二次創作小説(新・総合)
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- ダンガンロンパad lib0 ~こんにちは絶望学園~
- 日時: 2023/02/09 20:13
- 名前: アルズ (ID: 9s66RooU)
- 参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=2494
どうも。アルズと申します。
プロットはまだ固まってませんが(おい)。迸る筆記欲が抑えきれなくてスレ立てをしました。申し訳ございません。
この作品はダンガンロンパのオリジナル二次創作になります。
オリキャラ…皆様からのキャラクターを引用してオリジナルの展開を進んでいくことになります。
●注意事項
・原作とは何ら関係はないです。設定を引用しているだけですご了承ください。
・ad lib.シリーズ、ダンガンロンパシリーズのネタバレを含みます。観覧の際はこちらを先に読んでいただけると嬉しいです。
・荒らしはNGです。言いたいことがあるのでしたらブラウザバックしてチラシの裏に書いていただけると幸いです。
【目次】
chapter0
>>1 >>2 >>3 >>6-9
chapter1
>>16 >>17-18 >>21 >>24
>>25 >>28
【コメント返信】
大瑠璃音葉様 >>5 >>13
しゅんぽこ様 >>13 >>20 >>27
八雲様 >>13 >>23
デルタ様 >>15
- Re: ダンガンロンパad lib0 ~こんにちは絶望学園~ ( No.22 )
- 日時: 2023/01/21 11:54
- 名前: 八雲 ◆AI3SkPM18E (ID: qJkdU5DH)
どうも!八雲です!
第1章が始まり
1日目の探索が終わり2日目が始まりましたね
最初はどんな事件が起こるのか・・・
今回の感想は以上です
では!
- Re: ダンガンロンパad lib0 ~こんにちは絶望学園~ ( No.23 )
- 日時: 2023/01/21 20:42
- 名前: アルズ (ID: 9s66RooU)
>>八雲様
どうもこんばんは!アルズです。
とうとう第一章が始まり、一日が終え、また新しい一日が始まりました。
文月は皆と交流をするらしいですけれど…いつ事件が発生するのでしょうね?
楽しみにお待ちくださいませ。
感想ありがとうございます! 励みになりますのでこれからも宜しくお願い致します!
それでは失礼いたします。ありがとうございました!
- chapter1 ノエロコリ ( No.24 )
- 日時: 2023/01/22 11:03
- 名前: アルズ (ID: 9s66RooU)
食堂でしばらく過ごし、立ち上がる。
みんな思い思いに過ごしているのだろう。 食堂に来る子は早々におらず、月村君が厨房から出てきて食堂から出た姿を見たぐらいだった。
「他のところ行こうかなぁ。」
そうぼやき、私は椅子をしまい、食堂から出た。
天宮さん辺り来ると思ったんだけど、あの子も何か事情があるのかもしれない。
…そうだよね?
そう思いながら私は、きょろりと人を探し始めたのだった。
廊下をふらふらと歩いていると、焦げ茶色の髪色が目に入る。
「あ、諏訪野さん!」
咄嗟に名前を呼べば、びくりと肩を上げ驚いてしまった。
びっくりしながらもこちらを向き、
「あ…、文月さん…どうも、さっきぶり…です。」
と、反応してくれた。
「さっきぶり。 驚かせてごめんね。
よかったら、私と一緒にお話ししない?」
「わ、私でよかったら…ぜひ…。」
そう彼女はまごまごとしながら答えてくれた。
その言葉が嬉しくて、ぱあと明るくなり、彼女の手を掴んで
「よかった! 断られたらどうしようかと思ったよ!
何のお話ししようか?! やっぱり植物関係? 何かいいアロマとかある?」
「えっ…あの…」
「わわっ! ごめんね!」
咄嗟に掴んだ彼女の手をすぐに放し、謝る。
「あ、大丈夫です…。」
諏訪野さんはそう言って目を泳がせる。
びっくりしたのだろう。悪いことしちゃったなぁ…。
うーん、と悩んでる私の顔を見て、諏訪野さんはいつも通り謙虚しながら
「あの、本当に気にして…ないので…。
気になさらないでください…。」
と言ってくれた。
「そう…? ならいいんだけど…。
勢い強くてごめんね。 諏訪野さんの事知れると思ったら興奮しちゃって…。」
「私の事…ですか…?」
「うん。やっぱり仲良くなるってことはお互いの事知るって言うのが大事じゃない?
私、人間大好きだから仲良くなったりその人の事深く知れるっていうのが嬉しいんだよね。」
「すごいですね…。
私、そんな人に前向きになれないので…羨ましいです…。」
「でも、諏訪野さんは植物にすっごい詳しいじゃない?
私はそんなに詳しくないから、私からしたら諏訪野さんはすごい人だよ。
だから『超高校級』にも選ばれているんだし、自信持っても罰は当たらないよ。」
「そう…でしょうか?」
「そうだよ!」
彼女の目をしっかり見て、にこりと笑う。
それを聞いて見た諏訪野さんは何かを考え、ぼそりとぶつぶつと呟きだした。
「私…小さいころから植物が好きで…。
それで…、植物に関すること絶対に将来やりたいと思ってて…。
でもみんな、私なんかよりすごい才能を持つひとばかりで…。
文月さんだって、人を助けるすごい人です…。 だから比べちゃいけないと…」
「それは違うと思うよ。」
自分を卑下してしまっている彼女の手を今度はしっかりと、けれども優しく握る。
「私は、品種改良ができないとされている植物を品種改良させたっていうその実績がある諏訪野さん、すごいと思う。
不可能とされていたんだよ? それを可能としたんだよ?
すごくないわけがない。」
「でも…。」
「それに植物って人間が生きるのに必要な要素の一つでもあるんだよ。
それを研究するのも決して苦じゃないわけじゃない。
…だからね、諏訪野さんは凄い子で、自信持っても罰なんて当たらない、むしろ誇っていい人だと…思うなぁ。」
手を放しながら、「ごめんね。偉そうなこと言って。」というと彼女は首を振る。
「少し、少しだけ自信が持てた気がします…。
ありがとうございます…。」
そう言って頭をぺこりと下げられた。
「自信持てたなら何よりだよ。
良かった。実は私も『超高校級のカウンセラー』として自信ないから人のこと言えなかったんだよね…。」
「そんな…文月さんは凄い人ですよ…。
こうやって、私の自信を少し引き出してくれた…ですし…。」
「そう言ってくれてよかった。」
そう二人で笑いあう。
私は人が大好きで、その人のためになりたいと思ってずっとその人たちのために頑張ってきた。
それがまたこうして人を助長することができるだなんて…。
それが嬉しくてたまらない。
私たちはしばらく、植物について語り合った。
ポプリとか、どんな観葉植物がいいのか、どんな花が育てやすく綺麗な花を咲かせるのか。
諏訪野さんはいつも通りまごまごしているけれど、語るその目は輝かしかった。
ある程度話して、諏訪野さんと別れる。
出会った時よりも元気になっていてよかった。
部屋に帰り、昨日使用したタオルなどを持って、廊下を歩いてるときに見つけたランドリーに向かう。
報告会の時は見つけられなかったけれど、ちゃんと服を洗う場所見つけられてよかった。
そう思い、扉を開けると金髪の髪が目に入る。
「レイラさん…?も、お洗濯?」
「そうだ。君も洗濯か。」
「うん。私すぐ貯めこんじゃうから定期的に洗わないと、なくなっちゃうからね…。」
えへへ、と苦笑いすると彼女は「ふっ」と笑った。
呆れられたかな…?
「そうだ。洗濯終わるまでお話ししない?
私、みんなの事もっとよく知りたいんだ!」
「そうか。
…と言っても、何を話せばいいのか…。」
「うーん…。」
確かに、急に何を話せばいいのかわからないよね。
私、話題づくりは…割と得意な方だけど、レイラさんクールでミステリアスそうだし…何聞こうかなぁ。
「レイラさんは、どうして会計を務めてたのかな?
ほら、小さいころから会計をしてたって言われてたし…。」
「どうして…か。気づいたらしていたな。
困っていた、とかそういうのもあった気がするが…覚えていていないんだ。」
「そんなに小さいころからやってたの?」
「ああ。両親は厳しかったが…。きちんと親をしてくれていたぞ。
両親の支えもあって、今の私がいる…そう思っている。」
「そうなんだぁ…。 素敵だね!」
親の助けになりたくて、会計をして、そしてそれが『超一流』となる…それはとても素晴らしいことだと思う。
それを素直に評価すれば、彼女は「そうだろうか」と照れながら頬を掻く。
「うーん…。
そうだ、君はどうなんだ?
…人間が大好きってだけの理由でカウンセラーになったのだろう?」
「そう、だね。そうなるのかな?」
「疑問形だな。」
「そりゃ、私ただの高校生だもん。
本来ここにいていいのかなーってずっと考えているんだ。
さっきすごい偉そうなこと言ったから、こういっていいのかわからないけど…。」
「何。君は凄い人間だ。
私の統計データには、君が救った人間は数が多い。その上、どんな崖っぷちに立たされた人間でも手を差し伸ばして助け、社会復帰を確実なものとしている…。
と、ある。 これのどこがすごくないというんだ。」
「それは…みんなが頑張っただけだよ。
私はその手助けをしただけ。 私自身すごいってわけじゃないの。
…みんな、頑張って、未来に前向きになってくれたからこの功績があると思うんだ。」
「ふうん…。」
手を口に当てて、彼女は何か考える。
何かおかしなことを言っただろうか?
そう思いながら、私はレイラさんを見ながらその様子をうかがった。
「なんだ…、その…私は君ほど口が回らないからよくは言えないが…。
そんなに卑下しなくてもいいんじゃないか?」
「…。」
それは、私がさっき諏訪野さんに言った言葉だった。
さっき、私が言った言葉がそのまま私に帰ってきた。
そうだ。このままじゃダメだよね…!
「レイラさん、ありがとう。
私も自信無くしてたみたい。 こんな状況だから…余計に…。」
「そうか。それなら仕方ない。
それにしても、まさか君の役に立てるだなんて、思いにもよらなかったよ。」
「だから、私すごくないって思ってたんだよ。
誰でもできるの。誰だって未来に前を向いていれば頑張れるし、その手を引っ張れるの。
だからこそ、私は思ってたんだよ。 “私はただの高校生”だって。」
「なるほどな…。」
そう言った瞬間、洗濯機からピピっと洗濯が終わった合図が鳴る。
「私の洗濯物が終わったみたいだな。」
「そうだね。 洗い立てで乾燥機かけた後のタオルってふかふかで暖かくて気持ちいいよね。」
「あぁ。その気持ちはよくわかる。」
そう言いつつ彼女は洗濯機から洗濯物を取り出し、かごにまとめる。
「じゃあ。私は部屋で洗濯物をたたむよ。」
「うん。じゃあね。
お話し付き合ってくれてありがとう。」
「こちらこそ。色々話せて楽しかったよ。」
彼女はそう言って立ち去った。
私はこのランドリーで考え事をしながら、洗濯機の中で回るタオルを見つめていた。
『キーンコーンカーンコーン…』
『希望ヶ峰学園学園長からのお知らせです。
夜10時となりました。学園の一部が立ち入り禁止となりますので、ご注意ください。
それでは良い夢を。おやすみなさい。』
「もうこんな時間かぁ…。」
終わった洗濯機から洗濯物を取り出し、籠に入れながらそうつぶやいた。
みんな思い思いに過ごせたかな? 大丈夫かな?
そう思いながら私は部屋に戻り、洗濯物をたたんで時間を少しつぶしてから就寝した。
良き夢、かぁ。
こんな状況で見れるわけ、ないんだよね…。
なんて思いながらも、眠気には耐えられず、そのまま眠りへと落ちて行った。
- chapter1 ノエロコリ ( No.25 )
- 日時: 2023/01/24 11:50
- 名前: アルズ (ID: 9s66RooU)
『キーンコーンカーンコーン…』
『希望ヶ峰学園学園長からお知らせいたします!
オマエラ、朝の7時ですよ! 本日も学生の本分を忘れぬよう努めましょう!』
アナウンスで目が覚める。
夢見は悪くなかった。
というより夢を見ることがなかった。
本来、夢は見ていてそれをそのまま忘れているだけ、とも言うことを友人に聞いたことがある気がする。
あの子、今はどうしているのかな…。
ううん。考えてたらここから出る…つまるところ『コロシアイ』に加担するということになってしまう…。
なので考えないことにする。
申し訳…ないけれども…。
着替えてマフラーを巻き、私は廊下を出て、食堂へと向かう。
「おはよう、みんな。」
「おはよー!」
「おはようございます。」
「おはようございます文月さん。今日もお早いですね。」
「詩乃早いねー!おはよう!」
「おはよう。」
「…おはよう、ございます…。」
私が着くと、私より支度が早く、早く起きた人たちが挨拶を交わしてくれる。
一ノ瀬君、泉君、牧里さん、野々坂さん、柚月君、諏訪野さん…。
この子たちはその括りの人のようだ。
「おはよ。」
「おはよう。君達は早いな。」
「おはようー! みんな早いなぁー…。」
「おっはよ~~!!」
「…おはよう。」
葉奈君、レイラさん、小深山さん、豊馬さん、漆間君がやってきた。
この子たちは私と同じ、アナウンスを聞いて起きて支度してきた子なのだろう。
時拙すれ違ったりした子もいた。
…一緒に行けばよかったかなぁ?
「はよー…。はぁ~~…ねみぃわ…。」
「おはよう~~。」
「…おはよう。」
梶浦君、戸田君、月村君が少し遅れてやってきた。
この子たちは少し朝に弱いのかもしれない。
梶浦君に関しては睡眠欲を抑えきれないのかああ言っているし、戸田君は目をこすって眠気に耐えている。
「…久遠、もう少しちゃんと歩いてくれ。」
「ん~~…。」
“久遠”という…そう、戸田君の名前を呼び、親しそうに話している。
戸田君はそれを受け入れ、頷いている。
あぁ、仲良くなったのだなぁ…と、私は瞬時に察した。
『超高校級のゲームマスター』、『超高校級のカードゲーマー』…趣味はあっているし、戸田君自身穏やかでおっとりしている。
月村君としても、付き合いやすいのだろう。 現に少し、私たちと話すより話しやすそうにしているように見えた。
「あ、みんな来てる来てるー!おっはよー!
ご飯できたからみんな食べてー!」
と、天宮さんが厨房から出てそうみんなに言う。
みんな待ってましたと言わんばかりに思い思いに自分の食事を持って行く。
もちろん私もその一人だ。 今日もご飯がおいしそうで何よりである。
考えてみたら、天宮さんは何時ここにきてご飯を作って並べているのだろうか。
やっぱり私より早く来てる子たちと同じタイミングで来ているのかな。
そう思いながら「いただきます」と手を合わせ、朝食をいただく。
…美味しい…。
毎日こんな美味しいものを食べられるなんて幸せだ…。
と、思っていた時だった。
「みんな、おはようございます!」
白黒のツートンカラー、可愛らしいデザインと禍々しいデザインを両立させている独特な熊…。
そう、モノクマが普通に食堂に入ってきてこういった。
「モノクマじゃねぇか。お前の飯はないからな!」
「ひどい…! 今日はみんなのために特別でいいものを持ってきたのに…!」
「というか物を食べられるの?」
数々の疑問が飛び交う中、彼は気になることを口にした。
「…いいものって?」
私がそう言うと、モノクマは待ってましたと言わんばかりにニヤリとし、独特の声音で喋り出す。
「よくぞ聞いてくれました!
…みんな仲良くしてて全然コロシアイしてくれないから、なんでだろうって思ってたの。
でもボク、わかっちゃったのです…! この空間、状況…足りないものがなんなのか!
そう、“動機”だよね…!」
と、言うと彼はドサッと何かを置く。
それは段ボール箱のようで、中からカチャカチャとプラスチックかガラスが当たる音がした。
「なんでしょうこれ…。」
と泉君が開いたそこには…
「…D、VD…?」
そう。DVDが入っていた。
ケースには各々名前が書いており、全部で16個ある。
「視聴覚室、開いてるからぜひぜひ見て頂戴な。
ではみんな、素敵なコロシアイを過ごしてね!」
そう言うとモノクマは姿を消す。
動機…そう言われたものは、段ボール箱…から泉君が出して確認したもの以外箱に収まっている。
泉君が取り出したものは、因果か何か…泉君自身のものだった。
「どうしましょうこれ…。」
彼自身も“それ”をどうしようかわかっていないらしく、手に余らせている。
おろおろしている様子は、私たちが今置かれている状態と同じだった。
「…見てみよう。」
私がそう言うと、みんなはバッとこちらを見た。
「詩乃ちゃん本気か!?」
「…でも、これどうしようかわからないなら見たほうがいいよ…。」
「モノクマに渡されたものだよ!? 碌なものじゃないって!」
「確かにそうかも知れない…。」
「それでも…」
「見ようよ。この状況を乗り越えるためにも…。」
そう言うと、皆は自分たちのDVDを箱から取り出し、視聴覚室へと向かっていった。
無論私も。
視聴覚室にたどり着くと、みんなモニターを付け、機械にDVDを吸い込ませる。
私もそうした。
そして、起動する。
『あー…、あー…、聞こえているか?』
教室の一室で酷く目つきの悪い、不愛想で、無表情の男の子がマイクテストをしている。
『うん、聞こえているようだな。
希望ヶ峰学園、入学おめでとう。 自分の事のように誇らしい…って言っちゃ嘘になるな…。 俺、少しお前に嫉妬している。』
中学からずっと一緒だった私の友達。
その友達は冗談交じりで本心を露にすると、苦笑いを零した。
『まぁ、なんだろう。 嬉しいのは本当だし、誇らしいのも本当だ。
だからさ…、頑張れよな。』
無愛想だった、無表情だった、その表情は苦笑いからふわりとした愛想のいい笑顔になる。
『あとさ、俺、お前に言いたいことあって…』
と、言った直後だった。
…砂嵐。
彼のいた教室は悲惨な状況へと変貌した。
教室は殺人鬼が襲ってきたかのように、荒らされておりどこを見ても無事な個所を見ようとしてもそんなところはなかったようだった。
それを見せつけるかのように、ボロボロの状態で倒れ伏していた。
壁にもたれかかる様にして倒れており、血が滲むように制服が濡れているのがそこにあった。
『ヒュー…ヒュー…』
そう微かな息がされているのが耳をすませば聞こえる。
生きている…が、生きていることが奇跡的なものだった。
『文月 詩乃さん、貴女のお友達の安否はどうなるのでしょうか!?
生きてる? 死んでる?
その気になる結果は――――――――――卒業の後で!!』
そうふざけた声音が聞こえた後、プツリとその画面は閉じた。
「へ…? なにこれ…?
なにこれ!?」
「…嘘だ…。信じないぞ…!?」
みんなはそのビデオの内容に驚いたようで、椅子が倒れる勢いで立ち上がる子が多かった。
私は、呆然とそのビデオを見ていたのがわかっている。
わかっていた、というより…わかりづらかった。
わからなかった。私の大事な友達が…あの子が…、死んでしまっている可能性があるのだから…。
頭がそれだけを支配する。
「出ないと…ここから…出ないと…」
そう呟かれた、声が聞こえた。
「そうだ! ここから出ないと!
家族が…家族が…!!!」
「お父さん…! お父さん…!!」
「いけません皆さん!! 落ち着いてください!!
こんなの、大嘘に決まっています!」
泉君がそう声を張る。
それを言われて私はハッとする。
…こんな状況に落とし込んだのは私じゃなかったっけ…。
そう思うと見てしまった友達の惨状をいったん忘れ、立ち上がった。
「そうだよ! こんなの嘘だよ!!
だからみんな落ち着いて…!」
「落ち着いて、くださいだって~~??
でもさ、この光景は“本物”か“嘘”かは今のオマエラにはわからないことだよね?」
と、モノクマが割り込む。
いつの間に入り込んだのだろう。その疑問をぶつける前に彼は言葉を続ける。
「そのための『絶望』! そのための『動機』!!
オマエラの絶望だけがボクの生きがい…!
さあ、オマエラ思うようにやっちゃえよ! 思う存分殺しちゃえよ!
ここは、秩序も倫理観も捨てれる“ボクの希望の学園”なんだよ!!」
高らかにそう言った。
何も考えられなくなった。
みんな、言葉を失った。
「じゃあ、オマエラ好きにしていってね。
頑張って殺しちゃってねー!」
と、モノクマは言いたい放題言って消えていった。
「…私は少し、頭を冷やしてくる。」
「あたしも…。ごめん…。」
「私も…失礼します…。」
と、続々と彼ら彼女らは視聴覚室から出て行った。
みんなのその顔は青ざめており、誰もかもその“動機”に頭を悩まされていた。
「ぁ…。」
引き留めようとして出なかった私のか細い声は視聴覚室に響き渡ることなく、みんなの歩く音がその声をかき消した。
この場に残ったのは私と、柚月君と、泉君と、戸田君、月村君、豊馬さんだけだった。
「ねぇ、みんな大丈夫~?
…な訳ないよね~…。」
戸田君のその言葉に皆俯く。
「…僕、どうすることもできませんでした…。」
泉君はこんな状況でもみんなのことを考えてくれている。
…だというのに私は…。
「私、やめとけばよかった…。あんなこと、言わなきゃよかった…。
どうしよう…これでみんなコロシアイを…誰かが誰かを殺すなんて状況になったら…。」
目頭が熱くなってぽろぽろと涙があふれてくる。
ぽたりと床を濡らせば、柚月君が近づいてきて、泣いている私の背中をさすりながら
「…、文月さんが言わなくても、みんな…見ていたと思うよ…。
あんなこと言われたら、嫌な予感がしても、見たくなってくるだろうし…」
と、諭してくれた。
「んでさ、ぶっちゃけ聞くけどみんな何写ってた?」
「…嘘だろ…。こんな状況で聞くのか…?」
「気になるでしょ? 」
「…どうしても言わなきゃダメ?
私、思い出したくもないよ…。」
そう言えば、豊馬さんは「仕方ないかぁ」と言いながら椅子を動かし、立ち上がる。
「どこ行くんですか?」
「漆間君のとこ~~。じゃあね~~。」
彼女は今までのことを気にもしないような形で出て行った。
…そう、本当に気にもしていないような感じで…。
「強いなぁ…。」
「あれは無神経っていうんだよ~。
…ともかく、ここにいても始まらないよ~。
俺達も、出て頭冷やそう。」
真面目な顔の彼にそう言われ、その通りに身体を動かす。
柚月君に支えられ、私は自室へと戻り布団へと身体を沈めたのだった。
- Re: ダンガンロンパad lib0 ~こんにちは絶望学園~ ( No.26 )
- 日時: 2023/01/31 23:20
- 名前: しゅんぽこ (ID: gbzlRnBz)
ども!しゅんぽこです!
ついに最初の動機が発表されましたか・・・
これがきっかけで事件が発生するっていうケースが多いですからね・・・
果たして、4日目はどんな展開になるのか!?
それでは!