二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- とても素敵な六月でした・メリュー[ボカロ曲解釈]
- 日時: 2017/11/23 11:41
- 名前: あめ (ID: aiwVW5fp)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=11014
◯『メリュー』曲解釈。
○このスレッドは、eight様の『とても素敵な六月でした』『フラッシュバックアンビリエンス』を自分なりの解釈で、小説化しようと思い作ったものです。曲に対する解釈は人それぞれだと思うので、ここはこう思う! だったり、感想をいただけたら幸いです。一文だけでもすごく嬉しいです。
曲、すごく素敵なので、ぜひ聴いてみてください。
〇〇〇雨宮 おと という名前で、コメディライト作品でも作品をはじめました!覗いていただけたら嬉しいです! 上記URLから飛べます。
コメント、リクエストのボカロ曲待ってます^^
それでは。あめでした!
注意 少し過激な内容を含みます…!ニガテな方はブラウザバックお願いします!
- Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.20 )
- 日時: 2017/08/11 16:02
- 名前: あめ (ID: SfeMjSqR)
「…お前のせいだ」
「ご、ごめんなさい…」
堀川くんの足と手に擦り傷。
幸い、落ちたのはそこまで高くない段からで、その程度で済んだ。
私を抱えて落ちてくれたから、私には傷は何も無かった。
「これだから人と関わるといいことないんだ」
ぱっぱっと制服についた埃を払って立ち上がる堀川くん。
そのまま歩いていってしまう。
「まっ、まって!」
なに、と堀川くん。
「あの、ありがと」
その呟きが聞こえたのかはわからない。けど。
「お前なんて、嫌いだ」
× × × ×
堀川くんは、人と関わるのがやっぱり嫌いみたいだった。
_____誰とも話してない。
「落ち込んでるね、どした?」
すかさず百田がはいってくる。
「堀川くん、誰とも話さないから…」
まあ、そういう子もいるんじゃないの、と百田。
「望んでやってるのかは分かんないけどね」
「望んでるよ多分。人と関わるの嫌いだって」
ふーん、と素っ気なく返され、私は内心少しむっとした。
「私、すきっていった」
「へ!?」
「だから、」
好きっていった。
その二回目が言い終わらない内に、百田は私の肩をゆっさゆっさ揺さぶる。
「え!なに!あんた!!告った!?」
「声おっきい」
冷めた私の声に、我にかえる百田。
「ご、ごめん」
衝撃で後ろにたおれた椅子を直しながら、まだ信じられない様子で謝られる。
クラスメイトには、気づかれていないようだった。
× × ×
「あ…」
帰り道。
雨。雨が降り出した。
私の心だって、ぐちゃぐちゃだ。
「かさ、ない」
仕方なく、制服の上着を頭にかぶる。
走れば、たくさん濡れなくてすむかな。
ふと、人影をみつけた。
____堀川くん。
目が合う。
「やだ…」
逢いたく、なかった。
逃げてしまう。
このまま、走って、走って、あなたから遠くへ____と、
トラックの、クラクション。
「りこ_____!」
「っ____」
私の腕を掴む、あなたがいた。
そのまま、引っ張って。
「ぐがっ」
私を抱きとめて、倒れる。
そして、目の前が暗くなった。
- Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.21 )
- 日時: 2017/08/16 11:21
- 名前: あめ (ID: SfeMjSqR)
「嫌いって、いったじゃん」
静かな病室で、私はあなたにいう。
あなたは何も喋らない。
「怖、かった」
「え…?」
「人と関わるの、怖かったんだ」
なんだ、そんなこと。
過去に、色々あったんだろう。
辛いことが。
「ありがとう、助けてくれて」
そういわれたあなたは少し涙ぐんでいて。
「俺のこと、嫌いになんなかった?」
「そんなくだらない嘘で、嫌いになるわけないでしょ」
そして、笑って。
「私のこと、好きなんかじゃなくてもいいから」
いまだけ。いまだけでもいいから。
私が言い終わる前に、あなたの暖かい腕が私にふれた。
ーー終
- Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.22 )
- 日時: 2017/08/20 17:07
- 名前: あめ (ID: SfeMjSqR)
リクエストとか、あったら教えてください!
- Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.23 )
- 日時: 2017/09/17 20:16
- 名前: あめ (ID: Ait4UdaY)
メリュー
夕陽が落ちる様に胸が染まるので
耳鳴りのような鼓動を隠して
バスに乗った僕は言う 君は灰になって征く
たとえばこんな言葉さえ失う言葉が僕に言えたら
灯籠の咲く星の海に心臓を投げたのだ
もう声も出ないそれは僕じゃどうしようもなかったのだ
悲しくもないし苦しくもないのに
辛いと思うだけ 辛いと思うだけ
古びたバス停の端傘を持った僕がいる
今でさえ埃を被った夜空の隅に足はつくのに
心臓が痛いから死んだふりの毎日を見なよ
もういっそ死のうと思えたなら僕はこうじゃなかったのだ
どうせ死ぬくせに辛いなんておかしいじゃないか
どうせ死ぬくせに辛いなんて
だから愛さえないこんな世界の色に僕の唄を混ぜて
もうどうかしたいと思うくせに僕はどうもしないままで
あぁあ
灯籠の咲く星の海に心臓を投げたのだ
もう声も出ないから死んだふりなんてどうもなかったのに
僕もきっとこうで良かったのに
君がずっと遠く笑ったのだ
- Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.24 )
- 日時: 2017/09/18 13:07
- 名前: あめ (ID: Ait4UdaY)
- 参照: http://メリュー
「_______ぁ」
小さく。
とても小さく息がもれた。
声にならないそれは、少しじめじめとした、まだ熱さが残る世界に散って。
何も、きこえない。
何も、ない。
静かだと思った。
生まれて初めて、こんな世界を知った。
僕は、
僕は。
君がすきだった。
× × ×
夕日が、おちていく。
「ねえ、君!」
夕日って、こうもかんたんに。たんたんと。
「君っ…てば!」
とん____と、誰かに背中を押されたような気がして、僕は振り返った。
そこには何の面影もなく、ただ夕日に照らされたアスファルトの黒が見えるだけだった。
夕日は、既に半分が沈んでしまっていて、辺りは薄暗い。
なんの意味もなく、その黒を眺める。
少ししてから、僕はまた歩き始める。
どんどん暗闇に呑まれていく気がした。
おちていく夕日。枯れていく今日。
僕の心も、おちて。枯れて。
くらい。くらい。黒がくる。
恐怖。おしよせる不安。
震える。
鼓動が聞こえる。
近い。とても近い。
ああ。あああ。
どうしよう。
耳が。鳴って。
鳴って。痛い。
痛くて、仕方がない。心が。
「あ…う…」
くらくらする頭を押さえて、僕は家路を辿るべく、バス停のベンチに腰をかけた。
もう既にいたバスの運転手が、気にかけて大丈夫か、乗るのかときいた。
体を引きずりながら、僕はバスに足をかける。
「だいじょうぶ、君」
また、こだます聞こえるはずのない声。
片方の手でつり革につかまり、やっとのことで、僕は心を休ませた。
「ねえ」
あ。と僕は思った。
それは、紛れもなく、
「私だよ」
愛おしい少女だった。
手を伸ばす。
だけど、その僕の手は、ガラス窓に当たってコツン、と無情な音を鳴らした。
君が遠ざかって。
小さくなって。
消えかかっていく。
粉々の、灰になっていく。
たとえば。
もし。
____あの時、君の心に、僕の言葉が届いていたら。
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