二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】
- 日時: 2014/05/08 19:28
- 名前: 天良 (ID: PBOj5esF)
こんちは!!!
子安武人さん大好き、天良と申します!
何故、戦国BASARA3かと言いますと……
この小説の主人公が大阪の陣と深い関係があります!
ですので……ご理解頂けると助かります!
それでは!どうぞよろしくお願いいたしまする!
目次
プロローグ・設定
>>1
第壱話 奥州筆頭。>>2-5
>>2>>3>>4>>5
第弐話 煙鳥翔華。>>6-9
>>6>>7>>8>>9
第参話 戦神覇王。>>10-13
>>10>>11>>12>>13
第四話 百地丹波。>>15-17
>>15>>16>>17
- Re: 第弐話 ( No.6 )
- 日時: 2014/03/21 09:40
- 名前: 天良 (ID: M0NJoEak)
「くっ……政宗殿っ!」
白い馬の上で暗い顔の幸村がいた。
それを覆い隠すかの様に当たりも次第に暗くなっていく。
「仕方ないでしょ、」
はぁと溜め息をつく猿飛の横で才蔵はあの時使わなかった手裏剣を見ていた。
普段ならば即座に首を掻っていたところだったが何故かやめてしまった。
「佐助さん、今からどこ行くんスか。」
「情けないねェ、雑賀衆だよ。戦国最高の傭兵だっけな?」
情けないと言われてやっぱり首を掻ろうかとするが一先ず手を止める。
「御館様もその技術を高く評価していたのでござる。」
「雑賀衆かァ!そりゃスゲー。」
百地様がよく言っていた。
『才蔵、お前は少々……つーか、アホだ。』
『そりゃ無いじゃないッスか!』
『だから、雑賀の子の様に立派な跡継ぎになるんだぞ。』
『跡継ぎにって……』
山奥で修行をしていたので世間体が分からなかった。
だが、乱世の様子、独眼竜、雑賀衆、ある程度の学問、大体の事は百地様に教わったものである。
時々四国の長曽我部と近所のサヤカが来ていろいろな事を教えてくれた。
(そもそも、雑賀の子って……誰だ?)
「しっかし、遠いな。俺ん家ってこんなに遠かったっけ……」
走ると近く感じるが歩いていくと遠いものである。
「アンタさァ……忍のクセに、本当、体力無いよね。」
「うるせェ!こー見えても俺、結構強いんだからな!お前なんかな、バッキバキのボッキボキにしてやる!」
「はいはい、それから、もう少し落ち着け。あれくらいで殺気立ってたら死ぬぞ。」
猿飛の言葉は最もだった。
「……分かっとるわ」
蒸せる夏の夜に才蔵の声がよく聞こえた。
- Re: 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】 ( No.7 )
- 日時: 2014/03/15 22:42
- 名前: 天良 (ID: My8p4XqK)
その日の朝は修行よりも早かった。
幸村が
「滾りまするァァァァ!!!!」
と、デカすぎる声で叫んだからだ。
左手には文、右手には槍、後ろには猿飛。
どうやら、師の武田信玄から文が届いたらしい。
「頭……おかしいんじゃねーの……」
真っ黒な癖毛を結いながら眠そうな才蔵が立っていた。
あくびをするとその文に目を落とす。
「ふーん……よし、幸村の旦那!!早く雑賀衆に向かおう!」
あたり一面に広がる鉄砲の銃声。
「我らは、誇り高き雑賀衆!!」
その言葉と同時に敵が……雑賀衆が攻めてくる。
「ちぇっ、幸村の旦那、俺は頭領を見てくる。そーしたら自分で帰るから。」
「うむっ!」
才蔵は知らなかったが、この時幸村は猿飛についていくように頼んでいた。
右、左、前、後、四方八方から弾が飛んで来るが才蔵はそれを跳ね返すかの様に短刀を使い後ろに回り込んで殺す。という方法を使っている。
さすがは伊賀流である。身体能力はとても高い。
「雑賀衆の頭領ってのは……誰だ?」
呟きながら走っていくと随分と奥に来たようだ。
最後の陣も取り、もう終わりかと思われた。
その時だ。
「ふっ、なかなかやるな……」
女の声が聞こえ、黒い弾を飛ばして来た。
油断していた才蔵は肩を傷つけてしまった。
「っ!!?」
「……お前……いや、なんでも無い。」
茶色い髪をかきあげると少し笑う。
「変わってねーな……その余裕っぷり。な、サヤカ。」
「サヤカ?何故、私の名を知っている。」
女は不思議そうな顔で才蔵を見るがその目はいたって真剣だ。
「おいおい、忘れたか?俺だよ!才蔵!霧隠才蔵!」
「霧隠……才蔵?誰だ?まあ、よい。寝惚けているのなら覚まさせてやろう。」
- Re: 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】 ( No.8 )
- 日時: 2014/03/19 15:15
- 名前: 天良 (ID: LaqAx/EG)
女は2つのリボルバー(回転式拳銃)を使い足元を狙って撃って来る。
避けながら攻撃を繰り返すが足を怪我している為ギリギリで避けるのが必死だった。
「霧隠を名乗るなら、もう少し強くなるんだな。」
「本当だっての!」
火花が飛び散り地面が焼けて微妙に黒くなっていく。
間合いを見て苦無を投げるが打ち返されて避けるモノが増えるしまつ。
(こうなったら……)
得意では無いが忍者らしく忍術を使う。
ふざけたように手を組むと
「忍法、分身の術ゥ〜!!」
と言い後転跳び(バック転)をすると蔭が出来、次第に人の形に変わっていった。
「なっ!」
撃っても撃っても蔭だけでどれが本物なのか見分けがつかない。
「くっ、なんだ?昔、この様な体験をした気が……」
分身を目で追っていると後ろからふいに声が聞こえる。
「空きあり。」
その瞬間、首筋に生暖かいモノが流れ、傷みがはしった。
「どーや、サヤカ。思い出したか?」
才蔵が口角を上げると女は才蔵の後ろを見て鼻で笑った。
「このからすめ。後ろを取られている事に気が付け。」
「えっ?」
振り返ると朱槍を振り上げている男が一人。
豪華な羽に目が眩んだ。
「孫市を護るのが、俺の役目。」
降り下ろした朱槍を短刀で遮る。
「前田慶次、罷り通る!」
「こんなん、聞いてへんわ!」
重圧のある朱槍で足が軋んでいるのが分かる。
土の中に埋まりそうになるが飛んで慶次の腹に蹴りをいれた。
「はァっ……お前、なんや……?」
「俺は前田慶次。アンタ、足を痛めてんだろ?」
前田慶次……前田の風来坊として有名だが才蔵は知らない。むしろ興味がなかった。
「手加減するからさ?」
「手加減なァ……せんでエエわ。」
余裕に満ちた表情で苦無を慶次の足にうった。
その苦無を跳ね返そうと少し屈むと今度は左胸に手裏剣を二枚投げつける。
「危ねっ!」
太い朱槍で全体をガードした。
全て跳ね返されたかと思われたが、朱槍の横を通過していった手裏剣の半分が左胸下に刺さる。
「うっ……っ!!」
「チッ……猿飛の旦那?隠れてるんですやろ?ちと、薬貸して下さい。」
木の蔭を睨む才蔵に少し驚きながら薬を渡した猿飛だった。
- Re: 【戦国BASARA3】影近黒子【武田軍】 ( No.9 )
- 日時: 2014/03/20 22:28
- 名前: 天良 (ID: 5MQ4cIeK)
「アンタっ……俺を助けて……どーすんだ……?」
途切れ途切れの声を修めるかの様に傷口に薬を叩くように塗り付けた。
「ま、手加減とか、俺に必用無いから。今はお前が危ないで助けただけ。分かったら、さっさとこの薬を塗る!ちゃんとしいや!」
「ちょっ、叩くなって!痛ェだろ!」
「もう元気やんけ!アホ!」
素早く塗られていく薬を見つめながら孫市は考えた。
(……こいつがもしも才蔵だとすれば……)
よしっと心の中で言うと立ち上がり
「おい、お前、本当に才蔵なんだな……?」
「疑うんか?俺はサヤカの秘密を知っている!」
「おっ!なんだい?そりゃァ?」
「面白そうだね!」
猿飛と慶次と才蔵が始めて団結した時だった。
秘密と言われて少し動揺している様に見えたがすぐに開き直った様に
「ぃ、言ってみろ!」
ニヤついた顔で孫市に言った。
「それはな、お前は、小さい頃いつも寝るときに……」
『才蔵……』
『どした?小便漏らしたか?』
『殺すぞ。』
「そこまでは普通だった……」
『じゃー、どーしたんや?』
『……一人で……寝るの……怖い……』
「って、ポロッポロッ泣きやがって!あんときは往生したわ!」
プッと吹いた猿飛に理不尽に銃弾を撃つと孫市の顔が赤くなっている。
「うるさい、今度言ったら……あのときの仕返しをする!!! 」
「孫市って、意外と女っぽかったんだねェ……」
「うるさい!」
慶次目掛けて銃弾をぶっぱなすと何処からか大きな叫び声が聞こえた。
「うォォォォァォォォオオオ!!!!!!」
「大将っ!」
「おおっ!佐助に慶次殿!」
「それで、我らを雇いたいと……」
「うむっ、佐助!金を!」
戸惑っている様な表情の佐助が持ってきた金はとても少ない。
「大将の団子三週間分だよ。我慢してもらう……てか、こんだけしかないよ?」
「なっ、なんと!これだけしか!?」
「……残念ながら我らも命を懸けている。いくら力を評価しようと、これだけでは……すまないな。」
結局、赤い鐘ならないまま終わったのだった。
それからの才蔵はと言うと……
「うーん、幸村の旦那。猿飛の旦那。話はつけてあるから、もう少しお供させて貰うで。」
「……チッ、めんどいのが……」
「なんか言うた?!ん?猿飛の旦那?!」
武田軍……今は真田軍に少し居候させて頂く事になったらしい。
- Re: 第参話 ( No.10 )
- 日時: 2014/03/21 08:53
- 名前: 天良 (ID: 2jjt.8Ji)
雑賀から帰ってきたの武田軍の話……
ジリジリと太陽が照りつけて肌を焦がす様に上っていく。
蝉の音とかき氷の冷たさが頭に響く。
「猿飛の旦那ー?俺の服知らんー?」
「佐助ー?かき氷、もう一杯、俺と才蔵殿にー!」
「あー、はいはい。才蔵の服はあっちに干してある。それから、かき氷だねー?」
今日も猿飛は戦国オカンぶりを発揮させていた。
こー見えても彼は真田に忍びた((ryこりゃ失敬。真田忍隊の隊長でもある。
だが、家事・洗濯・忍としての仕事。彼には休む暇があるのだろうか?それを考えた才蔵と幸村は猿飛の為に有給休暇を取らせる事にしたのだった。
「いい?!洗濯はあっちで、ご飯の炊きすぎはお館様の御容態に障ると駄目だから。掃除は隅々まで、布団を干すのは三日に一回でいいから。わかった?!」
「分かっとる。」
「大丈夫でこざる!」
こうして、幸村と才蔵の楽しい(?)一週間が始まったのであった。
一日目
「佐助に言われた様に……まずは、掃除でござる……」
「幸村の旦那。やっぱり……アレを……」
アレと言われて出してきたものは二本の長いホウキと薄い布のようなものだった。
「しかしっ、アレをすると佐助に何を言われるか……」
「大丈夫!怒られへん、ちゃんと綺麗になるし。」
「確かに!!」
子供のように笑うと二人はそれぞれの掃除道具を持った。
幸村は二本の長いホウキ。才蔵は薄い布のような雑巾。
「武田が総大将!」
「百地丹波が一番弟子!」
「真田幸村!!」
「霧隠才蔵!!」
「「うるァァァアァォォォオォ!!!!!!」」
だだだっと廊下を駆け抜ける足音は凄まじいものだった。
幸村は障子の上のホコリを落とし、それを才蔵が雑巾を投げつけてキャッチする。この方法は才蔵が考えたもので技の練習にもなるし部屋も綺麗になる。まさに一石二鳥。
だが、そのリスクは計り知れないものだった。
バキッと音がし、障子が吹っ飛んでいき、間違えて投げた手裏剣が宙を舞う。
「な、なんとか、一周したな……」
「あ、あァ、障子の一つや二つ、なんとかなるでござろう……し。」
「いやァ!ええ汗かいた!」
「楽しかったでござる!」
息が上がりながらも次の仕事へ向かった。
障子や掃除道具は、後回しらしい……
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