二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ラブライブ!】アイドルを支えたロックバンドの話
- 日時: 2015/07/25 19:19
- 名前: 北瀬結里 ◆Hy48GP/C2A (ID: hxVh9B54)
はじめまして。北瀬結里(きたせ ゆうり)です。
この名前では活動していませんが、かつてはよく別の名前でここをよく訪れていました。
それはいいとして。
*注意*
この話は、とあるバックバンドに照準を当てたお話であります。
完全なバンド初心者の自己満足です。
!!!μ'sがほぼ出てきません、ご了承ください!!!
*
プロローグ「皆で叶える物語」
>>1
オリキャラ紹介
>>2
*
μ'sがほぼ出てきませんが、よろしくお願いします(2回目)。
- Re: 【ラブライブ!】アイドルを支えたロックバンドの話 ( No.7 )
- 日時: 2014/07/29 12:44
- 名前: 北瀬結里 ◆Hy48GP/C2A (ID: hxVh9B54)
>>5
絵里とにこはだいぶ後になると登場すると思われます…
そう、愛してるばんざーい!です。まきちゃんです。
完全オリジナルのバンドが絡む話なのでμ'sの方が出番少ないですが…
応援ありがとうございます!
- Re: 【ラブライブ!】アイドルを支えたロックバンドの話 ( No.8 )
- 日時: 2014/07/30 10:30
- 名前: 北瀬結里 ◆Hy48GP/C2A (ID: hxVh9B54)
3.
その日の放課後、園田さんと高坂さんと、南さんが私に直々に謝りに来てくれた。
「ごめんね、無理に勧誘しちゃって……」
「今後はこのようなことがないように言っておきましたので」
「あ、いや、大丈夫なんでほんとその……逃げたりしてすんませんでした」
その後しばらくお詫びの言葉を述べた穂乃果だったが、最後にこういった。
「でも私、穂坂さんのギターと歌、絶対上手いって思ってるから! じゃあね! さーて練習練習〜!」
そして足早に駆けて行った。良くも悪くも行動力が高いという、高坂さんへのクラスメイトの評価は本当だったんだなぁと今しみじみ思う。まだ少し未練を感じるものの言い方だった。
「でも、穂乃果ちゃんがあそこまで必死になって勧誘するんなんて、本当に上手だったんだね……」
ことりが呟いた。海未も静かに頷く。
「穂坂さんの弾き語り、いつか聴きたいものですね……いえ、なんでも無いです、ごめんなさい」
海未も無意識にそんなことを呟いてしまっていた。よほど穂乃果の評価は高かったのかもしれない。恥ずかしい、何て言ったのあの子……と華乃香はとにかく恥ずかしくてしょうがなかった。
「穂坂さん、ギターっていつから続けてたの?」
「中学からで、今も家とかで少しずつ弾いてる。この学校軽音楽部無いしね」
知らぬ間に身の上話のようなことまで話し始めている自分に、華乃香は少し驚いていた。いつぶりに自分のことを人に話すのだろう。少なくとも高校では話していないはず。
「……私、もっと穂坂さんのこと知りたいなっ! こうして一緒にお話なんて、したことなかったし!」
ことりは微笑みながら言った。その言葉は、他人と関わりを絶ってきた華乃香には、いささかむず痒く感じるものであった。
私には他人を楽しませる話術や話題もないんだけど……、そんな私と喋ってて本当に楽しいの? と華乃香は思っていたが、海未も「私も、穂坂さんのお話、もっともっと聞きたいです」と続けたので、華乃香はなんとも言えぬ気恥ずかしさと、わずかながら嬉しさを覚えた。
「えへへ……良かったら休み時間とか、昼休みとかにでも話しかけてくれると……嬉しいな、基本ぼっちだから」
言い終えた後に、華乃香はなんとも厚かましいお願いをしたような気がした。学校を背負って立つアイドルに、こんな日陰族の自分に話しかけて欲しいなど……。しかし2人は、快く「いいですよ」と応えてくれた。これは夢なのか。
「あ…………りがとう!!」
「よろしくね、穂坂さん!」
「穂乃果も、穂坂さんとお話し従っているので、よろしければことりと私も含め、穂乃果ともお話しして欲しいです!」
私の肩に、ことりがぽんっと手を置いたらしい。ことりの体温と、わずかな感覚が華乃香の背中を走った。あぁ、夢じゃないのかぁと、やっと華乃香は気がつく。
その日から、華乃香は少しずつことりや海未、穂乃果と話をするようになりだした。
スクールアイドルと毎日会話をする自分……やはりこれは夢な気もする華乃香であった。
- Re: 【ラブライブ!】アイドルを支えたロックバンドの話 ( No.9 )
- 日時: 2014/08/30 22:17
- 名前: 北瀬結里 ◆7gBpJ8SNck (ID: hxVh9B54)
トリップ変えたョ〜
4.Depressed bassist
ある夏の日の話。
職員室に、一人の生徒がやってきた。その少女の風貌は他とは一段格上の雰囲気が漂っていた。まずサイドの髪を刈り上げた、俗に言うツーブロックであるということと、立ち姿が高校生のそれではない、ヤクザの組長の様なオーラが漂っているところである。
「2年の新瀬渚です、坂田先生はいらっしゃいますか?」
しかし職員室に入る時の挨拶は、どの生徒よりも抜かりのない丁寧なものだった。
渚の声に反応し、作業をしていた教師も何人か顔を上げた。しかしそれが自分に関係ないと分かると、また作業を再開する者もいた。親切な者は、坂田という教師の存在を、この職員室に視線を巡らせ探してくれた。
坂田はヘッドホンで何か音楽を聴きながら、スコア(*1)に書き込みをしていた。一度親切な教師が名前を呼んだが、坂田には、その声が聞こえなかったのか、返事をせずスコアへの書き込みを続けていた。
(*1:合奏・重奏におけるすべてのパートがまとめて書かれている楽譜を指す。)
「ちょ、そこにいて」
名前を呼んだが無視されたその親切な教師は渚をその場にとどまらせ、わざわざ坂田の元へ向かい、坂田の肩を叩いて渚を指差した。坂田は渚を見つけると、ヘッドホンを外してゆっくり立ち上がり、職員室の外へ出てきた。
渚は無言で、手に持っていた紙を坂田に渡す。退部届けである。坂田はそれを無言で受け取り、再び自分の机に戻り、スコアへの書き込み作業を再開させた。
渚は、そんな坂田の姿を見届けもせずに、「失礼しました」と丁寧に挨拶をし、職員室を去った。
_________________________
坂田は吹奏楽部の顧問だ。そして、渚は先程まで吹奏楽部であった。早い話が、渚は吹奏楽部をやめたのだ。
勝ちにこだわりすぎるあまり、音楽を楽しむことを忘れた部員との距離が、次第に大きくなり、完全に溝が出来たこと。それが退部の理由だ。
退部を決心したのには、一つ理由がある。
ある日、部活をサボって屋上に居た渚は、丁度渚が座っている場所からは間反対のドアの近くの位置に、生徒会長らしき人物にしごかれている女子生徒を見つけた。最初はリンチか何かと勘違いした渚だったが、女子生徒たちは何度も立ち上がるのだ。諦めないやら、なんやらかんやら言いながら。そしてよく見ると、女子生徒の中にはあの高坂穂乃果がいた。と同時にあの集団はμ'sだと悟ったので、渚は遠くから眺めていた。
と、何処かから聞いたことある声がするので、渚は部員が自分を探していることに気がついた。
5.
「やべぇ……絶対怒られる……」
渚は何としてでも見つかるまいと思ったが、ここに居続けてもμ'sの邪魔だと判断し、諦めて屋上を去り、部室へ向かった。
- Re: 【ラブライブ!】アイドルを支えたロックバンドの話 ( No.10 )
- 日時: 2014/08/30 23:46
- 名前: 北瀬結里 ◆Hy48GP/C2A (ID: hxVh9B54)
トリップ忘れたので元に戻すマン
5.
屋上を出たのは4時25分頃。部活の開始は4時半だが、小走りで部室に向かったので、開始ミーティングに間に合った。
部室は、渚以外の席が全て埋まっていた。もうすでに、渚以外全員ここにいたようだ。
「時間になってないけど、みんな揃ったからミーティングを開始します。今日の練習は終日パート練習です。課題曲を中心に練習してください」
「はい!」
渚の着席を確認した部長が、部室の前に立って司会を始める。ミーティング以外でも、普段から喋り方が淡々としていて機械的であるため、3年ではあるが、渚は部長のことが苦手である。
というより、この部活にいる先輩方も同級生も後輩も、非常に目が死んでいる人が多い。音楽を楽しみたいから入部した先輩がいたが、1年ほど前にTwitterで「音が苦」とだけ呟いて部活に来なくなり、その後その先輩と後3人が1度に辞めたこともあった。
音ノ木坂の吹奏楽部って別に強いわけでもなかったりするが、やれ県大会突破だの支部大会だのと目標だけは高いのがまたなんとも可笑しな話である。足元を見てからそういうことを語るべきである。
現実を見たものはさっさと辞めていったこの部活で、渚はただ心を無にしてコントラバスを弾いていた。単純に、コントラバスを、エレキベースを弾きたかったから。
しかしある日、渚は気が付いたのだ。
『私は吹奏楽が好きではない。もうとっととこんなとこ出て行きたい』
『音を一つにすること、それは吹奏楽で何より大切なこと。そこにこだわるからこその練習。
でもおかしい。誰もがちっとも楽しくなさそうな顔なんだ。心から楽しんでいる人がいない! こんなの音楽じゃない!!』
それに気が付いた日から、渚は部活に、楽器に、吹奏楽に、興味がなくなってしまった。
ミーティングが終わった。なんとも言えない気怠さに襲われた渚だったが、部長がこちらに来たので、渚はなんともない顔をして席を立とうとする。そんな渚に、部長は真顔で「準備室まで来てほしい」と告げた。
その光景を目にした部員は、ツーブロックで目つきのヤバい人と部長がなんかやってる……という、他人事のようにしか見ていない、よそよそしい目だった。
*
準備室には人がいなかった。部長と1:1で……というか部長と話すことが今まで無かった渚は、これから何が起こるのか、という、未知の世界を覗き込む時感じる好奇心に近いワクワクを覚えた。
「新瀬さんさ……掃除終わったらすぐ来るとか、朝練とか、部活終わった後とかさ、その……」
部長は、相手の風貌がもろヤンキーであることもあり、普段より慎重な口調で話し始めた。
「皆が頑張ってる時間に、練習とかしてないじゃん……? その、私達いつも言ってるから知らないとは思わないけど、高みとか目指す気無いよね?」
渚は半分聞き流しつつも、時々相槌や謝罪の言葉を挟みながらやり過ごしていた。
部長が「やる気のない人は知らない、とにかく、分かったら帰るなり練習なり好きにしていい」という旨の発言をして準備室を後にしたので、渚は素直にそのまま真っ直ぐ帰ってしまった。
その後、退部届を提出するまで、渚が部活に顔を出すことはなかった。
*
- Re: 【ラブライブ!】アイドルを支えたロックバンドの話 ( No.11 )
- 日時: 2014/09/20 20:41
- 名前: 北瀬結里 ◆Hy48GP/C2A (ID: hxVh9B54)
6.
練習を重ねれば上手くなるのが分かるし、それを楽しみややりがいとして感じることにより次の練習へのモチベーションが上がる。しかしここにはそういったことは義務やノルマの一つでしかなかった。出来て当然、やれるのが普通。
渚の退部後も、他の部員は淡々とノルマをこなすだけの日々を送っているそうだ。
*
部室であった音楽室に私物を置いてきた事に気がついた渚。
部員に絶対出会いたくないと思い、授業10分前のお昼休みの時間に音楽室に行くことにした。
部員ではなかったが、おそらく音楽の授業を取っている生徒が1人、窓際でギターを弾き語っていた。
透き通るような声と、正確に音を鳴らすギターの腕前。そこそこうまいベーシストの渚をも唸らせるほどだった。彼女を誘ってバンドでも組んでみるかな〜、などとも考えていた。
しかし渚は、何故自分はここに来たかという目的を思い出したのでさっと音楽室に入り、置きっ放しのファイルを回収してすぐ音楽室を出た。
音楽室を出た直後に、いつぞやかに屋上で出会ったμ'sの2年生の3人とすれ違った。
真ん中に立っていた、μ'sを立ち上げたといわれる、高坂穂乃果……だったっけ。彼女は音楽室に居るギター少女を見つけた途端に、何やら真剣な表情になる。
渚はその様子を横目に、さっさとクラスに帰った。
*
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