きらきら村での生活~魔法の世界へと 作者/零紋 ◆wkpoUGR676

第1話「平穏な世界から」
「はぁ~ぁ、何時もつまんないなぁ……」
こんなふうに毎回溜息をつくのは、あたし『ひかる』。
毎日毎日飽きるくらいに溜息をついている。
溜息をつく時に頬杖をつくのも、もう日常茶飯事……、所謂、当たり前ってことになってる。
「まーた、ひかる溜息ついてんの?
アタイみたいに活発だったのにぃ!」
あたしに対してブーイングしてくるこの子は『リリアン』。
あたしと1番仲の良い子。
「流石にここまで何もないと溜息つくって!」
あたしは右手をギュッと握り、リリアンに言う。
それは意味のない、無駄な行動ってことになるけどね。
「じゅーぶん色々あるじゃん!」
リリアンは両手をあたしに向けてビッと広げ、1回回ってそう言った。
「まーた、喧嘩してるんですか?」
「「さくらちゃん!」」
この子はさくらちゃん。
あたしともけっこう仲の良い、人間の女の子。
人間はあたし達2人だけなんだよね──。
「だってさ、さくらちゃーん!」
「ちょっ・・・!あたしは悪くないでしょう!」
リリアンはさくらちゃんの手を握って、大袈裟に言おうとしてる。
そんなことされると面倒だし、あたしは悪くないから強い口調で止めに入る。
「はいはいストップストップ! もうその辺で終わりー!」
さくらちゃんが手をパンパンと叩いて言う。
「あ~・・・もう腹立つっ!」
「何言ってるんですか。
『喧嘩するほど仲が良い』って言いますよ」
さくらちゃんがにこにこ笑いながら言う。
そんな姿をあたしやリリアンは納得いかないように見ている。
変哲のない、只の日常……。
こんな平穏な世界から抜け出す時は来るのかな──?

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