二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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東方従者録
日時: 2016/01/19 04:16
名前: 十六夜皐月 (ID: bNAHgfPP)

※このSSには以下の成分が含まれています
・東方
・オリキャラ
・投稿者の咲夜さんへの狂愛
・若干中2(?)
それでも良いと言う人はどうぞごゆっくり
「駄目だね」と言う方はブラウザバックを推奨



ーこれは幼き吸血鬼とその従者達が住まう館に召喚された、一人の悪魔の物語ー

(更新ペースは投稿者の気まぐれなので あまり期待しないで下さい(^^;

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Re: 東方従者録 ( No.1 )
日時: 2016/01/19 05:35
名前: 十六夜皐月 (ID: bNAHgfPP)

第一話 紅き館に来る魔

PM 11:30

「あぁもう 本当にこれで合ってるのかしら……」

紅魔館の花が咲く庭で、魔導書を片手に苛立ちを地面にぶつけている、館の主、レミリア・スカーレットが誇る完全なる従者 十六夜咲夜の姿があった。

(私だって……自分に尽くしてくれる人が欲しい……人で無くても良い 私を愛して欲しい……)

彼女が試みているのは、動かない大図書館と呼ばれるパチュリー・ノーレッジから教えられた、悪魔の召喚である。

「納得が行かないわ……もう一度……」

ギリ と音が鳴る程に奥歯を強く噛み締め、召喚する為の儀式を行う。

「悪魔よ来い悪魔よ来い悪魔よ来い悪魔よ来い悪魔よ来い……」

彼女は何かに取り憑かれたかの様に、悪魔よ来い、悪魔よ来いと何度も繰り返す。

次第に雨が降り始め、咲夜の体を無慈悲に、容赦無く濡らし、体温を奪って行く。

「悪魔よ来い悪魔よ来い悪魔よ来い……」

もう何度繰り返したか、自分でも分からない程になっていた。それでも咲夜は諦めず、悪魔よ来い、悪魔よ来いと繰り返す。

雨は更に強くなり、耳を澄まさねば声が聞こえない程にざぁざぁと降り注ぐ。

次第に声が掠れ、悪魔よ来いと唱えた回数が二千に達した時、咲夜は空を見上げた。

「……やっぱり 無理 か……」

魔法陣の上でガクリと膝をつき、涙とも雨とも分からぬ雫が頬を伝い、魔法陣に落ちる。

「きゃっ!?」

雫が落ちた途端、魔法陣が輝き始めた。

「嘘……成功した の……?」

陣の中央から、闇を纏った人の形が現れる、その光景を見て嬉し涙を流す咲夜をよそに、闇を纏った人の形は言う。

「汝 我が力を欲すか」

老婆の様な、若い青年の様な、無垢な子供の様な、様々な声が入り混じった声に、咲夜はビクリと体を震わせる。

「……えぇ 私は貴方の力を借りる為に呼んだのだから そんな事聞かずとも分かるでしょう?」

呑まれてはいけない と自分に喝を入れ、声が震えそうになるのを耐え、現れた悪魔と対話する。

「……良かろう 望みを述べよ」
「私の従順で忠実な従者になりなさい 悪魔の力を借りたい程に私も大変なの」

それを聞いた悪魔は、赤い口を大きく開けて笑い始めた。

「……何が可笑しいの?」
「まさか我が力を従えようとは……面白い 笑いが止まらぬ……」
「それで?力を貸してくれるの?」

悪魔の笑いに身をすくませながらも、必死に声を振り絞る。

「……ここまで面白い人間には会った事が無い 良いだろう 我が力 汝に貸そう」

告げると同時に、闇を纏っていた悪魔の体から、無数の眩い光が溢れ出す。咲夜が目を開けた時には、闇を纏った悪魔は消え、代わりに青が入り混じった銀の髪、全てを見通すかの様に冷たく光る碧眼、すらりと伸びた長い手足、そして一切の光を打ち消すかの様に彩られた漆黒の燕尾服を纏った、見た目二十代前半の青年が立っていた。

「……」

余りの変わり様に、咲夜は言葉を失った。

「我が主よ」

跪いて頭を垂れる姿は、何処からどう見ても執事のそれであり、咲夜も無意識の内に目を奪われていた。

「私に名前を頂けますか?」

けして微動だにせず、そのままの姿勢で咲夜に問いかける。

「……え?名前……名前……ね……」

一寸遅れて咲夜も反応し、顎に手を当てて思考を開始する。

(名前……今日の日付は十六……月は……)

長い思考から戻り、咲夜は目の前で跪く青年に告げる。

「貴方の名前は皐月 「十六夜皐月」五月の十六日に呼び出された者 そして私と同じ姓を持つ者……異論は?」
「いいえ ありません」

「皐月」と名付けられた悪魔は、ゆっくりと立ち上がり、微笑を咲夜に向ける。

「これから 貴女の執事として宜しくお願い致します」
「……貴女 じゃないわ 私は咲夜 ちゃんと名前で呼んで頂戴」
「失礼しました 咲夜さん」

咲夜は懐から銀の懐中時計を取りだし、時刻を確認して青ざめた。

「……しまった……もう仕事に戻らないと……」

既に時針は12を過ぎ、館の主が目覚める時間である事を示すかの様に、館の中から大きな古時計の音と、メイド妖精達の声が聞こえ始める。

「皐月 貴方もちゃんと働いてよね」
「承知しました 咲夜さん」

館に向けて颯爽と歩き出す皐月と咲夜。

後に自分達に起こる事など知る余地もなく、二人は夜の館の仕事をこなしていく。

       第一話 終




以下あとがき

こんばんは、もしくはこんにちは。作者の十六夜皐月です。初心者丸出しの文をここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。色々と設定がおかしい、こんなの咲夜さんじゃねぇ!、等とツッコミ所満載のSSですが、ツッコまずに見てやって下さい(^^;
それではまた、次のお話で……

Re: 東方従者録 ( No.2 )
日時: 2016/01/23 04:07
名前: 十六夜皐月 (ID: bNAHgfPP)

第二話 主と悪魔とメイド長

AM5:00

「咲夜さん 起きて下さい」
「……ん……ん〜……」

肩を掴まれてかなり乱暴に揺すられる。

「起きないのであればスペルをお見舞いしますg……」
「うるさい……『幻象 ルナクロック』……」

カチリ と懐中時計を押す。

端から見ればたったそれだけの行動、だが私の能力を発動するのには必要な行為である。

現に今、時は完全に停止し、全ての音が消え失せ、一切の温もりや冷たさも感じない世界となっている。

「……皐月はいつも真面目ね……悪魔なのに」

悪魔だからこそ、自分の与えられた職務に忠実なのかもしれないな と自分で考えを纏め、クローゼットに掛けてあるメイド服を素早く身に纏い、髪を櫛で整え、三つ編みとリボンを着け……

「……そして時は動き出す」

私の一言で時間が動き始め、入口の扉の向こうからメイド妖精達が何匹か起きて話している声が聞こえて来た。

「……駄目でしょう メイド長ともあろう者が寝坊などしては……」
「うわひゃぁ!?」

いつの間にか皐月が背後に立っていた、それだけではなく、時間を止めていた事にも気付いているかの様な口振りであり、流石の私でも驚きを隠せなかった。

「私が気付かないとでも?時間位ならば私にも操れますよ」
「貴方の能力は少し異常なの ちゃんと自分で理解してるの?」
「さぁてね 私は自分の好きな時に気紛れで能力を使うだけです 理解などしていられませんよ」
「……下手に暴走してみなさい ナイフ三本どころでは済ませないわよ」

銀製のナイフを十本ほど皐月の目の前でちらつかせる。

「……っと……銀は勘弁です」
「暴走しないと誓える?」
「しませんよ」
「宜しい」

軽く触れるだけでも肉を斬れるほどに研いであるナイフを太股のホルスターに仕舞う。

やはり皐月も悪魔とだけあって、銀には弱いらしい、但し十字架や日光などは以外と平気なので、良く人里に買い出しに行かせたりしている。

「それよりも 今日の日程は把握出来ておりますか?」
「えぇ 皐月は妹様の遊び相手でしょう?良く壊されないわね」
「あの程度では私は壊せませんよ 手加減されていますしね」

思わず耳を疑った。

あの妹様が手加減を覚えた?いや そんなはずは……

まさかとは思いつつも、外面だけは冷静を保っておく。

「最近は『皐月はあんまり壊したくない』と言って来る様になりましてね……」
「……そう……」

皐月を呼び出してからはや二ヶ月、そういった感情が出るのはおかしくない。

例え妹様でも皐月を渡してなるものか、皐月は私の者であり それ以外の誰の者でもない、所有権は召喚した私にある。

「……そろそろ私は行きますよ ちゃんと眠気取ってから仕事を始めて下さいね」
「あっ……」

声を掛けようとして、先に皐月に部屋から出られてしまう。

告白します、私は皐月が大好きです。

召喚した日からずっと、暇さえあれば皐月の事を考えていました。

この想いを伝えたいとは思っている、だが私の中の臆病さが邪魔をして、いつも失敗に終わる。

「……馬鹿馬鹿しい 仕事しよう……」

はぁ と大きく溜め息を吐いて、廊下に出る。

雑談をしている数匹のメイド妖精を軽く叱りつけ、掃除に向かう。

「確か前の魔理沙襲撃の時に大分壊れていたわね……皐月が最小限に抑えてくれてはいたけれど……」

皐月は能力や出来事を再現してしまう能力らしく、結界を張ったり高威力の魔法を使うのはお手の物なのだ。

「きゃ……」

考える事に気を取られ過ぎていて、一匹のメイド妖精とぶつかってしまう。

「あら 失礼……怪我は無い?」

出来るだけ笑顔で手をさしのべる、メイド妖精は無傷の様で、尻餅をついた以外は何も無かった。

「あの……メイド長 最近ストレスが溜まっているのでは……?」
「……そうね そうかもしれないわ」

ストレスの理由ははっきりしている、お嬢様だ。

最近のお嬢様は傲慢さが出てきて、理不尽な命令や自分勝手な命令を良くするようになった、おかげで私はやりたくもないダンスや皐月と一夜を過ごす様な事もあった、勿論皐月は遠慮して床で寝てくれたが もしも一緒の布団で寝ていたらと考えると、体が熱くなってしまうので余り意識しないようにしている。

「私 良い場所を知っているんです 良ければ休暇を取って皐月さんと一緒に行ってみて下さい!」
「……待ちなさい 何故私が皐月を好きと……」
「え?皐月さんを好きなのはもう全員気付いていますよ?」
「……え……」

間違いなく、今私の時間は止まっただろう、好きな事を悟られていたという事実を聞かされ、ゆっくりと私の嫌な予感が大きくなるのを感じた。

「……まぁ良いわ 所でその良い所とは何処なの?」
「強引に話題を変えましたね……」えぇと 「地霊温泉郷」という所です 混浴らしいですよ?」
「ぶっ!?」

盛大に吹き出した、私の嫌な予感は見事に的中してしまったのだ。

「……皐月と 二人で……」

案外悪くないな と思ってしまう私であった。

だが問題はお嬢様がお許しになるかどうかだろう、最近のお嬢様では許可が降りる確率は……

「あら 皐月と二人で温泉に?」
「お お嬢様!?いつからそこに……」
「ついさっきよ それより面白そう……もとい 二人で疲れを取って来るそうね?」

どうやらさっきの会話を聞かれていたようだ、違う内容の言葉が聞こえた気もしたが、聞き間違いだろう。

「良いわよ 行って来なさい」
「えっ?」

余りにあっさりと許可を出されてきょとんとしてしまう。

「たまには二人だけの時間を過ごして来なさい」
「で ですが館の仕事が……」
「これは命令よ咲夜 二人で行ってきなさい」

やはりお嬢様のカリスマは消えてはいなかった様だ、許可を貰い、命令を頂き、休暇を得た以上 私に断る理由は無く、夜に皐月を私の部屋に呼び出した。

「……というわけで 二人で行かない?二人分の休暇も貰ったし……」
「そういう事なら構いませんよ 妹様のスペルを避けるのにも疲れて来ましたし ゆっくりして来ましょうか」

こうして、私は皐月と温泉に行く事になった、窓の外でお嬢様と妹様が覗いて内容を盗み聞きしていた事も知らずに……

        第二話 終



以下あとがき

初めましての方は初めまして、作者の十六夜皐月です。
今回はタイトル詐欺なお話ですね、三人で会話すると思ったらこれですからねw さて、第二話はお楽しみ頂けたでしょうか?実はこのネタはかなり後に使う予定だったのですが、急展開にするのも良いかなぁと考えた結果やってしまいました。9の所業ですね はい。そんなこんなであとがきを終わります、コメントや挿絵募集です(コメ稼ぎ乙 それではまた次のお話で……


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