二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり【連載休止】
日時: 2021/03/11 22:44
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 9j9UhkjA)
参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1696

どうもです、灯焔です。
マイペースに8回目の開催を迎えた逃走中#CR08。……なのだが、舞台である『トリコロシティ』が唐突に黒い霞に覆われて、別の街へと変貌してしまった!そして、運営本部から消えた少年の影。過去も未来も今も滅ぼそうとする『邪神』と化した男にとの決着が遂に――?
今回の舞台は、トリコロシティの過去の姿である『音無町』。ピンと来た方は鋭い。過去のシリーズで舞台にしていた場所です。そんな場所で、逃走者とハンターとの8回目の新たな逃走劇が今、幕を開ける――!


※注意※
 ・登場するキャラクターは全て履修済みの作品からの出典です。かつ基本的な性格、口調等は原作準拠を心掛けております。が、表記上分かり易くする為キャラ崩壊にならない程度の改変を入れております。
 ・原作の設定が薄いキャラクター等、一部の登場人物に関しては自作設定を盛り込んでおります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
 ・今回は『pop'n music』シリーズの楽曲ネタをモチーフにしたエリアとなります。楽曲を知っていただくと、よりお楽しみいただけるかと思います。
 ・誤字、脱字、展開の強引さ等ございますが、温かい目でお見守りの方をよろしくお願いいたします。



<ルール>
【逃走エリア】
『音無町』 出展:オリジナル(ベース:pop’n musicシリーズ)
何者かによって変えられてしまったかつての『トリコロシティ』。しかし、その面影はない。
混ぜられたMZDが人間だった頃、そして莉愛が生きていた頃に住んでいた街らしいが、どうして今の時代に……?
エリア詳細 >>1




逃走時間:90分

賞金:54万(1秒100円)

ハンター:初期4体

自首方法:『交番』にある自首用電話で自首する旨を電話する。


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
鹿ノ子
モイモイ
ダイ

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
チキ
ノノ
ミルラ

【ぷよぷよシリーズ】より (3人) 詳細>>4
シェゾ・ウィグィィ
シグ
ささきまぐろ

【BEMANIシリーズ】より (3人) 詳細>>5
レイシス
スミス氏
パステルくん

【白猫プロジェクト】より (3人) 詳細>>6
クライヴ・ローウェル
ヴィクトール・フォントネル
ブライ・マグワイア

【作者枠】 (3人) 詳細>>7
Ga.c=evo.
寺時
ウィオ

【逃走中#07 MVP】 (2人) 詳細>>8
アルフォンス
ウーノ

計20名



逃走中#CR09 シード枠争奪予想アンケート実施中!
※締め切りました


※重要なお知らせ※ どなた様もご一読願います。
>>44


◎AfterBreakTime

 ①『過去を、未来を、今を守れ!』 >>9
 ②『音に集いし仲間達』 >>23
 ③『もう1つの『可能性の世界』』 >>33


以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.20 )
日時: 2021/01/30 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

~音無町 OPゲーム会場~





クッパ『そういうわけだシェゾ!そろそろ押す回数を宣言してもらおうか!!』

シェゾ「うっ……。まだ迷っているんだが」

ウィオ「だけどそろそろ時間的にもまずいし、決めた方がいいんじゃない?」

シグ「いつまでも時間をくってるのはよくないぞー」

シェゾ「お前には言われたくないっ!!……決めた。『3回』押すぜ」

チキ「いっぱい押すんだね!」

ウーノ「随分大胆に行ったなぁ」



 クッパに唆され、遂に押す回数を宣言したシェゾ。黙ってボタンの前まで歩きます。



シェゾ「選択が間違っていたなんてどうでもいい。俺が捕まらなければいいだけの話だ!」

ブライ「さり気に酷いこと言ったね今?!」

レイシス「ここで割れて欲しくはないのデスが…」

クッパ『それではシェゾよ!!ボタンを3回押すのだ!!』



 シェゾは耳を塞ぎながら慎重にボタンを3回押しました。流石に割れる危険性も考えていたんでしょうね。空気が入ったバルーンは徐々に大きくなっていきます。
 バルーンは……。


































 ―――バルーンは割れなかったようだ……。



シェゾ「変に力が入ってしまった…」

まぐろ「セーフ☆」

ヴィクトール「だが、少しずつ大きくなっているのは事実だ。油断はできない」

アルフォンス「この状態だと、割れる可能性も少しずつ大きくなってきているからね」

パステルくん「いつでも逃げられるじゅんび、しておかないと~」



 その後……。








 4人目 ミルラ 1回 セーフ


ミルラ「では…。私は1回にします。怖いので…」

チキ「チキも1回にしようかなぁ」



 5人目 ウーノ 2回 セーフ


ウーノ「2回にするよ。まだ…割れる限界ではない筈」

モイモイ「確率で割れちゃう可能性を考えてないモイ?」



 6人目 鹿ノ子 3回 セーフ


鹿ノ子「ここは勢いよね!3回行くわ!」

スミス「この状態で3回?!勇気あるなぁ…」



 7人目 モイモイ 1回 セーフ


モイモイ「モイモイは安全を取るモイ!走れず終わったら意味ないモイ☆」

ダイ「勢いだけで突っ走らんでよかった…」

モイモイ「モイだってちゃんと考える時は考えるモイ!」




 続けて4人が挑戦し、バルーンに空気が入った回数は13回になった。









クライヴ「結構増えたな…」

ノノ「クッパのがおーってした顔、おっきくなってる!」

Ga.「これ後数人空気入れたら割れるんじゃね?あれ?じーくんやばくね?」

寺時「いや…。Ga.さんより私やウィオさんの方が割れてしまう危険性は高いと思います」

クッパ『ガッハッハッハ!!!キサマら!偉いぞ、このワガハイの偉大な顔をここまで大きくしているなんてな!!しかーし!ワガハイはこんなものでは満足できないのだ!続けるぞ!!



    次の挑戦者!お、作者陣からだな!ウィオ!回数を宣言するのだ!!』

ウィオ「遂に順番が来ちゃった。どうしようかなぁ」

チキ「まよってるの?チキ、一緒に考えてあげようか?」

ミルラ「アドバイスは禁止のはずです…。チキ、駄目です…」

チキ「そっかぁ。チキのせいでマルスのおにいちゃんが怒られるのはチキいやだし、ウィオさん。ごめんね?」

ウィオ「うーん…。もう結構な大きさなんだよなぁ…」



 8人目は作者勢からの参戦、ウィオ。カンナくんが大好きな男性作者です。まぁ、実のところを言ってしまいますとifのマイユニ(男)はちょっと人気が落ち気味なんですが気にせず。
 ウィオは大きくなっているバルーンを見て、どうしようか迷っているようですね。



ウィオ「俺の番で割れて欲しくないし、決めた。『1回』にします」

クライヴ「それがいい。流石に作者陣が初っ端確保は俺も見たくない」

Ga.「だけどこの大会結構な頻度で作者初手確保、もしくは序盤確保あるからなー。慎重に行くのはいいことだと思うぞ」



 ウィオ、ボタンを押す回数を宣言。クッパの指示に従い、ボタンの前に移動します。



レイシス「お願いしマス~!割れないでくだサイ~!」

モイモイ「何が起きてもいいように、一応逃げる準備も始めておくモイ」

クッパ『それではウィオよ!!ボタンを1回押して空気を入れるのだ!!』

ウィオ「……いくぞ!!」




 ウィオは覚悟を決め、ボタンをしっかりと1回押しました!管を伝って空気がバルーンへと入っていきます。
 さて、そろそろ割れそうな雰囲気が出てきましたが。バルーンは……?

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.21 )
日時: 2021/01/31 22:15
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

ウィオ「行くぞ!!」



 バルーンは……。











































 ―――バルーンは割れなかったようだ……。



ウィオ「よ、良かったぁ……」

Ga.「まずは作者勢1人目セーフ、と。この調子でいきたいところだけど」

アルフォンス「流石に作者の方々が最初に捕まるなんてもう御免だからね…」

シェゾ「とりあえず1つめの壁は超えたか。次も壁なんだが」

シグ「かべ しつれいだぞヘンタイー」

シェゾ「だから俺を『ヘンタイ』と呼ぶなッ!!」



クッパ『そろそろいいか?!次も作者陣からだな!!寺時!回数を宣言するのだ!!』

寺時「遂に順番が回って来たわね…」

レイシス「弐寺がとってもお上手な作者サンデス!ワタシ、ずっと会ってみたかったんデスよ~!」

スミス「弐寺だけではなく、沢山のBEMANIシリーズにも手を出しているようなお方ですからねぇ。私としても仲良くしたいところです」

パステルくん「ぼくの曲もやってくれたかな~?」

寺時「私より上手い音ゲーマーなんて星の数ほどいるわ。トップランカーには手が届かないもの。私なんてまだまだよ」

Ga.「寺時さんがそれならじーくんどうなっちゃうの?」

ブライ「……天の声も『半ゴリラから人間に戻りそうな腕前で実力がないとか言っちゃ駄目です!』と言っているような気がするよ」

ヴィクトール「あいつ、今別の件で精神衛生が良くないんじゃなかったか?」

ブライ「それはそれ、これはこれ」

寺時「そろそろいいかしら?そうね、結構膨らんでいるし安全策でもいいけれど…。ここは、『2回』押してみるわ」

モイモイ「2回!1回じゃなかったモイ!」



 9人目の挑戦者は寺時。天の声よりも弐寺が上手な作者です。天の声は万年七段です。最近やってないので腕落ちてるかもしれません。早く世の中の情勢落ち着けばいいのにと思います。あとブライ、人の精神衛生を抉るんじゃない。今本当に大変なんですから。
 そんなことは置いておいて、寺時はすぱっと『2回』押すことを宣言。結構な膨らみで破裂する危険性もありますが…。



クッパ『そうかそうか!決断が早いヤツは好きだぞ!!それでは寺時、ボタンに移動して宣言した回数空気を送るのだ!』

寺時「ボタンを押すだけなのに、緊張するわ」

鹿ノ子「やっちゃったら楽になるんだから、一気にいっちゃいなさい!」

寺時「それもそうね。それじゃあ…行くわよ」



 寺時はクッパの指示に従い、ボタンの前に移動します。そして……目を閉じ、ボタンを2回押しました!2回分の空気が管を伝ってバルーンに入っていきます。こ、これは……。そろそろ怪しいかもしれません。
 バルーンは……。


































 ―――バルーンは割れなかったようだ……。



寺時「良かった。割れなかったようね」

モイモイ「セーフ☆ モイ」

まぐろ「あと1人だけど……。な~んか膨らみ的に怪しい感じ?」

チキ「もうわれちゃうかもって考えて行動した方がいいのかな?」

ノノ「おいかけっこだー!」

クライヴ「まだ始まってないしバルーンは割れてないぞ」



 その後……。








 10人目 ヴィクトール 2回 セーフ


ヴィクトール「俺の順番が終わった」

ブライ「なんで2回にしたの…?」



 11人目 シグ 3回 セーフ


シグ「とー」

シェゾ「3回は流石にまずいと思うぞ…。いや、こいつに言っても無駄か」




 続けて2人が挑戦し、バルーンに空気が入った回数は21回になった。









ノノ「おっきーい!」

ミルラ「次か…次の次で割れそうですね…」

スミス「レイシスさんとアルフォンスさんは覚悟をする必要がありそうですね…。2人が仮に成功しても、この大きさだとクライヴさんで限界そうです」

アルフォンス「割れてしまったのなら仕方ないと諦めるけれど、ここで捕まるのは痛いなぁ。全力で逃げないと」

レイシス「こ、こ、怖いデス~!」

クッパ『怖い怖いと言っている場合ではないぞ!それでは次だ!12人目!レイシスよ、ボタンを押す回数を宣言するのだ!』

レイシス「はわわ、順番が来てしまいマシタ~!」

パステルくん「レイシスさん、がんばって~!」



 12人目の挑戦者はレイシス。もうそろそろ危険な領域に入って来た気もしますが、OPゲームは怖がっても止まってはくれません。
 覚悟を決めて進めていくしか道はありません。



レイシス「はわわ、はわわ」

ダイ「随分と緊張しとるばい…」

ミルラ「もう割れそうですし、仕方がないと思います…」

ウィオ「クリアしちゃえば回避できるんだから、大丈夫だと思って行くしかないね」

レイシス「そう、デスよね…。ワカリマシタ!ワタシ、行きます!『1回』押しマスね!」

シェゾ「賢明な判断だ」



 レイシス、回数を宣言!流石にこんな大きさになって複数回押す勇気はなかった!



レイシス「大丈夫…割れまセン…大丈夫デス…」

クッパ『割れるかどうかはボタンを押してみてのお楽しみだな!!さぁレイシスよ!ボタンを押して空気を送り込むのだ!!』



 クッパの案内に従い、ボタンの前へと移動するレイシス。怖がっても仕方がありません。レイシスは頬をぱん、と一回叩き気合を入れます。そして、ボタンに手をかけました。



レイシス「い、行きマース!!」




 勇気を出して勢いよくボタンを押しました!空気が一定量バルーンに送り込まれます!あぁ、割れそう…!
 一部耳を塞ぐ逃走者も見えていますが、バルーンはどうなる…?!

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.22 )
日時: 2021/02/01 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

レイシス「は、はわわ……!」



 バルーンは……。






















































 パァーン!!!



レイシス「あっ」

クライヴ「わ……わ……」

ウィオ「わ、割れちゃったーーー!!!」












プシューーーーーーーーーーー







GAME START 【90:00】





鹿ノ子「向こうから黒子みたいなのが来たわよ?!」

チキ「あれが『ハンター』なのかな?こ、怖いよぉ!逃げなきゃ!!」

シグ「にげるぞー」

ノノ「おいかけっこ開始ぃー♪」

パステルくん「ひゃ~~~!!」

スミス「まずいとは思っていましたがレイシスさんには割ってほしくなかった…!!」

まぐろ「誰かが1回でも違う回数を言っていたら、また違う結果になっていたんだろうね☆」

ブライ「冷静に分析してる場合じゃないよ!!逃げるよ!!!」



ハンターMI「…………!!」

ハンターNA「…………!!」

ハンターWI「…………!!」

ハンターJA「…………!!」













ダッダッダッダッダ!!!!








ROCK ON 【RASIS】





ピーーーーーーーーーーーー








レイシス「はわ、はわわ、ハンターサン速いデスーーー!!!」









ポンッ








【89:51】
レイシス 確保 残り19名





レイシス「は、速すぎて全く逃げられませんデシタ…」



 レイシスがクッパのバルーンを割ってしまい、OPゲーム終了!そしてゲームスタート。
 ハンターは当然一番前にいたレイシスを捕捉。逃げる暇も与えられず、彼女は確保されてしまいました…。












ピリリ ピリリ












パステルくん「わわ、音が鳴ったよ~!『レイシス 確保 残り19名』 レイシスさん捕まっちゃったんだ~…。あの距離は無理だよ~。お疲れ様だよ~」

スミス「レイシスさんの屈辱ごと、私が逃げ切りますので安心してくださいね!」

Ga.「……ここ、本当にトリコロシティ?ぜんぜん寺っぽくないんだけど。またなんかヤバ気な感じに巻き込まれたりしない?」

アルフォンス「一歩間違えれば僕がああなっていたってことか。レイシス殿、本当にすまない。君の分まで全力で逃げることを約束するよ」




 OPゲーム終了!音ゲーが大事になってきそうなのに音ゲーキャラが初手確保。嫌な予感しかしません。
 しかも、この場は『トリコロシティ』ではありませんが、逃走者達は気付いていません。果たしていつ気付けるのやら。今回も波乱が待ち受けていそうです。

ABT②『音に集いし仲間達』 ( No.23 )
日時: 2021/02/01 22:10
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

とりあえず、無事にOPゲームが終了し一区切りがついた運営本部。
ごくそつくん、サクヤから事情を聴いてとある決断をするみたいです。

------------------------



~運営本部 メインサーバ~



サクヤ「何とか無事に終わりましたね…。割れたのも割と想定通りの回数でした」

大典太「……主。風船とは膨らんでいない時も割れるのか?」

アクラル「いや。そん時はクッパが気分悪かったら自分の魔法で割るって」

アカギ「どこまでも自分勝手な奴だ…」

ニア「最初の関門は突破したのですし…。まぁ、これからのことを考えません、か?」



 何事もなくOPゲームを終了させ逃走者達がエリアへと向かったのを見守った運営本部一同。各々持ち場へと解散し、メインサーバに残った数人の面子はこれからのことを話し合おうとしていたところでした。
 彼女達の様子を見ていたごくそつくん。いつもなら真っ先に観客席へと行っていたはずですが…。気になることがあるらしく、珍しくメインサーバへと残っています。しびれを切らしたのか、彼はサクヤへと話しかけてきました。



ごくそつ「サクヤ~。ちょ~っとぼくとお話ししてよ~」

サクヤ「申し訳ありません。莉愛さんを送ってくださったことには感謝しているのですが…。今回貴方に構っている暇はありませんので…」

ごくそつ「その『暇はない』ことについて聞きたいのぼくは!あの女子が随分と焦ってたから大包平くん引き連れてここまで来たけど。どういうことか説明してもらえる?」

大包平「そうだ。何も詳細を聞いていないではないか!どういうことだ天下五剣。答えろ!!」

大典太「……説明する必要がないから説明してないだけだろう…」

サクヤ「あぁ。ごくそつさんも消滅の危機ですから関係者でした。ならば説明しませんと…」

大包平「待て。どういうことだ。主が消滅だと?!」

前田「お、落ち着いてください大包平さん!」



 ごくそつが彼女に説明を求めると、そういえばごくそつも『ポップンミュージック』に関係するキャラクターだということを思い出すサクヤ。となると、彼も関係者ということになります。
 思わず『消滅してしまうかも』とぽろっと零したのを大包平は聞き逃していませんでした。何故か大典太に詰め寄ります。



サクヤ「現在ごくそつさんの住んでいる世界を創り出した神様が、道化師に連れ去られてしまいました。彼は神様の記憶を書き換えて、『ポップンミュージック』の世界を最初からなかったことにしようとしています」

ごくそつ「きょひょ~?それなら早く言ってよ~!ぼく本当に消えちゃうかもしれないじゃ~ん!」

大包平「? つまり…このままでは主は『最初から存在しないこと』になるということか?」

大典太「……あぁ。その認識で間違いない。あんたの主が関わっている世界なんだ、世界が消えたら消滅するのは必然だろうな」

大包平「そんな…そんなことが……。そんなことが許されると思っているのか!!!天下五剣!!何か言え!!!」

大典太「……俺に言われても困るんだが。前田と違って俺は最初から政府の刀だ…。主が消えた刀がどうなるのかなんて知らない」

大包平「何……?!」

前田「(あれ?確か大包平さんも『政府の刀』だと主君から聞いたような気がするのですが…。どうして大典太さんが政府の刀だったことを知らないのでしょうか)」

アクラル「光世も大包平も知らないって顔だなー。前田は?」

前田「すみません。僕も知るところでは…。しかし、大典太さんや大包平さんとは違い僕は過去に『主君とは別の主』にお仕えしていたことがあります。元の主とは別人になりますが…。
   今の主君にお仕えするまでは顕現せず刀のまま眠っていた状態なのですから、『意識が無くなる』というのは可能性としてあり得ない話ではないと思います」

サクヤ「ふーむ。申し訳ないのですが、『審神者』というものが私もよく知らなくて。職業か何か、なのだとは思うのですが…」

アシッド「審神者ではないが…。こう考えることは出来ないだろうか」



 主がこのままでは消滅してしまうかもしれないと聞き大包平は大激怒。そんな彼を前田と大典太が二振がかりで止めていると、前田は以前思い出した微かな記憶を頼りに、あり得る可能性を口にします。
 それに続くように、メインサーバで別の仕事をしていたアシッドが口を挟みました。



アシッド「可能性として考えられるのは…。マエダが言ってくれたように、主がいなくなった付喪神が『眠りにつく』パターン。恐らく、これは政府と正式に『解任された』審神者がいる場合だと私は思う。そして2つ目。何らかの理由で主が消滅したり、殺害されてしまった場合。当然主が不当に消えてしまうので、主からの霊力の供給は消えるだろうな。その場合…。考えられるのは、『分霊が本霊に還る』パターン。そして…『本霊に還れず、禍つ神』になってしまうパターンだ」

大包平「ま、禍つ神……だと」

サクヤ「その名の通り、『災厄をもたらす神』となってしまう可能性があるのですか。そうなってしまうと…。色々と厄介なことになってきそうですねぇ」

大典太「……災厄をもたらす神、か。俺のことじゃないか…」

大包平「すぐ陰気になるな大典太光世!貴様の悪いところだ!!」

サクヤ「話を戻しますよ。とにかく、えむぜさんを救わねば『ポップンミュージック』そのものがなくなり、ごくそつくんを含めた住人が全て消滅してしまいます。ごくそつさんを主としている大包平さんへの影響は免れないでしょう」

ごくそつ「な~るほ~どね~。それで莉愛ちゃんが超焦ってた、ってワケか。―――あの神1人の為にこのぼくが動くなんて本当は嫌だし納得いってないよ?でもね。ぼくはいつかこのほしを征服するごくそつくんだからね!!今消えるわけにはいかないんだよね~!!きょひょひょ!!
     だ・か・ら! 今回はトクベツに協力してあげるよ!このぼくがね!!」

大包平「主が危険な状態に陥っているのだ。その『音の神』とやらを助ければいいのだろう。この大包平も手を貸すぞ!!必ずや救出せねばな」

サクヤ「ごくそつさん……。大包平さん……。ありがとうございます」



 おやおや。自分の消滅は嫌なのか、ごくそつくんが協力してくれるみたいで。珍しい。彼サクヤのことは好意的に見ていますが、いかんせん彼女がMZDの味方ですからねぇ。MZDが気にくわない彼としては複雑なんでしょうね、色々と。
 主の消滅がかかっているので当然大包平も手を貸すことを約束してくれました。これは心強い。サクヤはそんな1人と一振の反応を見て、深く頭を下げてお礼を言ったのでした。

 それと同時に。マルスの声と、彼に案内されてメインサーバに女性の声が聞こえてきました。その正体は……。





マルス「お取込み中いいかな?少し、サクヤと話がしたいと言っている人がいてね」

サクヤ「はい、伺います」

ルキナ「お取込み中申し訳ありません…。お父様を通じてお話を聞かせていただきまして、マルス様にお願いをして連れてきていただいたのです。……あら、ごくそつさんもいらしたのですね!」

ごくそつ「やっほ~ルキナちゃ~ん!元気~?」

ルキナ「はい、とても元気です!……ええと、本題に戻りますね。別の世界のことではありますが…。過去を改変して、沢山の人達の命を奪おうとしている輩がいるという話を聞きました。その阻止に、私も協力させてください。そのお願いをしにここまで来たのです」

マルス「え?!確かにルキナって、クロムの運命を変える為に未来からやって来たんだよね」

ルキナ「はい。もしかしたらその時の知識がお役に立てるかもしれません。まぁ……私達を過去に飛ばしてくださったのはナーガ様のお力なので、もしかしたら期待外れかもしれませんが……」

サクヤ「成程…。確かに時を超えた彼女の知識があれば、もっと深堀が出来るかもしれない…」



 女性の正体はルキナ。クロムから事の顛末を聞き、サクヤに協力したいとマルスに連れてきてもらったのです。確かにルキナは覚醒の世界で、父であるクロムを助ける為時を超えて絶望の未来からクロムがいる世界へとやってきているんですよね。ネタバレ?今更でしょう。
 ルキナの話を聞いたサクヤは、確かにとうんうん頷いた後……。少し考えた後、ルキナに協力を要請することにしました。



サクヤ「メフィストの使用した魔法の解読も含め、時を超えた経験者の知恵は是非得たいものです。ご協力、是非よろしくお願いいたします」

ルキナ「本当ですか!ありがとうございます。私の知っていることがどれだけ役に立つかは分かりませんが…。精一杯お手伝いいたしますね!
    それと…。一応お父様経由でマリオさんとカービィさんにも連絡をしていただいて、影ながら協力してくださるということです」

アクラル「あの超絶トラブルスマブラレジェンドコンビが? 大丈夫かー?」

ごくそつ「ルキナちゃんやっる~!って、ちょっと!トラブルってなんだよ~!あの2人はすっごいヤツなんだからね!ぼくについてこれる数少ない『ソウルメイト』だからね~!」

大典太「……いつの間にそんな仲になったんだ?」

大包平「知らん。俺が顕現した時から主はそんなことを言っていたぞ」

サクヤ「……まぁ、いいでしょう。借りられる手は多ければ多い程助かります。ルキナさん、ありがとうございます」

ルキナ「いえいえ!神様を救う為、黙って等いられませんからね。
    ―――過去が変わってしまえば、『ポップンミュージック』の方々だけではない。彼らと関わった、術ての方々に影響が出てしまうはずです。最悪、その方の記憶から全ての存在が消えてしまうことだってあり得ます…。私も過去を変える為、未来から飛んだ経験がありますのでよく分かります。歴史改変を阻止する為…。この力と知恵、使ってください」



 秘密裏にマリオとカービィにも連絡が言っていたようで、彼らも何かしらで協力してくれるらしいのですが……。彼らが過去にやってきた仕打ちを思い出し、『今回も絶対碌なことにならない』と苦い顔をする一部の面子。そんな表情を見て、ごくそつくんは不機嫌そうにぼそりと悪態をついたのでした。

 その後、ごくそつくんと大包平には万全の状態で音無町へと向かって貰う為、一時観客席で待機させることにしました。MZDを助ける為にはまず、変わってしまった街の情報を得なければなりませんからね。各々所定の位置についた後、サクヤは現場のミミ達に連絡をします。





サクヤ「ミミさん。ニャミさん。聞こえていますか?」

ミミ『あっ!サクヤさん!ちゃんとしっかりばっちり聞こえてまーす!』

ニャミ『それにしても…。ここ、トリコロシティから上書きされちゃったって本当なんだね。全く知らない街だよ…。莉愛ちゃんの案内がなければ絶対迷ってた』

サクヤ「そうですか。……これから街の情報を得る為、気になるものがありましたら写真を撮ってこちらに送信してくれませんか?そこから現在の街の状態を分析したいと思います」

ジャック『写真だぁ?……あぁ、ミミとニャミがデジカメ持ってきてたんだっけか』

ニャミ『冒険に出る時は準備が大切だからね!……MZDから口酸っぱく言われてたんだよ? 冒険には何があるか分からないからってさ』

ヴィル『これは冒険ではないのだがな?まぁいい。情報収集はミミとニャミ、莉愛殿に任せるとして、我々は彼女達の護衛に付く。何か大きな変化があれば直接やり取りをしよう』

サクヤ「了解しました。頂いた写真を元に、なるべく早く分析を進めます。その間、どうかよろしくお願いいたしますね」

ヴィル『……あの子が何をされているかは分からんが…。彼奴め、私の呪縛を潜り抜けるとは。一体どんな魔法を使ったのかも興味があるしな。それでは、な』



 まずは情報収集の為、ミミニャミに写真を撮ってきてもらうよう依頼したサクヤ。道中ヴィルヘルムが不穏な言葉を発言したことに大典太の口が開きます。



大典太「……あの濃い桃色の髪の男。人間ではないとは主から聞いているが…。一体何者なんだ。……外側が陶器のようで、中に触れたくない程の『闇』を感じるんだが…」

サクヤ「もしかしたら…。えむぜさんにいただいた『仮初の身体』の内側は……。我々が想像している以上に、知ってはならないものが詰まっているかもしれません。深く突っ込むのは野暮というものです」

大典太「……そういう、ものなのか。今は放置しても良さそうだが…。いずれ。世界が牙を向いた時。……きっとあいつは毒牙をこちらに向けてくる。俺は……そんな気がしてならない」

前田「大典太さんにはそう感じるのですか?普段は貴族なのに執事らしい、気配りの出来る方だと思っているのですが…」

大典太「……きっと前田の考え方で正しいよ。俺は……俺は、きっと『知ってはいけない領域』が見えてしまっているだけだからな」

サクヤ「大典太さんが霊刀だからなのか何なのか分かりませんが…。肝に銘じておきますね」




 大典太が感じた『闇』。その正体が何であれ、きっと我々も知ってはいけないことなのでしょうね。今はこれ以上突っ込まないでおきましょう。
 『音無町』の情報を得る為、サクヤはミミニャミからの写真を待ちながら椅子に深く腰かけたのでした。

Re: 逃走中#CR08 新訳・むらくもものがたり ( No.24 )
日時: 2021/02/02 22:04
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)

【89:22】





~音無町 東地区~





まぐろ「ん~…。なんだか僕達が住んでいる街にすっごく似てる感じだよね☆」



 とりあえず、街の様子を探ろうと東地区へとやって来たまぐろ。東地区は所謂『オフィス街』と呼ばれている地区であり、背の高い建物が沢山並び立っていることが特徴です。ハンターから身を隠しやすい場所でもありますが、ハンターを見つけて先に逃げることも難しいという、リスクとリターンが割と大きなエリアになります。
 少しでも土地の情報を抑えておこうと、まぐろは歩きます。



まぐろ「マップを見てみても僕は『トリコロシティ』なんて行ったことがないし、どうせなら実際に歩いて場所を確かめてみようかなって☆」



 確かに。まぐろの言うことも一理あります。流石物理部。考えることが一癖も二癖も違います。……そういえば、まぐろって今回りんごのリベンジとして参戦を表明したんですよね。



まぐろ「本当はりすくませんぱいが行きたがっていたんだけど、他の面子的に僕が行った方が良いかなって☆ りんごちゃんについてもらって、せんぱいは今頃『あんがー』してると思うよ☆」



 逃走中の出場権を彼に取られ憤慨していると思われるりすくませんぱい、ご愁傷様です。何はともあれ、何かとハイスペックな彼。残ってくれればダークホースとして活躍してくれそうです。



まぐろ「ま……やれるだけやってみるから期待してて☆」



 天の声も健闘を祈っております!

















【87:19】





~音無町 西地区~





スミス「うーん…。どうにも違うんですよねぇ」



 スマホのマップアプリを見ながら、首をかしげているのはスミス氏。彼も当然BEMANIシリーズの人物の1人である為、あるべき姿のトリコロシティを知っています。それとは街の造りが違うと気付いていました。
 最初に一部の逃走者が感じた『嫌な感じ』と関係があるのでしょうか?スミス氏は更に首を傾げます。そんな彼に近付く影が……。





































ミルラ「あの…。すみません。首を傾げてどうしたのですか?」

スミス「ひゃ?!あ、貴女は確か……」

ミルラ「ミルラ、です。首を傾げていたので心配になって…」

スミス「な、成程。こちらこそハンターだと勘違いしてしまって申し訳ありません」

ミルラ「私はハンターじゃないです…。……むぅ」

スミス「ふ、膨れないで下さ~い!私に非があるんですから」



 近付いてきたのはミルラ。ハンターと一瞬勘違いしたスミス氏は驚いて振り向いてみますが、彼女だと分かって一安心。対するミルラは一瞬でもハンターと勘違いされたことに少しご立腹の模様。頬を膨らませています。
 彼女を宥めながら、自分が考えていたことを話すスミス氏。すると、ミルラはふくれっ面を解いて自分の考えを述べたのでした。



ミルラ「スミスさんの知っている街と姿かたちが違うのですか?」

スミス「そうなんですよ。ここら辺、本来なら『アカシックレコード』っていうレコード型の巨大な隕石があったはずなんですが…。それも、跡形もなく綺麗に無くなっています」

ミルラ「そんなに大きなものも無くなっているんですか…。それに……チキも言っていましたが、この街の気配…。凄く嫌な感じがします。……正直、怖いと思っています」

スミス「そうなんですか…。急に町の景色が変わってしまったことと、ミルラさん達が感じる『嫌な感じ』…。きっと関係はあるのでしょうが、何が原因なのかはよく分かりませんね…」

ミルラ「もしかしたら、他に同じような考えを持って動いている人がいるかもしれません…。もし道中彼らと出会ったら、知恵を出し合って疑問を解決に導いていけばいいのではないですか?」

スミス「確かに。アルフォンスさんやブライくん辺りは頭が良さそうですし、もし運よく鉢合えたら話を振ってみてもいいかもしれませんね。
    ……それと、ミルラさん。しばらく一緒に行動しませんか?ハンターが来た時に私が囮になれるように…」

ミルラ「私はドラゴンです。でも……。一緒に行きたいです。一緒に行動することで、エフラムのように活躍できるチャンスが来るかもしれません」

スミス「そっち目的なんですね?ですが、ミッションが仮に今後発令されたとしても、2人で行動すれば解決できることもあるでしょう。ありがとうございます」

ミルラ「スミスさんは優しいです。こっちこそ、よろしくおねがいします…」



 ミルラとスミス氏、どうやら一緒に行動するようで。各々目的は違いそうに見えますが、確かにスミス氏のいう通り多人数が必須なミッションが発動した時に有利になりますもんね。その代わり、ハンターに見つかる確率も少し上がってしまいますが…。
 2人で行動することが吉と出るのか凶と出るのか。彼らの選択の行方はどうなるんでしょうね…。



ミルラ「スミスさん。あれは、なんですか?」

スミス「あの建物のことですか?あれは『学校』といいまして……あれ?」

ミルラ「どうしたのですか?」

スミス「うーん…。なんだかあっちの雰囲気、『ラピストリア学園』によく似ているような気がするんですが…。姿かたちは全く違うのに」

ミルラ「…………。よく分かりませんが、それも『嫌な予感』に繋がるかもしれません。覚えておきます」

スミス「ラピストリア学園と言えば神様が造った学園ですが…。―――まさか。神様自体に何か起こったのでは?」




 スミス氏、薄々何が起こっているのかに気付いた様子。ミルラと協力し、その『何か』を解明できるといいですね。
 次回、音無町で何かが起こる?そして、ミッション①開始!


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