二次創作小説(新・総合)

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逃走中~みんなの騙し合い新学期~(完結済み)
日時: 2021/05/09 16:37
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)

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  ~WARNING! 注意!~

・逃走中とダンガンロンパの二次創作小説です

・ダンガンロンパシリーズのネタバレ注意

・気を付けていますがキャラ崩壊の可能性あり

・ハンターは個体番号ではなくA・Bなどを付けて識別しています

・モバイルでは画面を横向きにすると読みやすいと思います

〇ページ番号は大きいものから古いページです
 移動はこのページの一番下から行ってください


以上の点を踏まえてお読みください

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逃走劇の舞台は、封鎖された箱庭型の学園「才囚さいしゅう学園」。
今回ゲームに挑むのは、ピアニスト、総統、宇宙飛行士など、
政府が実施する特別な奨励制度「ギフテッド制度」に認定され、
“超高校級”の称号を与えられた、16人の高校生たち。
彼らは賞金への欲望や己のプライドのために逃げ回り、
襲い来るハンターや、絆を試すゲーム展開に翻弄されてゆく。
嘘と真実が交錯する、心理逃走劇!
100分間逃げ切り、高額賞金を持ち帰る者は現れるのか!?



逃走者:16人
赤松楓(ピアニスト)/ 天海蘭太郎(???)/ 入間美兎(発明家)
王馬小吉(総統)/ キーボ(ロボット)/ 獄原ゴン太(昆虫博士)
最原終一(探偵)/ 白銀つむぎ(コスプレイヤー)/ 真宮寺是清(民俗学者)
茶柱転子(合気道家)/ 東条斬美(メイド)/ 春川魔姫(保育士)
星竜馬(テニス選手)/ 百田解斗(宇宙飛行士)
夢野秘密子(マジシャン)/ 夜長アンジー(美術部)[50音順]

前半戦 ( No.10 )
日時: 2020/12/27 23:05
名前: TDR (ID: pTKbdp.H)


 [  79:29  ]
 [ 123,100円]




百田「『ニセ逃走者』か…」


 頭を捻る、百田。


百田「どれだけ考えても、それっぽいやつがいると思えねーな」
  「あいつら(モノクマーズ)が、オレたちを疑心暗鬼にさせようとしてるとかじゃねーのか?」
  「…もちろん、(ニセ逃走者は)オレでもねーぞ!」


 本人が否定したとしても、ニセ逃走者の可能性は消えない。
 モノクマーズが落とした紙を読んだのは、百田・東条・最原・王馬・夜長の5人。




東条「…ニセ逃走者が本当にいるとしたら…と考えて、候補は今のうちに絞るべきね」


 東条は、他の逃走者に疑いの目を向けている。


東条「この紙に書かれている通りなら、ニセ逃走者はミッションの妨害をするはず」
  「その証拠を押さえない限り、この内容に確信を持てないというのが現状ね」


 ニセ逃走者はミッションを妨害するという旨が、紙には書かれていた。
 東条は他の逃走者に気を配り、証拠を押さえるつもりのようだ…。




キーボ「皆さん、ミッションクリアしてたんですか…。ハンター増やしてしまって申し訳ないですね…」


 唯一ミッションをクリアできなかった、桃ペアのロボット…。


王馬「おい、何やってんだ鉄屑!!」

キーボ「すみません、ハンターボックスが見つからなくて」

王馬「この責任を取って、スクラップになれ!」

キーボ「い、嫌です!そんな責任の取り方したくありません!」

王馬「ていうかお前、ロボットなのに男子判定ってどういうこと?オレ、お前と同じカテゴリに
  分類されたくないんだけど」

キーボ「ロボット差別はやめてください!これでもボクは一応男子らしいんです!」

王馬「らしいってなんだよ、断言しとけよ」
  「まったく…。次のミッションはちゃんとやれよな!」

キーボ「王馬クンこそ…。次は王馬クンもやらなければならないミッションかもしれませんよ!」

王馬「オレはさっきのミッションで貢献したもんねー!ペア組んでないけど!」

キーボ「え、本当ですか?また嘘なんじゃ」

王馬「したよ!本当だよ!!」


 本当だ…。


王馬「それにオレは嘘なんて、生まれてこの方ついたことないっての!!」


 嘘だ…。




ハンターA「……」


ハンターB「……」




茶柱「結局、ハンターボックスってどこにあったんですか?転子、一つも見つけられませんでした」


 寄宿舎の前には、茶柱・春川・夜長が集まっている。


夜長「アンジーは1個見つけたよ、黄色いの!裏庭にあったからレバー下ろしたんだー」

茶柱「さすがです、アンジーさん!」

春川「……」

夜長「…魔姫は、いくつか見つけた?」

春川「桃色のハンターボックスなら見つけたよ」

茶柱「えっ、桃色って、ハンター放出したやつですよね。どこにあったんですか?」

春川「屋外エリアの端。寄宿舎の所から階段降りて、右行ったあたり」

夜長「エグイサル格納庫?のあたりかなー?」

春川「そう、そこにあった」

夜長「それ、(桃色ベストの)キーボに連絡した?」

春川「してない。時間ギリギリだったから、離れるので精いっぱいだった」

茶柱「なるほど」

夜長「ふーん…」
  「連絡しなかった理由は、本当にそうなのかな?」

春川「…は?」

茶柱「アンジーさん?」

夜長「もしかして魔姫、アンジー達の邪魔しようとしてないか?」

春川「…何言ってんの、あんた」

茶柱「いやいや、アンジーさん!春川さんがそんなことするメリットなんて、全くないじゃないですか!」

夜長「んー」

春川「……」

夜長「……」


 にらみ合う、両者…。


茶柱「け、喧嘩はやめましょう?こうしてる間に、ハンター来ちゃうかもしれませんし」

夜長「にゃはははー、転子の言う通りだね」
  「悪かったね、魔姫。それじゃ、アンジーはあっちに行くぞー」タッ

春川「…なんなのあいつ」

茶柱「春川さん、気にしない方がいいと思います…!アンジーさんはきっと緊張で気が立ってたんですよ」

春川「…そうだね、気にしないことにする」




スタッフ「ペアの真宮寺さんは、ニセ逃走者ではなさそうですか?」

夜長「うーん、どうだろうねー」
  「主は言いました。是清はまず元から見た目が怪しいと」




真宮寺「ずっと隠れているだけで済むなら、それでいいんだけどネ」


 ペアの夜長に疑われている真宮寺。


真宮寺「でもこのゲームは鬼ごっこであって、かくれんぼじゃないからネ。走らなくてはならない場面も、
   今後出てくるはず」
   「その時までに、体力を温存しておきたいところだヨ」




最原「ペア組んでる誰かが、ニセ逃走者の可能性もあるはず…。赤松さんも…可能性はゼロじゃない」


 ニセ逃走者について考えを巡らす、最原。


最原「ペア組むところにあった看板、もしかしてこういうのを想定して書いてあったのか…?」




裁きの祠前の看板[ペアは一度組むと、組み替えることができない。
         病める時も健やかなる時も、絶対に信頼できると思える者を慎重に選ぶべし]




最原「そもそもメールでの通達じゃなく、ただ落とし物に書かれてたってだけだから…信憑性に欠ける」
  「ニセ逃走者がいない可能性も考えなくちゃいけないのが、辛いところ―――」

赤松「最原くん!」

最原「うわっ!?」ビクッ

赤松「ここにいたんだね」


 赤松と最原、緑ペアが合流した。


赤松「ボーっとしてたみたいだね。油断してると危ないよ!」

最原「う、うん…」

赤松「どうしたの?顔色良くないけど」

最原「…赤松さんは、どうして僕とペア組もうと思ったの?」

赤松「えっ?急にどうしてそんなことを?」

最原「いや…さっきペア組む時、聞いてなかったなって思って」

赤松「えっと…最原くんなら、頼りになりそうだなって思ったんだ」

最原「僕が…?」

赤松「うん。最原くんっていつも冷静なイメージだし、こういう焦りが生まれそうなゲームでも
  落ち着いて判断できそうだから、頼りがいあるかなって」

最原「……」

赤松「あはは、直接言うのは恥ずかしいね」

最原「…ありがとう赤松さん。信じるよ、キミのこと」

赤松「えっ、信じる?」


 最原にとって、信用できる相手が出来たようだ…。


ハンターD「……」


 2人の近くに、黒い影…。


赤松「もしかして私、信用されてなかったのかな…?」

最原「いや、ごめん!今のは言葉の綾で。実はさっき―――」

ハンターD「…!」ダッ

最原「―――ハンター!」ダッ

赤松「えっ!」タッ

ハンターD「……」タッタッタ…

最原「はあ、はあ、はあ」タッタッタ

赤松「…来てないかな?」タッタッタ


 二手に別れて逃げる…。


ハンターD「…?」


 入り組んだ通路を利用し、うまくまいたようだ。




最原「はあ、はあ…。赤松さんはちゃんと信じよう…。そうでないと、赤松さんに悪い…」




赤松「さっき最原くん、何言おうとしてたんだろう」




 しかし、恐怖はまだ終わらない…。


ハンターB「……」




赤松「あとで合流したら聞こう」




最原「…まずは赤松さんと合流して、ニセ逃走者について説明を」




ハンターB「…!」ダッ


 見つかったのは…。






赤松「…また来た」タッ


 赤松だ…。


ハンターB「……」タッタッタ…


 LOCK ON 【KAEDE AKAMATSU】
 ピ――――――――――――――


赤松「はあ、はあ…きゃあっ!」



 ポン!

 76:02 赤松楓 確保
      残り11人



赤松「捕まっちゃった…。最原くん、ごめん…」




 プルルルル、プル


最原「赤松さん捕まった…。信じられる人だったのに…!」


 赤松は、ペアの最原が賞金を獲得すれば、それと同額を手にできる。




東条「赤松さんが捕まった…ということは、赤松さんはニセ逃走者ではなかったということね」


 他の逃走者に疑いの目を向ける、逃走者たち。
 逃げ切るために、協力することはできるのか…?



残る逃走者 赤ペア(百田解斗・春川魔姫)、橙ペア(白銀つむぎ)、
      黄ペア(真宮寺是清・夜長アンジー)、緑ペア(最原終一)、
      青ペア(星竜馬・東条斬美)、桃ペア(キーボ)、ペアなし(王馬小吉・茶柱転子)


ミッション2① ( No.11 )
日時: 2020/12/28 22:44
名前: TDR (ID: pTKbdp.H)



―――――――――――――――――――――――――――――――――


 逃走者同士が険悪になっている頃、指令室では…。


文月「モノクマーズが落とした紙は、全部意図的?」

モノクマ「そうだよ。最初のミッションをクリアした特典として、レバー下げた逃走者に与えたんだ」
    「王馬クンは直接やったわけじゃないけど、ミッションに貢献したからあげておいたよ」

文月「ペア制度にニセ逃走者とは。内容盛りだくさんだね」

モノクマ「うぷぷ。ペアとニセ逃走者を組み合わせたのは理由があるんだよね」
    「互いに信じあった相手とペアを組ませた後に、ニセ逃走者の存在を明らかにすることで…」
    「ペアを組んだ相手までも疑わざるを得ない状況が完成する。するとどうなると思う?」

文月「信じあったはずの相手と疑いあい、人間関係が破綻。破滅の後、絶望…ってところかな?」

モノクマ「よくわかってるね!」
    「どれだけ疑心暗鬼になったとしても、ペアを組んだ相手を信じ抜くのか?」
    「それとも、疑い続けて相手からの信頼を失うのか…」
    「逃走者それぞれの人間性がさらけ出される、絶望のエンターテインメントのスタートさ!!」

文月「いい性格してら」
  「モノクマに月村成分も混ざって、いい具合に調和してるっぽいね…」
  「『月村サトシ再現計画』は、ほぼ成功と言って良さそうだ。素晴らしい!」
  「とはいえ、絶望を打ち砕くのが、〝希望〟を持つ彼らだよね。今までの2回でもそうだった」
  「この絶望を乗り越えられるのかどうか…、楽しみだ」

モノクマ「でもこの紙に書かれた内容が本当とは限らないよね、まだ通達出してないからさ。
    その辺も考えながら、逃げてもらうよ」
    「さて、お次のミッション!」ピッ


―――――――――――――――――――――――――――――――――


 ゲームマスターの月村モノクマにより…。


エグイサルレッド「……」

エグイサルピンク「……」


 2体の巨大ロボットに…。




 ピュン!


男子用アラーム停止レバー「……」

女子用アラーム停止レバー「……」


 アラーム停止レバーが設置された。




 ピュン!


エレクトハンマー×3「……」




 ピュン!


エレクトハンマー×3「……」


 更に、裏庭と入間の研究教室前に、エレクトハンマーが置かれた。






 [  74:20  ]
 [ 154,000円]




 プルルルル、プル


真宮寺「メールだヨ」


春川「『残り60分になると、逃走者の持っている携帯からアラームが鳴り響き、ハンターを
  呼び寄せてしまう』」


百田「『アラームを解除するには、巨大ロボット・エグイサルにつけられたアラーム解除レバーを
  下げなくてはならない』」


星「『なお、エグイサルはエリアを動き回っている。動きを止めるには』」


キーボ「『裏庭と「超高校級の発明家」の研究教室前にあるエレクトハンマーで、エグイサルを
   叩かなければならない』」


最原「『エレクトハンマーはそれぞれの場所で3つずつ、合計6つある』」






  ミッション アラームを停止せよ

 残り60分になると、逃走者の持つ携帯からアラームが鳴り響き、近くにいるハンターを呼び寄せる。
 アラームを解除するには、巨大ロボット・エグイサルにつけられたアラーム解除レバーを下げなくては
 ならない。エグイサルはエリアを動き回っており、それを止めるには、エレクトハンマーで
 エグイサルを叩かなくてはならない。






王馬「また今回もレバーか、幅がないなぁ」


東条「つまり、エレクトハンマーを手に入れて、それを使ってエグイサルを叩き、レバーを下ろせばいいのね」


 アラームを解除するには、まず、エレクトハンマーを獲得しなくてはならない。




茶柱「アラームが鳴ったら逃げ切れません!ミッション向かいます!」


星「(ミッション)行くぜ。誰かがやらなきゃならねーんだろう?」


百田「エレクトハンマー…は、入間の研究教室の方が近いか」


春川「アラーム鳴ったらさすがに厳しい。ミッション行こう」


 続々と動き出す、逃走者たち。




白銀「ひとつのレバーが全員に関わるとはいえ、人任せじゃダメだよね」


 白銀も、ミッションに向かう。


白銀「エレクトハンマーは重いのかな?私にも持てるかな―――」

ハンターC「…!」

白銀「えっ」



 ポン!

 72:43 白銀つむぎ 確保
       残り10人



ハンターC「……」

白銀「…えっ?今、捕まった?」


 鉢合わせて、秒殺だ…。




  牢獄


 プルルルル、プル


天海「メールっす。…白銀さん、確保っすね」

入間「てことは…」

夢野「ゴン太、ご愁傷様じゃ」

獄原「えっ…!?」


 白銀は、ペアの獄原も確保されていたため、賞金獲得の権利を失った。




白銀「…自分が地味なのは自覚してたけどさ。捕まり方地味すぎじゃない?」




百田「…うおっ!?」

エグイサルレッド「おはっくまー」ズシン、ズシン

百田「ロボットってあれかよ!?マジでデカいじゃねーか!あれは1人2人でどうにかなる
  もんじゃねーぞ…!」


 百田の見つけた巨大ロボットは、校舎の前を徘徊している。


男子用アラーム解除レバー「……」

百田「背中のアレか、レバー!こりゃ動き止めねーとだめなわけだ」




東条「ここね」


 最初に入間の研究教室前にやってきたのは、東条だ。


東条「これがエレクトハンマー…」


 ここに置かれたエレクトハンマーは、全部で3つ。


東条「隠れて、ニセ逃走者の妨害の証拠を見つけたいのだけれど、(残り60分まで)時間もない」
  「…妨害の証拠を押さえることも大事よね。一度隠れることにするわ」


 東条は隠れて、ハンマーを取りに来る逃走者を見張るようだ。




最原「ニセ逃走者が妨害を仕掛けてくるなら、きっとここだ…。注意しないと」


 最原も、ハンマー獲得に動く。


最原「ただ、ハンターから逃げるのも忘れちゃいけない」




ハンターD「……」


ハンターB「……」


 ミッションに動けば、ハンターに見つかるリスクも高まる。




東条「…誰か来たわ」


 東条が見張っている、入間の研究教室前に、人影だ。


茶柱「あった!これですね、ハンマー!」


 茶柱転子だ。


茶柱「ロボットは校舎の前にいましたね、止めに行きましょう!」


 茶柱 エレクトハンマー獲得


星「あれか」

百田「よし、まだハンマーあった」


 続いて、星と百田も到着。


茶柱「来るのが男死ばかりじゃないですか!何故ですか!?」

星「俺たちに聞かれても困る」

百田「ロボットはさっき、寄宿舎の前で暴れてやがったぞ!止めに行こうぜ」


 星・百田 エレクトハンマー獲得


東条「…誰も、ボロを出さなかったわね。ニセ逃走者の心配は杞憂だったのかしら」
  「いえ、ここではボロを出さなかっただけかもしれない。まだこの3人に隙を見せてはならないわ」

星「…ん?東条、何やってんだ?」

東条「…!」


 星に、見つかった…。


星「隠れてないで出てきたらどうだ。ハンターは今この辺にいねぇ」

東条「ええ、そうするわね」

百田「何やってたんだ、東条?」

東条「…捕まらないよう万全を期して、慎重に移動していたのよ」

茶柱「ハンマー、転子たちの分で無くなっちゃいましたよ」

東条「そうね、一足遅かったみたい」


 嘘をつきとおす…。


百田「東条、なんか怪しくねーか…?」


 東条を疑う百田。


百田「…いや、考えすぎか。本当に慎重なだけかもしれねーしな」

最原「ハンマーは、裏庭のどこだろう」


 裏庭にやってきた、最原。


最原「この中かな…?」


 先ほど、夜長が放出を阻止したハンターボックスのあった建物に入る。


籠「……」

最原「…あれ?多分これに入ってたんだよね、ハンマー」


 ハンマーはなく、あるのはハンマーを入れる籠だけだ…。


最原「…これって、ミッションの妨害―――」

王馬「あれっ、最原ちゃんじゃーん」


 そこに、王馬も合流。


最原「王馬くん、ここ来るまでに、ハンマー持った人見かけなかった?」

王馬「いや、見てないよ」

最原「だよね、僕も1人も見てない」

王馬「それよりハンマーは?」

最原「1つもないんだよ…」

王馬「…え?」

春川「この辺りだよね」


 さらに、春川も到着した。


最原「王馬くん、ハンマー探してくれないかな」

王馬「いいけど、最原ちゃんもちゃんと探してよね」

春川「…もう先に来てたか」

最原「春川さん…。ハンマー持った人、見てない?できれば3つくらい持った人」

春川「3つ…?そもそもハンマー持ってる人、1人も見てないよ」

最原「それなら、あるとしたらこの近くのはず」
  「ミッションのメールが来てから大体…6分か。だから、遠くに隠す時間はない。それに、
  いっぺんに3つも持っていったら目立つはずだ。でもここにいる3人誰も見てないってことは…」
  「……ってことは……」

春川「さっきから何言ってんの?ちゃんと説明して」

王馬「春川ちゃんは察しが悪いなぁ、いいからハンマー探してよ」

春川「は?」

王馬「ないんだよ、誰も持って行ってないはずのハンマーが、1つも!」

最原「いや…、でもまさか…」


 消えたハンマーは、どこに行ったのか?
 そして、ハンマーを隠したのはニセ逃走者なのか…?





残る逃走者 赤ペア(百田解斗・春川魔姫)、黄ペア(真宮寺是清・夜長アンジー)、
      緑ペア(最原終一)、青ペア(星竜馬・東条斬美)、
      桃ペア(キーボ)、ペアなし(王馬小吉・茶柱転子)


ミッション2② ( No.12 )
日時: 2020/12/29 23:00
名前: TDR (ID: pTKbdp.H)


 [  68:06  ]
 [ 191,400円]


 残り60分に携帯からアラームが鳴り響き、それを聞いたハンターが確保へと向かう。
 アラームを解除するには、エレクトハンマーを手に入れ、巨大ロボット・エグイサルを停止し、
 アラーム解除レバーを下ろさなくてはならない。




最原「…王馬くん、いたずらなら笑えないから、早くハンマーの場所教えて」

王馬「いや、隠したのオレじゃないから!本当だよ!」

春川「あんたの発言信じる方が難しいよ。他に誰がこんなことするの」

王馬「春川ちゃんまで。ひどいなぁ、もう!」


 現在、裏庭側にあったはずのハンマーがどこかに隠されてしまった。
 このままでは、逃走者はエグイサルを停止することが難しくなる。




百田「いた!あいつだ!」

エグイサルレッド「あれ?オイラ、どうしてここを歩き回ってるんだっけ?」


 百田たちは、アラーム解除レバーを持つエグイサルを見つけた。


星「レバーは背中か」

茶柱「隙ありです!」ブンッ


 ガキィン!




 茶柱が振り下ろしたハンマーは、エグイサルの腕に当たった。


エグイサルレッド「うわぁ!?」


 しかし、動きは止まらない…。


茶柱「えっ、止まりませんよ!?」

東条「どうやら、ハンマーを当てる場所も考えないといけないようね…」

星「大方、コクピットらしき頭部が当たりだろう」

百田「おーし、コクピット狙いで行くぞ!囲め!!」

エグイサルレッド「え、ええ!?なに、なんなの!?」




夜長「ここは静かだねー」


 ミッションに動かない、夜長アンジー…。


スタッフ「ミッションは行かないのですか?」

夜長「神さまがね、ここにいる方がよさそうだってさー」
  「…おっ」サッ

ハンターD「……」


 夜長の近くに、ハンターが迫る…。


夜長「……」

ハンターD「……」

夜長「……」






ハンターD「……」スタスタ


 気づかれなかったようだ…。


夜長「…しー」シーッ




春川「建物の中は探しつくしたんじゃない?」

王馬「まさか、マンホールの下とかじゃないよね」


 いまだにハンマーが見つからない、裏庭の逃走者たち。


最原「あとは…、建物の外かな」

王馬「だね」
  「…!」




ハンターA「……」




王馬「ハンター来てる」

最原「マズいな…、ここ開けてるのに」


 ハンターを警戒する3人…。




ハンターA「……」




春川「…あっち行くんじゃない?」

最原「そうだといいけど―――」






キーボ「みなさん!」

3人「「「!?」」」ビクッ

キーボ「どうしたんですか?」


 反対側から入ってきた、キーボだ…。


春川「なんだ、キーボか…。びっくりした」

王馬「お前…、ほんと空気読めないわけ?」

キーボ「ボクだって、空気を読めますよ!汚れた空気を察知したり―――」

王馬「マジで今そういうのいらない」

キーボ「…ところでハンマーは?」

最原「実は…」


 事情を説明する最原。


ハンターA「……」スタスタ

春川「ハンター、あっち行った」

最原「そっか、良かった」

キーボ「なるほど…?事情は一応分かりました。あとはどこを探してないんですか?」

王馬「建物の外の茂みの中とか?」

最原「そうだね、茂みを重点的に探してほしい」


 ハンマーを探すのに時間がかかるほど、アラーム起動の時間が迫る…。




百田「ふんっ!」ブンッ

エグイサルレッド「うわー!」ガキィン!

百田「ガード固いな、くそっ!」

星「畳みかけるぞ」ブンッ

エグイサルレッド「やめてよー!」ガキィン!

東条「ハンター来たら教えるわね」

茶柱「お願いします!」


 エグイサルを包囲する、逃走者たち…!


エグイサルレッド「助けてー!」ガシャンガシャン

百田「おい、逃げんな!!」

星「逃げないように囲め」

エグイサルレッド「怖いよー!!」

茶柱「なんだか可哀そうになってきました…」
  「…ん?」


 茶柱が、何かに気づいた。


男子用アラーム解除レバー「……」

茶柱「ロボットが背負っているレバー、『男子用』と書いていませんか?」

東条「本当?」
  「…あら、そうみたいね」

茶柱「つまり、このロボットを止めてレバーを下ろしても、女子のアラームは解除できない
  …ということでは?」
  「頑張っても無駄じゃないですか!体力損しました!!」タッ


 その場を離れようとする茶柱…!


百田「あっ、おい!囲むのやめんなよ、茶柱!!」

茶柱「やめますよ、こっちも女子用のレバー探さないといけないので!男死は男死用の方を
  頑張ってください!」

星「待て、茶柱。行くあてがあるのか?」

茶柱「うっ、それはありませんが…」

星「こんなでけーロボットが動き回れる場所は、そうない。しかも屋外で目立った動きしてるのは
 こいつだけだ」
 「それを覚えておくだけでも、探す場所はいくつか絞れるはずだ」

茶柱「そんな条件に合う場所、一体どこに―――」

東条「体育館はどうかしら?」

茶柱「あっ…そうだ、そこですね!ありました、適当な場所が!!」
  「転子、体育館に行きます!!では!!」タッ

百田「……おう、そっちも頑張れよ!」

東条「星くん、私も茶柱さんに」

星「ああ、ついて行ってやれ。ハンマーは…」

東条「星くんたちが使って。こっちはまず、ロボットを探すことが先だから」

星「悪いな。こっちが終わり次第、俺のハンマーを届ける」

東条「ありがとう、星くん」タッ

エグイサルレッド「あれ?怖い人が減った!」

百田「2人でやるのはさすがにしんどいぞ…。早く他の奴ら来てくれ…!」




 一方、裏庭の逃走者たちは、茂みの中を探していた。


最原「ない…。どこにもない…」ガサガサ

春川「(アラーム起動まで)あと6分切った。急がないと」ガサガサ

キーボ「…あっ」ガサッ


 キーボ、何かを見つけた。


キーボ「ありました!ハンマー3つ!!」

最原「ええっ!?」

春川「やっと…」ハァ

キーボ「フフン、これで役に立たないロボットとは言わせませんよ!どうですか、王馬クン!」
   「…あれっ、王馬クンはどこ行ったんですか?」

最原「えっ」
  「…ほんとだ、いない」




王馬「……」スタスタ


 王馬だけ、静かにその場を去っていた…。




春川「何なの、あいつ…。急に消えて」

キーボ「もしかして、ハンマーを隠したのは王馬クンだったんじゃないですか?」

最原「怪しい。露骨に怪しすぎる…!」

キーボ「時間ありません!エグイサル探しに行きましょう!」


 キーボ・春川・最原 エレクトハンマー獲得


 3人はこれより、エグイサルの元へと向かう!
 アラーム起動まで、残り5分。果たして、アラーム解除は間に合うのか…!?





残る逃走者 赤ペア(百田解斗・春川魔姫)、黄ペア(真宮寺是清・夜長アンジー)、
      緑ペア(最原終一)、青ペア(星竜馬・東条斬美)、
      桃ペア(キーボ)、ペアなし(王馬小吉・茶柱転子)


ミッション2③ ( No.13 )
日時: 2020/12/30 22:57
名前: TDR (ID: pTKbdp.H)



 [  64:39  ]
 [ 212,100円]




茶柱「(エグイサル)どこですかー!?」

東条「体育館にハンターがいなければいいけれど」


 女子用のアラーム解除レバーを求め、体育館へと向かう、茶柱と東条。


茶柱「…ああっ!?」

エグイサルピンク「誰も来なくて暇ねぇ」

茶柱「いた!いましたよ、巨大ロボット!!」


 体育館に、いた…!


女子用アラーム解除レバー「……」

東条「女子用のレバーも背負っているわ」

エグイサルピンク「あら、来たわね!」

茶柱「覚悟なさい!!」ブンッ

エグイサルピンク「簡単には負けないわ!」ガキィン!




エグイサルレッド「2人なら何とかなりそうだ!」

百田「こんなでけーのに動き機敏なのはヤバいだろ…」

星「人手が欲しいところだな」


 エグイサルの動きに苦戦する、百田と星…。


王馬「頑張れー、百田ちゃん、星ちゃん!」


 それを眺めている王馬。


百田「あっ、王馬!テメーも手伝え!」

王馬「オレはハンマー持ってないから。多分もうすぐ人手が来るよ」

キーボ「いましたよ、エグイサルが!!」

春川「あれを叩けばいいの?」

最原「多分そうだね」


 ハンマーを持った3人が、エグイサルの元へたどり着いた!


キーボ「王馬クンいるじゃないですか!さっき、どうしていなくなったんですか!?」

王馬「ハンマー3つだってメールに書いてあったから、キー坊たち3人に任せたんだよ」

百田「ハルマキ、女子用のレバーは別のところにあるらしい。体育館に女子が向かったから、
  そっちと合流した方がいいぜ」

春川「そうなの?わかった」

王馬「春川ちゃん、百田ちゃんと共同作業やれなくて残念だったね!」

春川「……」ギロッ

キーボ「春川さん、今のはカメラに映しちゃダメな顔でしたよ!?」

王馬「おおう、怖い怖い」

エグイサルレッド「うわぁ、人が増えた!」

星「4人いれば倒せそうだ」

百田「おーし、4人でこいつを止めるぞ!!」




ハンターB「……」


ハンターC「……」


 1か所に集まると、ハンターに見つかるリスクが高まる。




最原「ハンマー重いっ」ガキン

百田「いい振りだ、終一!!」ガキィン!

エグイサルレッド「わわ、守りが追い付かないよ!」

星「キーボ、頭を狙え」ガキィン!

キーボ「わかりました。ふんっ!」ブンッ

エグイサルレッド「おっと!」スカッ


 キーボ渾身の一振りは、空を切る…。


王馬「何やってんだ、どんくさいロボットだなぁ!!」

エグイサルレッド「え?」

最原「いや、キミじゃないよ」

キーボ「文句言うなら手伝ってください!」

王馬「オレは今ハンターを見張ってて忙しいの!」




真宮寺「……」


 苦戦する4人を、離れた位置で見ている、真宮寺…。


真宮寺「(残り60分に)間に合うのかな」




王馬「…あれっ、真宮寺ちゃんが向こうにいるじゃん」
  「プールの施設前で何やってんのー、真宮寺ちゃーん!!その怪しい恰好でそこ立ってたら、
  覗きに疑われるよー!!」




真宮寺「…神経を抜き取るヨ?」




王馬「なんか言ってるのはわかるけど、声小さくて聞きとれないや!!」

キーボ「いえ、王馬クン。今はプールの施設へは入れないので、真宮寺クンが覗きに疑われる
   ことはありません」

王馬「うるさいなぁ、お前にハンマー当てて動き止めてやろうか!!」

百田「うるさいのはテメーだ!でけー声出すな、ハンター来るだろ!」

ハンターD「……」


 ハンターが、来ている…。


星「百田もうるせーと思うが」

最原「あはは…」

ハンターD「…!」ダッ


 見つかったのは…。






真宮寺「…!」ダッ


 真宮寺是清…。


最原「ハンターだ!」ダッ

星「!」ダッ

百田「マジで来やがった!」ダッ

キーボ「ええっ!?」ダッ

王馬「おっと」ダッ


 散り散りになる、逃走者たち…。


ハンターD「……」タッタッタ…

真宮寺「……」タッタッタ


 真宮寺は校舎内へ逃げる。


最原「ハンマーが重すぎる…。持ったままじゃ全然走れない」

百田「王馬!次、大声出したら許さねーからな!」

王馬「わかったわかった」


 他の5人は、隠れてやり過ごしたが…。


ハンターD「……」タッタッタ…

真宮寺「……」タッタッタ


 真宮寺は、ハンターを振り切れない…!




 LOCK ON 【KOREKIYO SHINGUJI】
 ピ―――――――――――――――



 ポン!

 62:31 真宮寺是清 確保
       残り9人



真宮寺「ハア…。駄目だったヨ」


 ハンターを振り切るのは、容易ではない…。




 プルルルル、プル


夜長「ありゃりゃ、ペアの是清が捕まっちゃったね。きっと、神さまへの信仰心が足りなかったせいだよ」




春川「いた」

東条「春川さんが来たわ。ハンマー持っているみたい」

茶柱「助かります…!意外と早いんですよ、この巨大ロボ!」


 春川が、体育館に到着。


エグイサルピンク「わわ、動けそうな人来ちゃった!」

春川「さっさと終わらせよう」




百田「おらっ、いい加減止まれ!!」ブンッ

エグイサルレッド「また来たぁ!」ガキィン


 百田たちも、再びエグイサルに挑む!


最原「くっ…!」ブンッ

エグイサルレッド「わわ!」ガキン

キーボ「当たれっ!」ブンッ

エグイサルレッド「わっと!」カキン

王馬「キーボの音、軽っ!貧弱かよ!」

キーボ「王馬クン、ボクにだけ当たり強くありませんか!?」

星「…今だ」バッ


 エグイサルの懐に入る星…!


エグイサルレッド「あっ」

星「食らいな」


 ガキィン!


エグイサルレッド『ブウウン…』

百田「おっ…、止まった!ナイス、星!」


 星のハンマーが、エグイサルの頭を捉えた…!




 カシャン


最原「えっ!?」


 エグイサルの中から出てきたのは…。


モノタロウ「わーん、いじめられたよー!お父ちゃーん!!」ダッ


 モノクマーズだ…。


最原「そうか、あれが運転してたのか…」

男子用アラーム解除レバー「……」

星「レバー下ろすぞ」


 ガシャン


星「よし」


 ミッションクリア




 男子はミッションをクリアした。しかし、女子は未だレバーを下ろしていない。
 残り60分まで、あと1分30秒。間に合うか…!?



残る逃走者 赤ペア(百田解斗・春川魔姫)、黄ペア(夜長アンジー)、
      緑ペア(最原終一)、青ペア(星竜馬・東条斬美)、
      桃ペア(キーボ)、ペアなし(王馬小吉・茶柱転子)


ミッション2④ ( No.14 )
日時: 2021/01/03 22:46
名前: TDR (ID: pTKbdp.H)



 [  61:15  ]
 [ 232,500円]




 アラーム起動まで、残りおよそ1分。男子はミッションをクリアしたが、女子は未だクリアしていない。


春川「意外とすばしっこいね」ブンッ

エグイサルピンク「きゃー!」ガキィン!

茶柱「囲んで畳みかけましょう、春川さん!」

東条「時間がないわ…。星くんたちの方は大丈夫かしら」


 アラーム起動まで、残り1分




星「俺は今から体育館に向かう」

キーボ「えっ、危険ですよ!?もうすぐアラーム鳴りそうなんですから!」

星「このハンマーを届けると、東条と約束したからな」

百田「漢らしいじゃねーか、星!見直したぜ!」
  「オレも(体育館へ)行く!ハルマキ達を助けねーとな!」

最原「ごめん、僕は体力が…」

百田「気にすんな!終一は(ペアの)赤松のためにも、休んで体力戻せ!」

星「早く行くぞ」タッ

百田「おう!」タッ

キーボ「無茶ですってば…」

王馬「今のうちに安全な場所に逃げようっと」タッ

最原「…あと40秒…」


 もう、時間がない…!




東条「残り60分を過ぎても、レバーは下ろせるの?」

スタッフ「下ろせます」

東条「それならまだいいのだけれど…」




星「体育館までの道は、一本道か…」タッタッタ
 「…百田、頼みがある」

百田「なんだ?」タッタッタ

星「俺の分のハンマー、代わりに持っていってくれねーか」

百田「はぁ?どうしたんだよ急に!」

星「体育館は袋小路だ、ハンターが来たらミッションどころじゃなくなる」
 「だから俺が、体育館に来るハンターを引き付ける。あんたはハンマーを東条に渡してくれ」

百田「何言って―――」

星「捕まる気はねぇ。ちゃんと振り切るさ」
 「頼まれてくれ、百田」

百田「…本当に漢だな、星」
  「この百田解斗、頼まれたぜ!」


 星は、アラームを聞きつけたハンターを引き付けるため、一本道の入り口に留まった。




エグイサルピンク「2人相手なら、なんとかなりそうね!」

茶柱「せめてあと1人分、ハンマーがあれば…」

東条「…!」


 体育館の出入り口に…。


百田「おーい!来たぜ!!宇宙に轟く百田解斗がな!!」


 百田だ…!


百田「東条、星のハンマーだ!」

東条「待って、星くんは…?」

百田「ああ、星は今、ハンターを引き付け―――」






 [  60:00  ]
 [ 240,000円]




 ビーッ


4人「「「「!!」」」」

春川「これは…」ビーッ

茶柱「アラーム起動してます!!」ビーッ


 アラーム、起動…。




夜長「わー、鳴ってるー!」ビーッ




ハンターB「……」

ハンターD「……」


 アラームの音に近くのハンターが反応すれば、逃げ切るのはほぼ不可能だ…!




東条「まだよ!まだ終わってない!!」ビーッ
  「アラームが鳴っても、ミッションは終わらない!今からでも、レバーは下ろせるわ!!」ビーッ

茶柱「そ、そうなんですね!わかりました!」ビーッ

百田「オレも手伝うぞ!!」

春川「百田は後ろの方から(エグイサル)囲んで」ビーッ




 ビーッ… ビーッ…


星「音が反響して、ここまで聞こえる。これはハンターが気づくだろうな…」




ハンターD「…!」ダッ


 アラームの音を聞きつけたハンターが、直ちに確保へと向かう…!




夜長「主は言いました。ここに留まっていればなんとかなるさと」ビーッ




ハンターD「……」タッタッタ…


 見つかったのは…。






星「…来た」ダッ


 体育館付近に陣取る、星だ…。


ハンターD「……」タッタッタ…

星「……」タッタッタ


 入り組んだ通路を利用し、ハンターとの距離を保つ。


ハンターD「……」タッタッタ…

星「……」タッタッタ


 快速を保ったまま、食堂へ…。


ハンターD「…?」


 ハンターを、振り切った…!


星「…ここまで引き付けたら、アラームはギリギリ聞こえねぇだろう」


 「超高校級のテニス選手」の才能は、伊達じゃない…。




エグイサルピンク「4人がかりなんてひどいわ!」

茶柱「悪く思わないでください!命がかかっているので!!」ガキィン!

春川「大げさ…とまでは言えないね」ガキィン!

百田「東条、ラスト頼むぜ!」ガキィン

東条「ええ」タッ
  「これで終わりよ」ブンッ




 ガキィン!


エグイサルピンク『ブウウン…』

百田「止まった!レバー下ろすぞ!」

女子用アラーム解除レバー「……」

東条「これを下ろしたら…」ビーッ


 ガシャン

 ミッションクリア


東条「アラームは…」
  「…止まったみたいね」

茶柱「やった!!やりましたね、皆さん!!」

百田「よっしゃ!お疲れ、ハルマキ!」(ハイタッチ)

春川「…うん」パンッ




 プルルルル、プル


最原「『ミッション結果|星竜馬と東条斬美の活躍により、逃走者のアラームはすべて解除された』
  …良かった」




夜長「アラーム止まったね。神さまのおかげだよー」


 他の逃走者のおかげだ…。




エグイサルピンク「……」


 カシャン


モノファニー「そうやって大勢で暴力振るうのね!戦隊ものみたいに!戦隊ものみたいにー!!」ダッ

茶柱「戦隊ものを悪く言うのはやめましょうよ」

百田「あいつら(モノクマーズ)のカラーリングの方が、戦隊ものっぽくねーか?」

春川「さあ…」

東条「百田くん、ハンマー助かったわ。ありがとう」

百田「礼なら星に言ってやってくれ。あいつはハンター引き付ける役を買って出てくれたんだからな」

東条「そうだったの…。後で合流したらお礼言うことにするわ」




  牢獄(寄宿舎内)


天海「青ペアの2人、すごいっすね」

獄原「2人ともミッションのメールに名前載ってる…」

白銀「いいなぁ、私も活躍したかったなぁ。そしてもっとちゃんと逃げたかった」

夢野「まだ言っておるのか。そろそろ立ち直らんか」

白銀「いやぁ、あの捕まり方はやっぱりクるものがあるよ」
  「もっとさ、全力で走って『きゃあああ』とか叫んで捕まりたかったの。捕まるならね。
  なのにあんな…」

赤松「まぁ、白銀さんの気持ちはわかるよ。私ももっと逃げたかったし」

夢野「後悔するのもめんどいから、ウチはそういうことはもう考えとらん」

入間「オレ様は賞金もらえりゃどうでもいい。キーボ、任せた」

真宮寺「ククク、2人は達観しているようだネ…」




最原「今ハンター来てほしくないな」


 隠れて体力を回復している最原。


ハンターB「……」

最原「…うわ」サッ


 近くに、ハンター…。

ハンターB「……」スタスタ

最原「気を抜いていられない…」




キーボ「残り57分。賞金は、25万8000円を超えました」
   「つまり、今自首をすれば、約26万円獲得できるわけですね」


 エリア二か所にある自首用電話から自首を宣告すれば、その時点までの賞金を獲得できる。
 ただし、ペアが残っている赤ペア(百田・春川)と青ペア(星・東条)は、今片方が自首した場合、
 もう片方も自首となり、ゲームからリタイアとなる。




東条「メールに名前も載っているし、星くんはニセ逃走者ではなさそうね」
  「…星くん」

星「東条か」


 ミッションで活躍した、青ペアの2人が合流。


東条「百田くんから聞いたわ。ハンター引き付けてくれようとしたこと、ありがとう」

星「礼はいらねーよ。ペア組んだやつのために動くのは当然だろう」

東条「…あなたを信じてペアを組んで、本当に良かった」

星「よせ、そんなこと言われても何も出ねぇぞ」

東条「信じられるあなたに、話したいことがあるの」

星「なんだ?」

東条「ニセ逃走者についてよ」

星「…ニセ逃走者?」


 次回、ニセ逃走者を巡る新たな動き…。





残る逃走者 赤ペア(百田解斗・春川魔姫)、黄ペア(夜長アンジー)、
      緑ペア(最原終一)、青ペア(星竜馬・東条斬美)、
      桃ペア(キーボ)、ペアなし(王馬小吉・茶柱転子)



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