二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)5月4日投稿
- 日時: 2017/05/04 16:03
- 名前: 山田 花 (ID: WGarmeYs)
これはユゥウチューブの悪の娘シリーズの世界を題材とした小説です
原作と少し違うところもあります
キャラクターは、ボーカロイドの名前をオリジナルの名前を使います
小説は、初めて書きますので駄作になると思いますがそれでも良かったら読んでください。
それでは物語スタートです
第一話
>>1
>>2
>>3
第二話
>>4
>>5
>>6
第三話
悪ノ召使編
>>7
>>8
>>9
第4話
悪ノ召使編
>>10
>>11
>>12
第五話
悪ノ召使編、完結
>>13
>>14
第六話
悪ノ娘編
>>15
>>16
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)8月21日投稿 ( No.13 )
- 日時: 2017/04/07 12:15
- 名前: 山田 花 (ID: ZY.go0IT)
歌の悪ノ娘シリーズを小説にした物です。
レンの視点から書かれています
〜悪ノ王国〜
〜第五話〜
〜悪ノ召使編〜
ミクさんを殺してその晩に涙が止まらなくなったけれども次の日になるとどうにか涙が止まった。
僕は、気持ちを切り替えるように召使の仕事に専念をした。
相変わらずリンの我儘は、治まるどころかどんどんエスカレートしていった。
そんなある日、緑の国が滅んだ事を聞かされた。
その滅んだ理由が王女様、つまりリンが緑の髪の女に嫉妬して滅ぼした事になっている。
でもその理由が信じられなかった。
だって僕がミクさんの事を殺した時も信じられないようにむしろその事で傷ついているように感じられた。
そんなリンが緑の国を滅ぼすとは、思えなかった。
その噂を聞いた時から嫌な予感がしてしょうがなかった。
悪い事が起こりそうで怖くなったのでリンに召使の仕事の休みをもらい召使の仕事を教えてくれた召使の先生のハルさんに助言を求める為に会いに行った。
ハルさんに会いに行く途中の街の道では、荒れていて空腹で倒れ込んでいる人が多くいた。
ハルさんの家の前に着くと家の扉に着いてある呼び鈴を鳴らした。
でもいくら呼び鈴を鳴らしてもハルさんは、家から出てこなかった。
扉のノブを回すと扉が開いたので黙って家の中に入りハルさんを探した。
でも家の中には、ハルさんの姿が無かった。
ハルさんが居ないどころか机や椅子や棚や食器などにほこりがつもっていて人が生活している雰囲気を感じさせられなかった。
僕は、家を出ると誰かに声かけられた。
「あれ、レン君じゃない。
久しぶりだね、元気したのかい?」
僕は、振り向くと近所に住んでるおばちゃんが立っていた。
「お久しぶりです、おばさん。
おかげさまで元気にやらせてもらっています。
久しぶりにハルさんに会おうと思ったのですがハルさんは、留守だったみたいでして……
おばさん、ハルさんが今は、何処に居るか解りますか?」
僕は、ハルさんの家の方を一回振り向いてからおばちゃんの方を見つめた。
「レン君は、まだ知らなかったんだね。
ハルさんは、不治の病を患ってたみたいで一か月前に亡くなったそうよ」
「ハルさんが死んでいたなんて……
僕は、何も聞かされていませんでした……」
僕は、いつも支えてくれたハルさんの死を知って絶望したように地面に手をついて俯いた。
「……そう言えばレン君が訪ねて来たら渡してほしいと頼まれていたものがあるのよ」
おばさんは、思い出したように右手の中指で頬を触り上を向きながら述べた。
「えっ、ハルさんがですか……?」
僕は、顔をあげると戸惑いながらおばさんを見つめた。
「今持ってくるから少し待っていて」
おばさんは、僕にお願いするとおばちゃんの家にハルさんからの預かり物を取りに行った。
そして10分くらいしたらハルさんからの預かり物を持って戻ってきた。
「これがそうです。
困った時にこれを読みなさいってハルさんに言いましたわよ」
おばさんから古びた手紙を渡された。
「手間をとらせてすいません。
確かにハルさんから手紙を受け取りました」
おばさんから渡されたハルさんの手紙の表裏を見ると手紙をポケットに入れた。
「レン君も色々と大変だと思うけれども頑張るんだよ」
おばさんは、僕の腕を軽く触りながら優しく話かけた。
「ありがとうございます、おばさんも色々と大変だと思います頑張ってください」
僕は、腕を触ったおばさんを見つめ返した。
「ありがとう、レン君」
おばさんも僕を見つめ返しながら述べた。
僕は、おばさんと別れると次は、メイコさんに会うためにメイコさんが働いている酒場に向かった。
酒場の周りは荒れていて酒場の看板も落ちていた営業してる感じがしなかった。
「この荒れようは、どうしたんだろ……」
僕は、酒場の建物を見上げながら呟くと酒場の扉のドアノブを回して扉を開けようとした。
酒場の扉は、鍵がかかっていて扉が開かなかった。
「酒場が休みって訳ではないよね……」
不安そうに酒場を見上げるとしばらくしてからメイコさんの家に向かった。
「メイコさんの家に来るのも久しぶりだな……」
メイコさんの家に着くとメイコさんの家を見上げながら呟いた。
気合を入れるように咳を一回すると扉の呼び鈴を鳴らした。
でも家からは、誰も出て来なかった。
「あれ、留守なのかな?」
もう一回扉についている呼び鈴を鳴らした。
それでも家からは、誰も出て来なかった。
メイコさんの家の前で一時間くらいメイコさんの帰りを待ったけれども結局メイコさんには、会えなかった。
僕は、帰る前にメイコさんの家の庭を覗いたら木には、剣か何か刃物で何回も打ち付けている傷痕が合った。
「メイコさん、剣の稽古を頑張ってるんだね。
でもメイコさんがこんな荒々しい傷をつけるなんて珍しいな。
そう言えば王宮に行く時も見送りに来なかったし何かあったのかな……」
メイコさんの庭の荒れようを見て悪い予感がしてしょうがなかった。
僕は、気をまぎらすようにメイコさんが剣で傷つけた木の傷痕を右手で軽く触った。
メイコさんの家の庭を見渡すと王宮に戻った。
王宮に戻るとそのまま自分の部屋に向かった。
自分の部屋に入ると椅子に座った。
「街は、凄く荒れていたな……
それだけ国民から税金を巻き上げているって事だよな。
緑の国を滅ぼしたって噂もあるし国民の怒りが爆発しなければ良いけれども……」
僕は、不安そうに俯くと視界にポケットの膨らみが見えてポケットにしまってる手紙を思い出した。
僕は、ポケットから手紙を出してペーパーナイフで封筒の上を切ると封筒の中から一枚の手紙が出てきた。
手紙を机に広げて手紙を読んだ。
手紙の内容は、次のような事が書いていた。
『この手紙を読んでいる時は、私がもうこの世界に居ないと思う。
不治の病の事を黙っていてすまなかったと思ってる。
でもレンには、自分の仕事に専念してもらいたかったから解ってほしい。
この手紙を読んでいるって事は、とても大きい悩みが出来たのだと思う。
その悩みの予想は、できている。
私からアドバイスができる事は、一つだけだ。
リンと双子であるレンだけにできる事がある。
それを実行するかどうかはレンの判断にまかせる。
でもこれだけは、言っておく。
後悔だけは、するなよ。
いつまでも天国からレンの事を見守っているぞ。
レンの師匠のハルより』
僕は、手紙を読み終わると手紙を机の上に置いた。
「ハルさんの言葉を確かに受け取りました。
でもリンの双子である僕だけにできる事って……」
僕の姿とリンの姿が似ているのを思い出すと最悪の事態が起きた時に僕がリンにしてあげれる事を思いついた。
「これなら最悪の事態が起きてもリンを守ってあげる事が出来る。
それにリンが抱えている柵をとってあげる事もできるかもしれない」
僕は、リンを必ず守る事を決心したように手紙を軽く握り締めた。
僕の悪い予感が当たりハルさんの手紙を読んでから月日が経たないうちに革命が起きた。
革命は、王宮の兵士により直ぐに鎮圧されると思われた。
でも革命の勢いが激しく王宮は、革命軍に包囲されてリンが捕まるのも時間の問題になった。
「王女様、王宮に攻め込まれるのも時間の問題です」
僕は、リンに革命の進行具合を知らせる為に王女の謁見の間に報告に来た。
「そんな……私が何をしたと言うのよ……
ほんの少し贅沢しただけなのに……」
リンは、両手で顔を隠して涙を流して泣いた。
僕は、リンを部屋に一人残して自分の部屋に戻った。
自分の部屋に戻ると王女様……リンの洋服に着替えると僕の召使の洋服を持つとリンがいる部屋に戻った。
部屋に戻るとリンは、両手で顔を隠して泣いていた。
「王女様、僕の洋服を貸してあげます」
僕は、リンの方に僕の着ていた召使の洋服を差し出した。
「えっ……そのレンの洋服ってもしかして……?」
リンは、顔をあげると信じられないように僕を見つめながら僕の召使の洋服を受け取った。
「僕と王女様は、似ていますから入れ替わったって誰も解りません」
「でもそれってレンが私の身代わりになるって事でしょう。
そんなの私は、嫌よ……」
リンは、僕の腕を触り辛そうに僕を見つめた。
「王女様のそんな顔は、似合いません。
僕は、王女様の笑ってる笑顔が一番好きです。
だから王女様は、いつも笑っていてください」
僕は、リンの唇を右手の中指で触ると優しく微笑んだ。
「そんなのレンと一緒じゃないと無理よ……」
リンは、悲愴な表情で僕を見つめながら僕の袖を掴んだ。
僕は、リンを落ち着かそうと口を開こうとしたら遠くでリンを探す声がした。
「そろそろお別れの時間です」
僕は、王女様が座る椅子の後ろに隠されているお城から抜け出す為の隠し通路の扉を開けた。
僕は、直ぐに隠し通路の入り口にリンを入れた。
「この入口は、一度閉めたら外から開けられない仕組みになってますから安心してください。
さようなら、リンお姉ちゃん」
僕は、慈愛を込めてリンに向かって優しく微笑んだ。
「ちょっと待ってよ。
まだ私は、レンと別れたくない!!」
リンは、僕の腕を掴んで僕を引き留めようとした。
僕は、無言でリンの言葉を無視してリンの手を離させて隠し通路の入り口の扉を閉めた。
僕が隠し通路の入り口を閉めると同時に部屋の扉が開き革命軍が部屋に入ってきた。
部屋に入ってきた革命軍は、一人の男性は、青髪のカイトお兄ちゃんで、もう一人は、黒髪で20歳くらいの男性で、もう一人は、茶色の髪で40歳くらいの男性で、もう一人の女性は、赤髪のメイコさんだった。
「お久しぶりです、リン王女様。
王女様、あなたは、罪のない人達を苦しめすぎました。
もう逃げられませんよ」
僕は、後ろを向いているとカイトお兄ちゃんは、近づいて来た。
僕は、振り向くとカイトお兄ちゃんを見つめた。
「君は、もしかして……?」
カイトお兄ちゃんは、驚きながら僕の肩を触った。
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)8月21日投稿 ( No.14 )
- 日時: 2017/04/07 12:16
- 名前: 山田 花 (ID: ZY.go0IT)
「無礼者、私に触れるな!!」
僕は、カイトお兄ちゃんの手を振り払いカイトお兄ちゃんを睨んだ。
カイトお兄ちゃんは、僕の気持ちを理解して手を引っ込めた。
「やっと追いつめたわよ、王女。
あなたがキリトを殺した事を忘れた事は、なかったわよ!!
忘れたとは、言わせないわよ!!」
メイコさんは、僕の首の下の洋服を掴んで僕を睨んだ。
えっ、リンがキリトさんを殺した……?
僕は、その事が信じられなくて動揺した。
動揺を隠しながらメイコさんを睨み返した。
「あなたは、足元にうろついている虫を殺した数を覚えてるのかしら?」
僕は、わざとメイコさんに憎まれ口を述べた。
メイコさんが僕を憎しんでくれたらくれるほど僕が処刑された時に少しでもメイコさんの気が落ち着くのでしたら僕は、メイコさんの憎しみを全て受け止めようと思った。
メイコさんは、僕の頬を右手の平手で叩いた。
「あんたは、やっぱり最低よ!!
早く王女を連れて行きなさい!!」
メイコさんは、怒ったように僕を睨むと黒髪と茶色の髪の男性の方を向き男性に命令をした。
僕は、男性に両肩をかつがれると牢屋に連れて来られた。
僕は、牢屋に入ると牢屋の中にある椅子に座って窓から外を見つめた。
しばらくすると牢屋にカイトお兄ちゃんが来た。
「レン、こんな事になってすまないと思ってる。
僕には、どうする事も出来なかった……」
カイトお兄ちゃんは、すまなそうに俯きながら述べた。
「謝らないでください、カイトお兄ちゃん。
僕もカイトお兄ちゃんに謝らないといけない事があります。
僕は、ミクさんを殺してしまいました。
だから本当に罰される存在は、リンじゃなくて僕なんです」
僕は、首を横に軽く振ると辛そうに俯いた。
「ミクの死に顔を見たけれども凄く安らかな笑顔だったんだ。
きっとミクがレンに殺されるのを望んだとしか思えなかった。
なぜ殺される事を望んだか理由までは、解らないけれども……
だから自分を攻めるな、レン」
「ありがとうございます、カイトお兄ちゃん。
でもリンを助ける事が出来たからそれだけ僕は、幸せです」
僕は、幸せそうに自分の両手を握り締めながら微笑んだ。
「そうか……レンが幸せならそれで救いがあるのかもしれないね……」
カイトお兄ちゃんは、困ったような苦笑いを浮かべると窓から外を見上げた。
カイトお兄ちゃんが外を見上げるのと同時に誰かが近づいてくる足音が聞こえた。
「カイト、ここに居たのね。」
メイコさんは、カイトお兄ちゃんの方に話しかけると次に僕の方を向いた。
「王女、あなたの処刑の日時が決まったわよ。
あなたは、明日の午後の三時に処刑されるわよ。
処刑されるまで生の時間を堪能しなさい」
メイコさんは、僕の服を軽く掴むと直ぐに洋服を離した。
「さっさと行くわよ、カイト」
「解った、メイコ……」
メイコさんは、いらたったようにカイトお兄ちゃんに述べるとカイトお兄ちゃんとメイコさんは、去って行った。
メイコさんが去って行く瞬間に聞こえるか聞こえないかくらいの小声で「ごめんなさい、メイコさん……」って呟いた。
僕は、次の日、ギロチンのある街の広場に連れて来られるとギロチン台に縛り付けられた。
ギロチン台の周りに集まってる人々の中に頭からフードを被って姿を隠したリンが真っ青の顔で僕を見つめていた。
僕は心の中で『良かった……リンは、ちゃんと城から逃げ出せる事が出来たんだね』って思った。
僕は、ほっと胸を撫で下ろすとリンを安心させるようにリンに向かって優しく笑いかけた。
「これから王女の処刑を実行する。
最後に言い残した事は、あるか?」
メイコさんは、剣を台に叩きつけて質問をした。
台を剣で叩くのと同時に三時を知らせる教会の鐘が鳴り響いた。
僕は、最後までリンを演じきる為にとぼけた表情で「あら、オヤツの時間だわ」って述べた。
「それでは処刑を実行する」
メイコさんは、ギロチンの刃をくくりつけてある縄を剣で切り落とすとギロチンの刃が僕に襲い掛かった。
薄れゆく意識の中で僕は、リンに向かって『生まれ変わったらまた僕と遊んで下さい』って心の中で呟くと僕の意識がなくなった。
〜終わり〜
- Re: 悪ノ王国 ( No.15 )
- 日時: 2017/05/04 15:55
- 名前: 山田 花 (ID: WGarmeYs)
歌の悪ノ娘シリーズを小説にした物です。
リンの視点から書かれています
〜悪ノ王国〜
〜第六話〜
〜悪ノ娘編〜
私は、八歳の時にレンやお父さんやお母さんと引き離されて王宮に連れて来られた。
王宮に連れて来られた理由は、病気でなくなった本物の王女様の変わりに私を王女にするためだ。
王宮に連れて来られてからは、勉強や馬術やダンスなどの王族に必要なスキルを学ばされた。
私が王女様にさせられても国を動かすのは、大臣がしていた。
大臣は、私の名前を使って国民から税金を搾り取って私腹を増やしたり好き勝手をしていた。
私が王女様だからと言っても権力も何もないただのお飾り同然の王女様だった。
私に許される事と言ったらほんの少しの我儘だけだった。
私は、それが嫌で気分をまぎらす為に一人で街に出かけた。
街の様子は、少し寂れていた。
「これってやっぱり大臣が税金を取りすぎてるって事だよね。
私に何かできないのかな……?」
私は、考え事をしていたら気が付くと裏通りを歩いていた。
「いけない表通りに戻らないと……」
私は、慌てて来た道を戻ろうとした。
でも17歳くらいの痩せ細った男性が私の前に現れてとおせんぼうをした。
「お姉ちゃん、俺と良い事をしないか?」
男性は、にやにやしながら私の肩を掴もうとした。
「そんな事は、しません。
私に構わないでください!!」
私は、男性の手を振り払って後ろを振り向いて逃げようとした。
「お姉ちゃん、何処に行くつもりだい?」
逃げようとする19歳くらいの太った男性が私の前に現れると私の腕を掴んだ。
「何するの!?
私を離しなさい!!」
私は、大声で叫ぶと太った男性を睨んだ。
「そうじゃけにするなよ」
痩せ細った男性は、にやにやしながら私に近づいてきた。
「警備兵、こちらです、早く来てください!!」
遠くから男性が警備兵を呼ぶ声が聞こえてきた。
「やべえ、警備兵だ、行くぞ!!」
太った男性は、慌てて逃げるように走って去って行った。
「待てよ、俺を置いて行くなよ!!」
痩せ細った男性も太った男性の後を追いかけて走って逃げて行った。
逃げて行く二人の男性を呆然と見つめた。
「危ない所だったね。
怪我とかしてない?」
声がした方を向くと黒色の髪で年は21歳くらいの男性がこちらの方に近づいてきた。
「余計な事をしないでよ。
私、一人だけでもどうにかできたんだから」
他人に弱みを見せたくなくて強がってみせた。
「それは、悪かったね。
でもここに居たらまたへんな輩に襲われるかもしれないから僕について来てくれないかな?」
「う、うん……」
私が男性に失礼の発言をしたのに男性は、それを気にしないで逆に優しく接してくれてそれがカイトに似ていて戸惑いながら返事を返した。
男性は、私を表通りまで連れてきてくれた。
「ここまで来たら大丈夫だと思うよ」
男性は、優しそうにやんわり微笑みながら私の方を向いた。
私は、男性の笑顔にしばらく見とれてしまった。
「どうかしたの、お嬢ちゃん?」
男性は、私の視線に気が付いて不思議そうに首を傾げた。
「な、何でもないよ……」
私は、男性の視線に恥ずかしくなり男性から視線を逸らした。
「それなら良いけれども、でももうあんな所に一人に行くんじゃないよ」
男性は、私の頭を撫でると直ぐに去って行こうとした。
「ま、待って。
私の名前は、リン。
良かったらあなたの名前も教えてくれない?」
私は、去って行こうとする男性を呼び止めた。
「僕の名前は、キリト。
またね、リンちゃん」
キリトは、私の方を振り向くとやんわり微笑みながら私の方に右手を振ると去って行った。
「キリトってカイトに少し似ていたな……」
キリトが去って行くのを見送ると小さな声で呟いた。
私は、またキリトに会いたくて街に出かけた。
キリトを見つける事が出来なかった。
一か月たってやっと公園で本を読んでるキリトを見つける事が出来た。
「キリト、何を読んでいるの?」
私は、後ろからキリトに話しかけた。
「リンちゃん、久しぶりだね。
本のタイトルは、大罪って言って一人の人間の自分の犯した罪に悩んで苦悩を書いた本だよ」
キリトは、本から顔をあげると私の方を向いて読んでる本を私に見せた。
「聞いた事がない本……」
私は、小声で呟いた。
「それでリンちゃんは、こんなところでどうしたの?」
キリトは、本をベンチに置くと少しだけ首を傾げながら私を見つめた。
「それは、その……そう気分転換の散歩よ。
私が散歩したらいけないと言うの?」
私は、腕を組むと横を向いて憎まれ口を述べた。
キリトを探していたのに素直に会いたかったって言えなくてそんな素直になれない自分に嫌気がさして深くため息を吐いた。
「リンちゃんが散歩したら駄目なわけないよ」
キリトは軽く首を振ると気分を取り直したように小さく咳をすると私を優しく見つめた。
「それで僕に何かようがあったんじゃないのかな?」
「えっ、ど、どうしてそう思うの?」
キリトに思って事を言いあてられると戸惑いながら述べた。
「リンちゃんが何か言いたそうにしていたから。
もしかして僕の勘違いだったのかな?」
キリトは、自分の口元を押さえて私の心を覗き込むように私を見つめた。
「うんん、勘違いじゃないよ……
私は、もう一度キリトに会いたくて探したの」
キリトに見つめられてると私の隠し事を見透かされているようだった。
だからこれ以上本当の事を隠すのは、無理だと思い素直にキリトを探していた事を伝えると首を軽く横に振った。
「やっぱりそうだったんだね。
それでリンちゃんは、僕にどんな用事なのかな?」
キリトは、しゃがんで優しく微笑み私の顔を覗き込みながら質問をした。
「それは、その……」
私は、ここで話をしていいか解らずに戸惑いながら話しを濁らした。
「……ここで話ができない事なんだね。
それなら僕の家に来ないかな?
僕は、一人暮らしだから誰にも話を聞かれる心配は、ないはずだよ」
「キリトの家……?
確かにそれなら誰にも聞かれないよね……」
私は、右手で口元を押さえて俯きながら考え込み小さい声で呟いた。
「それならキリトの家にお邪魔させてもらうわ ね」
私は、顔をあげるとキリトを見つめながら述べた。
「構わないよ。
早速僕の家に行こう」
私は、キリトに連れられてキリトの家に向かった。
キリトの家は、街の端っこにあった。
そしてキリトの家は、茶色の屋根で白い壁の一階建ての建物だった。
「ここがキリトの家なんだね……」
私は、キリトの家を見上げながら述べた。
「何にもない所だけれども家にあがってよ」
キリトは、家の扉を開けると私の方を向いた。
「ありがとう、キリト、お邪魔するね」
私は、キリトの家の中に入るとキリトも私の後を追いかけるように家の中に入った。
私達は、家の中に入るとリビングに向かった。
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)4月7日投稿 ( No.16 )
- 日時: 2017/05/04 15:57
- 名前: 山田 花 (ID: WGarmeYs)
「意外と片付いてるのね……」
私は、部屋の中を見渡すと棚に飾られている写真立てに気が付いた。
写真立ての写真には、女性が写っていた。
「キリト、この女性って誰なの?」
私は、写真立てを持ちながらキリトの方を向いた。
「メイコちゃんって言って僕の婚約者だよ」
キリトは、照れたように頬を赤くしながらキリトの頬を右手の人差し指でかいた。
「えっ、キリトに恋人がいたの!?」
私は、驚いたように口元を右手で隠しながら述べた。
「う、うん、いたよ……」
キリトは、恥ずかしそうに口ごもりながら述べた。
「そうだったんだ。
意外かも……」
私は、キリトに恋人いる事を驚いてしみじみと思いながら小声で呟いた。
キリトは、ブドウジュースを二つのコップに注ぐとテーブルの上に置いた。
「それでリンちゃんの要件を教えてくれないかな?」
キリトは、テーブルの前に置いてある椅子に座ると私の方を向いた。
私は、キリトの呼び答えに答えるようにコップの置いてあるテーブルの椅子に座るとブドウジュースを飲んだ。
私は、決心したようにコップをテーブルの上に置くとキリトの方を向いた。
「ねえ、キリト、この国を良くする方法ってあるのかな?」
「この国を良くする方法?」
キリトは、私の言葉を聞いてきょとんとしながら私を見つめた。
「国を良くする方法は、良くわからないけれども……
王女様が国の税金をへらしてくれたら少しは、国民の生活が楽になるはずだけれどね。
でもどうしてそんな事を聞くの?」
「それは、その……」
私は、言葉を濁して俯くと話す言葉を考えると直ぐに顔をあげてキリトを見つめた。
「ねえ、キリト、もしもの話だけれども本物の王女は、昔に死んでいるとするよ。
そして今の王女様は、偽物でなんにも権力がない飾り者の王女だとするね。
なんにも権力のない偽物の王女様は、国を良くしたいと思ってるの。
偽物の王女様に何ができると思う?」
キリトなら私の悩んでる答えが解るかもしれないと思い藁をも掴む思いでキリトに質問をした。
「リンちゃん、それって……」
キリトは、戸惑いながら私を見つめた。
「ごめん、やっぱり今の質問は、忘れて」
私は、キリトの反応を見て慌てて訂正をした。
キリトがこんな途方もない話を聞いて戸惑う気持ちは、理解できた。
誰だってこんな話を聞いたら戸惑うのは、解っていたから。
それなのにキリトに途方もない質問をしてしまった自分に後悔をした。
「リンちゃん、謝らなくて良いよ。
少しだけ驚いただけだからね。
ねえ、リンちゃんは……
うんん、やっぱりなんでもないよ」
キリトは、軽く首を振ると私のおかれている状況を理解したのか途中まで言った言葉をのみこんだ。
「どんな答えをだしても無神経な答えになるからリンちゃんのほしい答えをあげらる事はできないよ。
ごめんね、リンちゃん……」
キリトは、すまなそうに自分の頬を右手の人差し指でかきながら私に謝った。
「謝らないでよ。
とんでもない相談をした私が悪いのだから……」
私は、少しだけ首を横に振るとすまなそうに苦笑いを浮かべた。
「僕にできる事は、少ないと思う。
でも話くらいは、聞いてあげるね。
リンちゃんの為に苦しみを和らいであげる手伝いくらいは、できると思うからいつでも僕の家にいらっしゃい」
キリトは、やんわりと微笑みながら私の頭を優しく撫でた。
「ありがとう、キリトの言葉に甘えるね」
キリトに頭を撫でられて気持ち良さそうにキリトに体をあずけた。
それから私は、キリトの言葉に甘えて何回もキリトの家に遊びに行った。
それからしばらくしてキリトからある提案をもちかけられた。
「キリト、今何て言ったの?」
私は、キリトにもちかけられた提案が信じられなくて聞き返した。
「だから僕達と一緒にこの国をでないかって言ったんだよ。
この国は、もう駄目だよ。
リンに置かれている立場は、理解してるつもりだよ。
でもこのままでは、リンがどうなるか先が見えているよ。
それにメイコちゃんだったリンちゃんの事を気に入ってくれるはずだからね」
キリトは、私の肩を触りながら私を言い聞かせるように優しく話しかけた。
「で、でも私は……」
キリトの申し出は、魅力的で何もかも捨ててキリトの好意に甘えそうになった。
でもそれが本当に得策か解らずに自分の両手を握り締めながら俯きながら述べた。
「答えを直ぐにもらおうとは、思ってないよ。
でもしばらく考えてみてくれないかな?」
キリトは、私の顔を覗き込みながらお願いをしてきた。
「うん、考えてみるね……」
私は、答えがだせないまま曖昧に答えた。
キリトと別れてから一日考えたけれども答えがでなかった。
答えが出ないままキリトの元に向かおうとした。
「王女様、何処に行かれるつもりですか?」
声がした方を向くと大臣が立っていた。
「それは、その……」
本当の事を言えるわけがいかず気まずそうに大臣から視線を逸らした。
「いつもの若造の元に行くつもりなら無駄ですよ。
王女様を誘惑する輩は、私達が始末しましたから」
「そ、そんな……」
キリトが私のせいで殺さられたって事実を受け止められずに頭の中が真っ白になった。
「ですから王女様は、今まで通りにしていてください」
大臣は、絶望をしている私に気にしてないようににこやかに微笑んだ。
人を殺したのに平然とにこやかの笑顔で言う大臣が怖くて仕方がなかった。
私に出会ったせいで不幸になったキリトの事を思うと街に出かける気になれなかった。
それにまた私とかかわりをもったせいで不幸になる人が増えそうで怖かったのもある。
でもしばらくして私の離れ離れになったもう一人の私との再会がさらなる悲劇を生むとは、思うともなかった。
〜つづく〜
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)5月4日投稿 ( No.17 )
- 日時: 2018/03/15 10:01
- 名前: 山田 花 (ID: WJdkfPQp)
放置してすいません、続きは、近いうちに投稿できるように頑張ります
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