二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ガルズモンズ 序章編
- 日時: 2017/05/16 20:40
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
またお会いします。今回もまた新しい小説を書いていこうと思います。取り上げるのは初挑戦となるスマートフォンの携帯アプリのゲーム、「ガルズモンズ」のストーリーを書いていきます。
<概要>
今月、終了となってしまった矢印を駆使したパズルゲームで私も遊んでいたゲーム、そのノーマルストーリーをこの小説に書いていきたいと思います。主人公が気付くと牢屋にいて、そこをその世界の住人に助けられて、彼等との触れ合いで成長して心を通わせていく。そんな感じの絆を描いたストーリーにしていきたいと思っています。
<キャラクターの性格>
ガルズモンズのキャラの設定を見るとクスリとさせられる話が多いので、真面目に見えて無邪気だったり、甘党だったりとそんな感じの設定が多いので、キャラクターは共通して「性格は違えども子供のように無邪気でおかしいくらいに感情むき出し」、好きな気持ちははっきり言い、怒る時は本気で怒り、泣きたい時は大声で泣き、悲しい時は心から悲しむ、そんな風に描いていきたいと思います。
<物語は>
今回書くのは序章編なので序盤、牢屋で主人公が目覚める所から、レジスタンスに到着するまでを描いていきます。
<登場人物紹介>
・狩須門人(かるすもんど)
本作の主人公。牢屋に捕らわれていた所をガーネット達に救われて、世界を救う旅に協力されることに。最初は性格は暗く、相手を信じられない気持ちがあったが、仲間達の優しさに触れることで心を開いていく。
・ガーネット
本作のヒロイン。赤いポニーテールに白い長袖を羽織って、紫のビキニに紫のニーソックス、ショートパンツを履いた食べることと運動が大好きな少女。大きな剣を振るう豪快な戦い方が得意。門人を救出し彼の心の闇を聞いて彼を守っていくと誓う。レジスタンスに入ったのにはある理由があるようで・・・。筆者が実際のゲームでパートナーとして選んだキャラ。
・参謀シオン
ガーネット達に同行している冷静な参謀。物腰が柔らかく言葉が丁寧だが、自分の考えに自信がありすぎて相手に押し付けてしまうことがある。甘党でマロングラッセが大好物。主人公の門人には兄のように温かい目で時に厳しく、時に優しく諭す。筆者が初めてのガチャで最初に手にしたキャラ。
・オーク達
アカオーク、アオオーク、ミドリオークの三人。三姉妹でアカが長女、アオが次女、ミドリが三女。アカオークは姉御肌で面倒見がよく門人にも気さくに接する。アオはクールで冷静。ミドリは無邪気で天然。
・モッチ達
アブリモッチ、ミズモッチ、カシワモッチの餅のように丸っこいモンスター。三匹とも共通して無邪気。
- Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.20 )
- 日時: 2017/05/14 17:41
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第9話「親衛隊の逆襲、さらわれる仲間!」パート2
「ふう・・・」
親衛隊の一人、ヴァーミリアンは灼熱の砂漠の中を歩いていた。風でマントがたなびいている。彼女はある所へ足を運んだ。
「来たか・・・」
そこは砂漠の荒野にある岩山、その崖になっている場所だった。そこで青、緑、紫、黄色がメインのメンバーが待っていた。今、声をかけたのは青い服装を基調とする親衛隊で真面目で寡黙なセルリアンだった。
「お前達か、待たせたな」
「それでえ、どうだった?あの少年は捕まえられたの?」
ヴァーミリアンに緑の、スコップのような剣を持ち、いかにも脱力感を出しているビリジアンが成果を聞いてきた。
「結果はご覧のとおりだ。あと少しであの小僧を捕まえられると思っていたが、突然邪魔が入ってな、仕方なく引き上げることにしたのだ」
ヴァーミリアンは正直に言う。
「げえ、失敗した?そりゃあまずいっしょ!」
「ビリジアン、そう言うな。まずはヴァーミリアンが無事なことを喜ぶべきだろう」
セルリアンはヴァーミリアンを労うべきだと仲間に言った。
「まあ、同じ仲間だしねえ・・・」
「ちょっと、随分やる気なさそうに言ってるじゃない?」
何とも無気力なビリジアンにミルキーがイライラした顔をすると、グレイがまあまあと宥めていた。
「でも、次があるわ」
「そうそう、でもやっぱりあの子供はやっかいだねえ。何とか楽して捕まえられる方法はないかねえ・・・」
ビリジアンは何か知恵は無いかと考えた。
「それなら、いい考えがあるよ」
そう言うと、グレイは爬虫類のような鋭い爪が並んだ手にある物をメンバーに見せた。それは全てのものを映すことが出来る水晶玉だった。
「この水晶に何があると言うのだ?」
「まあ、見ていなさいって」
グレイが言うと水晶玉が光りだした。そこには門人とレジスタンスのメンバーが映っていた。そして門人はガーネットとオニキスに挟まれている。
「うむ、この小僧か?」
「へえ、いいねえ、二人も女の子に好かれてて・・・」
セルリアンとビリジアンが水晶から覗いている。ヴァーミリアンは何かをひらめいたのかニヤリと薄笑いをした。
「どうしたの、ヴァーミリアン。ははーん、さては何か思いついたんでしょう。憎いわね、その悪どさ、たまらないわ」
ミルキーは先程の無邪気な表情が一転、邪気がこもった表情をして笑みを浮かべた。
「そうだ、この小僧はこの小娘を慕っている。この小娘を利用すれば、ふふふ・・・」
親衛隊の策略が動こうとしていた・・・。
そして、門人達は相変わらず砂漠の中を歩いている。
「さあ、あんた達、もうひと踏ん張りよ。レジスタンスに付けばショートケーキとピッツァがあたしを待ってるわブヒン!」
アカオークはテンション高く、アジトにある大好物を浮かべて先頭を歩いていた。
「お姉様、アジトにはメロンソーダとカツ丼はある?!」
ミドリオークが嬉しそうに聞いてきた。
「ミントアイスと味噌ラーメンは・・・」
アオオークが舌なめずりして姉のアカオークに聞いてきた。
「ええ、妹達、ちゃんとあるわよブヒン!」
アカオークが言うと二人の妹オークは喜んだ。ゴブリン兄弟やはぐれオオカミ、しにたてにゃんこ、三匹のモッチ達も喜んでいた。
「ふふ、とても無邪気ですね」
微笑ましくなったのか看護師クリアはニコニコと笑った。他のメンバーも同じである。
「あれ?」
するとアクアが何かに気付いた。よく見ると向こうで布をまとった誰かが苦しそうにしているのが見えた。
「アクアさん、どうしました?」
「クリアちゃん、向こうで誰かが倒れてるよ」
「何、きっと虫歯に苦しんでるんだ!こうしちゃいられない!」
フロスティが治療用具を出して目をキラキラさせた。ブブとペリドットが慌てて抑えている。
「大変、早く助けなきゃ!」
ガーネットはその人の方へと走り出した。
「待って、ガーネット!」
門人や仲間達も走り出した。そしてその人物の所まで来る。
「ねえ、大丈夫ですか?しっかりして」
ガーネットがその布をまとった人の体を起こそうとした。すると、
「はあっ!」
するとその人物は突然何かを地面に転がした。転がって出た玉は煙を吹き出して門人達を覆った。
「うわ、何だこれ?!」
「ちょっと、あれ〜なんか・・・」
「眠たいぜ・・・」
門人やアカオーク、アカゴブリンは激しい眠気に襲われた。
「何だか眠い・・・」
「いけま、せん。睡眠ガスです・・・」
ブブが堪えていたが眠気に逆らえず倒れてしまう。シオンは睡眠剤が入っているガスだと気付くが、倒れてしまう。他のメンバーも倒れていった。
「ふふふ、こんなありきたりな作戦に引っかかるなんてねえ、レジスタンスの奴等もおバカさんだ・・・」
布を取るとその人、親衛隊のビリジアンはガスマスクを外してほくそ笑んだ。そして仰向けに倒れているガーネットを見つけると、彼女を抱えて、連れ去っていった・・・。
「ううん・・・」
煙が晴れて門人達が目を覚ました。
「ううん、なんだったのよ・・・」
「よく寝たモチ・・・」
「モチ・・・」
アカオークとアブリ、ミズモッチも起きた。
「はあ、何だったの、あれ?」
ペリドットが何かに気付いた。
「ペリドットさん、どうしたんですか?」
「どうしたにゃ?」
「大変、ガーネットちゃんがいない!」
クリアとしにたてにゃんこが聞くと、ペリドットはメンバーの一人、ガーネットがいないことに気付いた。
「何だって、ガーネット・・・ガーネット!!!」
門人は慌てて辺りを見渡した。しかし彼女の姿はどこにも見当たらない。
「うん、これは?」
オニキスがある物を発見した。一行が走るとそこには一機のメカモッチが置かれていた。
「メカモッチだね、何でこんな所に?」
フロスティが持って調べると、
『ふふふ、ようやく起きたかな・・・』
メカモッチから音声と同時にシルエットが映った。それは親衛隊のヴァーミリアンだった。
「こいつは?!」
オニキスが睨む。門人も彼女が誰なのかすぐに理解した。
『小僧、私の声が聞こえるかな?』
門人が見ていると、ヴァーミリアンは話を続けた。
『お前が何よりも愛している小娘は私が預かっている。返して欲しければ、小僧、お前一人で来い。この小娘がひどいめにあう前にな』
ヴァーミリアンのシルエットが消えて、代わりにあるものが映された。
「ああ!」
「これって!」
門人やペリドット達が仰天した。そこには捕らわれたガーネットがいたからだ。
『いやーっ、門人、助けてーーっ!早く来てーっ!』
映像の中でガーネットは悲鳴を上げて少年に助けを求めていた。
「ええ、何でガーネットさんが捕まっているモチか?!」
「きっと、あの時に親衛隊が連れ去っていったのでしょう・・・」
カシワモッチが驚いていると、シオンは親衛隊の仕業だと話した。
『ふふ、小僧。お前はこの小娘を見捨てられない、助けたければ一人で来い。待っているぞ・・・』
ヴァーミリアンの映像が消えると、メカモッチは電気を散らして爆発した。
「く、ガーネット・・・!」
門人は助けようと走り出した。
「待て、行けば親衛隊に命を奪われるぞ!」
オニキスが腕を掴んで彼を止める。
「そうよ、勇気と無茶を履き違えちゃダメブヒン!」
「お気持ちは解ります、ですがこのまま一人で行っても親衛隊の思うがままです。まずは彼女をどう助けるかを考えましょう」
アカオークと参謀のシオンが冷静になるよう諭した。門人は気持ちを抑え、どうすべきかを仲間達と考えるのだった・・・。続く・・・。
- Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.21 )
- 日時: 2017/05/14 17:41
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第9話「親衛隊の襲撃、さらわれる仲間!」パート3
そして、ガーネットをどう救出するかを考えた後、砂漠に夜が訪れた。
「・・・・・・」
一行が寝静まる中、門人はただ一人起き上がった。作戦を考えるも、やはりいてもたってもいられなかったのだ。
「皆、オニキス、ごめん。俺、やっぱりじっとしてられないよ。ガーネットを助けに行く」
門人は誰にも告げずに出発しようとした。
「お待ちなさい」
誰かの声がして振り向くと、参謀シオンがいた。
「シオン・・・」
「解っています、止めはしませんよ、昼間から落ち着いていませんでしたよね。どうしても、助けに行くのですか?」
「うん、皆には悪いと思っているんだ。けど、俺一人のために迷惑はかけられない。俺は向こうの世界じゃ誰にも必要とされない存在だった。そんな俺に、ガーネットは手を差し伸べてくれた、俺のために涙を流してくれて、俺を守ってくれて、だから俺も彼女を助けられるようになりたいんだ」
始めて会った時に差し伸べられた手の感触、自分に流してくれた同情の涙、自分のために戦う勇姿を思い浮かべて門人は助けに行くといった。シオンは静かに聞いている。
「解りました。初めは頼りない故、守らなければいけないと思っていましたが、成長されていたようですね。安心を、止めはしません。ですが危険になったらこれを使ってください」
シオンは門人にある物を渡した。それは紫色の綺麗な水晶だった。
「シオン・・・、ありがとう!」
シオンに感謝すると門人は走り出した。大切な彼女を救うために・・・。
- Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.22 )
- 日時: 2017/05/14 18:13
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第10話「決死の救出!放さない永久の人」パート1
とある砂漠にある渓谷。その崖の場所で誰かが泣く声が聞こえ、こだましていた。
「助けてーっ!誰か、門人、皆ーっ!」
ガーネットは両手両足を鎖につながれて捕らわれていた。必死で逃げ出そうとしたが、鎖は地面に固定されていて、とても逃げ出せなかった。
「ははははは、もっと泣け!もっと叫ぶがいい!」
どこからか声が聞こえて来た。真正面を見ると、ヴァーミリアン達五人の親衛隊がガーネットの方へ歩いていた。
「あんた達、目的は何なの?!」
ガーネットがキッと睨んで言うと、セルリアンが捕らえている訳を話した。
「お前をこうして捕らえておけばあの小僧がのこのこと助けにやってくるだろう」
「あいつはあんたを気に入ってるみたいだからねえ。あんたはそいつを誘い込むための餌ってことさ」
ビリジアンが憎たらしくなるくらいのクズな顔で言った。
「そう、あんたを捕まえておけばその少年はここへやってくる」
「そして、あたし達の張り巡らした罠に自分から飛び込み、バケツを掘るのさ」
ミルキーが言うと、グレイが笑ってことわざを言う。
「グレイ、それを言うなら墓穴を掘るでしょ・・・」
だがすぐにミルキーに間違っていることを指定される。
「ふふふ、つまり、お前をここに捕まえていればあの小僧はお前を助けようと一人でやってくるだろう。そして我々の罠にかかり、お前の目の前であの世行きになるのだ」
ヴァーミリアンは素晴らしい計画だろうと、不敵な笑みをした。
「卑怯者!あんた達の思い通りには絶対にならないんだから!」
ガーネットは親衛隊を睨んで叫んだ。
「ふうん、捕まっているくせに随分強気だね、それだったらそれでもいいさ?」
グレイが鋭い爪のついた手でガーネットの顎を掴んだ。ガーネットは苦悶の表情をする。
「その生意気な可愛い顔を傷だらけにしてあげるよ。あいつが二度とあんたに情が湧かないようにね!」
鋭い爪を振り上げて、ガーネットを切りつけようとする。
「待て!」
その時、誰かの声が聞こえた。
「え?」
「ふん、狙い通り、餌に食いついたようだな・・・」
ヴァーミリアンがほくそ笑む。親衛隊が振り向くとそこにいたのは、
「ガーネット、助けに来たよ!」
「え、うそ、門人・・・、門人、来てくれたの!」
守りたい存在が自分の目の前にいる、それを見てガーネットは嬉しさがこみ上げようとしたが、現状にすぐに気付く。
「門人、逃げて!これは罠よ!来ちゃダメ!」
「黙ってな、小娘」
グレイが彼女の口を塞いだ。
「その手を離せ!」
「ふふふ、勇ましいことを言う。だがお前の命もこれで終わりだ!」
ヴァーミリアンが口笛を吹いた。すると崖からサーベルタイガーとガチサーベルタイガー、更に火の玉とアカポチャ、アカモトオークの大群が少年を取り囲んだ。
「!!!」
門人が廻りを見るとモンスターの群れに囲まれていたのが解った。
「門人!」
「さあ、見てるんだね。あんたの大好きな人が、目の前で死んでいくのをねえ・・・」
ビリジアンが嘲笑っていた。親衛隊の面々もこれで終わりだと勝利を確信していた。
「そうだ!」
門人は何かを取り出した。それはシオンからもらった紫の水晶だった。モンスターの大群が一斉に襲いかかって来た。門人はすぐにそれを掲げた。
紫の水晶は妖しく光ると、水晶から何かが出て来た。
「ぴぎいいいいいいい!」
モンスター達が吹っ飛ばされる。水晶から出てきたのは、紫色の無数のムチだった。ムチはしなやかに動いてモンスター達を吹き飛ばしていった。
「な、何?!」
「何てことなの?!」
「く、こんな手を持っていたとは・・・」
セルリアン、ミルキー、ヴァーミリアン達は動揺する。
「あたし達も来たわよブヒン!」
上を見上げると、アカオークとその仲間達が立っていた。彼等は一斉に崖から降りて、親衛隊の前に現れ、門人と一緒に対峙する・・・。
続く・・・。
- Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.23 )
- 日時: 2017/05/16 20:16
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第10話「決死の救出!放さない永久の人」パート2
「く、こんな所で奴等が・・・」
セルリアンが歯ぎしりをした。他の親衛隊のメンバーが各々武器を取る。
「ひどいぞ、私に何も告げずに勝手に行くなんて・・・」
オニキスが門人に拗ねた顔をして自分を置いていったことを言う。
「ごめん、どうしても助けに行きたくて・・・」
「解っている、あいつは気に食わないが同じレジスタンスの一員だ。戦力が欠けたら君を守れないからな」
オニキスは仕込み刀を抜いた。シオン、ブブ、ペリドット、アクアも武器を取って親衛隊に対峙した。
「門人さん、ここは我々に任せて彼女を」
「私達が足止めしておくから、ガーネットちゃんを助けてあげて!」
「大丈夫、こんな連中に簡単にやられるほど水兵はやわじゃないから!」
「僕、戦闘はあまり得意じゃないけど、皆のためなら全力で戦うよ!」
「皆、ありがとう!」
シオン、ペリドット、アクア、ブブ達に後押しされて門人は急いでガーネットの方へと走った。
「しまった、奴が!」
「させるもんですか!」
セルリアンとミルキーが追いかけようとするとアクアとブブがその前に立ちはだかる。オニキスはヴァーミリアンと対峙した。
「貴様、あの小娘だな。まだ生きていたとはな、今度はその息の根を止めてやる、覚悟しろ」
「覚悟するのは、あんたの方さ!」
オニキスが地面を蹴って走った。刀を振り下ろすと、ヴァーミリアンが剣を盾にして防いで蹴りに出た。オニキスはすぐにバック転してかわし、回し蹴りをした。
「ほらほら、この素早い動きについて行けるかな?」
「く、ごちゃごちゃうるさい奴だ!」
アクアは短剣を振り回して攻撃に出た。セルリアンはその素早さに圧倒されて苛立ちを感じていた。
「とりゃ〜っ!」
ペリドットが弾丸を連射したがビリジアンは剣を回転させてこれを弾いた。
「遠距離で来るなんてさっすが〜、けどそれを防ぐ手もあるんだよねえ」
「ぬぬぬ〜、だったら!」
ペリドットはジャンプして銃を連射した。ビリジアンはびっくりして転んでしまうが、隠れ布をまとった姿を隠した。
「あら〜、可愛い坊やじゃない、どうやっていじめてあげようかな〜、うふふ・・・」
「う、うるさい!坊やって言うな!」
ミルキーの挑発にブブは怒って、炎の魔法を飛ばした。
「きゃは、ムキに怒っちゃって〜、まだまだ坊やね!」
ミルキーが鎖分銅を飛ばして来た。ブブは避けて、地面を叩いて衝撃波を飛ばした。
「ガーネット!」
遂に門人はガーネットの所へたどり着いた。
「門人・・・」
「今、自由にしてあげるね」
シオンからもらった水晶からムチが飛んでガーネットを拘束する鎖を砕いていった。
「ありがとう!」
ガーネットが門人に駆け寄ろうとした。しかしヴァーミリアンがそれを見逃さなかった。
「く、小娘が!させるものか!」
焦ったヴァーミリアンは剣から衝撃波を飛ばした。
ドカアアアアン!
「きゃああああああ!」
爆風に巻き込まれてガーネットが崖から転落した。
「ああ、ガーネットちゃんが!」
ペリドット達が動揺する。門人は無我夢中で走り出した。そして崖から飛び降りて、落ちていく彼女を落下しながら抱き締めた。
「門人?!」
「ガーネット!」
落ちていきながらもガーネットは涙を流して言った。
「どうして、これじゃ貴方も命を落として・・・」
「それでも、君を犠牲には出来ない!だって君は、俺に大切なことを教えてくれたから、そのお陰で俺は人を信じられるようになったんだ。君は俺にとってかけがえのない人だ!」
「門人、嬉しい・・・。でもこのままじゃ・・・」
門人の思いを聞いてガーネットは嬉し涙を流す。しかし崖の底へと落ちていくことには変わらない。レジスタンスのメンバーが絶望し始めたその時、
「ギャシャオオオオ!」
空からあの赤い竜が飛んで来た。そして門人とガーネットを背中に乗せてキャッチする。
「う、うううん」
「ここは・・・」
門人とガーネットが目を開くと、竜の鱗のような皮膚が見えた。
「大丈夫だったかい、お二人さん?」
すると、竜が二人に話しかけた。
「貴方、喋れるの?!」
「他のモンスターだって喋れるんだから珍しいことでもねえだろ、安心しな、俺もレジスタンスの仲間さ。取り敢えず、ここを抜けるぜ!」
ドラゴン、ドレイクは羽ばたくと、親衛隊目掛けて火炎弾を飛ばして来た。
「ぐわ、こいつはあの時の?!」
「くうう、邪魔者が入るなんてええええええ!」
ヴァーミリアン、ミルキー達は爆風に巻き込まれる。その間にシオン等レジスタンスのメンバーが一斉にドレイクに乗って行った。
「それじゃあバイバイ、親衛隊の皆さん、ブヒン!」
「ばいにゃら〜っ!」
アカオークとしにたてにゃんこが手を振った。
「おのれええええええええ!!!」
親衛隊達の悔しがる声が砂漠にこだまするのだった。
そして空の上空。ドレイクが羽ばたいてメンバーを乗せていた。
「ありがとう、君には何度も助けられたね」
門人がドレイクにお礼をした。
「ああ、その分、報酬はお高くつくぜ」
「え?!」
「へへ、冗談さ。コーラルの頼みで来てみたらお前等がやばそうでよ、わざわざ言って正解だったぜ」
「それで、君はどこへ飛んでいるの?」
「そんなの言うなよ。お前が目指す場所はもう見えてるだろう、ほら、あれだぜ!」
ドレイクが下を見るよう首を動かした。門人達が見てみると、そこにはある街があった。
「付いたぜ、あそこにレジスタンスのアジトがある。さあ、しっかり捕まりな!」
ドレイクがレジスタンスのアジトへ急降下した。
「うわ、早いな!ガーネット?」
門人が見ると、ガーネットは頬を赤くしていた。
「門人、助けてくれてありがとう。私、本当に嬉しかったよ。これからも私はずっと貴方の側にいるね・・・」
ガーネットは門人の背中に抱きついて、その頬に軽く触れる口付けをするのだった。レジスタンスはもう目の前である・・・。
- Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.24 )
- 日時: 2017/05/16 20:36
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第11話「レジスタンス、新たな戦いへ!」(最終章)
街の真ん中にある一回りも大きなアジト。そこがレジスタンスの基地だった。そのアジトの前でハープを持った、黄色の髪に天女のような眩しい微笑みを浮かべた美女がドレイクが降り立つのを待っていた。
「うん?」
すると上空から咆哮が聞こえてくる。大きな翼をしたドレイクが今、地面に降り立った。
「まあ、帰ったのですね」
その美女、レジスタンスのメンバーが言っていた人物、コーラルがドレイクに声をかけた。
「おう、お探しの少年を連れてきたぜ」
ドレイクが言うとコーラルはホッとした。そしてオーク姉妹、三匹のモッチ、シオン、ペリドット、ブブ、フロスティ、アクア、クリア、オニキス、ガーネット、しにたてにゃんこ、ゴブリン兄弟達がドレイクから降りた。
「ただいま、帰ってきたわよブヒン!」
「帰ってきたです〜」
アカオークとアブリモッチがコーラルに駆け寄った。
「お疲れ様でした」
コーラルは二匹の頭を撫でると、門人に声をかけた。
「貴方が、世界を救う可能性を持った方ですね」
「は、はい・・・」
「始めまして。私、レジスタンスのリーダーを勤めています、コーラルと申します」
コーラルは礼儀正しくぺこりと彼にお辞儀をした。門人もつられて挨拶する。
「あ、始めまして・・・」
「私達は帝国の驚異から人々を守るために日夜戦って来ました。しかし、彼等の力は日増しに強くなっていく。そんな時に星のお告げで牢獄でこの世界を救う希望の人が現れると出た、それが貴方だったのです」
「は、はあ・・・」
「何の心配せずとも大丈夫ですよ。貴方の身は私達が身を挺して守っていきます。そして貴方も私達に大きな力を与えてくれるのです。どうか、私達に力を貸してくれませんか?」
コーラルは手を取って門人にお願いした。最初の頃だったなら不安はあったかもしれないが今の彼には迷いはなかった。
「も、もちろんです。俺に何が出来るかは解らないけど、出来る限り皆の役に立てるよう頑張っていきます!」
「はい、ありがとうございます。そしてこれからよろしくお願いしますね」
コーラルは微笑んで門人を迎え入れた。
「良かったね、門人。あたしも嬉しい!」
ガーネットが門人に抱き着いた。彼と、レジスタンスの本当の戦いは始まったばかりだ。しかし今の彼には一抹の不安はない。どんな困難も仲間と一緒に乗り越えていく。ガーネット、オニキス、そして頼もしい仲間達に囲まれて門人は空を見上げるのだった・・・
ガルズモンズ序章編<完>
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