二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり【連載休止】
日時: 2021/03/11 22:44
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 9j9UhkjA)
参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1696

どうもです、灯焔です。
マイペースに8回目の開催を迎えた逃走中#CR08。……なのだが、舞台である『トリコロシティ』が唐突に黒い霞に覆われて、別の街へと変貌してしまった!そして、運営本部から消えた少年の影。過去も未来も今も滅ぼそうとする『邪神』と化した男にとの決着が遂に――?
今回の舞台は、トリコロシティの過去の姿である『音無町』。ピンと来た方は鋭い。過去のシリーズで舞台にしていた場所です。そんな場所で、逃走者とハンターとの8回目の新たな逃走劇が今、幕を開ける――!


※注意※
 ・登場するキャラクターは全て履修済みの作品からの出典です。かつ基本的な性格、口調等は原作準拠を心掛けております。が、表記上分かり易くする為キャラ崩壊にならない程度の改変を入れております。
 ・原作の設定が薄いキャラクター等、一部の登場人物に関しては自作設定を盛り込んでおります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
 ・今回は『pop'n music』シリーズの楽曲ネタをモチーフにしたエリアとなります。楽曲を知っていただくと、よりお楽しみいただけるかと思います。
 ・誤字、脱字、展開の強引さ等ございますが、温かい目でお見守りの方をよろしくお願いいたします。



<ルール>
【逃走エリア】
『音無町』 出展:オリジナル(ベース:pop’n musicシリーズ)
何者かによって変えられてしまったかつての『トリコロシティ』。しかし、その面影はない。
混ぜられたMZDが人間だった頃、そして莉愛が生きていた頃に住んでいた街らしいが、どうして今の時代に……?
エリア詳細 >>1




逃走時間:90分

賞金:54万(1秒100円)

ハンター:初期4体

自首方法:『交番』にある自首用電話で自首する旨を電話する。


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
鹿ノ子
モイモイ
ダイ

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
チキ
ノノ
ミルラ

【ぷよぷよシリーズ】より (3人) 詳細>>4
シェゾ・ウィグィィ
シグ
ささきまぐろ

【BEMANIシリーズ】より (3人) 詳細>>5
レイシス
スミス氏
パステルくん

【白猫プロジェクト】より (3人) 詳細>>6
クライヴ・ローウェル
ヴィクトール・フォントネル
ブライ・マグワイア

【作者枠】 (3人) 詳細>>7
Ga.c=evo.
寺時
ウィオ

【逃走中#07 MVP】 (2人) 詳細>>8
アルフォンス
ウーノ

計20名



逃走中#CR09 シード枠争奪予想アンケート実施中!
※締め切りました


※重要なお知らせ※ どなた様もご一読願います。
>>44


◎AfterBreakTime

 ①『過去を、未来を、今を守れ!』 >>9
 ②『音に集いし仲間達』 >>23
 ③『もう1つの『可能性の世界』』 >>33


以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.30 )
日時: 2021/02/04 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

【84:02】





~南地区~





チキ「ウィオさん、こっちこっち!」

ウィオ「焦ってハンターに見つかると元も子もないぞ」



ノノ「広いところまで一直線だー!」





ドローン(緑)『…………』



 チキとウィオ、そしてノノの付近にドローンが。危機が近づいているにも関わらず、3人はドローンに気付かず装置を探し続けています。このままでは誰かしら見つかってしまいそうですが……。


























ドローン(緑)『…………』













TARGET ON 《NONO》





 ドローン、遂に1人にで行動していたノノを捕捉!ノノの位置情報がハンターに知られ、彼女を確保に向かいます!










ハンターJA「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!








ROCK ON 【NONO】





 一方、通報されたノノはというと……。
















ノノ「もうちょっとでおっきい道路に入れるね!このまま突っ切るぞー!」



 通報されてハンターが近づいていることなど知らず、呑気に装置を探すノノ。チキやミルラも同じですが、彼女達は竜になると強くなりますが、少女のままだと年相応の身体能力しか出せません。つまり、竜に変身できない今回の大会ではハンターに見つかれば圧倒的に不利。
 早いところハンターに気付けるといいのですが……。彼女が大きい道路に差し掛かったところで―――。





























ハンターJA「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!





ノノ「わ、わわわーっ?!」



 ノノ、追いかけてきていたハンターと遭遇!慌てて逃げ出しますが、既にハンターはドローンの通報によりノノを捉えています。どうにかしてハンターの視界から逃れなければ、確保は免れません!
 しかしノノの今の身体能力は少女そのもの。全力で追いかけてくるハンターに為す術もなく……。









ポンッ








【83:26】
ノノ 確保 残り18名





ノノ「クロムにかっこわるいところ見せちゃったな~…。ざんねん…」



 逃げる暇もなく捕まってしまいました。ハンター、竜族でも容赦なし。












ピリリ ピリリ












チキ「通知が来たよ!えっとねー…『ノノ ドローンの通報によって確保 残り18名』 ノノちゃんが捕まっちゃった!」

ウィオ「うわー…。ドローンの確保者がもう出たか。気を付けて行動しないとすぐに餌食になっちゃうな」

まぐろ「これが通報の怖いところだよね…。でも、放置は出来ないしタイミングを見て行動しないとね☆」



 通報による確保通知が早くも届いたことにより、不安を隠せない一同。しかし、レバーを上げなければドローンはいつまでも停止しません。まぐろのいう通り、タイミングが大事ですね。













【83:13】





~東地区 オフィス街~





鹿ノ子「ここ、高い建物だらけでどこに何があるのかよく分からないじゃない!」



 いきなり不機嫌な発言から始まった鹿ノ子。積極的にミッションに参加することを決めましたが、何も目立つ場所がないと不満気の様子。OEDO星じゃないんですから。
 確かに、実際のオフィス街でも似たようなビルが沢山立ち並んでて、中々に目的地を見つけられないことってありますよね。スマホのマップに感謝する毎日です。



鹿ノ子「あーあ!どこかに分かりやすい目印でもないのかしら!」



 いくら運動神経が良くても、装置を見つけなければ話になりません。鹿ノ子のイライラゲージもアップ。そんな彼女の背後から話しかける影が……。














シェゾ「おい。不貞腐れて何やってるんだよ」

鹿ノ子「きゃっ?!ちょっと、撫子に話しかけるならワンクッションかけてからにしてよね!」

シェゾ「ちゃんとワンクッションしただろ!気付かなかったのはお前だよ!」

鹿ノ子「あら?アンタ確か……。あぁ、『ヘンタイ』さんね!」

シェゾ「誰が『ヘンタイ』だ!!俺は闇の魔導師『シェゾ・ウィグィィ』様だ。ちゃんと名前で言えじゃじゃ馬娘!!」

鹿ノ子「あの鉄砲隊と同じようなこと言ってんじゃないわよ!それで?アタシに何の用なわけ?」



 話しかけてきたのはシェゾ。驚いた鹿ノ子は思わず『失礼だ』と反応。それにカチンときたのか同レベルの小競り合いが始まります。あのー。そんなことやってる暇じゃないと思うんですけど。
 鹿ノ子が話を本題に戻すと、シェゾはミッションのことについて話しました。



鹿ノ子「そう。そうなのよ!ここら辺同じような景色ばっかりで、どこに装置があるか分かったもんじゃないわ!」

シェゾ「落ち着け。こういう時は『目星がつく場所』を重点的に探しゃいいだけの話だろ。マップに目星になりそうな建物は丁寧に名前が書かれてるんだからな」

鹿ノ子「確かにそう言われればそうね。……てか、アンタ意外と頭が回ったのね!意外だわ」

シェゾ「誰が『意外だ』!!ゲーム開始時から誰彼構わず俺のことをコケにしやがって……!!こうなったら必ず逃げ切ってアルルより強いということを知らしめてやる!」

鹿ノ子「あっ。この近くに『BEMANI株式会社』ってのがあるわね。聞いたことのない建物だけど、『BEMANI』ってついてるのだからポップンに関係ありそうだわ!よーし、行ってみるわよヘンタイさん!」

シェゾ「だ・か・らぁ!!!俺は『ヘンタイ』じゃないっ!!!」



 この近くに知ってる単語がある為、そこに行こうと提言をした鹿ノ子。相も変わらず『ヘンタイ』の言葉に過剰反応するシェゾですが、果たしてそこに装置はあるのでしょうか…?
 鬼畜な内容にしては時間的な猶予が残されていないのですが、果たしてこの行動は吉と出るのでしょうか……。









~東地区 BEMANI株式会社~





鹿ノ子「……ん?入口付近に青いレバーっぽい装置があるわ」

シェゾ「レバー…。ということは、ミッションに使うものなんだろ。早く接近して確認するぞ」



 ビンゴ!思惑が当たったようで、入口の透明なガラス戸の向こうに青い装置があるのを見つけました!ミッションを進める為、装置の元へと素早く移動する2人。
 確かに装置には青色のレバーがついていました。これを上げれば青色のドローンが停止するのですが…。それを阻止するように、透明なケースが覆いかぶさっています。『条件を満たした逃走者』でないとロックを解除できないとはこういうことだったんですね。
 早くケースをどかそうと鹿ノ子が力いっぱい外そうと力を込めますが……。びくともしません。



鹿の子「どういうこと?アタシじゃ無理みたい。シェゾ、やってみなさいよ」

シェゾ「言われなくてもそのつもりだ!……ぐぬぬぬぬぬ、何だこれ……!!」



 鹿ノ子に言われシェゾもケースを外そうと力を込めますがびくともしません。2人は『条件を満たしていない』為外せないものと思われますが…。シェゾはレバーの上に絵のようなものが描かれていることに気付きました。



シェゾ「……ん?絵のようなものがある。もしかしてあれが『条件』か?」

鹿ノ子「青い丸と水色の丸、それと雫と氷のマークがあるわ。―――どういうことかしら?」

シェゾ「青と水色は『丸』の共通点があるんだから、雫と氷も同じような共通点がある筈だ。……あっ。もしかして」




 シェゾ、何か法則に気付いた様子!しかし、そんな2人の後ろに近付く影が……!
 2人は気付いていません。その正体はハンターか、ドローンか、逃走者か。果たして―――?!

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.31 )
日時: 2021/02/05 23:31
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

【81:59】





~東地区 BEMANI株式会社~





シェゾ「もしこれが『あれ』を指しているなら、誰か他の逃走者を探して手伝ってもらわないとな…」

鹿ノ子「一人だけで勝手に納得してないでよ!アタシにも説明して!」



 2人の背後に人影が―――!その正体は……。













































ヴィクトール「……お前達。装置の前で何をやっているんだ?」

シェゾ「うおおおおおっ?!」

鹿ノ子「もうっ!男子ってどいつもこいつもなんで急に背後から話しかけてくるのかしら!びっくりしたじゃない!」

ヴィクトール「すまん。話し込んでいたから断る暇がなかった」



 背後から近づいていたのはヴィクトール!彼もこの近くで装置を探していました。そして、装置の前で何かしている2人に気付き近付いたそうなのです。ハンターではなくて良かったですね。
 シェゾ、ヴィクトールの顔を見て驚いたもののすぐに我に返り、彼に質問をぶつけました。



シェゾ「確かヴィクトール、だったか。お前、このケース開けてくれないか?」

ヴィクトール「開けられなかったのか?」

鹿ノ子「通達にあった『条件』ってのにアタシ達は当てはまらなかったみたいでねー。シェゾが法則に気付いたっぽいんだけど、教えてくれないのよ」

シェゾ「説明する暇がなかったからだ!そんなに言うなら説明してやる」



 鹿ノ子があまりにもしつこく聞いてくるので遂に折れたシェゾ。彼は装置の前に立ち、レバーの上部にある絵を指さしながら説明を始めました。



シェゾ「俺が推測しているのはこうだ。青い丸と水色の丸は『ココロネ』を、雫と氷のマークは『属性』を指しているんだと思っている。つまり、この絵を解読すると、この装置のケースを開けられるのは『ココロネの色が青か水色、もしくは水か氷属性の逃走者』ということになる」

鹿ノ子「成程!それならシェゾもアタシも開けられないのも分かるわ。で、ヴィクトールって確か…」

ヴィクトール「ゲーム前の検査ではココロネの色とやらは『水色』で属性は『氷』と言われた」

シェゾ「開けられるじゃないか」

ヴィクトール「開ければいいんだな」



 そう。シェゾの言う通り、色のついた丸は『ココロネの色』を、マークは『属性』を表しています。つまり、各装置にある絵に描かれている逃走者しかこのケースは開けることが出来ません。シェゾも鹿ノ子もこの装置に関してはケースを開けることが出来なかったわけですね。
 そこにヴィクトールがタイミングよく合流。彼はどちらの条件も満たしているので、ケースを開けられます。説明を受けた彼は有無を言わさず黙って装置の前へ。そして、透明なケースに手をかけると……。先程の2人がどんなに力を込めても開けられなかったことが嘘のように簡単に外れてしまったのでした。



鹿ノ子「え、こんなに簡単に外れるものなの?!」

ヴィクトール「力を入れる必要もなかった。これでいいんだな?」

シェゾ「いや帰ろうとするな。まだレバーを上げてないだろ。これを上げないとドローンはいつまで経っても止まらないんだぞ」

鹿ノ子「それならさっさとやらないとね!えいっ!」



 ケースをヴィクトールが装置の傍に置いている間に、鹿ノ子がレバーに手を掛けます。レバー自体は上げる条件は特に必要ないですね。勢いよくそのままぐいっと上げました。すると……?

































~東地区~





ドローン(青)『――停止コマンドを確認しました ドローンを停止します――』



 青いドローンは音無町から消滅した……。





【81:37】
鹿ノ子 シェゾ・ウィグィィ ヴィクトール・フォントネル
ドローン(青) 停止

ミッション①クリアまで 残り2体





~東地区 BEMANI株式会社~





鹿ノ子「よしっ!これでドローンは1つ停止したってことなのよね!」

ヴィクトール「だが、ドローンが消えてもハンターが消えたわけじゃない。油断をしたらすぐに隙を突かれる」

シェゾ「フン。言われなくても分かっている。油断したらそれこそアルルの格好のからかいの的だからな!」

鹿ノ子「アルルにからかわれないようにするのが目的なの?」



 まずは1つ目!青いドローンを停止することが出来ました。残りは2つですが、油断せずに参りましょう。












ピリリ ピリリ












ブライ「通知かな?『鹿ノ子 シェゾ・ウィグィィ ヴィクトール・フォントネルの活躍により、青いドローンが停止した。残りのドローンはあと2機だ。』 おお、早速やってくれたんだね!」

アルフォンス「少しペースが遅めだけど、ドローンがエリア中を飛んでいるんだし仕方のないことだよね。そろそろ僕も装置を探しに行かなくちゃ」

Ga.「最悪ゲーム終了まで残る厄介な置き土産があるからなー。装置見つけたら早めに条件確認しないと。3人ってことは、誰かと合流しないといけない可能性もありそうだし」



 ドローン停止の通知を受け、他の逃走者も動き出す!果たして制限時間までに全てのドローンを停止させることはできるのか……?!









【81:09】





~南地区 公園~





ウィオ「さっきドローンが近くを飛んでたなぁ」

チキ「あれに見つかっちゃうと、チキ達のいる場所ハンターに知られちゃうんでしょ?」

ウィオ「そうだよ。だから上手く隠れてやり過ごさなきゃ」



 ノノを捉えたドローン、あの後ウィオとチキにも迫っていたようで。運良く2人の方が先にドローンを見つけることが出来た為、死角を使ってやり過ごすことが出来ました。
 もう目的地である公園は目の前!その中の緑の装置をチキが指さします。



チキ「あれが多分『そうち』ってやつだよ!ウィオさん!行こう!ドローンを止めなくちゃ!」

ウィオ「そうだな。ここで止められればかなり有利にミッションクリアできるはずだし」



 公園へ移動する2人。しかし、公園の中に『ヤツ』が紛れ込んでいた……!!



























(^ω^)





ウィオ「……ん?」

チキ「どうしたの?ウィオさん?」










(^ω^)<ムシスンジャネーヨ!! フイウチバリカンヲクラエー!!






























ウィオ「……ぎゃああぁぁぁぁ?!?!!?!」




 ウィオの運命はどうなる―――?!

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.32 )
日時: 2021/02/06 22:35
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

【80:37】





~南地区 公園~





(^ω^)<バリカンジャアアアアア!



ウィオ「あーーーーーーっ!!!!!」



 キッチー界の申し子に襲われるウィオ!彼の運命は――――――











































チキ「いじめちゃだめーーーっ!!!」

(^ω^)<イタイ!イタイカラヒッパラナイデー!

ウィオ「……あれ?俺の髪は無事だ。どういうことだ…?」



 刈られると思っていたウィオ、自分の髪の毛が無事なことに驚きます。襲い掛かった筈の申し子は……。何故か目の前でチキに縦に横に引っ張られていましたとさ。至るところが伸びています。痛そう。
 しばらく伸ばしたり縮めたりを続けていたチキは、キッチーが『もう勘弁してくれ』という言葉と共に彼女は手を話しました。



チキ「さくしゃさんをいじめるならチキ、許さないよ!がおー!」

(^ω^)<ダカラッテソンナニヒッパラナクテモイイジャナイカ…イテテ…

ウィオ「所かまわず襲い掛かるからじゃないのか?」

(^ω^)<キッチーハウエテルンダヨ!ケッキョクマエダッテ ジークンガトウソウセイコウシタオカゲデカレナカッタシサ!

ウィオ「その鬱憤を俺で晴らそうとしてたのか…?」

チキ「ものたりないからって他の人をいじめちゃだめなんだよ!」

ウィオ「いや、いじめてるわけじゃないんだチキ。こいつはそういう習性なだけで…」

チキ「そうなの?チキ、引っ張らない方がよかった?」

ウィオ「いやいやそれとこれとは話が別。チキが引っ張ってくれなかったら確実に刈られてたし」

(^ω^)<ダケドナァ。キッチーコンカイオマエカリニキタンダヨ

ウィオ「寺時さんは女性だし、Ga.さんは一度狙われてるから対象外なんだ…。ってことは確実にターゲット俺じゃん……」

(^ω^)<ソウイウコトダヨ!リカイデキタ?

ウィオ「理解したくない」



 キッチー、これまで狙ってきた作者で刈れたのは4回目の時だけ。様子を見に来ただけの2回目はともかく3回目、6回目共に失敗しております。飢えてるのも仕方ない。今回はターゲットをウィオに設定した模様。いつまで続くんでしょうねこれ。



(^ω^)<トイウコトデ オマエラゼンインツカマッタラ ウィオサンヲカルカラネ!

ウィオ「やばいやつだ」

チキ「なにを刈るのかは分からないけど……。チキが逃げ切れば、ウィオさんはかられなくても大丈夫なんだよね?」

ウィオ「そうだな。3回目の時、konakun.さんは捕まったけどアルルが逃げ切ったから彼は刈られなかったみたいだし。どっちも捕まればアウトだ」

チキ「それならチキ、ぜったいに逃げ切る!マルスのおにいちゃんみたいにかっこよくかつやくしてウィオさんを守るぞー!えい、えい、おー!」

(^ω^)<コンカイハサクシャトヨウジョダシ ナンカカレソウナキガスルゾ! セイゼイガンバッテネ!

ウィオ「チキは普通の人間じゃないし、甘く見たら痛い目見るからな」



 ウィオとチキ、双方が確保されてしまえば今回はウィオの断髪式が強制決行。刈られます。2回失敗しているので今回は成功させようとキッチーも本気の様子。ハンターだけではなく逃げなければならない理由がもう一つ増えてしまいましたね。
 ……そういえば、そんなことをしていて大丈夫なんですか?ミッション①を遂行する為に公園に来たのでは。



チキ「あっ、ミッション!ウィオさん、時間が無くなっちゃう!」

ウィオ「こいつに構ってる暇なんてなかったんだった!装置の場所に向かおう!」

(^ω^)<ガンバッテネ!

ウィオ「お前のせいだよ!!」



 そんなやり取りを続けつつ、2人は緑色の装置に到着。先程東地区で鹿ノ子とシェゾが発見した青い装置と同じように、レバーが透明なケースに覆われています。その上に『条件』が描かれていることも一緒。
 チキはその絵を見て首を傾げましたが、ウィオは少し考えた後チキにこんなことを言いました。



ウィオ「……俺の考えが合っているかどうかは分からないけど、このケースチキなら外せると思う」

チキ「チキ、わかんない!どうしてチキが外せるの?」

ウィオ「レバーの上に、色付きの丸とトルネードっぽいマークが描かれてるだろ?あれが『ケースを開けることが出来る逃走者』を意味しているんだと思う。予想だけど…。この装置のケースを外せるのは『緑か黄緑のココロネを持つ、もしくは『風』属性の逃走者』なんだと思うな」

チキ「あっ、そっか!チキ、大会が始まる前に『黄緑』がココロネだって言われたよ!だからケースを外せるってウィオさんは思ったんだね!」

ウィオ「そう。俺じゃ多分外せないから、申し訳ないけどチキ外してくれるか?」

チキ「うん!任せて!」



 お見事。素早く絵の意味についてチキに説明。ウィオはココロネの色が『青』で属性は『氷』。チキはココロネの色が『黄緑』で『土』属性なので、この装置のケースはチキが外すことが出来るわけですね。
 ウィオの説明を受けたチキは、頼られたと嬉しそうにケースに手を掛け、思いっきりケースを上げたのでした。大きさとは裏腹に、軽く外せてしまいます。その間にウィオはレバーに手をかけました。



チキ「外れたよ!」

ウィオ「よし、これでレバーが動かせるな。ドローンは早めにいなくなってもらった方がこっちにとって有利なんでな。クリアするぞ!」

チキ「やっちゃえー!」



 そのままウィオはレバーを上に上げました!

































~南地区~





ドローン(緑)『――停止コマンドを確認しました ドローンを停止します――』



 緑色のドローンは音無町から消滅した……。





【79:55】
チキ ウィオ
ドローン(緑) 停止

ミッション①クリアまで 残り1体





~南地区 公園~





ウィオ「これでドローンが1機消滅したはずだな」

チキ「あと1つだね!探さなきゃ!」

ウィオ「けどなー…。残り5分今切ったから、町中探しても間に合うかどうか…。ここは他の人にかけてみてもいいかもしれない」



 キッチーの妨害を受けましたが何とか2つ目のドローンを消滅させることが出来ました。ミッション①クリアまで残り1つ!












ピリリ ピリリ












寺時「通知ね。『チキ ウィオの活躍により、緑色のドローンが停止した。残りのドローンはあと1機だ。』 ウィオさん凄いです。この調子なら余裕でミッションがクリア出来るかもしれないわね」

クライヴ「残りは1つか…。街全体の中に装置が3つ。この街自体が相当広いし残りは5分を切った。場所を絞って探さないと間に合わない気がする…。いや、それにそもそも残りの装置を俺が解除できるのかも分からないしな…」

ダイ「そろそろ動かなつまらん時間帯になってきた。急いで探しゃな全部が水ん泡になってしまうと……!」




 残り1つですが、ミッション①の終了時間も5分を切っています!広い街の中に飛び回るドローンの監視を掻い潜り、無事に装置を探し出せるのでしょうか…?

ABT③『もう1つの『可能性の世界』』 ( No.33 )
日時: 2021/02/06 22:43
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

ミミニャミから送られてきた写真を解析し、少しずつ情報を得ていく運営本部。
そんな中、ヴィルヘルムから衝撃の事実を聞いたサクヤ達は……?

------------------------



~運営本部 メインサーバ~



サクヤ「ふむふむ。星の数ほどの『音無町』の時代の記憶が、ごちゃ混ぜになって1つの街を形成しているようですね」

大典太「……形としては何とか維持しているが、歪なのはそれが理由だったのか。このまま街が成り代わってしまったらこの街だけの問題じゃなくなりそうだな」

ルーファス「一応、逃走者のみんなが走るルートはしっかりと大地が残ってる。実際に建物の中に入っている逃走者もいるから、建物自体も実体を得ているみたいだね。みんながみんな幻という訳じゃなさそうだよ」

前田「それならば少し安心できますね。逃走者の皆さんに危害が及ぶ可能性は減ったも同然なのですから」



 運営本部では、ミミニャミから送信されてきた写真から音無町の全貌が少しずつ見えてきました。時代背景がごちゃごちゃになっている建物が並んでいることから、サクヤはすぐ『様々な時代の音無町を無理やり繋ぎ合わせている』ことに気付きます。
 逃走者の踏みしめている大地、そして一部の逃走者が立ち寄った建物。入ることが出来ている為、建物自体はしっかりと存在するみたいですね。彼女は一旦写真の送信を取りやめるようミミニャミに連絡を入れます。



サクヤ「ミミさん、ニャミさん、聞こえていますか?サクヤです」

ジャック『青龍か。まだ写真が必要なのか?』

アクラル「おい。ミミニャミは?いつもならあいつらがいの一番に返事するのに。なんかあったか?」

ヴィル『ああ、あった。それもかなり厄介そうな案件だ』

ニア「あら、どういうことですか…?」



 ミミニャミ、どうやらあの後意気消沈して何も考えられなくなってしまったようで。今は公園で少し休憩を入れているようです。サクヤの通信に珍しくジャックが反応したことにより様子がおかしいことに気付いた一同。どうしたのかと問い合わせると、ヴィルヘルムがばつの悪そうな声で自分達が見たものの説明をしたのでした。



アクラル「『ミミニャミが2人いた』だぁ?!」

ヴィル『あぁ。確かにいた。服装や雰囲気は違ったが。まるであの子を守るように、自分達が盾とならんと彼を視界から塞ぐように歩いてもいたな』

ルキナ「確かに、私が過去に飛んだ時も『その時代』のルキナは別に存在していたのですが…。その類ではないのですか?」

大典太「……かつての俺達のように、『時の狭間』に閉じ込められていた『異界の存在』だったりはしないのか?」

アカギ「いや…ルキナの可能性も光世の可能性も…かなり信頼性には乏しいと思う…。実際に『異界のエクラ』の記憶を吸い取ってしまったエクラがこの世界にいるから…」

大典太「……そうか。どうせ俺なんかの意見は通らないと分かっていたさ…」

サクヤ「確かにお2人が出してくださった可能性に関しては『ない』に等しいものですが、では一体どうしてミミニャミさんがお2人コネクトワールドに点在しているのでしょう」



 そう。『コネクトワールドに同一の存在はいられない』ことは、5回目のエクラの件で分かっています。つまり、コネクトワールドにミミとニャミが2人いるのはおかしいことなのですが…。ヴィルヘルムもジャックも『しっかりとこの目で見た』とはっきりと言いました。今の状況で嘘を言ってられないので、彼らの言うことに信頼性はあるでしょうね。
 どうしたものかと首を傾げていると、ヴィルヘルムはそうだ、と言葉を続けます。



ヴィル『そのことなのだが…。あの場で見かけた印象で済まないのだが…。私達が見かけた、あの子と共にいたミミとニャミ。まるで雰囲気が『亡霊』のように感じた。まるで、この世から既に生を終えているかのように…』

ルキナ「亡霊?……ということは、ヴィルヘルムさんとジャックさんがお見かけしたお2人は幽霊なのですか?」

アクラル「幽霊のミミニャミが偶然この世界に迷い込んで、エムゼと鉢合った、ってか?少し無理やりすぎねーか?」

アシッド「いや。そうでもないと私は思うがね」

サクヤ「アシッドさん。何か心当たりがあるのですか」



 自分の見たミミニャミがまるで『亡霊のようだった』という報告を受け首を傾げる一同。ヴィルヘルム曰く、MZDに付きまとう雰囲気からそう感じたのだとか。しかし、亡霊であってもミミニャミと同一の存在であれば。コネクトワールドにいることはできない筈です。
 ふと、アシッドが何かに気付いたように口を挟みます。サクヤが話を振ると、彼は一つ持論を述べ始めました。



アシッド「彼女達が『亡霊』と見えたのならば、見えたなりの理由があるのだろう。そこを考えていけば、何故彼女達と私達が知っているミミニャミが共存出来ているのかが分かると思うのだが」

アクラル「どういうことだ?」

アシッド「我々が今戦っている相手。サクヤ、彼奴は今どうなっている?」

サクヤ「―――あっ。メフィストが『邪神』になっている可能性が高いんですよね。ならば……彼が人ならざる力を使って引き寄せられる可能性は……」

ニア「あら?社長。しかし……。それはこの世界の神には行えないことでは?この世界での『同一の存在の共存』が出来ないのは例え神だとしても同じこと…。例えメフィストが邪神と化していても、ミミ様ニャミ様がこの世界に存在指定のならば無理な事です、わ」

アシッド「それは『この世界』の常識に捉えて考えているからだよ、ニア。……メフィストを『邪神』にしたと思われる存在。この世界のものではなかったら?」

サクヤ「『異世界』の力をコネクトワールドで用いれば……。確かに、ミミニャミさんを共存させることも出来るかもしれません」

アシッド「彼奴が裏で手を引いているのは間違いない、が…。もしかしたら、ジョーカーが見たミミニャミとヒスイを引き合わせたのも彼奴の可能性もあるな」



 アシッドは『この世界ではなく、異世界の力を用いれば共存させることは出来るのかもしれない』と持論を述べました。確かにこの世界の常識が通用しない世界から力を用いれば、違う世界のミミニャミを同じ世界に共存させられるかもしれません。
 その話を聞き、マルスが何かを思い出したように彼の言葉に続けました。



マルス「アルフォンス王子も言っていたね。世界には『様々な異界』が存在して、可能性の数だけ『違うぼく達がいる』のだと。同じように見えても、少しずつ違う運命を辿ってるんだって」

アカギ「様々な異界…。その中にメフィストを邪神に変えた『アンラ・マンユ』がいた世界もあったということであれば…。『異界のポップン』にいたミミニャミをこの世界に手繰り寄せることも出来るかもしれないな…」

サクヤ「『可能性の世界』ですか。―――少し、調べてみる必要がありそうですね」



 5回目にも出てきた『異界』の話。この世界のアルフォンス達ヴァイス・ブレイヴやエクラは似ている記憶を持っていても、『別々の異界』の住人だったということが分かっています。必ずしも同じ世界の記憶を持ってはいないのだと。
 そこら辺については全く分からずじまい。もしかしたらあのミミニャミも『別の可能性を辿ったポップン世界』のミミニャミなのかもしれません。しかし、まだそれを確定させるに至る情報が足りない。
 『調べる』と彼女が言った途端、彼女が立ち上がるのを阻止するかのように前田が言葉を遮りました。



前田「では、僕達でそれらしき情報を探ってみましょう。大典太さん、主君をよろしくお願いします!」

大典太「……おい。前田」

マルス「探る、となれば書庫が一番いいかな。あの場所には様々な世界の情報が載っている。なら、もしかしたら異界の情報があるものも寄贈されているかもしれないからね!」

アクラル「おーし!それじゃぱぱっと調べて戻ってくっかー!時間がありそうに見えてないからなー!あいつに先手打たれる前に作戦立てるぞオラー!」

ニア「あら…。貴方様の単細胞でどうお考えになるおつもりですの…?」

ルキナ「マルス様のお手を煩わせる必要はございません!情報を探るなら私が全部やりますから!マルス様は優雅にお紅茶でもお飲みになってください!」

マルス「あのねルキナ?今『時間がない』ってアクラルが言ったばっかりなんだよ?みんなで力を合わせないと、何も情報が得られない可能性だってある。ぼくだけが休んでいるわけにはいかないよ」

前田「私語を話している余裕がありましたらみんな、書庫へ行きますよ!情報は時間が大事ですからね。得るだけではなんの進展もありませんから!」

サクヤ「あ、あの」



 前田の言葉を皮切りに、サクヤ以外の全員が『情報を集めよう』と立ち上がります。大典太もその輪に加わろうとしたところ、前田に『大典太さんは主君をお守りください』と釘をさされてしまいました。
 1人と一振がぽかーんとしている間にもあれよあれよと話は進み、前田を先頭にぞろぞろとメインサーバから出て行ってしまいました。その場に取り残されたサクヤと大典太。
 ……そんな状況を察したのか、少し笑ったような声でヴィルヘルムが語りかけてくるのでした。



ヴィル『サクヤ。お前はまた1人で調べ物をしようとしていたな?』

サクヤ「上に立つ者が動かず、どう下をまとめ上げるというのですか。というかそもそも上も下もありません」

ヴィル『刀剣が顕現する前のお前になら、これ以上の助言は必要ないと思ったのだがな。今は違うだろうサクヤ。お前は、しっかりとお前を守る存在がいる。
    ―――上に立つ者の1人として、1つアドバイスをしておこう。自らが動くより、下を上手く動かせ。そうでなければ、命がいくらあっても足りぬ』

サクヤ「上手く動かしたつもりでも、結局上手くいかないこともあるものです」

ヴィル『まぁ、それも分かるが。この地に集うものは、皆お前達四神を信頼している。だからこそこの地に留まっている。そのことを忘れるな。
    それでは一旦念話を切るが……。また何かあったら連絡する。大典太殿。私からもサクヤのことをよろしく頼む。それではな』

大典太「…………」



 そのままぷつりと通信は切れてしまいました。その場に取り残される1人と一振。しばらく沈黙が続いたのち、サクヤが無言のまま首を傾げました。やはり納得が行っていない様子。
 そんな彼女の様子を見て、静かに大典太は口を開いたのでした。



大典太「……主は、今までずっと。1人で出来ないことも1人でやろうとしている。近くで見ていたから…何となく分かるようになった。だからこそ、あいつもあんなことを言ったのだと思う。
    ―――まだ、主には少し難しいかな」

サクヤ「なんですかそれは…」




 いつの間にかくすくすと静かに微笑んでいた大典太の声を聴いて、サクヤは不機嫌そうに口をとんがらがせたのでした。
 ……これも、サクヤが成長する為の一歩。なのかもしれませんね。

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.34 )
日時: 2021/02/07 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: hxRY1n6u)

【78:42】





~西地区 北地区との境目~





アルフォンス「さっき西地区は軽く回って来たけど、装置らしきものはなかったな。と、いうことは…。時間もないし、北地区を重点的に探した方がいいのかもしれないね」



 先程まで西地区で装置を探し回っていたというアルフォンス。鹿ノ子達がレバーを上げたのは東地区。チキ達がレバーを上げたのは南地区。今まで得た情報から、西地区にないと分かった今彼は北地区に絞って探すことを考えていました。
 確かに彼の言う通り、ミッション①の終了時間まで残り3分30秒程。しかし、そこで装置を見つけても自分が条件に当てはまっていなければレバーを上げることが出来ません。道中誰かと合流したいところでもありますね。



アルフォンス「僕1人だと少し心細いな。北地区で誰か探していればいいんだけど…」



 そうぽつりと零しながら彼の足は北地区へと向かいます。時間もありませんからね。立ち止まっている暇はありません。













~北地区~





クライヴ「商店街のようなエリアだが、どこに装置があるのかさっぱりわからんぞ」

パステルくん「う~ん…。ぼくがぴゅーっと見てきてもいいけど、途中で見逃しちゃったりしたら嫌だしなぁ」

クライヴ「時間がないが、ありそうな場所を重点的に探していくしかないか…」



 こちらは北地区。道のど真ん中で話しているのはクライヴとパステルくんでした。先程北地区でばったり合流し、ミッション①クリアの為動いていたのでした。
 彼らも北地区にロックをかけ集中的に探そうとしていましたが、その方法をどうしようか悩んでいる様子で…。そんな彼らに近付く影が。



パステルくん「ねぇねぇクライヴさん!誰か来てるみたい!ハンターだったら大変だから隠れようよ~!」

クライヴ「草むらでしのげるか…?」

パステルくん「ハンターじゃなかったら確認しに行けばいいから大丈夫!隠れよう~!」



 いち早くパステルくんが気付き、2人は草むらへ。近付いてきていた人物の正体は―――。
































アルフォンス「……あれ?見失ってしまった。確かに他の逃走者だと思ったんだけどなぁ」



 近付いてきていたのはアルフォンス。ハンターがいないことを見越し、大胆にも走って来たようですね。パステルくんが草むらからこっそり顔を出し彼の顔を確認。ハンターではないことを確認し、クライヴと共に草むらから出てきました。
 アルフォンスはそれに気づき、彼らに近付きます。



アルフォンス「あ、出てきた。急に消えたから驚いてしまったよ」

クライヴ「すまない。影しか見えなかったもんだから、ハンターだったら困ると思ってな」

パステルくん「でもハンターじゃなかった~!よかったよかった。アルフォンスさんもミッションをやりに来たの~?」

アルフォンス「うん。そうだよ。さっきまで西地区の方を探していたんだけど、それといって装置っぽいものがなくてね…。時間がないから北地区を集中的に探そうと思って来たんだ」

クライヴ「ならば俺達と目的は一緒だな。アルフォンス殿、一緒にミッションをやろう」

アルフォンス「勿論そのつもりだ。仮に装置を見つけても、もし僕1人で条件を満たせなかったら骨折り損なだけだからね…」

パステルくん「『ほねおりぞん』…?も、もしかしてアルフォンスさん、どこか骨を負ってるの?!」

アルフォンス「違う違う。物の例えだよ…。僕はいたって健康さ。それで…。どこを探すかは決めたのかい?」



 まさに考えていたことをアルフォンスの口から出され、言葉に詰まる2人。その反応を見たアルフォンスは少し考え、こう答えました。



アルフォンス「君達は北地区でどれくらい探していたんだい?」

クライヴ「俺は先程北地区にいた彼と合流したから、彼の方が北地区には長くいたと思うな」

パステルくん「うん。ぼく、北地区から一歩も出てないからね~」

アルフォンス「そうか。……なら、北地区の中で『目立つ建物』はなかったかな?最初のミッションでそんなに難しい場所に装置を置くはずがないと思うんだ」

パステルくん「『目立つ建物』~?う~ん う~ん でもなぁ、ここ商店街だしなぁ」

クライヴ「頑張って思い出してくれ!君の記憶が頼りなんだ!」

パステルくん「この道のもっと奥に『スーパー』があって~ その手前くらいに『カフェ』があって~ あとは~ あとは~」

アルフォンス「街の奥、か…。そんな場所に装置を置くとは考えられないし…。だとするともっと手前…」

パステルくん「手前~?う~ん もうちょっとで思い出せそうなんだけど~」

クライヴ「考えている間にも時間だけが過ぎていくな…」



 アルフォンスの言葉で何とか目立つ建物を思い出そうとするパステルくん。アルフォンスは『序盤のミッションで隠しやすい場所に装置を設置するはずがない』と考え、目立つ場所に焦点を絞って探そうとしていたのです。
 しかし、どこかの~んびりと思い出そうとしているパステルくん。時間がないんですってば。不安になったクライヴがこっそりタイマーを見てみると……。





【77:01】





クライヴ「まずい、もうすぐ2分を切る」

パステルくん「えぇ~?! い、今思い出すからもう少しだけまって~! えっと、えっと」

アルフォンス「焦っては思い出せるものも思い出せなくなってしまうよ。落ち着いて、ゆっくり思い出すんだ」

パステルくん「う~ん う~ん……あっ!あっちに『交番』があったよ!あれも目立ってた!」

アルフォンス「交番…。今まで言ってくれた中では一番街の中央に近い…。一か八か、交番に行ってみよう。もしかしたら装置があるかもしれない」

クライヴ「分かった。安心してくれ、道中は俺が守る!」



 遂にパステルくん、目立つ場所を思い出すことが出来ました!彼の言葉から距離を導き出し、交番に行こうとはっぱをかけるアルフォンス。2人もそれに賛成し、目的地まで急ぎます。
 しかし、そんな彼らの背後に―――。





































ハンターNA『…………!!』




クライヴ「―――!まずい、ハンターが来ている!」

アルフォンス「えぇ?!こ、こんな時に……!」

パステルくん「ど、どうするの~?!」



 ハンターが追いかけてきていたーーー!!このままバラバラに逃げていてはミッション①のクリアは不可能になってしまいます!まずい。絶体絶命のこの状況、どうする?!
 迫ってきているハンターを見て、突如クライヴがアルフォンスに肩を叩きました。



クライヴ「アルフォンス殿。パステル殿を連れて交番まで行ってくれ。ミッションクリアは君達に任せる」

アルフォンス「ど、どうしたんだい急に」

パステルくん「えっ えっ どうしたの~?」



 そのままクライヴはハンターの方向に近付き、こちらに向かって大きく叫びました!





クライヴ『俺がハンターを引き付ける!!!その隙に交番に行ってくれ!!! 安心してくれ、ミッション失敗など俺が許さない!!!』





 そのままクライヴはハンターを引き連れて、西地区の方向へ走っていきました……。



パステルくん「ど、どうしよう~!クライヴさんがこのままじゃハンターに捕まっちゃうよ~!」

アルフォンス「……だけど、助けている暇はない。彼が作ってくれたチャンスを無駄には出来ない。―――行こう、パステル殿。僕の考えが合っていれば、装置は交番にある筈だ」

パステルくん「……うんっ!」




 彼の決意を無駄にしない為にも、ミッション①を必ずクリアすると胸に刻んだアルフォンスとパステルくん。
 クライヴの運命はどうなる?残りのドローンを止めることは出来るのか……?!次回、ミッション①完結!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9