二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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とても素敵な六月でした・メリュー[ボカロ曲解釈]
日時: 2017/11/23 11:41
名前: あめ (ID: aiwVW5fp)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=11014

◯『メリュー』曲解釈。
○このスレッドは、eight様の『とても素敵な六月でした』『フラッシュバックアンビリエンス』を自分なりの解釈で、小説化しようと思い作ったものです。曲に対する解釈は人それぞれだと思うので、ここはこう思う! だったり、感想をいただけたら幸いです。一文だけでもすごく嬉しいです。
曲、すごく素敵なので、ぜひ聴いてみてください。

〇〇〇雨宮 おと という名前で、コメディライト作品でも作品をはじめました!覗いていただけたら嬉しいです! 上記URLから飛べます。

コメント、リクエストのボカロ曲待ってます^^
それでは。あめでした!

注意 少し過激な内容を含みます…!ニガテな方はブラウザバックお願いします!

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Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.10 )
日時: 2017/04/29 20:08
名前: あめ (ID: El07VYkm)

真由は、いい奴だった。

真由が確かに好きだった。

だけど。

献身的に尽す彼女に、飽きてしまったんだと思う。

そのうち、彼女の全てが嫌になって。

「颯、最近つめたくない…?」

「そんなことないけど」

「そ、そっか。そうだよね。ごめんね」

そして、消えた。なにも言わずに。



携帯は番号からなにやらを変えた。

初めの頃は沢山きていた不在着信もそれからはなくなった。

でも、大事なものは失くしてから気づくもので。

真由がいないと、自分の存在が分からなくなる。

自分の存在の意味が。

____おはよう、と言った彼女の顔が脳裏から離れないのだ。

+

目眩で、全てが揺れている。
部屋の玄関の郵便受けが、溢れているのを見た。
でもどうでもいい。

階段をおり、マンションの玄関に立つ。

「…わんちゃん」

わん、と吠えてみせる犬。でも鳴き方は静かで。
こちらの気持ちを分かっているのだろうか。

「ごめんね、こないで…」

目を塞ぐ。貴方を思い出してしまうから。
玄関を飛び出して走る。
じめじめとしている中を走る。
白の汚れたワンピースが風になびく。
涙が溢れては、消えていった。

___公園に差し掛かったとき、私は自然と足を止めていた。

ブランコが2つ、風で揺れていた。

「あ…」

崩れ落ちてしまった。

愛してる?なにそれ。

「わん」

「…わんちゃん」

ついてきてしまったんだ。駄目なのに。

迷子の子犬。まるで、私みたい。

「わんちゃん、餌がないと死んじゃうね…」

私も、貴方がいないと××じゃうよ。


「そうだ。一緒に、いこうか」

Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.11 )
日時: 2017/04/29 22:57
名前: あめ (ID: El07VYkm)

「真由」
インターホンを押してみる。
郵便受けは手紙で溢れていた。
「真由…?」
ドアノブを回せば、すごくあっさりと空いた。
入ってなお感じる、じめじめとした空気。

____俺は、そこに崩れ落ちた。

ぐちゃぐちゃになったそこには、割れたグラス、鏡、皿、全てが壊れている。
俺がいた時の影は跡形もないくらいに部屋入ってひどく汚かった。
至る所に血痕が残っている。
薬の瓶も見つけた。

真由は____。

「まゆっ…!!!」

ドアを開けて、走り出す。

+

黒煙を見つめていた。

「大丈夫。私もすぐそっちにいくからね」

砂を被せれば、跡形もなく、ソレ___さっきまで元気に吠えていた生き物__は消えた。

こうも、あっさり。

私もそうなるのかあ。

未練なんてなかった。

こんな世界なら、消えるのなんて、そのくらいがちょうどいい。

夏かぜが吹く。

空は、綺麗だった。

目を細めた。

歩き始める。遠く遠くへ。

Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.12 )
日時: 2017/05/01 20:55
名前: あめ (ID: El07VYkm)

「まゆっ___どこにっ」

走って。走ってただ走る。

玄関に子犬はいなかった。

あの子はどうしたのか。

胸騒ぎしかしない。

息が切れる。それでもただ走っている。

公園に差し掛かった。あの、公園だ。

思い出が脳裏をよぎる。

『遠いね』

ああ。

「急がないとっ…」

+

寂しくなどない。

ほう、と息を一つ。

じめじめとして喉が詰まりそうな六月の中、私はそこに立っていた。

空には、急き立てるような飛行機雲。

白の泥にまみれたワンピース。

ああ、なんて汚い。

もう一度息を吐けば、

___踏切のサイレンが、始まりを告げた。

これで、全て終わる。

遠かったそれは、いまでは本当に近い。

踏切よりこちらは、裏切りに満ちた世界。

むこうは、私が望む世界。

大きく手を広げて。
私は。



足が浮いた。


響く機械音。つんざくような、サイレン。
今では灰色の、もとは白かった私の心が悲鳴をあげた。

「___まゆっ!!! 死ぬなぁぁぁぁぁ!」

死ぬな?

今更そんなこと言わないでよ。

「ッ!まゆ_____!」

ただの列車が、なんでもない列車が、私の身体を潰していく。
ひどく脆く飛び散る。溢れ出す。汚いなあ。
抉り取られていく。私のすべて。

貴方に私の死を焼き付けられるのがすごく良かった。
貴方が元凶なの。
だから、苦しんで。
ずっと苦しんで、この世の中を生きて。
生きて欲しいの。

「颯______」

遠くなる意識の片隅で、貴方の姿をみた。

崩れ落ちる。

どうして、泣いてるの。

悲しくなんて、ないでしょう?

「ま…ゆ…ぁ…ぁ、ああああああ!」

ほんとに、馬鹿な、嘘つき。




汚らしい固形が静かに落ちた。

「______また」





_____逢いましょう。

Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.13 )
日時: 2017/05/06 13:44
名前: あめ (ID: El07VYkm)

_____彼女が住んでいた部屋の絨毯には、深い傷が染みついている。

そこでの暮らしにはもう慣れた。

カーテンは閉じたままの、暗闇の中。

そこに散らばった服は、全て自分には似合わない、真由のもので。

寝返りを一つ打って、そこに人影を見つける。

____ねえ、寝てばっかりで、何やってるの?

「おはよう」

その人影は、真っ白なワンピースを着ている。

「真由」


遠くで、サイレンが鳴っている。

カーンカーン、と、あの日と同じように、列車を知らせるサイレンが鳴っている。


ー完

Re: とても素敵な六月でした[ボカロ曲解釈] ( No.14 )
日時: 2017/05/03 22:18
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

あめさんおひさです!

久々に覗きにきましたが、一気にシリアス展開で今ゾクゾクしてます!
あ、そういえば曲聞いてない!!
あー…!!すみません!速攻聞いてきます!!

これからも更新楽しみにしてます!!頑張ってください!


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