二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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東方従者録
日時: 2016/01/19 04:16
名前: 十六夜皐月 (ID: bNAHgfPP)

※このSSには以下の成分が含まれています
・東方
・オリキャラ
・投稿者の咲夜さんへの狂愛
・若干中2(?)
それでも良いと言う人はどうぞごゆっくり
「駄目だね」と言う方はブラウザバックを推奨



ーこれは幼き吸血鬼とその従者達が住まう館に召喚された、一人の悪魔の物語ー

(更新ペースは投稿者の気まぐれなので あまり期待しないで下さい(^^;

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Re: 東方従者録 ( No.8 )
日時: 2016/02/10 02:22
名前: 十六夜皐月 (ID: NZ/3H69l)

姿を捉えた私は、足音を極力立てない様に近付いた、木の枝を踏むようなドジだけはしないように細心の注意を払い、ゆっくりと近付く。

「……………………」
(あれは……皐月?)

どうやら皐月が素振りをしていた様だ、藁人形を的にして抜刀術を行っていたのだと理解した、私も興味がない訳ではないので、その場にしゃがみ込んで様子を見る事にした。

「……ふっ……」

皐月が短く息を吐き、次の瞬間には納刀していた、余りの速度に刀の閃きすら見えなかった、これが悪魔である皐月の力なのだろうか。

瞬きした刹那、藁人形が塵となって消えていた、まさに一瞬の出来事だった。

「……時よ 巻き戻れ」

皐月の低い声で呟かれると、藁人形はいつの間にか元の形へと戻っており、まるで何もなかったかの様にそこに立っていた。

「……誰ですか?さっきから覗いているのは分かっていますよ」

まずい、気付かれた様だ、悪魔は感知能力にも長けているのかと思いつつ、その場を去ろうとして一歩進んだ。

「逃げても無駄で……主でしたか 失礼しました」

いつの間にか皐月が私の後ろに立ち、首筋へと刃を当てていた、正確には「刃」とは言えないだろう、何故ならば、刀の刀身自体が無いからだ、これでどうやって藁人形を断ち切ったと言うのだろうか。

Re: 東方従者録 ( No.9 )
日時: 2016/02/17 01:25
名前: 十六夜皐月 (ID: NZ/3H69l)

「……気温が下がって来ましたね……風邪をひいてしまいます 部屋に戻りましょう?」
「……そうね」

皐月に抱き抱えられ、皐月の刀の謎など既にどうでも良くなって居た。

今はただ、お嬢様に支えるメイドでも、はたまたヴァンパイアハンターでもなく、ただ一人の女として、この幸せな時間を過ごしたかった。

「その格好では冷えるでしょう?」

いつの間にか私の体に、皐月の着ていたコートが掛けられていた、私の好きな皐月の香りを身近に感じ、私の好きな皐月に抱かれている。

こんなに嬉しい事など、無い。

自然と口角が上がり、目を細める、好きな人に抱かれるとは、こんなにも気持ちの良いものだったのだろうか。

「……皐月……」
「何でしょうか?」
「……何でも無いわ……」

皐月の声を聞いて安心したのだろうか、先程まではっきりとしていた意識が徐々に薄れて行く。

「……眠ってしまいましたか……可愛い寝顔ですね」

そんな声が聞こえた気がした、優しく、悪魔と思えない暖かさを含んだ声色の囁きが耳の中で幾重にも反響し、いつの間にか私は、皐月の腕の中で眠っていた。

Re: 東方従者録 ( No.10 )
日時: 2016/03/02 23:13
名前: 十六夜皐月 (ID: yW/8TsYW)

「……おや 寝てしまった……」

宿へと戻る途中に、眠たくなってしまったのか、主が私の腕の中ですぅすぅと寝息を立てている。

「……よほど日頃の激務でお疲れになっていたのでしょうね……」

悪魔である私には分からない感覚だが、きっと辛い事もあっただろう、それを自分の心を押し殺し、全ては主の為と自分に言い聞かせて仕事をしていた反動が今来てしまったのかもしれない。

「……起こすのは無粋ですね」

なるべく音を立てない様に、かつ素早く動く為に、地面から数mmのみ浮き 宿へと飛ぶ。

(……後方に二人……仲間は居ない……誰だ……?)

突然、何者かの気配が後ろから感じられた、強い力を持っている様だ、ピリピリとする強い気配を後ろから感じ、最大の警戒心を持って私の力で作り出したナイフを気配のある方へと飛ばす。

音がしない……当たっていない様だ、気配も弱まる様子を見せていない。

「仕方無いですね……飛ばしましょうか……」

隠していた私の黒く大きな翼を拡げ、威嚇の意味も込めて全速力ではためかせ、空へと逃げる、本来ならば戦いたいが、主が眠っている、妨げるわけにはいかない。

注意深く気配のした辺りを観察する、だが既に気配はそこになく、鳥の鳴き声だけが響いていた。

「……あの気配……何処かで……」
「ぅ ぅ……ん……」
「……しまった 音を立て過ぎた……」

出来る限り音を消して、地面へと降り立つ、気配は確か気になるが、今は主を宿へ送り、寝かせる事を最優先とした。

Re: 東方従者録 ( No.11 )
日時: 2016/03/17 03:27
名前: 十六夜皐月 (ID: yW/8TsYW)

目が覚めると、私は旅館の部屋で布団を体に掛けられ、横になっていた、恐らく皐月だろう。

「ふぁ……」

軽く欠伸をしてから、まだ眠気の残る目を擦り、ゆっくりと起き上がる。

「……もう二時……」

二度寝しても良い、何かを作って退屈を紛らわすのも良い、だが、寝起きの為にやる気がおきない、人とは一日仕事を忘れるだけでここまで弛んでしまうのかと思いつつも、何かをしようと立ち上がる。

枕元に何かが置いてあるのを見付け、拾い上げて読んでみる。

この字は皐月だろう、所々に私しか分からない、皐月のとても小さな癖が現れていた。

手紙の内容はこうだ。

『主へ 貴女が眠っている間に何者かの気配を感知致しました 数は感知した時点では二人でしたが 増援や味方を呼んである可能性もありますので 調査に向かいます 敵である または私達に害を成す様であれば始末し 証拠を消し 戻って参ります 二時までに戻らなかった場合 交戦している可能性がありますので 私を探すかどうかは主の判断にお任せ致します 1:00 皐月』

私が寝ている間にそんな事があったのか、という思考を打ち消し、私服からメイド服へと着替える、この服は仕事服であると同時に、私にとっては戦闘服でもあるのだ。

「……すぅ……」

目を閉じて大きく、深く、息を吸い込む。

「……ふっ」

短く息を吐き、皐月の居る場所へと駆ける、昼だというのに、やけに薄暗い外の雰囲気が私の緊張感を煽った。

      第三話(後編) 終

Re: 東方従者録 ( No.12 )
日時: 2016/03/17 03:43
名前: 十六夜皐月 (ID: yW/8TsYW)

あとがき

えーどうも、最近(というか結構前から)咲夜病(常に咲夜さんを考える奇病)に掛かった作者の皐月です。
さて、今回は如何でしたか?とその前に投稿が遅れた理由をば……
最近、色々とリアルで用事がありまして、とても書いている余裕が無かったのです(;^^
ネタ自体は出来ているものの、書き上げる時間がなかったので放置していました、失踪なんかしてたまるかっ…!
この作品の閲覧数が500を越えたら、閲覧感謝記念として番外編なるものを作ろうかと思っております。
ネタは閲覧して下さっている皆様からリクエストを募集し、それに沿って書こうかと(期待に答えられなかったらすみませぬ……
リクエストが無かった場合は、病んだ咲夜さんでも書いてやろうかなと(病んでる咲夜さん大好物なので……
それではまた、次のお話で……


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