二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンストーリー コロシアム編
- 日時: 2017/07/08 19:59
- 名前: たくと七星 (ID: 9BwAWVgb)
またお会いします、現在ポケモンストーリーを連載しているたくと七星ですが、今回もまた新しいポケモン小説を書いてみようと思います。今回は「ゲームキューブ版」の作品、ポケモンコロシアムのシナリオのストーリーです。
<概要>
・主人公は丸〜い性格?
ポケモンコロシアムと言うとハードボイルドな感じがあって主人公も中々クールでワイルドな印象を与えているのですが、今作では見かけによらずに繊細で優しい性格の主人公にしていきたいと思います。そのギャップさを楽しんでいただけたらと思います。
・ヒロインも可愛く可憐に
本作の特徴でヒロインがパートナーになって主人公と行動するのがあります。そのヒロインのデザインが中々可愛いので愛くるしさのある、守ってあげたくなるような存在として描いていけたらと思います。私の勝手な趣向で主人公との淡い感じもありますのでよろしくいただけたらと。
・ゲーム本編にはなかった要素を追加
当時の原作にはなかった様々な要素を本作で描いていこうと思います。主にポケモンの次回作での新たな進化や連載作でも取り上げているz技などを追加していこうと思っています。
・ダークポケモンに新たな要素を
原作の最大の特徴としてはダークポケモンが登場しますが、その能力の更なる強化や付加を追加していきたいと思います。どんなものになるかは本作を見ていただけたらと思っています。
・ダブルバトルに力を
原作ではバトルはダブルバトルが通常となっているので二体のポケモンの協力プレイや連携に力を注げたらと思っています。
以上が本作の概要です。本作はストーリー上、それほど長い物語にはならないと考えていますので現在連載している方よりも早めに終わると思いますが、楽しんでみていただけたらと思っています。
<主要人物紹介>
・ヌーン
本作の主人公。エーフィ、ブラッキーをパートナーとしている青年。スナッチ団のアジトからスナッチマシーンを奪い取り、街外れのスタンドに来た所である運命的な出会いをする。キツイ外見とは正反対に自分の見た目を気にしたりするなど繊細で優しい性格の持ち主。ムンに一目惚れしてからは彼女のことは命懸けで守ろうとする勇敢さを持っている。
・ムン
本作のヒロイン、謎の敵組織に袋詰めにされてさらわれていたところをヌーンに助けられる。明るく可憐な性格でヌーンのことを「王子様」と呼んで慕う愛らしさのある女の子。何かしらの不思議な力があるようで・・・。
- Re: ポケモンストーリー コロシアム編 ( No.11 )
- 日時: 2017/09/14 20:34
- 名前: たくと七星 (ID: 643MqHaL)
episode2「パイラタウン」パート3
「恐かったよね、恐かったよね・・・。でも大丈夫よ。もう、全てが終わったから・・・。もう心配しなくていいのよ・・・」
小さなポケモンを優しく抱きしめ、子供をあやすように頭を優しく撫でた。
「ムマーーーーーっ!!!」
ムウマージが飛び上がって襲いかかろうとしていた。
「ムンが危ない!ブラッキー!」
「ブラ!」
ブラッキーはシャドーボールを連射してムウマージを攻撃、大ダメージを受けたムウマージは無気力になったように浮遊した。やがてハイパー状態が解かれて元のムウマの姿になった。
「今だ!スナッチ!」
スナッチマシーンを起動させてスナッチボールに変換し、それを投げてムウマをゲットするのだった。
「よし。ムン!」
急いでマクノシタを抱いているムンに駆け寄った。
「ムン・・・」
まるで不安で怯えている子供を落ち着かせるような暖かな眼差しでマクノシタの気持ちを和らげている一人の少女の姿があった。ヌーンはただその場で見守るのだった・・・。
そして、パイラタウンに夜が訪れた。ヌーンとムンは近くのホテルに泊まり戦いの疲れを癒すことにした。
「ふう・・・」
シャワーを浴びたヌーンが部屋に入る。
「あれ、ムン?」
見ると、ベッドでムンがマクノシタとムウマ、エネコにタネボーと二個のハスボーのドールをプレゼントしていた。
「あら、ヌーンさん、シャワーから出たんだ?」
「ああ、そのぬいぐるみは?」
「これ、ヌーンさんには言ってなかったけど、私、こう見えても裁縫が得意で、この子達に自分で作ったドールをあげてたの」
「そうなんだ・・・」
ドールを見ると、本物の作りのように丁寧に作られていているのが解る。少々サイズが違っていたり、目のビーズの位置が狭かったり広かったりしていたが、それでも出来の良さは本物と見劣りしない。
「この子達に少しでも元気になって欲しくて、心が荒れているかもしれないからこれで気持ちが和らいだらって・・・」
「ムン、君は優しくていい子だね」
「えへへ、ヌーンさんに褒められちゃった・・・」
「じゃあ、僕はそろそろ」
「待ってヌーンさん、皆と一緒に寝ようよ。そしたら皆ハッピーな気持ちになると思うし・・・」
「ムン、解ったよ。君も、一緒についていくかい?」
エネコに声をかけると一声上げて返事をした・・・。
翌日、ホテルを出て外を散策する。
「ねえ、ヌーンさん」
「何だい?」
「私、考えたんだけど、ダークポケモンがこの町に現れたのは何でだろうって思ったの。で、それを聞くにはこの町の偉い人に聞こうと思ったの」
「なるほど、それはいい考えだね。まず、その偉い人の情報を探ろう」
早速町の人から話を聞くことにした。そして掴んだ情報は町の市長はギンザルと言う人でこの町のコロシアムに深く関わっていると言う情報だった。そのギンザルと言う人の家に入ると、
「おいギンザルさん!あんたいつまでミラーボの好き放題にさせているんだ!」
銀髪の長袖に半ズボンを履いたトレーナーがギンザルに詰め寄っていた。
「ミラーボって・・・」
「ああ・・・」
フェナスシティのことを思い出した。あの時、市長の家に入り込み自分達に襲いかかって来たオネエ口調のアフロの男である。話を聞いているとその青年シルバはギンザルが動かないことに不満を募らせているようだ。シルバが懸命に話すもギンザルは首を縦にふらない。
「は、見損なったぜ!あんたが動かないなら俺一人でもやるまでだ!」
走り出していってしまう。二人の目の前を通り過ぎていくのが解った。ギンザルがヌーンとムンに気付いた。
「何だあんた等は。この町には何も無いぞ。コロシアムに言っても特にいい景品があるわけでもないんだ。こんな治安の悪い町には早く出たほうがいい」
「そうですか、解りました。ではこれで・・・」
「ちょ、ヌーンさん?!」
家を出ると、ヌーンはムンに訳を話した。
「あの人はコロシアムには何もないと言っていた。けど僕はその逆だと思っている。この町のコロシアムにはきっと何か裏があるかもしれない。そしてダークポケモンと深く関わっているかもしれないと思うんだ」
「ヌーンさん、そこまで考えてたんだ」
「うん、だからコロシアムに行って優勝すれば何か真実が掴めるはずだってね」
「そうだね、さすがヌーンさん。早速行ってみよう!」
二人は急いでコロシアムに入っていった・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー コロシアム編 ( No.12 )
- 日時: 2017/09/21 19:56
- 名前: たくと七星 (ID: 643MqHaL)
episode4「パイラタウン」パート4
受付を済ませてパイラコロシアムに挑戦するヌーン。ステージでは観客の歓声が響き渡っていた。
「さて・・・」
ヌーンは腕を回し、エーフィとブラッキー、マクノシタとムウマを連れて相手を待っていた。
「ヌーンさあん!」
そこへムンが走ってくる。
「ムン?君、その格好?」
目の前には言葉では言い表せないくらい愛くるしく色っぽい姿をしたツインテールの美少女がいた。純白の袖なしの腋を露出したシャツでもちろんへそ出しで、純白の超ミニのスカートで同じく白いブーツを履いて手には髪と同じ色をしたボンボンを持ったムンだったのだ。彼女の足元でエネコがくるくる回っている。
「えへへ、どう?似合ってる?変かな?」
「そんなことはないよ。むしろ素晴らしく似合っている可憐な君にピッタリなくらいだ」
微笑んで彼女の頬に手を添える。ムンもびっくりして頬を赤くしていた。
「ヌ、ヌーンさんったら・・・・、でも、似合ってるって言ってくれて嬉しい・・・。ありがとう。そうだ、スカートの中身も・・・」
「待ってムン!そこまではいいよ。流石にこればかりはアウトだからね?」
「そう?」
「ああ、でもその衣装はどうやって?」
「これも手作りなの。ヌーンさんがコロシアムで戦うことがあったらこれを着て近くで応援してあげるって決めてたの」
「そうなんだ、ありがとう。君の応援だけで勝利したと思えるよ」
「や、やだやだ・・・ヌーンさんったら、そんなに褒められたら、私気絶しちゃう〜、でもやっぱり嬉しいし、ヌーンさんのこと大好き。バトル、頑張ってね」
「ああ、君のために、この町のために必ず勝利を決めてみせるよ」
そして、戦いが始まった。コロシアムに登場するトレーナー達はいかにも曲者なトレーナーばかりだがいずれもヌーンの敵ではなかった。エーフィ、ブラッキー、マクノシタ、ムウマは全力で戦い、ムンの応援もあってヌーンは見事にコロシアムに優勝するのだった。
受付に戻ると、
「ヌーンさんおめでとう、凄く素敵でカッコよかったよ!」
ムンがヌーンの健闘を称えておいしいみずを差し出した。
「ありがとう、君の応援もあっての勝利だ。感謝するよ」
「きゃっ、また褒められちゃった・・・」
そうしていると、何やら戦闘服を着た男性がやって来た。
「おい、今回の優勝者はお前か?中々に強そうじゃないか」
その男を見て、ムンが驚いてヌーンの後ろに隠れて震えた。
「どうしたの?」
「ヌーンさん、あの人、私をさらった奴らに似てる・・・」
「なるほど、もしかすると」
「取り敢えず景品を渡してやるからちょっと来い」
そう言われて外に出ると、町にある寂れたビルに連れられた。シャッターが開いて中に入ると、同じく色の違う紫の戦闘服を着た女性がいた。
「あら、優勝者が来たの、どんな奴、てこいつは!」
「あん、どうしたんだ?」
「そいつはあたし達の邪魔をしている男じゃない!」
「な、何だって!」
驚く二人にヌーンがボールを手に取る。
「さて、君達は何者なのか聞かせてもらおうか?」
「ふん、何者って、あたし達はこのオーレ地方で暗躍するシャドー、その戦闘員よ!この町でコロシアムに優勝した奴らにダークポケモンを渡して治安を乱していたの!」
「随分、感嘆に話すじゃないか?」
「ふふん、どうせあんた達はここでくたばるんだからどうと言うことはないわ!さあ、覚悟しなさい!」
女性のシャドーの戦闘員はボールを投げてヤンヤンマを繰り出して来た。
「ヌーンさん、あのポケモン、ダークポケモンよ!」
チアガールの姿のままのムンがヤンヤンマに禍々しいオーラをまとっていることを伝えた。
「まさかその小娘も一緒だなんて、まあいいわ、すぐに楽にしてあげる。ヤンヤンマ、進化しなさい!」
「ヤ、ヤンヤンマアアアアアア!!!」
ヤンヤンマがハイパー状態になった。毒々しい赤いオーラが覆いその身を包んでその姿を変えてしまった。
「メガギゴゴーーーーーーっ!!!」
小柄の体が胴回りが太く羽根も一回り大きくなり目は獲物を狙う鋭い目つきになり口には鋭いアゴが生えボディも緑色のトサカの生えたオニトンボポケモンのメガヤンマに姿を変えた。
「やだ、あんなに可愛いのが、怖くなってる?!」
「これがダークポケモンの能力よ、行け!」
「ヌーンさん、あのポケモンを助けて!」
「任せて、行くぞ!」
ボールを投げてエーフィ、ブラッキーを繰り出してメガヤンマに挑んだ・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー コロシアム編 ( No.13 )
- 日時: 2017/09/28 19:34
- 名前: たくと七星 (ID: 643MqHaL)
episode2「パイラタウン」パート5
メガヤンマがソニックブームを飛ばして来た。
「エーフィ、スピードスターだ!」
「フィーっ!」
エーフィがスピードスターを飛ばしてソニックブームに当ててこれを消し去った。そしてブラッキーがシャドーボールを連射した。
「甘いわ、かぜおこしよ!」
「メガギゴ!!!」
大きな羽根を羽ばたかせてかぜおこしを放って来た。巨体なだけあってその風圧は大きくヌーンとムンも視界を遮られてしまい、立つのがやっとの状態になるほどだった。エーフィもブラッキーも思うように動けなくなってしっまう。そこへ風に吹き飛ばされたシャドーボールが返って来た。
「あ、危ない!」
「エーフィ、ひかりのかべだ!」
エーフィはひかりのかべを張ってこれを何とかガードした。
「守るのが手一杯かしら、メガヤンマ、お前の強さを見せてやりなさい!」
「ギゴゴゴゴゴゴ・・・・!」
羽根を高速で羽ばたかせると、羽根の廻りを熱気が覆い始めた。
「メガギゴーーーーーっ!!!」
鳴き声と同時にねっぷうが飛んで来た。エーフィとブラッキーは熱のダメージを受けて苦しみ出す。
「あのポケモン、熱気を溜めてあんな技を・・・!」
ムンがメガヤンマの強さに愕然とする。羽根を再び羽ばたかせると今度は冷たい風の冷気を溜めて、ふぶきを飛ばして来た。
「エーフィ、ブラッキー!」
ふぶきの威力の前にエーフィとブラッキーは氷漬けになってしまった。
「ヌーンさん、これを!」
「ああ!」
ムンからこおりなおしを二つもらい、エーフィとブラッキーのこおり状態を治したのだった。しかしメガヤンマはねっぷうを飛ばしてくる。
「ひかりのかべだ!」
エーフィは再びひかりのかべを張ったが、ねっぷうの威力の前に壁は粉々に砕けてしまう。エーフィとブラッキーはダメージを受けてしまう。
「ふふふ、聞いてるみたいね、とどめよ!」
羽根を羽ばたかせてむしのさざめきを放って来た。エーフィとブラッキーは効果抜群のダメージを受けてしまい、力尽きてしまった。
「そんな・・・!」
「エーフィ、ブラッキー、済まない・・・!」
倒れた二匹をボールに戻した。
「頼む、僕は勝ちたいんだ、力を貸してくれ!」
次のボールを投げてムウマとマクノシタを出して挑んだ。
「あらあら、随分と弱い奴を出してきたじゃない。すぐに楽にしてあげるわ」
シャドーの戦闘員がメガヤンマに指示を出してきた。戦闘に出る二体、ムンがガッツポーズを取ると、ムウマとマクノシタはしっかりと頷いた。
メガヤンマが素早く動いて接近してくる。マクノシタはがんせきふうじを飛ばしたがメガヤンマはギザギザに動いてかわしてしまった。ギリギリまで迫って来た時、
「マクーーーっ!」
マクノシタはほのおのパンチを打ち込んだ。ほのおタイプの攻撃を食らい、メガヤンマは吹っ飛ばされた。だが、遠距離のソニックブームを飛ばしてくる。
「ムマーっ!」
ムウマがまもるをしてマクノシタからこれを守った。シャドーボールを飛ばすとマクノシタがジャンプしてこれに乗った。メガヤンマがソニックブームを飛ばしてこれを消そうとする。
「飛ぶんだ!」
ヌーンの指示でマクノシタはすんでの所でジャンプ、そして全体重をかけてメガヤンマを地面に落とした。
「やった!いいわよ!」
「掴め!」
尻尾を掴むと豪快にジャイアントスイングをして振り回し、手を放して投げ飛ばした。
「ムウマ、シャドーボールの中に入るんだ!」
ヌーンの指示でムウマはボールを作るとその中に入って移動し、球体の状態でメガヤンマに左右に動いてたいあたり攻撃をして、メガヤンマを地面に押さえ込んだ。
「いわなだれだ!」
マクノシタがいわなだれをする。ムウマは素早く動いて放れて、メガヤンマは岩の下敷きになった。
「よし!」
「勝ったーーーっ!すごいわ貴方達!」
ムンがマクノシタとムウマを抱きしめて二匹にキスをする。これで勝った、と思った直後、突然、岩の山が崩れてメガヤンマが出て来た。そして今までよりも凶悪なオーラを身にまといもがき苦しむように暴れだした。
「な、何よこれ・・・?!」
「ま、まずいぞ、逃げろ!」
シャドーの戦闘員達が逃げ出していった。そしてメガヤンマはねっぷうを飛ばしてくる。
「まずい!」
「きゃああああ!」
危うし、と思われた時、
「うん?」
「あ、あれ?」
何も起こっていないことに気付き、二人が目の前を出ると、そこには光のバリヤーを張って守る、神秘的なポケモンがいたのだ。緑の妖精のようなそのポケモンはヌーンとムンを守ると手から光を発して、メガヤンマの邪悪なオーラを浄化していった。
光に包まれ、元のヤンヤンマの姿に戻る。
「ヌーンさん、今よ!」
「ああ、スナッチボールだ!」
ヌーンはボールを投げてヤンヤンマをスナッチした。それを見届けるようにそのポケモンは静かにその場を去っていった・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー コロシアム編 ( No.14 )
- 日時: 2017/09/28 20:38
- 名前: たくと七星 (ID: 643MqHaL)
episode2「パイラタウン」パート6
「よし、スナッチ完了だ」
ヤンヤンマの入ったスナッチボールを手に取った。
「やった。それにしても、今のポケモンは一体、何だったのかしら?」
メガヤンマに不意打ちされた時、自分達をその攻撃から守った不思議なポケモン。放った光はハイパー状態にされたヤンヤンマの負のエネルギーを瞬く間に浄化させてしまった。小さくあどけなさがありながらどこか神々しく神聖な趣があった。
「ヌーンさんは知ってるかな?」
「いや、あのポケモンは僕も初めて見るよ。でも、ヤンヤンマを浄化させたことからしてもただのポケモンではなさそうだね・・・」
「おお、あんた達!」
シャッターからギンザルと彼と交流のある子供達がやって来た。
「貴方は、ギンザルさん?」
「まさか、本当にダークポケモンを?」
「ああ、話してくれませんか?一体、この町で何があったのか?」
ギンザルはヌーンとムンをつぶさに見た。ムンと言う少女はいかにも純真で大らか。慈しみに満ちた優しい瞳をしている。一方のヌーンは鋭い眼光に不可思議なマシーンを腕に装着している。どこか不敵で油断ならないように見える。しかし、今は頼れる存在がいない。ダークポケモンを捕まえた二人に希望を託すしかないかもしれない。
「人質を、取られているのだ・・・?」
「人質?」
ムンが聞くとギンザルが事情を話した。
「この町にミラーボがやって来て、奴はコロシアムを裏で動かして優勝者にダークポケモンを渡して町の治安を乱しているのだ。私もどうにかしたいのだが、大切なポケモン、プラスルを人質にされてしまったのだ。少しでも余計な動きをすれば命はないと脅されて、動こうにも動けないのだ」
「そんな!人質を取るなんて卑怯すぎるわ。ヌーンさん、その子を早く助けてあげよう」
「ああ、このままにしておけばパイラタウンだけじゃなくて他の場所でも同じようなことが起こるかもしれない」
「じゃあ、決まりだね!」
「ありがとう、あんた達に頼るほかはないのだ。済まないが、プラスルを、どうか救ってくれ・・・」
ビルの最上階を目指して走っていく二人。そしてその屋上に到着した。ビルは岩場に接していて目の前に洞窟の入口があるのが解った。
「ヌーンさん、もしかしてあの中に・・・」
ムンが言うと、中から誰かの叫び声が聞こえて来た。
「ムン、行こう!」
「ええ!」
二人は急いで洞窟へと入った。
「ち、ちくしょう・・・」
ミラーボに立ち向かったシルバだったが、返り討ちにあってしまい、尻餅を付いていた。
「オーホッホッホッホ!雑魚の分際であたしに挑もうなんて、身の程知らずなおバカさん!貴方が余計なことをしてことでこの子の運命が決まったわよ」
チラリと向いてやると、その先に縄で吊るされたプラスルが映っていた。下ではプールが敷かれていて、中でキバニア達がキバをぎらつかせてプラスルを食べようとしていた。
「ちっぽけな正義感によってこのプラスルちゃんが死んでいくのを見ていなさい」
「た、頼む、俺はどうなってもいい。こいつだけは、プラスルだけは、助けてやってくれ!」
「ほほほ、ダーメよ、貴方達は約束を守らなかった。約束を破ればこの子がどうなるかは言っておいたはずよ。さあ、もういいでしょう。この子を餌にしちゃいなさい」
ミラーボのポケモンであるルンパッパが水のブーメランを飛ばして縄を切り裂いた。
「プラプーーーーーーーーっ!!!」
「やめろーーーーーーーーーっ!!!」
無情にも縄が切り落とされ、プラスルはキバニアが群がるプールに落とされる。その時、一筋の閃光が煌き、一直線に飛んで来てプラスルをキバニア達から放した。
「な、あれは・・・?!」
シルバが見たもの、それはプラスルを乗せて運ぶヤンヤンマだった。
「間に合ったか!」
プラスルを救ったヤンヤンマは声の主であるその人物と近くにいる少女の元へ戻って来た。そう、ヌーンとムンがやって来たのだ。
「ありがとう、ヤンヤンマ」
ヌーンがプラスルに付いている縄をほどいてやる。開放してムンがプラスルを抱えた。
「良かったわ、無事で。貴方の帰りを皆が待ってるわ。怖かったでしょう、もう大丈夫だからね」
優しく抱いてその小さな頭を撫でてあげる。
「あ、あんた達は?」
「安心して、あたし達は味方よ」
「ああ、ギンザルさんに頼まれてね」
「そうか、あのギンザルさんが・・・。ありがとう、本当にありがとう・・・!」
シルバが感激の涙を流した。
「あーらやだわ。まさかこんな所で貴方達と会っちゃうなんて」
「ミラーボ、あんたの思い通りにはさせないわよ!」
「コロシアムでダークポケモンを渡していたのはお前か?」
「ふふ、そうよ。この町の連中は戦いが好きな危ない匂いがプンプンしてる人達。そいつらにダークポケモンを渡して治安を乱していたの。そしてギンザル達が歯向かわないようプラスルを人質にしたのもあたしよ。けど、貴方達が来たお陰で計画が修正される必要になったわ。と、言う訳で・・・」
手を叩くと、フラッシュ音がして光が当てられている先に一際目立つステージがあった。
「ほほほほほ!そうそう、これよ!盛り上がって来たわ!」
ミラーボが好むようなポップな曲が流れてルンパッパ達が踊っていた。
「さあ、来なさい。このあたし、ミラーボがここを貴方達の処刑場にしてあ・げ・る・わ・よ。かかって来なさーい!」
ミラーボが構えると四匹のルンパッパが戦闘態勢に入った。
「ヌーンさん、頑張って、私もこの子も応援するから」
まだチアガールの姿をしていたムンがエネコとプラスルと一緒に応援した。ヌーンは静かに頷いてマクノシタとヤンヤンマを出してこれに挑んだ・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー コロシアム編 ( No.15 )
- 日時: 2017/10/05 20:47
- 名前: たくと七星 (ID: 643MqHaL)
episode2「パイラタウン」パート7
「マクノシタ、かみなりパンチだ!」
「マク!」
拳に雷を溜めて前進し、ルンパッパに打ち込んだ。
「クワッパーーっ!」
後退したルンパッパは手を叩くとつっぱりをしてマクノシタを攻撃した。平たい手をマクノシタの大きな腹に叩き込み、マクノシタを後ずさりさせる。
「とびげりカモーン!」
「クワーーっ!」
跳躍して体を横向きにしてとびげりをしてマクノシタを吹っ飛ばした。
「すなかけだ、マクノシタ!」
「マクーっ!」
地面を払ってすなかけに出るがルンパッパは両手を広げてこれを防いでしまった。そしてみずのはどうを飛ばしてマクノシタを吹っ飛ばした。
「おーっほっほ、手も足も出ないみたいね、ルンパッパ、攻めなさい!」
二匹のルンパッパは踊りながられいとうパンチを振るってきた。マクノシタは重い体を動かしながらこれをかわし、ヤンヤンマはこうそくいどうをしてかわしていった。
「ビッグウェーブ、なみのりよ!」
水を生み出してなみのりに出て来た。マクノシタとヤンヤンマはこれに飲み込まれてダメージを受けてしまう。水が干上がった所へハイドロポンプが飛んで再びダメージを受けてしまう。度重なるダメージが蓄積してマクノシタとヤンヤンマの体から禍々しいオーラが漂って来た。
「ダメ・・・」
暴走するかもしれない、ムンは不安になった。
「マクノシタ、ヤンヤンマ!」
しかし、ヌーンが呼びかけをすると二体のポケモンは我に返って落ち着くのだった。そして二体のポケモンは気持ちを落ち着かせて気を集中させた。
「あーら、ぴたりと動かなくなったわね。それはそれでチャンスだわ、お前達、やっておしまいなさーい!」
ルンパッパ二体は再びなみのりに出て攻撃に出て来た。大きな波しぶきがマクノシタとヤンヤンマに迫ってくる。ムンは心配になったがヌーンはチャンスを窺っていた。
「今だ!」
ヌーンの合図でマクノシタとヤンヤンマはきしかいせいの波動を放ってなみのりを吹き飛ばした。その衝撃で二体のルンパッパを吹き飛ばした。
ヤンヤンマは羽ばたいてかげぶんしんをしてルンパッパを牽制して縦横にむしのていこうを連射してダメージを与えて、ソニックブームを飛ばして倒した。
マクノシタはルンパッパのパンチをガードするとほのおのパンチで吹き飛ばし、腕を掴んで振り回してバランスを崩させるとのしかかりをして転ばせた。
そしてルンパッパを持ち上げるとハリケーンをして投げ飛ばし、ほのおのパンチから炎のエネルギーを飛ばしてダメージを与えた。ルンパッパは音を立てて崩れ落ちて力尽きたのだった。
「やった!」
「くううううう〜、生意気よ〜っ、更に二匹、カモーン!」
もう二体のルンパッパが前に出て来た。
「さあ、ラストステージよ、けど、そう簡単には勝たせないのが、あ・た・し、ゴーっ!」
「戻れ!」
ヌーンはマクノシタとヤンヤンマを戻して、エーフィとムウマを出した。二体のルンパッパがファイティングポーズを取りパンチやキックを振るって前進して来た。
「ムマーっ!」
ムウマが口からくろいきりを地面に向けて吐いた。すると地面一面に黒い沼のようなものが浮かんでいた。それを見てエーフィはそこにシャドーボールを向けて放った。すると地面からシャドーボールの玉が無数に浮き出てルンパッパ二体にダメージを与えた。フラフラになっている所でエーフィがスピードスターを飛ばして吹き飛ばした。
「ヌーンさん、その調子よ!」
ムンがボンボンを持って跳躍していた。ヌーンは勝つよ、と彼女にグーサインを送った。
「きー、余裕ぶってくれるじゃない、こうなったら、あれよ!」
ミラーボが指示を出した。するとステージ一体に雨が降り注いで来た。
「これでみずタイプの技がパワーアップ!ハイドロポンプよ!」
二体のルンパッパがハイドロポンプを飛ばして来た。
「ひかりのかべだ!」
「フィーっ!」
エーフィはひかりのかべを張ってこれをガードした。そしてムウマが目の前に出てうらみをしてハイドロポンプのPPを減らした。
「これでハイドロポンプは使えない!」
すると、二体のルンパッパは再びハイドロポンプを放つ構えを取った。PPを減らしたはずなのに何故、とヌーンとムンがいぶかしがると、
「さあ、とびっきりの技を見せておやり!」
二体のルンパッパが頭のカサを外してそれをブーメランのように飛ばして来た。エーフィとムウマは驚いて攻撃する間もなくブーメランのダメージを受けてしまう。そこへ二体のルンパッパがエナジーボールを飛ばしてダメージを与えた。
「ふぶきよ!」
ふぶきを飛ばすと、ステージに降っていた雨水が氷柱になってエーフィとムウマの体力を減らしていく。そして二体のルンパッパはフラフラダンスをしてエーフィとムウマをこんらん状態にさせた。
「エーフィ、ムウマ、戻れ!」
ヌーンは二体を戻してブラッキーとヤンヤンマを出した・・・。
続く・・・。
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