俺はお前のコト何か全然ッ!好きじゃないんだからな!!
作者/礪月 ◆Ui8SfUmIUc

一章 素直になれないツンデレ。 一話 何すんだヘンタイ!!
朝、この少年暁月 雅魅(アカツキ ミヤビ)はある妙な違和感を感じていた。体を舐め回す様なこの感覚。
少し、目を開いてみる。すると…
「う~ん、いいねぇ雅魅の綺麗な足!!」
「何してんだこのヘンタイぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!!」
ガバァと起き上がり、雅魅の足をスリスリしていたヘンタイを蹴り落とす。「ギャフッ」と声を上げ、ベッドから落ちる。
「痛いなぁ~お兄ちゃんには優しくしてよお!!」
「こんな変態を〝兄″だと思ったことねぇよバカ!」
そう。この男は雅魅の兄なのである。名前は暁月 魅夜(アカツキ ミイヤ)弟もとい雅魅を愛してやまない要は変態とブラコンである。重度の。
雅魅は紫色の髪をガシガシ掻きながら、ハァと溜息を零した。
「んで、何の用だよ兄さん」
「お兄ちゃんと呼んで…ギャフ!」
馬鹿なことを言う魅夜を蹴り、髪を掴む。
「だーかーらぁ、何の用だって言ってんだよ!」
鬼の形相で魅夜を睨む。…が、それは魅夜には効かなかった。
「かっこいいねぇ雅魅ぃぃぃぃぃっ!!!!」
毎朝、この調子である。
雅魅は魅夜を殴る。が、魅夜には効かない。
雅魅は心の中で兄はドMなのではないか…と思っている。
「僕は、雅のこと大好きなのに…」
二話 誰がツンデレだ!
「ま~た、朝からテンション低いわねぇ、しっかりしなさい雅魅!」
バシィと背中を叩かれる。叩いた張本人は幼馴染の京子 ニイナ(ミヤコ)雅魅は「いてぇ!」をいい、涙目でこう訴える。
「何すんだよ!この暴力女!!」
「なんですってええええええ!!!」
いがみ合う二人。日常茶飯事なので誰も止めはしないが。
「シャッターチャンス…」
「お前は何なんだああああああ!!!!」
カメラを片手にもち、キラリと目を光らせる男を殴る。
それは高等部にいるはずの魅夜であった。
「さっさと戻れ!ウザイんだよ!!」
「ツンデレキタ…!もっと言って!!」
魅夜の一言に雅魅はカアアッと顔を紅潮させる。
「誰がツンデレだ!可愛いとか言うなよ!」
「言ってないけど」
そのお決まりとも言える、言葉に余計顔を赤くさせる雅魅。この反応が面白くていつも遊ぶそうだ。
「早く帰れよ…バカ」
魅夜はその可愛い雅魅に心を奪われた。
ああッいつ見ても可愛いなぁ。でも、雅魅は僕のこと、好きじゃないんだろうなぁ~

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