二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編【完結!】
日時: 2017/06/05 17:09
名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)

どんな願いも叶うと言われる聖杯を巡り、100人のキャラが争奪戦を繰り広げます!プリキュアも多数登場します!

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Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.26 )
日時: 2017/06/01 18:40
名前: 広村伊智子 (ID: q1JDM65v)

雑談掲示板の、
『プリキュアチャット』
来ませんか?

Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.27 )
日時: 2017/06/02 11:28
名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)

第3試合はタイガーマスクVSシャイニールミナスである。
厳密にはプリキュアではなく戦闘力を持たないルミナスにとっては無謀な勝負。
そこで彼女はプロレスのルールを応用することにした。
試合開始と同時にリングを降り、場外乱闘を始めようとする。
もちろん闘う力の無い彼女はひたすら追いかけてくるタイガーから逃げまくる。
リングを何周もする追いかけっこである。
そしてレフリーの場外カウントが10を過ぎた時、ルミナスはタイガーと真っ向から対峙。そして——

「ルミナス・ハーティエル・アンクション!」
「身体が……動かない!?」
「今です!」

素早くリングに舞い戻るルミナス。

「18……19……20!」

プロレスではカウント20までにリングに戻らなければリングアウトになり敗北する。それを利用して同時討ちを狙うレスラーは多い。
ルミナスもこのルールだと自分の能力が有利になると考え勝負に出たのだ。
試合時間はわずか1分に満たないもので観客には不満だろうが、それはきっと次の試合が解消してくれるに違いない。彼女は呼吸を整えリングを去った。

Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.28 )
日時: 2017/06/03 06:06
名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)

ザ・サード
「私の次の対戦相手はキュアハートか。奴の心を折るのは難しい。ジコチューの幹部ベールもあの小娘には勝てなかった。だが、私は奴とは違う!」

威風堂々とした足取りで花道を歩きリングへ上がるGWMヘビー級チャンピオン。先にリングに上がっていたキュアハートは彼と対峙すると、いつものように手でハートマークを作り決め台詞を口にした。

キュアハート
「愛を無くした悲しい虎さん、このキュアハートがあなたのドキドキ取り戻してみせる!」

ザ・サード
「大した自信だ。では見せてもらおう、お前の実力を」
「はあああああっ!」

ハートの拳がサードの顔面を穿つ。

ザ・サード
「ぬるい拳だ。これでよくいままでの闘いを生き残れたものだ」

キュアハート
「たたたたたたたたたあっ!」

ザ・サード
「フンッ!」

繰り出してくるハートの拳のラッシュを巧みに避け、彼女脇腹に蹴りを直撃させるサード。更に2度3度と左右の脇腹を蹴ってダメ押しのストレートパンチをハートの愛らしい顔面に食らわせる。
頬をぶたれ勢いよく後退するハートであるが何とか踏みとどまる。

ザ・サード
「降参しろ。そうすれば痛い目を見ずに済むぞ」

キュアハート
「あなたの仲間に痛めつけられたロゼッタの無念を晴らすまで私は闘い続ける!」

ザ・サード
「お前達は噂通りベタベタとしたお友達ごっこが好きなようだなァ!お前達のような馴れ合いでは孤独なリングでは勝ち残れんぞォ!」

キュアハート
「そんなこと、やってみなければわからないじゃない!」

ザ・サード
「残念だが俺には分かる。お前がいくら努力しようが立ち上がろうが、俺には決して勝てぬことが」

サードは飛び上がり、空中で錐揉み回転しながら落下し、強烈な頭突きをハートの頭部に命中させる。
更に倒れた彼女に容赦の無いマシンガンキックの雨を落とし、暫くするとリングへ降りた。
そしてエプロンの下に隠し持っていた木製の板を取り出しリングイン。
辛うじて立ち上がるハートを板で滅多打ちに殴りつけ板が折れると折れて鋭利になった部分を彼女の背中へと突き刺した。
まるで噴水のように血が噴き出しリングを赤く染め始める。
更に板が壊れると背後から彼女の服を掴んで強引に立ち上がらせ、髪を引っ張りリング中央に連れて行く。

ザ・サード
「お前は如何なる時でもその不屈の闘志で立ち上がり勝利を収めてきた。その鋼の心を打ち砕くのは私も骨が折れるかもしれん。だが!
身体に敗北を刻ませるのは可能!」

ハート
「何をされたってあなたには負けないッ!」

ザ・サード
「ならばこれを食らって立ち上がってみろ」

サードはハートを押し倒すと彼女の足を四の字固めの体勢に固め、そのまま頭上へと持ち上げる。

ザ・サード
「これが私の必殺技!サクリファイス!」

人間離れしたジャンプ力で一気に舞い上がると、そのままハートをリングに叩き付ける。その衝撃で衝撃波が発生し、その力によって三本ロープが引きちぎられ観客を守っている鉄柵に亀裂が入るほど。
更にそこからハートの四の字に固めた足を前方に押し彼女の両足を完全に破壊。
サードが技を解いた時にはハートの瞳は閉じられていた。
サードの右手がレフリーにより高々と上げられ、勝利を称える。
キュアハートのTKOにより準決勝進出最後の1人はザ・サードに決まった。

Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.29 )
日時: 2017/06/04 09:57
名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)

ベスト4進出者はシャイニールミナス、キュアショコラ、ザ・サード、ミスタークエスチョンの4人だ。
準決勝のカードはくじ引きで決まることになっていた。
そして4人がくじを引き終わり、カードは以下のように決まる。
キュアショコラVSミスタークエスチョン
シャイニールミナスVSザ・サード
まずはショコラとクエスチョンがリングに上がる。
ショコラ

(マカロンの分まで私が闘って優勝し、みくの病気を治してみせる!)

最初に飛び出したのはショコラだ。

ショコラ
「うおおおおおおおっ!」

勇ましい声を上げてクエスチョンに突っ込んでいく。
病気の妹を治したいという願いとマカロンを倒されたという怒りで彼女はいつもの冷静さを失っていた。

クエスチョン
「怒れば冷静さを失い判断能力が鈍る」

ショコラの突進を躱し、その背に蹴りを叩き込んでロープへ後退させる。

クエスチョン
「マカロンを倒されて悔しいだろうが勝負の常、勝利もあれば敗北もある」

ショコラ
「キラキラキラルン・キラキラル!」

クエスチョンは赤色のクリームエネルギーの光線を躱して真上に飛び上がる。下のリングはエネルギーの海と化しており落下すれば動きを封じられるだろう。
だがクエスチョンは巧みにショコラの両肩に飛び乗り、その足で彼女の足首を締め上げつつ、肘鉄を幾度となくショコラの頭部に見舞う。
相手が上に乗っているためショコラのパンチは届かず相手の体重で足元がフラつき、首絞めに加えて殴打までされては流石のショコラも顔を歪ませる。
そのうちショコラの額が裂け、頭部や鼻から血が流れてきた。
一瞬で降参させるのではなくじわじわと痛めつけるミスタークエスチョンの老獪な戦法により、ついにショコラは両膝をマットに付けた。
素早くショコラの身体から離れたクエスチョンは帽子を掴んで立ち上がらせると、ミスターノーを仕留めたアルゼンチンバックブリーカーの体勢に彼女を捉え、一気にその体を弓なりに絞り上げる。

クエスチョン
「ショコラ、私と君では経験の差が違うのだ。とても勝負にはならぬ」

ショコラ
「確かにあなたの言う通り私は格闘技の経験はない。でも、ここで諦めたらみくの病気を治せない!みくの笑顔を見ているだけで、私は心の底から元気になれる。その笑顔を守る為に聖杯の力で病気を治したいんだ」

クエスチョン
「成程。だが聖杯の力を使って病気を治しても妹君は喜ぶかね?」

ショコラ
「え——」

クエスチョン
「他者を蹴落としてまで手に入れた力で病気を治して本当に君の妹が喜ぶと思うのか。心優しき姉が他人を傷つけてまで自分を治したいと知ったら、妹は悲しむのはないかな」

ショコラ
「それは——」

クエスチョン
「君の妹は徐々に元気を取り戻してきている。だからこそ以前、キラパティに3日間手伝いに来たのだろう」

ショコラ
「どうしてそのことをあなたが知っているんだ」

クエスチョン
「覆面をしているからわからないかもしれんが、以前私は君の店に来てお菓子を食べたことがある。客に爽やかな笑顔を向け、丁寧に接客をする姿に心が癒されたものだ。そしてこの子は優しい子だと私は直感した。本来は優しく、他人に決して暴力を振るうことがない君がプリキュアの力を使って他者を痛めつけようとしている。キラパティの仲間が知ったらどんな顔をするだろうか」

ショコラ
「みんな……!」

ショコラの脳裏にみくやいちか、ひまり、あおい、ゆかり、ペコリン達の姿が走馬灯のように流れ込んできた。

ショコラ
「私は、なんてことを!」

クエスチョン
「目が覚めたようだな。心優しい君でさえ惑わせる聖杯の力の恐ろしさよ……やはり、あの聖杯は私自身の手で破壊する必要がある。君の妹の病気は聖杯に頼る必要がなくとも時間をかければ必ず治るはずだ」

ショコラ
「そうだね。あなたの言う通りかもしれない」

クエスチョン
「納得したのなら、もう安心して眠るが良い。諸悪の元凶は私が潰しておく」

そしてクエスチョンがもう一度力を込めると、ショコラはぐったりと動かなくなってしまった。

クエスチョン
「手荒ではあるがこうするより他はなかった。キュアショコラ、安心して眠っておくがよい」

試合の決着は着いたがミスタークエスチョンの顔に喜びの色はない。
ショコラを肩に担ぎ上げて花道を駆けて控室へと戻っていった。

Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.30 )
日時: 2017/06/05 17:09
名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)

控室で自らの出番を待つルミナスは深呼吸をして落ち着こうとしていた。
設置されているテレビの中継でキュアショコラの敗北を知り、プリキュア代表としての気を引き締める。自分が敗北したらこの大会に参加したプリキュアは全滅である。これまで散って行った仲間達のためにも、是が非でも優勝しなくてはならない。
けれど彼女の行く手にはザ・サードという堅牢かつ巨大な壁が立ちはだかる。

ルミナス
「なぎささんやほのかさんだったら、誰が相手であっても絶対に諦めたりしません!力では劣るかもしれませんが自分の持てる全てを発揮して、サードさんを破って見せます」

ルミナスの黄緑の瞳が凛と輝き全身に力が漲る。
勢いよく花道を駆け抜け、三本ロープを華麗に飛び越えスタッとリングに着地。

ルミナス
「行きます!」

ザ・サード
「この私を相手にどこまで戦えるのか、その力見せつけるがいい!」

サードは序盤から殴る蹴るの猛ラッシュでルミナスを攻め立てるが、ルミナスは小柄な体躯とこれまでの戦闘で培われた素早さでサードの攻撃を悉く躱してのける。

ザ・サード
「ならばこれはどうだ?」

サードはルミナスをロープ際に追い詰め、そこから拳を穿つ。
背はロープ、正面はサードという状態でもルミナスは冷静に対応し、その場で全てのパンチと掌底を躱し、素早く相手の懐に潜り込むと。

ルミナス
「たあああああああっ!」

サード
「なっ……」

ルミナスの肘がサードの腹に命中したのだ。不意の攻撃ということもあってか彼は腹を抑えて数歩後退する。
ルミナスはサードに延髄蹴りを叩き込み、まだダメージの残る彼の腹にひたすらパンチを打ちこんでいく。小さいながらも威力のある拳に圧倒され、サードは後退するばかり。

サード
「何故だ。何故この俺がこんな小娘如きに圧倒される!?」

自身の身に起こっている想定外の出来事に対応できず、サードは狼狽していた。
これまで一度も敗北を知らない男が、小柄な少女のスピードに翻弄されて何もできないのだから無理もない話であった。
サードが放ったパンチを屈んで不発に終わらせると、伸びきった彼の腕を捉え、キュアホワイト直伝の一本背負いで豪快に投げ切ったのだ。
試合を観客席で見ていたミスターXはあまりのことに開いた口が塞がらない。

ミスターX
「馬鹿な。シャイニールミナスと言えばプリキュアの中で最弱のはず!
こんなことがあってたまるか。世界チャンピオンが……あのサードが手玉にとられているなどと!あり得ない。絶対にあり得ない……!!」

サード
「俺を舐めるなぁあああッ!」

繰り出す掌底の嵐を巧みに受け流し、攻撃の活路を開くルミナス。
彼の顔面に見舞った膝蹴りは見事に彼の鼻に命中。
鼻血を噴出しダウンするサード。しかし、流石に王者である。
ダウンしてもすぐさま立ち上がり、ルミナスを持ち上げパイルドライバーに捉え頭部を思いきりマットにめり込ませる。
けれどルミナスは難なく立ち上がり、戦闘の構えを取る。
ここでサードは攻撃の手を休め、仁王立ちのままルミナスに向き合う。

サード
「ひとつだけ訊く。お前はなぜこの大会に参加した?」

ルミナス
「大好きな私の従姉、アカネさんのタコカフェの2号店を出してアカネさんを喜ばせたいんです!」

サード
「お前の従姉は商社を辞めてたこ焼き屋を経営していると訊く。商社のエリート街道を歩んでいたのにそれを辞めてたこ焼き屋を始めるとは物好きな女だ」

ルミナス
「アカネさんを馬鹿にしないでください!」

サード
「エリートから外れた奴を馬鹿にするのは当然だ。どうせそのたこ焼き屋も経営難でうまく行っていないのだろう」

ルミナス
「一時期アカネさんもタコカフェの経営が苦しくて悩んでいた時期がありました。でも、私やなぎささんやほのかさん、いつもたこ焼きを買いに来てくれるお客さん達の笑顔で、立ち直ったんです!」

サード
「立ち上がろうが何だろうが所詮は負け犬の遠吠えに過ぎない」

ルミナス
「一生懸命努力しているアカネさんを笑わないでください!」

サード
「この世は力のあるものが支配し、力の弱いものは支配される。
エリートから落ちこぼれた女など俺からすれば負け犬以外の何物でもない!」

ルミナス
「やめてくださいッ!」

ルミナスは耳を塞ぎ、大きな瞳から大粒の涙を流す。
彼女が動揺したのを確認しサードは懐からブラックタイガーが所持していたマイナスドライバーを取り出すと、彼女に振り下ろす。
けれどルミナスはバリアでガードし逆にその硬度でマイナスドライバーを根本からヘシ折ってしまった。

ルミナス
「あなたにとってアカネさんは負け犬に映るかもしれない。でも私にとってはかけがえのない家族なんです!」

ルミナスは飛び上がるとキングタイガーを彷彿とさせる踵落としをサードに炸裂。キングに勝るとも劣らない一撃をモロに食らいゆっくりと背後に倒れると、大の字に倒れ伏して、そこから立ち上がることはなかった。


決勝までコマを進めたルミナスであったが決勝戦前日にアカネに二号店を開かないのかと訊ねた際に「気持ちは嬉しいけど今はこの店だけで忙しい」という答えを聞いたために決勝戦を辞退し、自動的にミスタークエスチョンの優勝が決まった。
謎に包まれていたミスタークエスチョンの正体は虎の穴の魔の手からプリキュア達を守るべく光の園のクイーンの力を受け、一時的に天国から蘇った伝説のレスラー、グレート・ズマだった。生きていれば117歳になっていたであろう老人ではあるが、ヨガで鍛えた柔軟な身体と元世界チャンピオン級の実力の持ち主だったため、90歳の時に現役バリバリのタイガーマスクと闘い必殺技を破り、敗北寸前にまで追いつめている。
復活を遂げたズマはタコカフェやキラパティに立ち寄り今回の参加プリキュアの情報を把握し打倒虎の穴の計画を練っていた。
そして自分を僅かな期間であったが蘇らせてくれた恩を、かつてクイーンの命を司っていた九条ひかり/シャイニールミナスを優勝させることで叶えようと、虎の穴の刺客達を赤子の手をひねるように次々に病院送りにしたのである。
ルミナスが準決勝まで勝ち上がってこれたのはズマの援護があったからだ。
虎の穴を全滅させた彼は大会で負傷したプリキュア達の身体の回復を聖杯に願い、願いが叶えられたのを確認して自身も再び天国へと戻って行った。
こうして聖杯を巡る戦いは幕を閉じた。

おわり。


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