまい小さく呻き声を出した。
「すんません、百地という方を探してんスけど……」
鼻をつまみ、可笑しな声で問いかける。店主の男は奥の部屋を指差して小さな声で言う。
「百地さんなら、あっちで寝てますけど。」
案内された部屋の戸を開けると思った通り、酒の入った杯が見つかった。その横には赤い頬をし、才蔵によく似た癖毛の男が寝て、心地よさそうに鼾をかいている。
信じたくはないが、あの有名な伊賀忍の一人、百地丹波とは思いたくない。が、目の前に見える男が百地丹波と信じざる終えなかった。
「旦那!早く駄賃貰ってもええかな?!」
「……んがァ?駄賃?そんなもんいらんって……才蔵にあげて……」
「アホか!俺が貰わなアカンの!」
目を擦りながら大きなあくびをした百地の首には何かで斬られた跡が残っていた。これが、織田軍を追い返した力の証なのかも知れない。
興味深そうに百地を見つめる佐助に百地はにんまりと笑むと口を開いた。
「こんちは。才蔵の友達か?」
「ちっ、違います。……誰があんな野郎と……」
最後の言葉は聞こえないように呟くと百地の顔にまたまた笑みが浮かんだ。
「分かった!武田の信玄さん家の真田の幸村さんの忍隊の……頭やろ!?」
「そ、そうッスけど……」
「凄いなー!さっすが忍や!俺は才蔵に、海賊と傭兵しか見せたことなかったさかいに、きっと才蔵は新鮮に思っとるやろなー!」
酒が入っているせいか異様にテンションの高い百地に少し引いた猿飛であった。
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